可愛い銀髪美少女天使カードとして転生した私、マスターを導く 作:にゃっとう
| 先攻1ターン目:無空メイ |
|---|
| 無空メイ | 場を離れた虚構定理:0 | |
|---|---|---|
| ライフ:6 | 場 | (無し) |
| Ene:0 | ||
| 手札:5 |
| 水星エミリア | ||
|---|---|---|
| ライフ:6 | 場 | (無し) |
| Ene:0 | ||
| 手札:5 |
「先攻は私」
デュエルガントレットが自動的に先攻と後攻を振り分ける。今回の先攻は、無空メイ――つまり私だ。
先攻1ターン目はターンの初めにカードを1枚引く処理を行えないが、それを補って余りある利点がある。
それが相手よりも一手先に動き始められるということ。
そんなものは先攻なんだから当たり前だろうと思うかもしれないが、その当たり前こそが先攻という立場が持つ絶対的な優位性なのだ。
たとえば先攻2ターン目なら、先攻が2ターン、後攻が1ターン分動いたことになり、先攻の方がターン数が多くなる。
続く後攻2ターン目は、先攻が2ターン、後攻が2ターンで、互いのターン数は同じになる。
しかしさらに次の先攻3ターン目は、先攻が3ターンで後攻が2ターンとなり、再び先攻のターン数が上回る。
行動できるターン数の合計が、自分のターンごとに相手を上回ること。その差を活かして積極的にデュエルの主導権を握りに行けること。
それこそが先攻という立場が持つ唯一絶対の利点であり、優位性の正体だ。
一見圧倒して勝利したように見えて、いざ振り返ってみれば実は後攻だったなら負けていた可能性の方が高かったなんて事例は数え切れない。
……とは言っても、後攻だからこそ輝くカードや、後攻の方が早めに強い効果を使えるようになるカードも存在するから、一概にどちらが有利かはデッキ構築や相性次第とも言える。
先攻を取れたのは僥倖だが、だからと言って油断は禁物だ。
「私はエナジーをチャージして、1エナジーで『虚構天使ホロエル』を召喚」
| 虚構天使ホロエル | |||
|---|---|---|---|
| コスト1 | 種別:虚数/天使 | ||
| 属性:無 | ATK 0 | HP 0 | |
| サーヴァント |
|---|
| - 効果 - |
|---|
| ①『虚構定理』=条件:「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」が5以上。 〈※②~⑦の効果は現状使えない為、省略とする〉(省略された効果) |
可愛らしい銀髪の天使が場に出現してポーズを決める。
決勝戦だからだろうか。ポーズを取る動きにいつも以上のキレがあり、ずいぶんとやる気に満ち溢れているように見えた。
エミリアはやはり来たかというように、1ターン目から姿を現したホロエルを見上げる。
「ホロエルの虚構定理の効果。ホロエルは定理の条件を満たさなければ攻撃できず、虚構定理以外の自身のすべての効果が無効化される。ホロエルの虚構定理の条件は、場を離れた虚構定理の数が5以上であること。現在の数は0。よって条件を満していないホロエルは効果が無効化される」
虚空から出現した鎖によって、ホロエルの四肢が囚われる。
ぐぬぬ、と不満そうに鎖に抗おうとしている姿が印象的だ。
もちろん、そんなことをしても鎖が千切れたりはしないのだけど。
「……私はこれでターンエンド。この瞬間、虚構定理の条件を満たしていないホロエルは破壊される」
私のターンエンドの宣言とともに、頑張って抵抗していたホロエルが粒子となって呆気なく姿を消す。
やる気満々で出てきてくれたところ、なんだかちょっと申しわけない気もするけど……虚構定理の条件的に、どうあがいても序盤のうちにホロエルの性能を発揮することは不可能だ。
それに、ホロエルにはきっと後でたくさん頼りにさせてもらうことになる。
その時こそどうか私を勝利へ導いてほしい。そう伝えるようにホロエルのカードの表面をそっと撫でて慰めると、私はそれを墓地へと送った。
| 後攻1ターン目:水星エミリア |
|---|
