あったかもしれない日常   作:ふわふわ毛布

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002.ラピにドッキリ☆大作戦!

早朝の指揮官室

 

 今日は予定よりも早めに起きたことだし、コーヒーでも飲みながら連絡事項でも確認しようかと考えていたところだった。

 

 トントン

 

「師匠。起きてますか?」

 

「おっはよー!指揮官様ー!」

 

「…ああ。おはよう。ふたりともこんな朝早くからどうした?」

 

 ドアを開けて、元気そうなネオンとアニスが入ってきた。

 

「唐突なんですが、師匠はラピの驚いた顔を見てみたいと思いませんか?」

 

「??」

 

「あの子って普段からクールぶって、ろくに表情も動かないでしょ?だからドッキリでも仕掛けて驚かしたら良いんじゃないかって思って。指揮官様も見てみたいでしょ!協力して!」

 

「…う~ん。確かに見てみたい気もするが、ラピがかわいそうだ。」

 

「そう言うと思った。だからこんなものを用意してきましたー。」

 

 アニスはそう言いながら携帯の画面を見せてきた。

 そこにはムフフ本を手に取り、したり顔をしている私の姿が写った写真がいくつか並んでいた。

 

 まずい

 

「師匠…けがらわしいですよ…」

 

「これ、テトラのグループチャットにバラ撒いちゃおーかなー?」

 

「…何をすればいい?」

 

「指揮官様ったら、話の分かる子ね!特に難しいことはしないわ。ただの遊びだし、仕事だって無いわけじゃないしね。」

 

 仕事どころか、自分の部屋の掃除もろくにしていないやつが何を…と出かけたが、今は生命線を握られている状況だ。変態のレッテルを貼られるわけには行かない。

 

「私たち、ドッキリをしようと思いついたまでは良かったんですけど、肝心のドッキリ自体何をしたら良いかわからなかったんです。」

 

「指揮官様は、そういうの詳しかったりしない?」

 

「…そうだな。こんにゃくのパーフェクトを糸で吊り下げて顔に当てるドッキリをテレビで見たことがある。」

 

「なんですかそれ?そんなことが本当にドッキリになるんですか?」

 

「ひんやりしたこんにゃくが不意に顔に当たると案外びっくりするらしい。」

 

「でもこんにゃくのパーフェクトなんて持ってないわよ?」

 

「それなら大丈夫だ。おでんでもしようかと思ってたまたま買っていたからな。」

 

「なんでそんなところで融通が効くのよ…」

 

 そんなこんなでラピにドッキリを仕掛けるべく、次の作戦の相談という体でラピを呼び出すことにした。すぐに既読がつき、「すぐに行きます」というメッセージが送られてくると、とても申し訳ない気持ちになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 トントン

 

「…来た!隠れて!」

 

 アニスがヒソヒソとそういうのに合わせて私たちはクローゼットの中に隠れて、入り口付近の棚の上でこんにゃくのパーフェクトを構えているアニスを見守った。

 

「…失礼します。…指揮官?いらっしゃいませんか?」

 

 ラピは、部屋に少し立ち入ると私を探すようにあたりを見回した。その隙を見計らってアニスがラピの後ろから先っぽにこんにゃくをつけた糸を垂らしている。

 

 ピトッ

 

 静寂の中でラピをひんやりとした感触が襲う。

 

「ひゃあっ」

 

 ラピの表情こそあまり変わらなかったが、あまりにも可愛らしい悲鳴が聞こえた。

 

「あはははは!」

 

「ドッキリ大成功ー!」

 

 アニスとネオンはそれぞれ大笑いしながらラピの方へ飛び出していった。

 

「ラピったらあんなに可愛らしい声が出せたんですね!普段からもっと出したっていいんですよ?」

 

「あははは!無理!解釈違いすぎるってw」

 

「おい、お前たちw煽りすぎだ…w」

 

「…あなたたち…今日はご飯抜きよ。」

 

 全員から悲鳴が上がり、ラピはふんっと鼻を鳴らして指揮官室から出ていった。

 

 かくして「ラピにドッキリ☆大作戦!」は、指揮官たちの敗北に終わった。

 

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