ある日、両津はグラビア雑誌を読んでいた。そこには水着姿の少女達が載っている。
「最近は大人のグラビアアイドルが減ってきたな。」
「グラビアアイドルってなんですか?」
「グラビアアイドルはグラビア雑誌にこんな感じのセクシーな姿を魅せて活動するアイドルのことだ。」
「ちなみに、グラビアアイドルのグラビアとは凹版版画の技法で版に凹点を作り、そこにインキを流し込んで印刷する手法のことです。その方法で印刷したのがグラビア雑誌でそこを中心に活動しているアイドルだからグラビアアイドルなんですよ。」
「へぇ〜。そうなんですね。」
時行の質問な両津と中川が答える。中川もグラビア雑誌を見る。
「これ、載ってるの小学生じゃないですか?」
「何!?」
両津がお茶をブッと吹き出す。改めて見ると確かに小学生だ。
「いくらなんでも若すぎだろ。」
「今では小学生がアイドルする時代ですからね。それがグラビアアイドルになるのも分からなくはないですよ。」
「だからと言って小学生をグラビアアイドルにするのかよ。」
両津がジーと見る。すると、下の方にSt.フェアリー女学園と記載されていた。それを見てまたお茶を吹き出す。
「おい!ここって日光、月光がいる学園じゃねぇか!」
「本当ですね。この雑誌と提携しているみたいですね。」
「あそこ、なんでもするのかよ。」
両津が机を拭きながら雑誌を読む。両津は時行と雑誌に載っているグラビアアイドルを見比べた。時行は両津の行動が分からず首を傾げている。
「時行。お前、こいつらより色気あるよな?」
「え?」
「先輩、まさか…」
「時行をグラビアアイドルにしてやろう。」
「なんでそうなるのですか!?」
両津は時行を連れて中川が運転するフェラーリでSt.フェアリー女学園へと向かった。千葉県にあるSt.フェアリー女学園は美人が多くて有名な女子校であり幼稚園から高等部まである。
両津達は校門の前に着く。相変わらず凄い豪華な学園に両津は呆れていた。
「またここに来ることになるとはな。」
「凄く…派手な場所ですね。」
校門を眺めていると突然警報が鳴る。時行はなんだと驚き両津はしまったと離れようとした。そこに地面から砲台が現れ両津と中川を網で捕まえた。時行は網を避けて逃げる。そのままSt.フェアリー女学園へ入ってしまった。両津と中川はライフルを持った人達に連れられて学園長室に入る。そこには学園長の飛燕碧がいた。
「またあなた達ですか。」
「ここに来るたんびに捕まってちゃ体が保たん。」
「ならば敷地内に入らなければいいこと。」
「だから広すぎだろ!千葉県民全員不法侵入になるぞ!」
飛燕が記した範囲はSt.フェアリー女学園を中心に千葉県のほとんどが敷地内認定されていた。それに怒る両津。中川が周りを見て時行がいないことに気付いた。
「先輩、時行君が居ません。」
「何!?おい!ここに男の子が来なかったか!?」
「男の子?もし来ればセンサーが反応し学園内に警報が鳴りますが。」
「まさか、学園の外へ逃げたか?」
両津が飛燕な頼み監視カメラの映像を見る。すると、時行を見つけた。今どこにいるのか分からずうろちょろしている。
「いた!」
「あら。確かにここの生徒ではありませんわね。でも、驚きね。まさか、センサーに反応しないとは。」
「時行の奴、センサーからも逃げれるのか?」
「最早、人の域を超えてますね。」
両津達は急いで時行のところへと向かった。その時行は初めてのSt.フェアリー女学園にたじろいでいる。どこを見ても何も分からない。どうしようと思った時行は前を歩いている女子小学生達に声をかけた。
「あの、すみません!」
「きゃっ!」
「うわっ!」
女子小学生達は時行を見るやいなやすぐ懐からスタンガンを取り出し時行に向けて電気を飛ばした。時行は驚きながらも電気を避ける。
「待ってください!私は怪しい者ではありません!」
「なんで電気避けれるの!?」
女子小学生達は何度も時行を攻撃する。それを全て時行は避けた。そこに両津が来る。両津が声をかけようとしたとこさに女子小学生達はスタンガンを向けて電気を放った。両津は悲鳴をあげて痺れた。
「いきなり…撃つな…」
「これが壊れているわけではないのね。」
「じゃあ、あの子は何者?」
「その前にわしに言うことあるだろ!」
両津が起き上がる。そこに中川と飛燕も来た。
「あの時のセレブの中川さん!」
女子小学生達は両津を無視して中川に駆け寄る。飛燕は両津を心配している時行を生で見て改めて驚いていた。
「本当に男の子なのね。凄いセレブオーラが溢れているわ。」
(実際、南北朝時代ではセレブでしたからね。)
隣で聞いていた中川が心の中でツッコむ。女子小学生達が飛燕に時行のことを話す。
「彼はこの2人の連れだそうだ。」
「「「彼!?」」」
女子小学生達は時行を見る。
「女の子じゃないの…」
「凄い美形…」
「可愛い…」
「一体あの子は?」
「わしの子だ。」
両津が時行の頭をポンポン叩く。それを見た女子小学生達は両津に電気を放った。
「おい!なんで電気流した!」
「だって嘘つくから。」
「庶民の子供があんなセレブオーラ放てるわけがない。」
「やかましい!」
両津が怒鳴る。両津の代わりに中川が説明してくれた。
「本当に先輩の子供ですよ。」
「信じられない…」
「どいつもこいつも中川の言うことは簡単に信じやがって。」
