逃げ上手の転生記 〜亀有の破天荒警官と〜   作:虹武者

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時行のアマゾンサバイバル

 時行達を乗せたヘリがアマゾンに到着する。ちなみに、時行にとっては初の海外である。カール・ヴィンソンからヘリで約12時間かけてアマゾンの一角に着陸した。そこには屈強な男達がいる。全員ジョディーの婿候補として呼ばれていた。

 

「凄いだろ時行。」

「鎌倉武士といい勝負出来そうですね。」

「鎌倉武士はあのレベルがいっぱいいるのか。」

 

 両津は何度も驚く。ボルボが候補者達のところへと向かう。その後ろを両津達が行く。両津は周りを見回していた。時行が聞こうとすると両津がジョディーに聞いた。

 

「あんたの親父はどこにいるんだ?」

「あら?既に来ているはずよ。」

 

 ジョディーも一緒になって捜す。すると、音楽が聞こえてきた。時行は初めて聞く曲にキョトンとしているが両津達は慌てていた。

 

「マズい!ワルキューレ騎行だ!」

「なんですかそれ!?」

「これが聞こえたらあの男が来る合図だ!」

 

 両津は時行を連れて伏せる。その時、上空に数機の軍用ヘリが通過した。それと同時にヘリの下部にあるマシンガンを乱射する。軍用ヘリは旋回すると両津達の前に着陸する。そこから顔や全身に傷跡があり左目に眼帯を着けた屈強な男が現れた。

 

「おい!いきなり撃つな!始まる前に候補者が死ぬぞ!」

「あの程度で死ぬ奴などにジョディーを嫁にするつもりはない。」

 

 両津が抗議する。その相手が爆竜鬼虎。通称爆竜大佐。ジョディーの父親で今回の候補者選びにアマゾンを選んだ張本人だ。爆竜大佐が周りを見る。死んでいる人は誰1人居なかった。

 

「よし。誰も死んでないな。合格だ。」

「なんですかあの野蛮な選び方?」

 

 爆竜大佐が時行に目を向けた。

 

「両津、なんだそいつ?」

「北条時行。わしの子だ。」

「両津に子供…確かに私に意見するところは同じのようだ。」

 

 爆竜大佐が時行を見ながら背中の銃に手をかける。その瞬間、両津と時行は逃げた。それと同時に爆竜大佐が発砲する。

 

「ほぅ…ゴムの模擬弾とはいえ避けるか…その少年も見込み有りだ。」

「なんでいきなり撃つんですか!?」

「諦めろ時行。爆竜大佐はそういう人だ。」

 

 抗議する時行を両津が落ち着かせる。爆竜大佐はボルボを含めた候補者達を並ばせる。何故か両津も一緒にいる。両津はボルボの付き添いのつもりで来たので抗議する。

 

「何故わしまで参加することになってんだ!?」

「お前もジョディーの婿候補者として私が選んだのだから当然だ。」

「勝手に選ぶな!」

 

 両津が抗議しても無駄だった。爆竜大佐は両津を無視してテスト内容を話す。ジャングルの向こうにムチを向ける。

 

「まずここから20キロ先に旗があるから1日で着け。」

「初っ端から地獄だろうがぁ!」

 

 両津がまた抗議する。ボルボ達も声は出さないが同意見だ。すると、ジョディーが爆竜大佐の前に出た。

 

「今回は私も参加するわ。」

「ジョディーも!?」

「私の婿選びなのに私が参加しなかったらやる気出ないでしょ。」

 

 ジョディーの参加で両津以外が了承した。両津も渋々参加することにする。すると、時行が挙手した。

 

「私も参加します!」

「子供の遊びじゃない。」

「もちろん承知しています。」

 

 時行は両津を横目で見る。両津と一緒に行きたいのだろうか。両津も気付き棄権させようとするも時行の目を見て何も言わなかった。ジョディーが時行の参加を認める。

 

「いいじゃないパパ。」

「ジョディー…」

「彼、なかなか出来る子よ。」

「•••良いだろう。」

 