| 無空メイ | 場を離れた虚構定理:1 | |
|---|---|---|
| ライフ:6 | 場 | (無し) |
| Ene:1(0) | ||
| 手札:3 |
| 水星エミリア | ||
|---|---|---|
| ライフ:6 | 場 | (無し) |
| Ene:0 | ||
| 手札:5→6 |
「私のターンね」
エミリアはターン開始時の処理でカードを1枚引いて手札に加えると、それらを軽く一瞥し、迷いなくカードを手に取った。
「あなたが1ターン目から動いてくるなら、私も動くまでよ。私は手札からエナジーをチャージ。そして1エナジーを消費して『
| コスト1 | 種別:メカ/ビースト | ||
|---|---|---|---|
| 属性:水 | ATK 500 | HP 500 | |
| サーヴァント |
|---|
| - 効果 - |
|---|
| ①場に出た時に発動可能。サーヴァント「機械猫 |
コスト1のサーヴァント……。
少し厄介だ。私のデッキは序盤は動きが遅く、あまり自由には動けない。早い段階からコンスタントに攻められては後々の戦況が苦しくなる。
ただ幸いなことに機械猫のATKとHPはそれぞれ500しかないから、対処すること自体はそう難しくはなさそうだ。
私のデッキは序盤の動きの遅さをカバーするために、攻撃に対する防御や、場のサーヴァントの除去に関連するカードを豊富に入れている。
次の私のターンでエナジーをチャージすれば、エナジーの最大値も2になる。それだけあれば、この程度の小型サーヴァントならどうとでもできる。
これも先攻の利点だ。もしもこれで私が後攻で、先攻1ターン目から機械猫を出されていたなら、私は後攻1ターン目に使える1エナジーで盤面に対処しなければいけなくなる。
いくら除去に関連するカードを多く入れているとは言え、使えるのが1エナジーだけでは対処することは難しい。
そして対処できなければ、続く先攻2ターン目で召喚硬直が解けた機械猫にライフカウンターを削られることになる。そこでさらに2エナジーで新たなサーヴァントを出されてしまえば、後攻2ターン目の2エナジーで2体分の対処を迫られる。
そしてそれができなければ、その次の相手のターンで再度ライフカウンターを削られることになり、また新たなサーヴァントを出されて……その連続で後手に回ることを強いられ続けてしまえば、勢いのまま攻め切られる危険性が非常に高くなる。
そう言った状況に陥らないために、ライフカウンターの破壊をトリガーとする『Qアクション』を持ったカードや、後攻を条件に効果が強化されるカードをいくらかデッキに入れてはいるものの、やはり先攻の方が余裕を持った動きができることは間違いない。
1ターン早く、そして多く動ける優位性を最大限に活かして、このデュエルの流れは私がコントロールする。
「機械猫の効果を発動。これが場に出た時、同名のレプリカサーヴァントを1枚生成して手札に加えるわ。この効果で私は『機械猫#レプリカ』を手札に。ターンエンドよ」
| 先攻2ターン目:無空メイ |
|---|
| 無空メイ | 場を離れた虚構定理:1 | |
|---|---|---|
| ライフ:6 | 場 | (無し) |
| Ene:1 | ||
| 手札:3→4 |
| 水星エミリア | ||
|---|---|---|
| ライフ:6 | 場 | Se:機械猫(A500/H500) |
| Ene:1(0) | ||
| 手札:5 |
「私のターン」
事前の下調べやここまでのトーナメント戦を見た限り、エミリアのデッキは水属性単体で組まれたデッキで間違いない。
現在エミリアのエナジーにチャージされている属性も、その想定を裏付けるように水属性だ。
水属性は、相手のサーヴァントのATKを低下させる妨害や、カードを生成したり引いたりと言った手札を増やす行為に秀でている。
火属性のように攻撃的な効果を持つカードは少ないものの、防御面で言えば光属性に次ぐ固さを誇っている。加えて純粋に手札のリソースを補給する行為に限って言えば、水属性に勝る属性はない。