「両さんの日頃の行いが原因だと思います。」
両津達が騒いでいると両津を呼ぶ声が聞こえた。
「両さんだ!」
「ホンマや!両さんや!」
「その声は…日光と月光か!」
両津の前に現れた双子。彼女達は両津の知り合いのようで仲良く会話していた。時行が双子のことが気になり両津に聞く。日光と月光が時行に気付くとすぐに時行に近寄った。
「「可愛いやん!」」
「は、初めまして…北条時行と言います。」
「わしが育ててる。」
「師匠の子!」
「漫才とか好き?」
時行が漫才という単語に反応する。しかし、よく分からない。時行が漫才が何か聞くと2人とも同じリアクションで驚いた。すると、これは見せなあかんと突然漫才が始まった。両津もやれとノリノリだ。
「どうも〜!日光です!」
「月光東照宮です!」
「アホ!それいうなら日光東照宮やん!どちらかというとうちがやらないかんネタやん!」
「ええやん!月光東照宮の方がかっこええで!」
「どこがや!どう考えてもうちの方が似合っとるやろ!なぁ!」
「ええ!?」
ドツキ漫才の途中で突然振られた時行はびっくりした。どんどん見物人が集まってくる。日光、月光の漫才はだんだん激しくなる。
「ほら!うちが似合っとる言うとるやん!」
「何も言ってへんやん!そんなことより折角あんな可愛い子があるんやから漫才すんで!」
「せやな!まず必要なのは目出し帽やろ?拳銃やろ?逃走用の車やな!」
「そうそう!そのまま銀行に…ってそれは犯罪や!警察官が見とる前で堂々とやるな!漫才や漫才!」
「せや!…先生、バスケがしたいです…」
「あきらめたらそこで試合終了だよ…ってこれは安西や!うちらバスケ1回もしたことないやん!」
2人のドツキ漫才がさらに激しくなる。時行はびっくりしながらもプププと笑っている。漫才が終わり満足した2人は時行に感想を聞く。
「「どやった!?」」
「お、面白かったです。」
「「良かったー!」」
「ちなみに、中川と麗子も漫才出来るぞ。」
「そうなのですか!?」
時行が中川を見る。中川もまぁ…という感じで頷いた。両津は話を切り上げ飛燕に雑誌を見せて質問した。
「この雑誌のグラビアアイドルってあんたのとこか?」
「ええ。そことこの学園は提携していますから。」
「そこに案内してくれ。」
「構いませんよ。」
両津達は日光と月光に別れを言って飛燕の案内のもと撮影が行われている場所へと向かう。学園内でグラビアアイドル撮影していることにも驚くが提携している雑誌が複数あることに驚いた。
「どんだけやってんだ?」
「我が校は100を超える芸能プロダクションと提携を結んでいる。」
「やり過ぎだろ。」
両津が呆れて見る。その先にはネイルサロンや美容院などがあり女子小学生達が利用していた。その女子小学生達を見て両津はずっこける。
「お前らもやってたのかよ!?」
「小学生の時から美容に気を使うのは当たり前よ。」
「プラスといい最近の小学生はどうなってんだ?」
「庶民の考えね。古臭いわ。」
その言葉にイラッときた両津は時行を彼女達の前に出した。
「時行、お前メイクとかしたことあるか?」
「メイク…ですか?なんですかそれ?」
女子小学生達は唖然とした。
「嘘…メイク無しでその美貌なの…」
「髪もサラサラで綺麗…」
「時行、髪はどうやって洗ってる?」
「普通にお湯だけですが。」
「シャンプーもリンスも使わずにこれなの!?」
「そんな…」
女子小学生達は時行を見て愕然とする。美容師達も時行の髪を観察して感嘆する。飛燕も驚いていた。
「素晴らしいな。これほどの美貌を保てるのか。」
「な?メイクなんかしなくても綺麗な奴は綺麗だ。お前ら、見た目を変える前にわしを舐め腐っているその中身を変えろ!」
「先輩、完全に私怨が入ってます。」
時行に完敗したと項垂れている女子小学生達に両津の言葉は届いていない。それでも、両津は勝ったと満足気だ。両津は飛燕に時行をグラビアアイドルにしないか提案した。飛燕は時行を観察する。そして、OKを出した。
「良し!やるぞ時行!」
「私はやるとは…」
「諦めましょう時行君。ここまで来た先輩はもう止められませんよ。」
時行は仕方ないと両津に言われるがままグラビア撮影を始めた。最初は普通の水着、そこから際どい水着に変わり、上半身裸になった。さらに両津は時行の髪留めを外しサラサラヘアーを垂らす。
「妖艶だわ…」
「これで小学生なの…」
見学に来た生徒達が時行に驚いている。両津はカメラマンになり様々な要求をする。時行は恥ずかしいと思いながらも両津の要求に応える。そして、グラビア撮影が終わった。
「どうだこれで?」
「…素晴らしいですね。これなら載せても構いません。」
「良し!売上の半分はわしに頼むぞ。」
「それが狙いでしたか。」
飛燕と交渉する両津を見て中川は呆れていた。後日、時行を載せたグラビア雑誌が発売され大反響を呼んだ。しかし…
「エロ過ぎと批判が殺到し時行君のグラビアは無くなりましたね。」
「くそー!」
「私は男なのですが…」
「St.フェアリー女学園として出たのがまずかったみたいね。」
時行のグラビア雑誌が急遽発売中止になった新聞を読んでいる中川。時行が載っているグラビア雑誌を読んでその妖艶さに驚いている麗子。女の子扱いされ不満に思っている時行。そして、発売中止となり売上の半分が手に入らないと憤る両津であった。