ある日の派出所、それで両津と麗子が喧嘩していた。
「両ちゃん!また私の鯛焼き食べたでしょ!」
「悪かった!麗子のだと知らなかったんだ!」
時行は珍しい喧嘩にあたふたしている。
「ほらっ!わしの鯛焼きやるよ!あんこたっぷりの鯛焼き!」
「私が食べたいのはクリームチーズよ!」
麗子はそう言って両津をビンタして去って行った。時行が心配するも両津は悪態をついて椅子に座った。
「まったく。そんなに大事なら名前を書け。」
「それが鯛焼きなんですか?」
時行が両津の持っている鯛焼きを見て聞く。時行の想像していた鯛焼きとは違っていたようだ。両津は試しに買った鯛焼きを時行に食べさせる。時行は一口食べた瞬間、味わったことない甘味とフワフワな生地に驚いていた。
「この生地がフワフワで甘いですがあんこの渋みが絶妙に中和されて食欲を唆ります。」
「時行、お前評論家になれるかもな。」
時行が鯛焼きをパクパク食べる。それを見た両津はニヤリと笑った。
「時行、鯛焼き作ってみないか?」
「作ってみたいです!」
2人は早速知り合いに頼んで鯛焼きを作る機械と材料を揃えた。
「両さんって知り合いの幅凄く広いですよね。」
「これもわしが成せる人情の結果よ。それより…」
両津は鯛焼き機に生地を流しあんこやカスタードクリームを入れる。出来上がった鯛焼きを時行に渡す。時行はカスタードの鯛焼きを食べて驚いた。
「これも凄い甘くて美味しいです。」
「だろ。鯛焼きはおにぎりと一緒で生地がシンプルだから何にでも合う。例えば…」
両津はそう言ってチョコレート、キャラメル、クリームチーズ、マロンクリーム、カボチャ、蜂蜜、ジャム、シーチキン、ミンチ、カレーとなかなか見ない鯛焼きを出してきた。
「凄いありますね。」
「それにこういうのもある。」
「これは…先程よりモチッとしてますね。」
「生地に米粉を混ぜた。」
時行が美味しそうに鯛焼きを食べている。両津は新しい鯛焼き機で作った鯛焼きを時行に見せる。時行の顔が着いた鯛焼きだった。
「気持ち悪っ!」
「時行と鯛焼きを合わせた時焼きだ。」
「なんですか…この…人面…魚?凄い不気味です。」
「これで時行を食べることが出来る。」
「私を食べるってなんですか?」
「さらに…」
両津が少しの間どこか行く。すると、鯛焼きの形をしたキッチンカーが現れた。頭には時行と同じ髪型のオブジェがある。時行は唖然としている。
「たいやきくん2号改め時焼きくんだ!」
「2号ってことは1号があったのですよね?どうなったのですか?」
「•••炎上した。」
「えぇ!?」
両津は上を向きながら時焼き機を時焼きくんに設置する。
「これで移動販売するぞ。絶対人気になる。」
両津は時行を連れて早速近くの駅前で販売を開始する。時行を客寄せパンダみたいに店の前に立たせるとあっという間に行列が出来た。時行が客から注文を取り両津がその場で作る。効率的に続けた結果、店を開いて1時間で完売した。
「よし!この調子でどんどん売るぞ!」
両津は材料を揃えるとさらに、肉まんの生地を使った時焼きまん、サッと揚げる揚げ時焼き、生地代わりに餅を使った焼餅時焼き、生地にチョコチップを入れたチョコチップ時焼きなどを開発し売りまくる。
両津の発想と時行の集客力のおかげで売り上げは鰻登りだった。そんな時、いつものように時行が接客していると警察官が来た。
「君。」
「はい!なんでしょうか?」
「許可はとっているのかね?」
「許可?」
よく分からない時行は警察官を両津のところに連れて行った。
「両さん。」
「なんだ!」
「警察です。ここで営業することについて許可をとっているのかお聞きしたいのですが。」
ギクッとする両津。両津の顔中から汗が垂れてくる。両津はしばらく黙った後ニコッと笑った。
「許可ですね!少々お待ちください!…え〜と…おかしいなぁ…時行、探すの手伝ってくれ。」
「あ、はい。」
時行が時焼きくんに乗り込んだ瞬間、両津は時焼き君を走らせた。警察官が止まるように言うが聞かない。時焼きくんはそのまま高速道路に入る。
「りょ、両さん!?許可というものをとっていないのですか!?」
時行が飛んでる生地や調理器具、油を避けながら両津に聞く。その時、油が静電気で燃え火事が発生した。時焼き君の後方が燃える。
「両さん!火事です!」
「走って鎮火させる!時行!なんでもいいからかけて消火を手伝え!」
「はい!」
時行は言われた通りにその辺にあったものをかける。予備の油だった。炎はさらに燃え広がる。
「あれぇ!?」
「バカヤロー!」
時焼き君が爆走する先には横転したタンクローリーがあった。どうやら事故を起こしていたようだ。そこには大原部長と中川がいる。
「爆発しなかったのが奇跡ですね。」
「そうだな。あとは…」
大原部長が振り返る。その先に燃えている何かがこちらに向かって来ていた。中川や周りの警察官達も気付く。
「なんだあれ!?」
「退いてくれ〜!」
「両津!?」
大原部長達は慌てて逃げる。しかし、スピードを出し過ぎた時焼き君はブレーキを踏んでも止まることなくタンクローリーに突っ込んだ。その結果、辺り一面を吹き飛ばす大爆発が起きた。
その後
「そんなに鯛焼きが好きなら鯛焼きにしてやろう馬鹿者。」
「待ってください部長!わしを具材にしても美味しくないですよ!」
両津を睨む大原部長。その横で大原部長に拳骨された時行が中川達と一緒に巨大鯛焼き機に挟まれそうになっている両津を見ていた。