ホムラを相手にした時にやったような、手札がなくなった相手を詰ませると言った勝ち方は期待できないだろう。
長期戦はこちらも望むところだが、そのリソースの補給能力を活かし、序盤から積極的に攻め入る戦術を取れるのも水属性の特徴の一つでもある。
火属性ほど苛烈な攻めではないにせよ、絶えず戦線を維持できる継戦能力は軽視できるものじゃない。
先攻の優位を失わないよう的確に対処しつつ、後半に備えて場を離れた虚構定理の数を稼いでいく必要がある。
「私は手札からスペル『
| コストX | 属性:無 |
|---|
| スペル | 種別:虚数 |
|---|
| - 効果 - |
|---|
| ①【手札で有効】このスペルは任意のエナジーを消費して詠唱できる。 ②このスペルの詠唱のために消費したエナジー以下のコストを持つ相手の場のサーヴァント1枚を選択する。それを1枚複製して自分の場に出し、以下の効果をすべて付与する。 ・『アクセル』 ・『虚構定理』=条件:相手の場に同名サーヴァントが存在する。 ③「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」が5以上なら、「②」の効果を追加で1回行う。 |
「このカードは任意のエナジーを消費して詠唱し、消費したエナジー以下のコストを持つ相手のサーヴァントをコピーして私の場に出せる。私は1エナジーを消費してコスト1の『機械猫』を選択する」
「私のサーヴァントをあなたの場に……?」
エミリアの場にいる機械仕掛けの猫の正面に巨大な鏡が出現する。そして眩い光を放った次の瞬間には鏡は消えており、瓜二つの機械猫が向かい合う形でそこにいた。
エミリアの場の機械猫は驚いたように飛び跳ねて、私の場に登場した機械猫もまったく同じ動きで驚愕をあらわにする。
エミリアはそんな二匹を見て、訝しげに眉を潜めた。
「……確かに、機械猫は1ターン目から手札を減らさずに行動できる優秀なサーヴァントよ。だけど、その効果で手札に加えられるレプリカサーヴァントには重いデメリット効果がある。あなたのデッキに合っているとは言い難いはず……」
私はデュエルガントレットから、私の場の『機械猫』の効果で手札に加えられる『機械猫#レプリカ』の効果を参照する。
| 機械猫#レプリカ | |||
|---|---|---|---|
| コスト1 | 種別:メカ/ビースト | ||
| 属性:水 | ATK 500 | HP 500 | |
| サーヴァント |
|---|
| - 効果 - |
|---|
| 【制約】:[エナジーへのチャージ不可] ①ライフカウンターへ攻撃できない。 |
コストやステータス自体は『機械猫』と同じだが、レプリカを手札に加える効果を持たないことに加えて、エナジーにチャージできない制約とライフカウンターへ攻撃できないデメリット効果を持っている。
場に出してもサーヴァントへの攻撃くらいにしか使うことができない上に、ATKも500しかなく心もとない。まともに運用するのは厳しいと言わざるを得ないだろう。
さらに付け加えるなら、デュエルにおける手札の枚数制限は9枚だ。それ以上にカードが手札に加わる時、加わるはずだったカードは墓地へ置かれる。
エナジーにチャージできないこのカードを手札に加えても後々邪魔になる可能性もある上に、そもそも私のデッキには水属性のカードが入っていないから、召喚することもできない。効果を使うかどうかすら考えどころと言えた。
……とは言え、今この場面で重要な点はそこではない。
「『鏡に映る虚像』の効果で場に出たサーヴァントは、『アクセル』と『虚構定理』が付与される。その虚構定理の条件は、相手の場に同名サーヴァントが存在すること」
「『アクセル』……なるほど。場に出たターンでもサーヴァントに攻撃できるその特性で、私の機械猫と相打ちさせる算段ね。だけど『虚構定理』? そんなデメリットにしかならない効果を付与しても――……いえ、わかったわ。そういうことね」
私の行動の意図を理解したエミリアが、スッと鋭く目を細める。