 時行も参加しジョディーの婿選びテストが始まった。全員一斉に走る。足場の悪いジャングルの中を突き進む。そんな中、時行は木から木へと跳び移りながら進んでいた。

 

「なんて身軽さだ!」

「あれが忍者…」

「さすが時行。」

 

 両津達も負けじと走る。その先には川があった。両津達は止まってしまう。すると、時行が川にダイブした。他の候補者がパニックになる。

 

「あいつ、知らんのか!ピラニアがいるぞ!」

「早く助けた方がいいんじゃないか…」

 

 あたふたしていると反対岸に時行が上がってきた。両手にはピラニアが握られている。元気にピラニアを振り回しながら両津を呼んでいる。

 

「なんだあいつ…」

「無傷でピラニアを捕まえやがった。」

(さすが時行…)

 

 候補者達が驚天する。

 

「ええーい!わしも時行に負けてられるか!」

「俺も行くぞ!」

「私もよ!」

 

 両津が飛び込む。それに続いてボルボとジョディーも飛び込んだ。それに続く者もいれば別のルートを探す者もいる。両津や時行を含めたトップ陣はある程度走ると一休みした。みんな座って休んでいるとジョディーが突然脱ぎ出した。時行は顔を真っ赤にしてボルボは鼻血を噴き出す。

 

「おい!なんで脱ぐ!?」

「濡れたからよ!」

「人目のない所で脱げ!」

 

 両津は慌ててジョディーを遠ざける。候補者達はジョディーのヌードを見て興奮している。両津が戻ると鼻血を出して倒れているボルボに時行が話しかけていた。

 

「両さん、どうしたんですかこの人?」

「ボルボはな、女に免疫がないからあれで一発KOだ。」

 

 とりあえずボルボは放って置く。火を起こして服を乾かす。時行が捕まえたピラニアで腹を満たし再び旗に向かって進む。そして、やっと旗のところに着いた。既に爆竜大佐が待っている。それからも数人が到着しタイムアップとなった。

 

「残ったのは6人と北条か。なかなか見所はあるようだ。」

「ありがとうございます。」

 

 時行は会釈する。爆竜大佐は両津達の前に動物の肉を持ってきた。

 

「これを着けろ。」

「なんで?」

「口答えするな!」

 

 爆竜大佐が銃を撃つ。両津が逃げる。仕方なく肉を背中に括り付ける。すると、目の前の川に肉を投げた。その瞬間、巨大ワニが肉を丸呑みした。唖然とする両津達。

 

「あの川を渡れ。」

「ふざけるなぁ!完全にわしらカモネギじゃねぇか!」

「あのワニはこの辺りで100人喰いと呼ばれた殺人ワニだ。」

「そんな情報いらん!そんなの聞いて行く奴など…」

「逃げてみたい。」

「いたぁ!」

 

 興奮している時行に両津は跪く。これにはボルボ達もさすがに引いていた。とにかく時行が行かないように両津が抑えながら作戦会議を始める。

 

「こうなったら全員で突撃するしかない。」

「確かにそれが一番生存率が高い。」

 

 全員意を決して川に向かう。しかし、両津の作戦など聞いていない時行が単身川に突撃した。両津達が慌てて追いかけるも川にダイブしてしまう。そのまま川が激しく波打つ。すると、100人喰いから楽しそうに逃げている時行がいた。時行はそのまま川を渡り切り逃げた。

 

「お前ら、子供に負けてるぞ。」

「あれは時行が特殊なだけだ。」

 

 両津達は作戦通りに行く。全員で川にダイブする。すると、候補者の1人が戻ってきた。100人喰いがその1人を追いかけ上がってくる。肉を捨てて逃げる。

 

「俺かよぉ!」

「貴様は失格!」

「結構です!」

 

 岸に上がった両津達が見守る中、爆竜大佐が100人喰いの前に立つ。前に歩く爆竜大佐に対し圧に負けた100人喰いがジリジリと下がる。

 

「貴様!それでも100人喰いと恐れられたワニか!」

「凄いな。7m超えのワニが逃げたぞ。」

 

