逃げ上手の転生記 〜亀有の破天荒警官と〜   作:虹武者

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進化する美少女プラモデル

 時行が寮に掃除にやってくると両津がプラモデルを作っていた。大量のプラモデルを見て驚く時行。

 

「両さん、こんなに作って邪魔になりませんか?」

「問題無い。箱や必要無い物を捨てればスッキリする。」

 

 時行が両津が作っているプラモデルを見る。いろんな武装をした女の子のプラモデルだ。

 

「この時代は女性も作ることが出来るのですか?」

「言い方が変だそ。…まぁ、今の時代はなんでもプラモデルにするからな。」

 

 

「初めまして。私はプラモデル研究家の模組•プラ•モデラー講師である。今回はプラモデルというものについて簡単に説明しよう。」

 

 モデラー講師の説明が始まる。

 

「世界最初のプラモデルはイギリスで発売された。主に英国機を発売していたが第二次世界大戦が始まると中止された。その後、アメリカで多数の会社がプラモデルを発売し始めた。最初は航空機だけだったがそこから艦船、戦車、自動車等のモデルも徐々に増加していった。」

 

 プラモデルの歴史は日本に移る。

 

「日本にプラモデルが渡ってきたのはアメリカでプラモデルが普及を始めた1950年代初めだが最初はあまり普及していなかった。しかし、1956年頃、日本初のプラモデルの「ゼロ戦」を発売するとこれがヒットした。」

 

 説明を続ける。

 

「そしてガンダムがヒットし1980年代前半にガンプラがブームになった!それから時間が経過し3DCADによりコンピュータ上で最初から立体として設計を行い、自動制御や3Dプリンタにより原型、製品金型の製作まで行えるシステムが確立したことで大幅に工程が短縮した。また、スライド金型の導入は複雑な形状の成形を可能にし、設計の容易化と部品点数削減に一役買った!ここからがプラモデル時代の始まりだ!」

 

 モデラー講師が様々なプラモデルを紹介する。初代ガンダムから水星の魔女まで豊富なガンプラが発売されている。

 

「2000年代後半からは、「ガールズ&パンツァー」や「艦これ」や「蒼き鋼のアルペジオ」などが流行り、キャラクターとコラボレーションしたスケールキットがブームとなった!それに続いてコトブキヤから可動型プラモデルシリーズ「フレームアームズ・ガール」が2015年に発売されブームとなり、美少女プラモデルというジャンルが台頭してきたのだ!ちなみに私はガンダムビルドファイターズトライのホシノ・フミナシリーズが好きだ。」

 

 モデラー講師はホシノ・フミナやフレームアームズ・ガールなどのプラモデルを紹介する。

 

「こうして、静岡県を中心にプラモデル業界は日本中に広まることとなった。最近ではガンプラや美少女プラモデルの他にウルトラシリーズやポケモンもプラモデルになる時代だ。将来、アイドルやアニメキャラクターの等身大プラモデルが発売される日も来るかもしれん。」

 

 時行がいろんな美少女プラモデルを眺める。細部まで拘られたプラモデルに時行は目を奪われている。それを見た両津はニヤリと笑った。

 翌日、両津は時行を連れて知り合いがいるプラモデル工場に向かった。

 

「よお!」

「久しぶり両さん!」

「その子は?」

「わしの子だ。」

 

 両津の友人達は時行と両津を交互に見て驚いている。その反応に両津はもう慣れた。両津は友人達に何か提案していた。両津と友人達は時折時行をチラチラ見ている。提案が終わったのか両津が時行のところに来た。

 

「時行、お前プラモデルになってみないか?」

「はい?」

 

 時行は両津の言う事が理解出来ていない。両津はそんな時行の採寸を始めた。隅々まで調べると友人達のところにデータを持ち込んだ。早速友人達が何か作業を始める。

 

「あの…これは…?」

「今からお前のプラモデルを作る。それをお前に評価してほしい。」

「私のプラモデルですか?」

 

 時行が聞いていると友人が出来上がったと両津に報告した。両津は別室へと消える。それから数分後両津が戻って来ると時行そっくりなプラモデルを見せた。

 