「あなたのデッキは場を離れた虚構定理の数に応じて強化されていく。私のサーヴァントを複製して出したそのサーヴァントが虚構定理を持つなら、それが場を離れた際にも場を離れた虚構定理の数はカウントされる……つまり虚構定理の付与はデメリットであると同時に、あなたにとってのメリットにもなり得るということ」
「ご明察」
「やりたい動きと除去の両立。しかもそれを1エナジーで……さすがね。コピーするためにコストと同じだけのエナジーを消費する必要があるなら、コスト1の『機械猫』を出してしまったのは失敗だったかもしれないわね」
失敗、と口にしている割にはまだまだ余裕がありそうに見える。
『機械猫』の召喚によって1ターン目から攻める素振りを見せはしたものの、実際のところ、それに対処される程度のことはエミリアも想定済みだったのだろう。
エミリアのデッキはそのリソースの補給能力を活かした速攻に近い動きもできるが、どちらかと言えば分類的にはホムラと同じ
同じ中速デッキであるホムラのそれよりも爆発力は劣るものの、継戦能力の高さを加味すれば総合的な脅威度では勝るとも劣らない。
彼女のデッキに明確な弱点は存在しない。勝つためには、なにか一つでもいい。突出した要素で上回る必要がある。
私は手札を見下ろし、一瞬の思考の後、デュエルガントレットに映る『機械猫』をタッチして効果を起動した。
「私は複製された『機械猫』の場に出た時の効果を発動。『機械猫#レプリカ』を手札に加える。そして攻撃宣言。私の『機械猫』であなたの『機械猫』を攻撃する」
2体の機械猫のATKとHPは500。戦闘によって互いに500のダメージを与え合い、HPが0以下になった2体は破壊される。
これで次のターン、機械猫でライフカウンターに攻撃される心配はなくなった。
「さらに私はエナジーをチャージし、1エナジーで『虚無の祝福』を詠唱する」
| 虚無の祝福 | |
|---|---|
| コスト1 | 属性:無 |
| スペル | 種別:虚数 |
|---|
| - 効果 - |
|---|
| 【制約】:[詠唱制限](上限:同名/1ターンに1回) ①3以下の数字を指定する。指定した数だけエナジーを回復する。次の自分のターンスタート時、指定した数だけエナジーを消費する。 ②以下の効果から1つを選択して適用する。 ・スペル「虚無」を2枚生成して手札に加える。 ・「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」を+1する。 |
「3以下の数字を宣言し、その数だけエナジーを回復する。ただし次の私のターン、指定した数だけそのターン中に使えるエナジーが減少する。私は1を宣言してエナジーを1回復。さらにもう一つの効果でスペル『虚無』を2枚手札に加える」
| 虚無 | |
|---|---|
| コスト0 | 属性:無 |
| スペル |
|---|
| - 効果 - |
|---|
| 【制約①】:[エナジーへのチャージ不可] 【制約②】:[詠唱不可] ①(無し) |
これで私の手札は4枚。そのうち1枚が『機械猫#レプリカ』で、2枚が『虚無』。
手札の大半が使い道のないカードで埋まった。ホムラと戦った時と同様、あのカードの使い時だ。
「そして私は回復した1エナジーを使って『虚構再定義』を詠唱する」
| 虚構再定義 | |
|---|---|
| コスト1 | 属性:無 |
| スペル | 種別:虚数 |
|---|
| - 効果 - |
|---|
| ①手札をすべて消滅させる。消滅させた数+1枚のカードを引く。 |
「この効果で自分の手札をすべて消滅させ、その数+1枚のカードを引く。現在、私の手札は『機械猫#レプリカ』が1枚と『虚無』が2枚の合計3枚。これらを消滅させてカードを4枚ドローする」
「レプリカの有効活用……さすがと言うべきかしら。動きに無駄がないわね」
「私はこれでターンエンド」
| 後攻2ターン目:水星エミリア |
|---|
| 無空メイ | 場を離れた虚構定理:2 | |
|---|---|---|
| ライフ:6 | 場 | (無し) |
| Ene:2(0) | ||
| 手札:4 |
| 水星エミリア | ||
|---|---|---|
