両津が時行と渚を連れて秋葉原を歩いていた。初めて見る秋葉原に時行は興奮していた。こんな大勢の人々が行き来うところなんて戦場でしか見たことない時行。平和になった日本を改めて実感する。すると、また初めて見る店を見つけた。
「あれはなんですか!?」
「あれは…メイド喫茶だな。」
両津が答える。時行がキラキラした目でメイド喫茶に入る。メイド喫茶を知っている渚がアワアワしている。両津も仕方なく渚と一緒にメイド喫茶に入る。キラキラした目のまま席に座っている時行のところに向かい座る。
「どうだ?初めてのメイド喫茶?」
「珍妙な服です。」
「そこからか。」
両津がメイドのことを教える。
「簡単に言うと便女ですね。」
「まず便女が分からないです。」
渚が難しい顔する。そこにオムライスがくる。♡を描いてくれた。メイドを見ている時行と渚を見て両津は考えた。もし、この2人がメイドになればかなり儲かることが出来るのではと。
メイド喫茶を出た両津は2人を見る。凄い美少年、下手したらそこら辺の女性より美少女だ。両津は2人に声をかける。
「お前ら、メイド喫茶をやってみないか?」
「「え…?」」
両津は知り合いがやっているメイド喫茶に半ば強引に2人を連れて行く。店長が2人を見た瞬間、電流が走る。2人は嫌な予感がした。しかし、既に遅く2人は無理矢理奥へと連れて行かれた。それから少しするとメイド姿の2人が現れた。時行には兎、渚には猫のケモミミが着いている。
「あ、あの…」
「これは…」
「似合っているぞ。」
「「嬉しくない…」」
2人のメイド姿を見た両津と店長はもちろん、他のメイド達も感嘆していた。黄色い声をあげて震えている。
「可愛いすぎる。」
「勝てない…」
恥ずかしくて赤面する2人。
「お願い!ニャンとピョンをお願い!」
「「?」」
店長が2人にお願いする。どうすればいいのか分からない2人に店長がやり方を教える。2人はさらに顔を赤くする。必死にお願いしてくる店長に断りにくい状況になってしまう。
2人は意を決してやることにする。言われた通り時行は両手を頭に乗せ、渚は猫の手をして…
「ピョン。」
「ニャン。」
鳴いた。その恥じらいの顔が店長達のハートを撃ち抜いた。中には失神する者すらいた。店長は滝のように涙を流しながら両津に親指を立てる。
「イケる!イケるよ両さん!この子達ならNo.1メイドも夢じゃない!」
「だろ。」
「両さん、そもそもこれはなんなのですか?」
時行が兎耳を触りながら聞く。
「そいつはケモミミと言ってな。今、ブームになっている。」
「ブーム?」
「社会現象を巻き起こしたけものフレンズ然りストライクウィッチーズ然り人気作品の中には周期ごとにケモミミが人気となっている。近年では異世界物で獣人という分類でケモミミの需要が高まってきている。」
両津が長々と説明してくれるが時行には全く分からない。両津は2人に顔を近付ける。そのまま両津の圧に負けてしまう。2人は両津の厳しい指導のもと、メイド道を極めていく。
「「いらっしゃいませー!」」
とうとう笑顔で接客出来るまでに成長した2人。その人気は凄まじくあっという間に秋葉原の人気者になっていた。両津はそれに味をしめさらに過激なメイド服に着替えさせる。
「両さん、さすがにこれはおかしいのでは?」
「男が着る服じゃない気がします。」
「何を言っている。今の時代はジェンダーレスだ。似合っていたら男でも女でも関係ない時代だ。」
両津は2人を洗脳するように強引に丸め込む。
(本当にそうなのかな?後で中川さんに聞いてみよう。)
疑いながらも両津の言われた通りにメイドとして接客する。その裏では両津が2人の写真をいろんなところに売っていた。人気が高く高額で売れていく。
そんなある日、いつものようにメイド喫茶で2人を働かせている。両津は2人を隠し撮りしていつものように売っている。
「ニヒヒヒヒ…まさかこんなに売れるとは、ケモミミ様々だ。」
「ほう。そんなにケモミミが好きか両津。」
「ええ、凄く売れますから…」
聞いたことある声。両津は冷や汗を掻きながら後ろを振り返る。そこには、大原部長がいた。後ろには中川と麗子もいる。両津の発言を不審に思った時行が中川に相談し大原部長の耳に入っていたのだ。中川達の後ろから時行と渚が冷めた目で両津を見ている。
「部長!?」
「子供にあんなことしてまでケモミミが見たいのか?」
「こ、これは…」
「なら…」
大原部長が両津に迫った。
「…これでケモミミが見放題じゃないか両津。良かったな。」
「部長!これ本物ですよ!わしが食べられてしまいます!」
大原部長達が見守る中、檻の中でライオンとトラの群れから逃げる両津であった。