新葛飾署署長室
そこでは屯田署長と大原部長が神妙な表情をしていた。
「大原君。今年もあの時期が来た。」
「はい。署長。」
翌日
両津が署長室に呼ばれた。
「両津君、今年も体力テストの時期が迫ってきた。」
「そうですね署長。わしと左近寺とボルボ以外のほとんどが体力クソ雑魚の署員しか居ないここはまた最下位でしょうね。」
「それを防ぎたいのだ!毎度君達に頼っていてはダメなのだよ!だから!両津君には彼らの体力作りをしてもらいたい!」
「なるほど…」
「もちろん、今回は署を改造するのは無しだ。」
「なら、合宿ですね。」
両津が提案する。
「短期間で体力増強させるにはやはり合宿が一番でしょう。」
「やってくれるのか両津?」
「任せてください。短期間なんでかなりのスパルタ合宿になりますが。」
「分かった。もし、君達無しで全警察署で1位を獲れた場合、ボーナスアップだ。」
「両津勘吉!全力でやらせていただきます!」
両津が敬礼して署長室を出て行った。
後日
中川財閥が管理する島に集められた新葛飾署員達。全員、署長の命令で水着を着ていた。何が始まるのか不安に思っていると竹刀を持った両津が船でやってきた。後ろには左近寺、ボルボ、ジョディー、時行がいる。
「一体何が始まるの?」
「お前らぁ!今日から1週間この島で体力強化合宿を始める!」
署員達が愚痴愚痴言い始める。すると、両津は砂浜に降りて時行が用意したスイカを竹刀で割った。それにビクッとする。
「やかましい!お前らの体力の無さに署長はお怒りだぞ!次の体力テストで1位獲れなきゃ全員給料カットだぞ!」
「「「えぇ〜〜!!!」」」
「そんな話してたっけ?」
「多分、両津の嘘だ。」
左近寺とボルボが両津の後ろでコソコソ話している。
「そんなの横暴よ!」
「いくらなんでも酷すぎる!」
「そうだそうだ!」
小町を皮切りに他の署員達も次々と文句を言い始める。すると、今度は時行が投げたスイカを竹刀をフルスイングして割った。
「うるさい!元を言えばお前らの体力の無さが原因だろうが!人に文句を言う前に自分を見ろ!まずはシャトルランだ!」
両津の怒声に全員ビビる。それに両津の言うことも一理ある。両津が時行達にシャトルランの準備をさせる。署員達は両津の指示で1列に並んでシャトルランを開始した。
そこから1時間後、大原部長と屯田署長が船で両津のところにやってきた。両津がちゃんとやっているか見にきたのだ。
「両津、調子はどうだ?順調か?」
「ダメですね。部長、見てください。」
両津が竹刀を向けた先には疲労で倒れる署員達と150を超えても平気でシャトルランをしている時行がいた。
「全員、体力時行以下ですよ。」
「なんと情けないことだ。」
「両津、それは時行君が凄いのではないか?」
「それもあります。時行はとにかく体力配分が上手い!休む時はしっかり休む!走る時はペースを維持かつシャトルランに必要な最低限の体力で走っている。なので無駄な体力を一切使ってません。その反面、スタミナが無いのに最初から全力でやった本田、雑、残念は70回以下です。これは中学生の平均以下です。」
「そうなのか…」
バテて倒れている本田達を両津が起こす。マリアや中川など着いてこれる署員はいたがほとんどが100に満たなかった。それに呆れる屯田署長。
「これは由々しき問題では?」
「大問題です。そもそも最近の日本人は動かない!コロナによる在宅勤務。それに伴うZoomなどの増加。なんでも机に座った状態で済ませる。昔のように歩いて営業なんてほとんどない時代です。歩くだけでも充分な運動になります。なのに歩かない。動くことを拒否する日本人が多い!こんなのが続くと将来日本人の大半が車椅子で仕事する時代になりますよ。誰が障害者か分からなくなります。」
「そんなに酷いのか。」
両津の言葉に大原部長達は絶句する。
「動かないからスタミナもつかないし体力配分も下手になる。とにかく歩くだけでもいいので動くべきです。私の爺さんなんて今でも元気に走れますよ。」
「分かった。両津、頼むぞ。」
「はい!お任せください!全員腕立て100回、腹筋100回、スクワット100回笑顔で出来るようにさせます!」
「た、頼んだぞ。」
大原部長達を乗せた船が帰って行く。両津は倒れている署員達を叩き起こす。
「寝てる場合か!お前ら時行以下だぞ!今日から1週間スパルタで行くからな!」
両津の迫力にみんなビビる。休む間もなく砂浜を走らされる。走り終わると腕立て、腹筋、スクワットをさせられた。両津はスクワットのスピードが遅くなっている纏のところに行く。
「どうした纏!」
「待てカンキチ!さすがにこれはキツいぞ!」
「スパルタで行くと言っただろ!妥協はなしだ!」
両津のスパルタ訓練は夜まで続く。
