ある日の派出所
両津達はいつものように過ごしていた。両津はスポーツカーのプラモデルを作り、時行がそれを見て、中川と麗子が呆れている。すると、そこに眼鏡をかけて髭を生やした男が現れた。
「ハロー!ボンジュール!諸君、元気かね?」
「お前は…絵崎!」
突然現れたのは絵崎コロ助。こう見えて大学教授だ。絵崎を見た両津は時行を絵崎の前に出す。
「おい絵崎!お前、この子を知ってるだろ!?」
「ん〜?さぁ、こんな美少年見たことないね。」
「何!?お前、タイムマシンとか作って時行を連れてきたとかじゃないのか!?」
「タイムマシン…ああ、あれなら改良中だ。まだ実証実験すらしていない。」
絵崎の発言に両津は頭を抱えてブツブツ言っている。そんなこと気にせず絵崎が両津に話しかけた。
「タイムマシンではないが次世代の車を見せようではないか。」
「車?車で来たのか。だが音なんて…」
両津が外に出ると車があった。見た目はフェラーリに似ているが細部が違う。何よりこの車にはタイヤがなかった。代わりに半球状の鉄の物体がある。
「なんだこれ?」
「それは世界初、電磁石で走るリニアカー。名付けて”EZAKI EX“だ。」
「以前、似たようなの作って失敗しただろ。懲りん奴だ。」
両津が嫌味を言っていると突然EZAKI EXが浮いた。EZAKI EXのタイヤ代わりの球体と車体が少し離れていた。両津は驚き下がる。時行も浮かんでいるEZAKI EXに興味津々だ。
「これは車体から電気で磁力を放ちそれをこの鉄球型タイヤで跳ね返し移動する。だから、エンジン音などせん。実にエコロジーな車である。」
「未来都市予想図の常連、透明チューブの中を走る車が現実になりそうだな。」
「未来凄いですね。」
「両津君、君もこれに乗りたまえ。」
両津がずっこける。
「なんでまたわしが!?」
「君なら耐えられるだろ。」
「耐えなきゃならん時点で車としてアウトだろ!」
両津が抗議するも絵崎は聞いていない。EZAKI EXをその場で独楽のように回転させるのを時行に見せている。諦めた両津は時行と中川の肩を掴んだ。
「お前らも来い。」
「「えぇ!?」」
「正直言ってわしだけでは不安しかない。」
「あ、あの…絵崎さんの運転は…」
「白鳥よりもたちが悪い。」
「遠慮します。」
「ダメだ。」
両津は無理矢理時行と中川をEZAKI EXに乗せる。自分は助手席で不貞腐れる。絵崎がノリノリで車を発進させる。シューという音と共に少し浮かんだ気がした。そのまま走る。両津が心配していたが音もほとんど無く乗り心地は良かった。
「よ、良かったです。これなら酔いそうにないですね。」
「トンデモ教授のことだ。まだ分からんぞ。」
EZAKI EXがスピードを上げる。すると、前の信号が赤に変わろうとしていた。両津が慌てて絵崎にブレーキを踏むように言う。絵崎がブレーキを踏んだ瞬間、ピタっと止まった。その結果、慣性力により両津達は前に出る。頭や鼻をぶつけ悶絶する時行達。
「おい!いきなり止まるな!」
「これは電磁石による走行だから普通の車と違い止まるのに減速の必要はない。」
「安全性に問題あるぞ。」
「もう、ダメじゃないですか。ちょっとお水持ってきますね。」
「逃げないでください。」
時行がドアを開けて降りようとするのを中川が防ぐ。時行がジタバタ抵抗するも虚しくEZAKI EXは発進する。周りの目はEZAKI EXに釘付けになっている。
「さすがに目立つな。」
両津が外を眺めている。中川と時行は上を向いている。両津はあくびしてもう一度外を見た時に気付いた。いつの間にか高速道路に入っている。しかも、逆走している。
「おい絵崎!逆走してるぞ!」
「ああ。他の車は逆走している。実にけしからん。」
「逆走してるのはこっちだ!」
両津は絵崎からハンドルを奪って元の道に戻す。もう少しで対抗車にぶつかりそうになる。
「全然気付かなかった。」
「まったく、いつの間に日本は左通行になったのだ?」
「今も昔も左側通行だ!」
両津が絵崎に叫ぶ。すると、後ろからうめき声がした。両津が振り向くと時行が吐きそうになっていた。既に中川はダウンしている。
「時行!」
「両さん…私は…うぷっ。」
「まずいぞ!」
両津が時行の顔を外に出す。EZAKI EXから漏れるモザイク。モザイクが消えると時行はスッキリした顔をした。
「清められたみたいです。」
「それは良かった。」
「あっ。」
両津が安心しているといきなりスピードが上がった。時行はまた吐きそうになる。両津は絵崎からハンドルを奪うも動かない。
「おい!どうなってる!?」
「…多分自動運転モードになったのだろう。」
「ただの暴走じゃねぇか!どんな運転しやがった!」
「…フランスの綺麗な空が懐かしい。東京の空は青すぎる。」
「現実逃避するな!」
両津がなんとかしようとするもEZAKI EXはゲートを破壊し爆走する。そのまま十字路に入ると大型トラックに弾き飛ばされた。独楽のように回転しながら他の車を弾き飛ばすEZAKI EX。中にいる両津達はどこかに掴まり耐えている。しかし…
「助けてくださ〜い!」
「先輩…僕も限界です。」
「待て中川!ここで吐いたら地獄絵図になるぞ!」
「恐らく電磁石に異常が発生して常に最大出力で磁力を放つようになったのだろう。」
「言ってる場合かー!」
EZAKI EXの中は両津の言う通り地獄絵図になっていた。時行と中川が酔い絵崎は諦め両津が叫ぶ。そのままEZAKI EXは工場に突入する。そこは車の部品を作る工場だった。様々な車のパーツがEZAKI EXに引き寄せられ合体していく。
「どういうことだ絵崎!」
「磁力が強すぎて他の金属を引き寄せたのだろう。ネオジウムを使っているから当然だ。」
「欠陥だらけじゃねぇかぁ!」
大量の車のパーツと合体したEZAKI EXはただの破壊兵器となって工場を出る。そのまま新車即売会の会場に突撃する。逃げる人々。廃車になる新車。最終的にステージに激突して止まった。中から嘔吐寸前の時行と中川が出てくる。
「もう…車に乗りたくありません…」
「さすがにこれは無理です。」
「うむ。さすがEZAKI EX。これだけの事故を起こしても傷1つ付かない。耐久実験は成功だ。」
「ふざけるなぁ!被害規模相当なことになってるだろぉ!二度と車に乗るな!」
周りの目など全く気にせずEZAKI EXを評価する絵崎と怒り心頭の両津であった。
逃げ上手の転生記 〜亀有の破天荒警官と〜が50回を突入した記念としてアンケートしたいと思います。皆さんはどんな時行君が見たいですか?
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