「えぇ!?」

 

 時行が驚く。あっという間に自分そっくりのプラモデルが出来たのだ。しかも肌の部分はラバー素材で出来ていて肌触りももちもちしている。

 

「今じゃプラモデル製作は3Dプリンタで簡単かつ短時間で出来る。だから、製作から量産までを少人数で行うことも可能だ。」

 

 時行が自分のプラモデルを動かしていると今度は麗子そっくりなプラモデルを持ってきた。時行は真顔になる。麗子のプラモデルも時行同様肌の部分がラバー素材で出来ている。

 

「両さん、何故麗子さんの身体のことを?」

「以前、フィギュアを作る時に採寸した。」

 

 時行はたまに両津が怖いと思っている。両津は時行や麗子のプラモデルにいろいろとビームライフルやビームサーベルなどを装備させる。

 

「どうだ?プラモデルには無限の可能性が秘められている。」

「そのまま日の目を見ないことを祈っています。」

「その祈りは届かん。」

 

 時行は頭を抱える。両津は時行と麗子のプラモデルから服をパージする。それを見た時行が吹いた。両津は新たに着物、ナース服、バニーガール、ランジェリーなどの衣装を着ける。

 

「しかも、今回のプラモデルは着せ替え機能付きだ!」

「私には理解出来ません。」

「これを裏ルートで販売する。」

「裏と言っている時点で後ろめたいと思ってますよね?」

 

 時行の忠告も虚しく両津はプラモデルを裏ルートで販売を始める。2人の人気は凄まじくものすごい勢いで売れていく。両津達は手応えありと大量生産に乗り出した。

 それから数日後、麗子が歩いていると後ろから気配を感じた。チラッと後ろを見ると数人の男がニヤニヤしながら見ている。中にはスマホで撮影している者もいる。麗子は気付かないフリして曲がり角を曲がる。男達がその後をついて行くと…

 

「私に何か用?」

 

 麗子が待伏せしていた。慌てて逃げるもすぐに捕まる。

 

「なんでつけたのかしら?」

「ほ、本物がいたからつい…」

「本物?」

 

 麗子が聞くと男はスマホを見せた。そこには麗子のプラモデルを使った写真がいくつも投稿されていた。中にはいかがわしいものもある。麗子は男達を新葛飾署に連行した後、派出所に向かう。

 

「麗子さんのプラモデルですか?」

 

 中川達に経緯を話す。有力な情報は得られなかった。すると、中川が休憩室を指差して話した。

 

「そういえば、時行君もプラモデルを持っていましたよ。」

「時行君が?」

 

 麗子が休憩室を覗く。そこには不貞腐れながら自分のプラモデルで遊んでいる時行がいた。

 

「私にはよく分かりません。」

「何しているのかしら時行君?」

「プラモデルという物で遊んでいます。」

「それはどこで売ってるの?」

「両さんが作って裏ルートというもので売っているみたいですよ。」

「もしかして、私のプラモデルもあるのかしら?」

「麗子さんのプラモデルも作ってました…よ…」

 

 時行が振り向く。そこにはニコニコしながらも怒っている麗子がいた。

 両津は例の工場でプラモデル生産をしている。

 

「イケるぞ!需要が高まってきてる!需要が下がったら新しい付属キットを作って売れば半永久的に売れる!」

「何を売っているかしら両ちゃん?」

「何って…プラモ…デ…ル…」

 

 両津が冷や汗掻きながら振り返る。そこには無茶苦茶怒っている麗子と後ろで呆れている中川と大原部長がいた。その隣にはやっぱりといった顔をしている時行もいる。

 

「両津、お前という奴は…」

「時行君のプラモデルも売ってたんですね。」

「両ちゃ〜ん。」

 

 後日、時行と麗子のプラモデルは販売中止となり…

 

「そんなにプラモデルが好きなら自分がプラモデルになりなさい。」

「待て麗子…これ、プラスチックじゃなく鉄…」

 

 全身を鉄で固められた両津が派出所の前に立たされていた。

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