逃げ上手の転生記 〜亀有の破天荒警官と〜   作:虹武者

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時行式駿馬調教術

 ある日、両津と時行は…

 

「行けぇ!」

 

 競馬場にいた。両津が競馬するのに時行が付き合っていた。時行が馬が好きだと知った両津が連れてきたのだ。

 何度も金を注ぎ込んでは当たっり外れたりしている。時行は馬をジーと見ている。すると、次のレースに出る馬がモニターに流れた。振り向いた時行は騎手を乗せて歩いている映像を見る。

 

「どうした時行?」

「あの10って書いてある馬は逃げが得意ですね。」

 

 時行のアドバイスを聞いた両津はすぐに次のレースに出る馬を見せた。時行は映像と名前を何度も見る。

 

「この馬とこの馬は逃げが得意です。この馬は調子がいいです。」

「分かるのか?」

「諏訪でどれだけ馬に乗っていたと思っているのですか?」

 

 得意気に話す時行を信じて両津は時行が選んだ馬に賭ける。レースが始まると時行の予想通りの結果となった。そのおかげで両津は大勝ちした。

 

「よくやった時行!次はこれ頼むぞ!」

「•••このサスケンランナーって馬が調子いいです。後はみんな同じ感じですね。」

 

 時行の言う通りに賭ける。すると、時行が言った通りサスケンランナーが1着馬となった。両津はますます調子に乗って時行が選んだ馬に賭けていく。そこから全て時行の予想通りになった。結果、両津は今までにないほど大儲けした。周りの人達も驚いている。

 翌日も両津は時行を連れてボロ儲けしている。そこに初老の男性がやってきた。両津の知り合いのようだ。男性は時行を見ると両津に声をかけた。

 

「両さん。」

「よぉ!健坊じゃねぇか!」

「ちょっと話が…」

 

 両津は健坊が案内した馬厩舎に向かう。時行も一緒だ。中に入ると元気のない競走馬がいた。

 

「最近、元気がなくてな。ちょっと見てくれないか?」

「何でわしが?」

「両さんじゃない。彼にだ。」

 

 そう言って健坊は時行のところに来た。片膝着いて時行と目線を合わせる。

 

「昨日、一目見ただけで馬の体調とかが分かる少年がいるって噂になってね。今日見てピーンときたんだ。君がそうだとね。」

 

 健坊は両手を合わせてお願いする。時行はチラッと競走馬を見る。そして、頷いた。

 

「分かりました。私で良ければ力になります。」

「ありがとう!」

 

 時行は早速競走馬に近付いて触診する。いろんなところを触って馬の反応を見る。すると、お腹を触った瞬間、微かに馬が嫌がった。

 

「病気などは分かりませんがお腹に異常がある可能性があります。」

「分かった。もう一度調べるぞ。」

 

 後日

 

「本当にお腹が悪かったよ!さすがだね!」

 

 健坊が時行にお礼を言う。それを見た両津が何か企んだようで健坊に近寄り提案してきた。

 

「これから競走馬の調教を時行に手伝ってもらうのはどうだ?」

「いいのかい!」

「ただし!わしが一緒なのと一回1万だ。」

「やっぱり。」

 

 健坊は最初は渋るが時行の能力を高く評価しているため両津の提案に乗った。早速、時行は競走馬に乗って軽快に走った。それを見てみんな驚く。

 

「あの子凄いな。競走馬を乗り熟しているよ。」

「時行は昔から馬に乗るのが大好きでよく乗っていたらしい。」

 

 時行の才能に両津は利用出来ると考えた。楽しそうに馬に乗っていた時行が両津の前で止まった。馬から飛び降りた時行は爽やかな汗を拭い取る。

 

「どうでした!?」

「凄かったぞ!そういえば、お前弓も得意だよな?」

「え、ええ。」

「もしかして、流鏑馬のように馬に乗りながら弓を射るなんてことが出来るのか?」

「はい。戦場ではで主に馬に乗りながら矢で攻撃してました。」

(こんな子まで戦争する時代なんだなぁ。)

 

 時行が本来生きていた時代に改めて驚く。2人が会話していると健坊達が来た。

 

「両さん、時行君を調教に付き合わせてくれないか?彼なら軽いから馬の負担にもならないしあんなに馬に好かれる子供なんてなかなか居ないよ。」

 

 健坊達がお願いする。すると、両津は指で5万円で契約するように促した。

 

「りょ、両さん…1万でお願い出来ないかな?」

「いや、5万だ。」

「2万!」

「5万。」

「3万で!」

「譲らん。」

「4万で頼む!」

「ダメだ。」

「あ〜!分かった!5万で契約だ!」

「よ〜し!契約成立だ!」

 

 両津はニヤニヤしながら握手する。両津が時行にこの場にいる馬達の調教に付き合うように言う。時行も馬に乗れるとノリノリで付き合う。

 

鎌倉にいた頃の馬と比べて大人しい。これならすぐ乗りこなせる!

 

 馬に乗っている時行は普通の子供のようだった。両津は時行の才能に目を付ける。健坊達も馬を乗り熟す時行の姿に惹かれていた。

 そこからの両津は調子に乗りまくっていた。事あるごとに時行に調教を任せ自分はちゃっかり契約料をもらっている。そんな時、両津はまた悪巧みを考えた。

 

「時行。お前、馬と会話とか出来るか?」

「さすがに無理ですよ。」

「なら、わしが言う馬を次のレースで勝つように調教してくれ。」

「え、あ、はい…」

 

 時行は一応頷く。両津は大穴になる馬を上手く調教するように時行に指示する。時行は言われた馬の前に乗って走る。しばらく走って戻ると時行は馬の顔に頭を着けて優しく撫でた。

 

「頑張ってください。」

 

 時行は目を瞑って会話で優しく馬と接する。時行の思いが届いたのかその馬が凄く頑張り両津は大穴を当てた。周りの人達は両津が大穴を当てたことにびっくりしている。

 

「よっしゃあ!これで億万長者だ!」

 

 企みは見事成功し両津はますます調子に乗った。両津は時行に勝ってほしい馬を調教するよう指示する。時行はその都度、走った後の馬達に会話で優しく接し続けた。馬達も時行の期待に応えようと必死に頑張っていく。その結果、両津は大儲けした。

 そんなある日、両津は健坊に連れられグラウンドに行くと時行が乗った馬を先頭に大量の馬が群れを成して走っていた。

 

「あれから競走馬達が時行君の言うことしか聞かなくなって困ってんだ。」

「まさか、馬まで従えるとは…」

 

 楽しそうに馬に乗る時行。両津は時行のカリスマに唖然としていた。

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