| ライフ:6 | 場 | (無し) |
| Ene:1 | ||
| 手札:5→6 |
「……さて。私のターンだけど……除去と一緒に手札まで補充されてしまった以上、あまり急いで攻めても軽くあしらわれるだけに終わりそうね」
エミリアは自身の6枚の手札を見下ろして熟考した後、その中の1枚を手に取った。
「ここは速攻は諦めて、中盤戦に備えて準備を進めさせてもらうとしようかしら。私は1エナジーで『機械猫#レプリカ』を召喚するわ」
エミリアの場に、機械猫とまったく同じ姿形をしたサーヴァントが出現する。
しかし姿が同じでも、中身はまるで伴っていない。
さきほど確認した通り、『機械猫#レプリカ』には『機械猫』と異なりレプリカを手札に加える効果もなければ、ライフカウンターにも攻撃できない。
はっきり言って、一切対処せず放っておいても大して問題がないという程度の非力な弱小サーヴァントに過ぎない。
だがそれはあくまで『機械猫#レプリカ』を単体で見た場合の話だ。
デュエルの記録映像から彼女のデッキをある程度把握している私は、エミリアがそんな本来ほとんど役に立たないはずのレプリカを最大限活かす戦術を駆使し、ここまでのし上がってきたことを知っている。
「さらにエナジーをチャージして、1エナジーで『スクラップ・リサイクル』を詠唱する」
| スクラップ・リサイクル | |
|---|---|
| コスト1 | 属性:水 |
| スペル | 種別:メカ |
|---|
| - 効果 - |
|---|
| ①カードを1枚引く。 ②場の「#レプリカ」と名のつくサーヴァント1枚を選択する。そのサーヴァントが破壊された時、それを1枚複製して手札に加え、召喚するために必要なコストを0にする。 |
「この効果で私はカードを1枚引く。そして場のレプリカサーヴァント1体を選択して、それが破壊された時に同名サーヴァントを手札に加えられるようにするわ。そしてこの効果で手札に加わったカードのコストは0になる。私は『機械猫#レプリカ』を選択する」
エミリアは1ターン目、『機械猫』を場に出した。その際は機械猫の効果で『機械猫#レプリカ』を手札に加えることで手札消費が0となった。
続く彼女の2ターン目、エミリアは『機械猫#レプリカ』と『スクラップ・リサイクル』の2枚のカードを使用した。しかしスクラップ・リサイクルの効果で1枚引いて、更にはレプリカが破壊されたなら同名サーヴァントを手札に加える効果を付与した。
2枚を消費して、2枚を補給する動き……つまり今回も、実質的な手札消費は0。
手札を潤沢に保つことで選択肢を多く持ち、相手の動きを見て常に最適解を選べる状態を維持する。それがエミリアの基本戦術だ。
冷静な戦術眼を持つ彼女に下手な誘いは通用しない。少なくとも以前ホムラとデュエルをした時にやったような、『虚の妖精ホルルン』のQアクションで返すために場をがら空きにして攻撃を誘うと言った露骨な誘導には乗ってこないだろう。
「ターンエンド。あなたのターンよ。無空さん」
| 先攻3ターン目:無空メイ |
|---|
| 無空メイ | 場を離れた虚構定理:2 | |
|---|---|---|
| ライフ:6 | 場 | (無し) |
| Ene:2(1) | ||
| 手札:4→5 |
| 水星エミリア | ||
|---|---|---|
| ライフ:6 | 場 | Se:機械猫#レプリカ(A500/H500) |
| Ene:2(0) | ||
| 手札:4 |
「ターンスタートを迎えたこの瞬間、前の私のターンで使用した『虚無の祝福』のデメリットでエナジーが1消費される」
エミリアが速攻を諦めてくれたおかげで、除去に回らずと良い、好きな動きができるターンが生まれた。
現在、私の場を離れた虚構定理の数は2。エミリアが本格的に動き出す前に5まで稼ぎたいところだけれど……下手に手札を浪費して打てる手が少なくなってしまえば、動きが鈍くなった隙を突かれて豊富な手数を持つエミリアに物量差で押し切られる危険が出てくる。
まだ展開は急がなくていい。堅実に、こちらも手札を減らさないように立ち回る。