翌日、まだ7時だが両津が署員全員を叩き起こした。朝のランニングをやらせる。ヘトヘトになったところでおにぎりを食べさせる。みんな泣いて食べている。
「キ、キツい…」
「朝から2時間も走らされるとは…」
「軍隊じゃないんだから。」
「次は時行と鬼ごっこだ!」
両津の次の特訓にポカンとする署員達。時行は嬉しそうにジャンプしている。
「範囲はここからあの岩場までの砂浜!時行を捕まえれた者から休んでよし!」
両津はそう言って去って行く。署員達のほとんどが時行を捕まえるぐらいならと思っているが中川と麗子だけは絶望していた。それから数時間後、両津達はホテルでハンバーグを食べていた。
「両津、いいのか?放っといて。」
「問題無い。時行捕まえれたらここに来るだろ。」
「…両津、アメリカ海兵でも捕まえれない時行をここの署員が捕まえれると思うか?」
「まさかぁ…」
両津がから笑いする。気になったので見に行くと時行はまだ逃げていた。誰も捕まえることが出来ず倒れていた。中には捕まえることを諦めて休んでいる者までいる。
「まさか、3時間以上も逃げていたとは。」
「お前らぁ!何やってんだ!」
「先輩、時行君を捕まえるなんて無理ですよ。」
さすがの両津も中川達に同情したのか鬼ごっこを切り上げて昼食にした。みんな喜んで食べている。午後になっても両津のスパルタ訓練は続く。
「次はここからあのブイまで遠泳だ!あのブイに触って戻って来い!尚、あのブイより先はジョディーに頼んで機雷を設置してもらった!」
機雷という単語にぞ〜とする。文句を言おうとすると両津が時行に用意させた丸太を竹刀で真っ二つに割った。全員ビビリ遠泳を始める。時行はどうやって竹刀で丸太を割ったのか分からず丸太と両津を交互に見ている。
遠泳から戻ってくるとまた砂浜を走らせ腕立て、腹筋、スクワットをやらせる。これを夜まで繰り返した。その夜、中川達が砂浜に来ていた。
「もうすぐで呼んでおいたクルーザーが来ます。」
「さすが中川さん。」
「もうゴリラの拷問に付き合うなんてごめんよ。」
「両ちゃん、やり過ぎよ。」
「さすがにあれは体罰だよ。」
「もう無理です〜。」
中川が呼んだクルーザーが見えてくる。音を立てないようにそ~と近付く。クルーザーからハシゴが降ろされる。中川がハシゴに手をかける。その時、中川の目の前に矢が刺さった。驚いていると矢に手紙が巻き付かれているのに気付く。おそるおそる開けて見る。
『次逃げたら当てる。』
「せ、先輩と時行君だ…」
全員が戦慄する。その様子を離れたところから両津が暗視双眼鏡で覗いていた。横には弓矢を構えている時行とジョディーがいた。
「よし。命中だ。」
「凄いわね。本当にネイビーにスカウトしようかしら。」
「明日からはもっとしごいてやる。逃げるなんて考えれないようにな。」
「両さん、怖いです。」
翌日、中川達が脱走を図った罰としてさらに過酷な訓練が始まった。ランニングの量も増やし腕立て、腹筋、スクワットに加えてウサギ跳びもさせた。全員後ろ手に縛り砂浜をウサギ跳びさせる。
「両津、ウサギ跳びって効果ないんじゃないか?」
「これは脱走を図った罰だ。これで逃げようなんて奴は居なくなる。」
「どこの収容施設だ。」
ボルボの言う通りだんだん収容施設になっていく。過酷な訓練、ジョディー達が仕掛けた罠、バレたら連帯責任、たまに行われる時行との鬼ごっこ。これを1週間続けた。
そして、体力テスト当日
署員のほぼ全員が筋肉痛などで動けなくなっていた。これでは体力テストどころではない。時行が中川をツンツン指でさしている。屯田署長が汗を流しながら両津を見る。
「両津君、これは…」
「ちよ、ちょっとやり過ぎたみたいです。」
「やり過ぎたなんてレベルじゃないですよ先輩。」
「両ちゃん。これはれっきとした体罰…拷問よ。」
中川達が抗議する。大原部長と屯田署長は両津を睨んでいる。
「両津!貴様という奴は〜!」
「どうするつもりだね!?」
「い、いいじゃないですか!棄権ということにすれば最下位にならずにすみますよ!」
「そんな恥ずかしい真似出来るか!」
「こうなったら…」
体力テストが始まる。
「お前達3人で1位を獲れ。でないと給料カットだ。」
「無理ですよ部長!どんだけあると思ってるんですか!?」
「両津、やっぱりやり過ぎたんだ。」
「あと…どれぐらいあるんだ…」
「特訓もほどほどにですね。」
時行がから笑いする。大原部長達が見守る中で3人で体力テストに参加させられる両津達であった。
逃げ上手の転生記 〜亀有の破天荒警官と〜が50回を突入した記念としてアンケートしたいと思います。皆さんはどんな時行君が見たいですか?
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