高知県高知市
両津達はよさこい祭りを見に来ていた。
「よさこ〜い、よさこい!」
軽快な音楽に鳴子の音、そして楽しそうに踊る人達を見て時行は笑っていた。
「凄い迫力ですね!」
「三社祭もいいが高知のよさこいも活気があって熱い!」
静が動画を撮っている。弧太郎が鳴子を両手に持ち振っている。
「これでいい絵日記が書けそうですね。」
「折角の夏休みだ!どんどん思い出作ろうぜ!」
「カンキチ、私らは保護者として来てんだから羽目を外し過ぎるなよ。」
「分かってるよ!」
纏が両津を窘める。両津はそんなこと気にせずによさこい祭りを時行達と一緒に楽しむ。人がいっぱいで迷子になりそうになる。
「お前ら、離れるなよ。」
「は、はい!」
先頭に両津、最後尾に纏がいる。人の流れに逆らわないように進み開けた路地へと出る。暑かったのか団扇で仰ぐ時行達。
「暑いですね!」
「夏の祭りなんてこんなもんよ。」
両津がかき氷を買ってくれた。みんなでかき氷を食べる。時行は食べた瞬間頭を抑える。
「こ、これは…頭が割れるように痛い…」
「時行、かき氷はこうやって食うんだ!」
そう言って両津はかき氷を一気に口に入れ込んだ。そして、頭を抑えた。
「こうやって食って頭にキーンとくるのを味わうのが江戸っ子よ。」
「聞いたことないよ。」
纏が呆れる。時行も真似しようとするもすぐに頭がキーンとなってしまう。弧太郎も真似して頭を抑える。渚は半分でダウンする。キーンが治った弧太郎が気になったことを両津に聞いた。
「コーチ、なんでよさこい祭りって言うんだ?」
「よさこいは元々【夜さ来い】つまり“今夜いらっしゃい”という意味だというのが一般的な説だ。徳島の阿波踊りに対抗するため作られた踊りで鳴子は元々鳥を驚かして米から守るための物だ。」
「両さんってなんでも知ってますよね?」
「わしは祭りのことなら何でも知ってるぞ!」
かき氷を食べ終えて再びよさこい祭りを楽しむ。その夜はひろめ市場で食事をした。鰹のタタキやウツボの天ぷらなど普段食べない料理に時行達は興味津々だった。
「やっぱり高知は鰹のタタキと地酒で楽しむのが一番だ!」
「カンキチ、飲み過ぎるなよ。」
「凄い人集りだね。」
「明日もやるからな。」
両津はたらふく食べてガブガブ酒を飲む。結局、出来上がってしまった両津を時行と纏が介抱しながらホテルに向かった。
翌日もよさこい祭りは賑わっていた。凄まじい熱気が伝わってくる。昨日と同じように両津と纏が時行達を連れて回る。
「今日も暑いな。お前ら、熱中症にならないようにこまめに水分補給しろよ。」
「「「はい!」」」
両津達が人混みの中を歩いている。すると、亜矢が2人組の外国人と会話している人を見つけた。地図を広げて喋る外国人相手に困っていると思って見ていたらその人の後ろから別の外国人がやってきて荷物を拾い上げた。
「両さん、あの人…」
亜矢がすぐに両津に報告する。両津も外国人の動きが怪しいと判断し近付く。
「おい!お前ら!そのバッグお前らのか?」
「え?それ、俺の!」
置引きだ。外国人達はバッグを盗んで逃走した。それを両津と纏が追いかける。外国人達は二手に別れて逃げる。両津と纏も別れて追いかける。両津はすぐに外国人を捕まえバッグを取り上げた。
「ほい。」
「ありがとうございます。」
遅れてきた本当の持ち主にバッグを返す。
「こいつら、早口の外国語で相手の気を引かせて荷物を盗む窃盗集団だ。日本人は親切だからこんなのに簡単にかかる。」
「おっしゃる通りです。」
「大丈夫か纏…」
一方、纏は外国人達を追いかけている。2人組は人混みの中を強引に逃げている。この辺りの土地勘のない上に人混みのせいで纏は追いかけるのに苦労していた。
「逃げ足速いなあいつら。」
纏が人混みをかき分けながら追う。その時、脇をすっと渚が抜けた。人混みの間をスルスル抜ける渚に纏は驚いている。さらに、他の人が上を向いているので上を見ると時行が看板から看板へと跳び移りながら外国人を追いかけていた。
「何なんだあの子達。」
外国人達が商店街を抜けようとした時、上から時行がジャンプして2人の前に着地した。後ろには渚がいる。外国人達は時行の方を見て襲いかかる。時行はそれを避ける。避けているうちに外国人の動きがだんだんと読めてきた。
(そうか。この感じ。)
時行は外国人が腕を振り上げた瞬間、猫騙をした。仰け反る外国人に渚が首に手をかけて後ろに倒す。脳震盪を起こして倒れる仲間を見たもう1人の外国人が逃げた。そこに纏が十円玉を後頭部に命中させ倒した。
「さすが女銭形。やるねぇ。」
「うるせぇ!」
両津が連れてきた警察官が外国人達を捕まえる。時行達がホッとしていると後から雪長達が合流してきた。
「すげぇぜ時行。あっさりと登って追いかけて行くもんな。」
「完全に普通の小学生じゃないよ。」
「え…あ…そ、それは!両さんの動きを見て!」
「カンキチ!お前のせいだぞ!」
「わしじゃないだろ!」
咄嗟に嘘を着いてしまい罪悪感にかられる時行。両津が警察官に経緯を話す。警察官の数を増やして厳重に警備することでよさこい祭りは続いた。
よさこい祭りも終盤になり盛り上がりが最高潮に達する。串焼きや焼きそばを食べながら後夜祭を楽しむ両津達。
「なんやかんやあってもよさこい楽しめて良かったっすね!」
「はい!」
「よさこい祭りはコロナで2年連続で中止になろうが南海トラフ地震の脅威にさらされようが続いている。祭りというのは元気を贈るものであり希望にもなる。こういうところが日本人の強かなところよ!」
こうして、両津達はよさこい祭りを楽しむのであった。
逃げ上手の転生記 〜亀有の破天荒警官と〜が50回を突入した記念としてアンケートしたいと思います。皆さんはどんな時行君が見たいですか?
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