「私はエナジーをチャージ。2エナジーで『
| コスト2 | 種別:虚数/バード | ||
|---|---|---|---|
| 属性:無 | ATK 0 | HP 2000 | |
| サーヴァント |
|---|
| - 効果 - |
|---|
| ①『虚構定理』=条件:相手の場にサーヴァントが存在する。 ②『Qアクション2』=条件:自分の場にサーヴァントが存在せず、相手のサーヴァントが攻撃した時。 ③『ガード』 ④召喚時に強制発動。『バリア』をX層得る。(Xは自分と相手の場のサーヴァントの数の差) ⑤場を離れた時に発動可能。カードを1枚引く。 |
「『虚仮コッコウ』は召喚時、強制的に発動効果が起動する。その内容は、自分と相手の場のサーヴァントの差の数だけ自身に『バリア』を付与すること」
「『バリア』……1層を失うごとに、次に受けるダメージを0にする能力ね。だけど今、私とあなたの場のサーヴァントの数に差はないわ」
「そう。よってこの効果によって『虚仮コッコウ』が『バリア』を獲得することはない」
今、私の場には『虚仮コッコウ』が1体。エミリアの場には『機械猫#レプリカ』が1体。その差は0だ。
虚仮コッコウは、自身が持つ『ガード』能力と、付与される『バリア』との組み合わせによって、長期的に攻撃を防いだり不利な状況を耐えしのぐと言った用途が基本の使い道だ。
今の状況ではそのような本来の役割は期待できないものの、後々に虚仮コッコウが場を離れればその分だけ場を離れた虚構定理のカウントも増える。
さらに虚仮コッコウには、場を離れた時にカードを1枚引く効果がある。この効果は場を離れた後で適用されるため、仮に虚仮コッコウの虚構定理の条件が満たされなくなった場合でも問題なく適用できる。*2
つまり前のターンのエミリアと同様、私も実質的な手札消費は0だ。
「私はこれでターンエンド」
機械猫#レプリカは無視でいい。ライフカウンターに攻撃できないデメリット効果がある以上、私に対しての直接的な脅威にはならない。
それにATKが500しかない機械猫#レプリカでは、戦闘を仕掛けたところでHP2000の虚仮コッコウは破壊できない。
付け加えるなら、『スクラップ・リサイクル』によって機械猫#レプリカは破壊された時に自身を複製してコストを0にして手札に加える効果が付与されているが、私の虚仮コッコウのATKは0だ。
自分のHP以上のATKを持つサーヴァントにわざと攻撃して自爆すると言った動きができない以上、その効果を能動的に適用するためには自らの別のカードの効果で破壊するしかない。
余分な一手を課すことでエミリアの動きを鈍らせられるかもしれない可能性を考慮すれば、膠着状態を保ち様子を見る選択肢もそう悪いものでもないだろう。
エミリアが慎重に立ち回るつもりなら、私もそれに合わせて慎重に動くだけだ。
| 後攻3ターン目:水星エミリア |
|---|
| 無空メイ | 場を離れた虚構定理:2 | |
|---|---|---|
| ライフ:6 | 場 | Se:虚仮コッコウ(A0/H2000) |
| Ene:3(0) | ||
| 手札:3 |
| 水星エミリア | ||
|---|---|---|
| ライフ:6 | 場 | Se:機械猫#レプリカ(A500/H500) |
| Ene:2 | ||
| 手札:4→5 |
③『ガード』
④場にある限り、このカードのコストは「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」と同じとして扱う。
⑤ATKとHPに「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」×1000を+する。
⑥「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」がX以上なら発動可能。以下の効果から1つを選択して適用する。(Xは指定された数)
・X=10:エリア「完全虚構証明」1枚を生成して場に出す。
・X=15:このカードを「???」に書き換える。
・X=20:???
