ある日、両津と時行は両津の知り合いだという円川の家に向かっていた。両津が時行に見せたいものがあると連れて来たのだ。円川の家に入る2人。出迎えてくれた男性が円川だ。円川の案内の元部屋に入ると壁一面に怪獣ソフビが並べられていた。圧巻の光景に時行が驚く。
「凄いだろ!円川はこういうのを集めるプロだ!」
「照れるねぇ〜。」
両津が褒めると円川がニヤニヤしていた。彼はこういう怪獣ソフビを集めるのを趣味としている言わば怪獣マニアだ。
「そもそも怪獣ソフビってなんですか?」
「いい質問だね。元々は1966年ウルトラQのテレビ放映に合わせてマルサン商店より発売されたソフトビニール製の人形が始まりだ。最初は色も本物からは程遠く精巧からは離れていた。」
円川は時行にベムスターのソフビを見せる。
「しかし、バンダイの関連会社ポピーが引き継ぎ怪獣の数も増えるとより小さくより頑丈な素材のソフビが登場した。その結果、ギエロン星獣やバキシムの他に人気怪獣となったタイラントが発売され子供人気に火が着いた。」
円川は今度はタイラントのソフビを時行に見せた。時行は長い話に着いていけてない。
「そして、バンダイがより正確により小さいソフビを発売!これがさらに火を着けた!当時大人気だったティガ、ダイナ、ガイアの怪獣はもちろん、再び人気になったゴモラやバルタン星人、レッドキングも初期より本物に似せたソフビが発売された!」
円川がゴモラのソフビを見せる。確かに見た目は違うがそもそもゴモラを知らない時行にはどう精巧になっているのか分からない。
「最近は材料費の関係などで小さく稼働部位が減ったソフビが増えたがその精巧さは失われることはなかった!」
円川は時行にゲードスのソフビを見せる。頭の触覚を伸ばして見せるも時行は無表情だ。
「円川、時行はウルトラシリーズを見てないから理解出来てないぞ。」
「何!?両津、こういうのが好きだから連れて来たんじゃないのか?」
「こういうのを知らないから連れて来たのだ。時行にいい刺激になると思ってな。」
怪獣ソフビの列をジーと見ている時行。円川は時行をこちら側に入れようといろいろ教え始めた。
「時行君、怪獣ソフビは奥深いよ〜。」
「は、はぁ…」
「例えば、怪獣ソフビを並べることで怪獣の進化が分かる。まずはゼットン。次にゼットン二代目。次がEXゼットン。これがハイパーゼットンイマーゴ、こっちがハイパーゼットンシザーズだ。」
「全部同じじゃないですか?」
「全然違うよ!怪獣人気投票1位のゼットンもダメなのか!?」
円川はゼットンの前に跪く。両津がさすがに円川が惨めだと思い時行に適当に褒めるように言った。時行はとりあえず褒めようと近くにあった怪獣ソフビを前に出した。
「こ、これはなんですか!?」
「それは破壊獣モンスアーガーだね。」
「ではこれは!?」
「用心棒怪獣ブラックキングだ。」
「そ、それじゃあ…これは!?」
「甲殻怪地底獣ゾンネルさ。」
「な、ならばこれは!?」
「閻魔獣ザイゴーグだ。」
「す、凄いです!私は知識の豊富な人を尊敬しています!」
「そ、そうかい!それは良かった!」
(時行の奴。怪獣じゃなく別の方を褒めたか。)
時行に褒められ鼻を高くする円川。それに火が着き自慢話を始めた。時行は溶けそうになる。長い自慢話に両津もうんざりし始めた。
「特にこのUキラーザウルスなんて当時は3千円だったのが今だと25万もするからね。」
「何!?」
両津が反応する。
「こいつ、こんなに高いのか…」
「こんなに大きい怪獣ソフビは今じゃ珍しいからね。このギャラクトロンも千円が10万で取引されることもある。」
「怪獣ソフビは儲かるのか。」
「大体がプレミア価格だけどね。」
両津が怪獣ソフビをマジマジと見つめる。
「円川!お前の倉庫に探せばこんなのが見つかるか!?」
「探せばね。でも、結構昔のソフビだから見つかるかどうか分からないよ。」
「構わん!時行、手伝え!」
「えぇ〜!」
両津は時行を連れて出て行く。それから…
「もう諦めましょう両さん。」
「ダメだ!千円が10万になるんだぞ!そう簡単に諦めてたまるか!」
怪獣ソフビに囲まれザムシャーの怪獣ソフビを見つめながらボ〜とする時行とレア物の怪獣ソフビを探し続ける両津であった。