 なんとか抜け出せた両津達。爆竜大佐が就いて来いと案内する。途中、ジャガーやアナコンダに襲われるが全て返り討ちにする。時行はジャガーやアナコンダから逃げたいとウズウズしていた。そのまま進むと村があった。爆竜大佐が止まる。

 

「最後はあの村を通過しろ。」

「今までと比べたらマシか…」

「ただし、全裸でだ。」

「待てぇ!」

 

 また両津が抗議する。時行に至っては顔中真っ赤にして震えていた。

 

「なんで全裸なんだよ!?」

「あれはコポヤム族と言って普段は温厚だが自然破壊する者には容赦無く襲い食べる民族だ。」

「だから、その説明で行くやつなどおるか!」

「私が行くわ。」

 

 ジョディーが先陣を切る。両津がずっこける。ジョディーは躊躇いなく全裸になっていく。またボルボが鼻血を出して倒れる。

 

「おい!あんたの娘大変なことしてるぞ!」

「ジョディーならこれぐらい出来て当然だ。」

 

 ジョディーは全裸になるとコポヤム族の集落に突入した。コポヤム族は槍で攻撃するがジョディーは返り討ちにして突っ切って行った。両津達はジョディーを見てポカンとしている。

 

「行け。」

「無理です!」

 

 時行が真っ先に反対する。

 

「貴様!上官の命令が聞けんか!」

「私はあなたの部下ではありません!」

「うるさい!」

 

 爆竜大佐が鞭を振るうが時行は避ける。

 

「爆竜、時行は全裸が嫌なんだ。普通に行く分には問題ない。」

「そうか…ならそのまま行ってみろ。」

 

 爆竜大佐がそう言うと時行は集落に向かって走り出した。その顔は興奮で赤くなっている。コポヤム族はまたかと槍を突き出す。しかし、時行は全て避けた。それにはさすがの爆竜大佐も驚いている。

 

「ほぅ…素晴らしい。彼が結婚出来る年齢なら候補者に選んでいたかもな。」

 

 時行はそのまま集落を突っ切って逃げた。次は誰だと爆竜大佐が睨む。両津達は行きたくないと目を反らす。そこにティッシュで鼻を詰めたボルボが前に出る。

 

「やはりお前は行くか。」

「もちろんです。大佐、ペンを貸していただけないでしょうか?」

「いいだろう。」

 

 ボルボはペンを借りると自分の顔にヒゲを書いた。そのまま全裸で集落に突入する。コポヤム族は警戒して槍を構える。その瞬間、ボルボが突然踊り始めた。コポヤム族はパニックになっている。

 

「あれは…志村けんの変なおじさん!」

「なるほど。未開の部族にとってあの踊りは不可解なものだ。突然踊られたらパニックになる。」

「どうなってんだ日本。」

 

 候補者の1人が呟く。ボルボは最後にだっふんだするとコポヤム族は全員倒れた。

 

「ノリいいなあいつら。」

 

 ボルボはそのまま集落を突っ切る。その先で鼻血が噴水のように飛び出した。ジョディーがまだ全裸のようだ。爆竜大佐が両津達を睨む。両津達は全員棄権した。結果、合格したのはボルボだけだった。

 

「最後はジョディーと対決して勝て。」

 

 ジャングルの中に設置されたリングの上に上がるボルボとジョディー。時行は応援するが両津は呆れた顔で見ている。

 

「両さん?」

「時行、この結果はもう見えている。」

「え?」

「ジョディーの裸を見ただけで倒れる奴があの胸の密着に勝てると思うか。」

「あ…」

 

 ゴングが鳴る。先制攻撃したのはボルボ。ジョディーを掴み投げる。そのまま抑え込もうとするがジョディーの胸が当たる。それに反応し鼻血が出る。それでも負けじと抑えるが胸が顔に当たりボルボの鼻血がさらに溢れてくる。ジョディーはその隙を着いてボルボを絞める。さらに胸が顔に密着する。そのままボルボは鼻血を噴き出して気絶した。

 

「あれ?ボビー?」

「今回もダメか。」

「分かりきった結果だな。」

「ボルボさん、大変ですね。」

 

 動かなくなったボルボを見て心配する時行と呆れる両津であった。

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