⑦自分のターンエンド時に発動可能。カードを1枚引き、攻撃権を回復する。
カード制作裏話
・虚構天使ホロエル
決勝戦だからとやる気満々で出てきたが、どうあがいても序盤には活躍できない性能のため早々に退場した。憐れ。そしてメイちゃんは当たり前のように1ターン目に引いているし、当然これまでのトーナメント戦でも毎回1ターン目に出していた。架空DCG現実世界の方でホロエルの明確なサーチカードが作られないことに関して、メイちゃんがホロエルを引けてないことがなさすぎるせいではという疑惑がある。
・機械猫
コスト1で手札を減らさずに場に出せるサーヴァントと聞くと一見相当強そうに見えるが、手札に加えられるレプリカがあまりにクソ雑魚ナメクジすぎるのでバランスが取れている。ちなみにエミリアもここまでのトーナメント戦で当たり前のように1ターン目にこれを出していた。私も初手で引きたいカードを引ける能力が欲しい。
・機械猫#レプリカ
単体だと十中八九間違いなく作中最弱サーヴァント。普通のデッキで使う分には場に出しても大して役に立たないので手札を捨てるコストにでもするのが一番良い。
・鏡に映る虚像
相手のサーヴァントをコピーして自分の場に出すスペル。虚構定理の付与がメリットでありデメリットでもあるという良いバランスに仕上がったんじゃないかと思う次第。序盤中盤と隙がなく、安定して場に干渉しつつ虚構定理も貯められる。状況次第では相手のサーヴァントの効果を活用していくスタイルも考えられる。唯一の欠点はコストがXなのでコスト〇以下と言ったコストを参照するタイプのカードのサポートを受けられないことだが、それを差し引いても可能性を感じる良いスペルだと思う。
・虚無の祝福
エナジーを前借り回復しつつ、2つの優秀な効果を選べるスペル。ホムラ戦の時は中盤以降に使ったが、勝負を決め切れなかった場合のリスクが大きいので、こういった序盤戦に使うのが一番安定した使い方だと思う。
・虚構再定義
手札全入れ替えの便利スペル。メイちゃんもやっていたように、役に立たないカードを手札に増やしてこれを使って手札を補充するのが架空DCG現実世界における虚構定理デッキの鉄板の動き。
・スクラップ・リサイクル
1ドローしつつ、場のレプリカが破壊された時に同名カードをコスト0で複製する効果を付与するスペル。機械猫#レプリカが弱すぎるので一見オマケに見えるが、もしも大型のレプリカがいるなら…と想像すると、1ドローのオマケ効果にしてはなかなかに脅威度が跳ね上がる。別に種別メカデッキでなくとも1ドロー自体がなかなか優秀なので、スペルを軸にするデッキにも普通に採用できるシンプルイズベストカード。
・虚仮コッコウ
最高条件を満たした時の『バリア』の付与量が半端ではなく、初見だとヤバいほどバランスを壊しているようにも見えるが、そこまで万能というわけでもない。強いには強いものの『ガード』は攻撃権を消耗して行うものなので、いくら『バリア』があっても1ターンに1度しか『ガード』ができないほか、召喚時の『バリア』の付与が強制につき、場を離れた時のカードを引く効果を使いたくとも死ねないという場面が多々想定される。また『バリア』でダメージに耐性があるものの「コスト〇以下を破壊」等の直接的な除去効果には抵抗ができない。そして虚構定理条件が相手の場にサーヴァントがいることなので、ガード役として事前に置いておくと言った使い方もできず、相手の盤面を除去して更地にすると虚構定理のデメリットでターンエンド時に自壊する。諸々の使いづらさも考慮すれば、ギリギリぶっ壊れではない程度に収まっている…と思いたい。