可愛い銀髪美少女天使カードとして転生した私、マスターを導く   作:にゃっとう

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32.ATK500程度じゃなにもできないでしょ?

先攻3ターン目:燃照センカ

燃照センカ
ライフ:6Se:スピーダー(A1000/H1000)

Se:破滅狂いの戦士(A3000/H1000)

Ene:2
手札:2→3

クライアント (保有中の特殊能力)
ライフ:6Ar:求人募集中 -アットホームな職場です-
Ene:2(0)
手札:4

 

 

「わたしのターン、ドロー! 『スピーダー』でライフカウンターに攻撃!」

 

 ドローしたカードを確認してすぐに、わたしは攻撃を宣言する。

 今、わたしの場には『スピーダー』と『破滅狂いの戦士』で合計2体のサーヴァントが存在する。

 一方でクライアントの場にはエリアはあるものの、サーヴァントの数は0。

 今なら無防備なクライアントに攻撃が通る!

 

「無駄です。この瞬間、『Qアクション』発動。スペル『制止の光』」

「なっ!? またっ!?」

 

制止の光
コストX 属性:光 

スペル 

 - 効果 - 
①『QアクションX』=条件:ライフカウンターへの攻撃時。(Xは攻撃中のサーヴァントのコストから-1した数。墓地に「制止の光」が2枚以上あるなら、-1ではなく-2)

②攻撃中なら、攻撃を停止させる。カードを1枚引く。

 

「攻撃中の『スピーダー』のコストは1。よってそこから1を引いた、0エナジーで詠唱が可能です。攻撃を停止させ、さらにデッキから1枚ドロー」

「っ……わたしは続けて『破滅狂いの戦士』でライフカウンターに攻撃!」

「……さすがに、その攻撃は防ぎ切れませんね」

 

クライアント ライフ:6→5

 

 やっとライフカウンターを減らせた、けど……。

 ……まずい状況だ。

 

 わたしの火&闇混合の速攻デッキにおける勝つための工程は、大きく2段階に分かれている。

 1段階目は序盤の制圧。小型サーヴァントの連続召喚で盤面の主導権を握るとともに、相手のライフカウンターを可能な限り多く削っておく。

 そして相手がわたしの盤面に対応してきた中盤以降が、2段階目だ。

 あくまで序盤の展開を重視したわたしのデッキでは、中速(ミッドレンジ)以降の速度帯が繰り出してくる強力な中型・大型のサーヴァントと正面からやり合うことは得策とは言えない。

 いくら序盤に掴んだ優位を活かして盤面の維持に固執したところで、駄々をこねる子どものようにあしらわれるのが関の山だ。

 だからこそ中盤からは盤面の維持よりも、場に出たターンからライフカウンターへと攻撃が可能な『フルアクセル』持ちのサーヴァントを次々と繰り出す方向へと戦術をシフトする。

 そうしてわずかに残ったライフカウンターを削り切り、相手に対応する間も与えずダイレクトストライクまで持っていく。

 それこそがわたしのデッキの必勝とも言えるパターンだ。

 

 この1段階目と2段階目は、どちらかが欠けてもいけない。

 1段階目の序盤の盤面の制圧だけでは、相手のライフを削り切れない。良いところまでは持っていけるが、徐々に押し負ける。

 速攻対策を怠っている相手ならこれだけで決め切れることもあるけど……お姉ちゃんやエミリアさん、メイ様、そしてクライアントと言った猛者がそれを怠っているはずもない。

 そして2段階目の『フルアクセル』持ちを出していく戦術もまた、これだけでは相手のライフを削り切ることはできない。

 『フルアクセル』は確かに強力な効果だが、強力であるがゆえに、それ以外のステータスや効果は控えめになってしまうことが多い。

 ライフカウンターに攻撃するということは、相手が出してきたサーヴァントを放置することにも繋がってしまうし……これだけでは、せいぜいが2つか3つ程度のライフカウンターを削る程度で終わるのが関の山だ。

 それ以降は相手の場が取り返しがつかないほど強力になり、逆にわたしの方が総攻撃でやられてしまうだろう。

 

 そしてデュエルにおいて序盤というものは、主に1ターン目から3ターン目ほどまでを指す。

 4ターン目ともなると、中盤の初め……中速(ミッドレンジ)帯のデッキのエンジンがかかり始める頃合いだ。

 現在は先攻3ターン目。先攻を取れたからこそ、まだ少し余裕はあるけれど……序盤と呼べる段階も終わりが近づいてきている。

 にもかかわらず、相手のライフカウンターはまだ5つ。初期値から1しか減っていない。

 わたしの場にサーヴァントは2体残っているものの、クライアントは前のターン、わたしの場のサーヴァントを放置してまでエリアの展開を優先した。

 だとしたら、わたしの場のサーヴァントを処理する算段がすでについていてもおかしくはない。

 

 ……1段階目の戦術、序盤の制圧はまだ不完全。

 今のまま2段階目に――『フルアクセル』で削る方針に戦術を切り替えたとしても、クライアントのライフカウンターを削り切ってダイレクトストライクまで持っていくことは難しい。

 

「……」

 

 わたしは、このターンの初めに引いてきたカードを見下ろす。

 

スーパー・スピーダー
コスト2 種別:メカ 
属性:火 ATK 2000 HP 1000 

サーヴァント 

 - 効果 - 
①『フルアクセル』

②自分の場に他のサーヴァントがいないなら、ライフカウンターへ攻撃できない。

 

 『スーパー・スピーダー』。コスト2の『フルアクセル』持ちのサーヴァントだ。

 今これを出せば、クライアントのライフカウンターを5から4まで削ることができる。

 しかしこれを出してしまえば、わたしの手札は残り2枚……エナジーにカードをチャージするなら、残り1枚まで減ってしまう。

 これでは後続を確保できず、ほとんどトップ勝負*2になる。

 『破滅狂いの戦士』が破壊されれば『彷徨える戦火の魂』とのコンボで多少のリソースは補給できるけど……。

 何度も言うように、クライアントの戦術はわたしにとって未知だ。

 もしも仮にここでメイ様が得意とする除去手段の一つであるような消滅なんかを『破滅狂いの戦士』に使われようものなら、わたしが思い描いている戦場の未来は一気に破綻する危険を孕む。

 

 ……やっぱりダメだ。この状況で『スーパー・スピーダー』は出せない。

 対速攻カードを多く採用しているだろうクライアントを相手に、今のまま確率勝負に持ち込むのは自殺行為だ。

 

「わたしはエナジーにカードをチャージ!」

 

 ここは『スーパー・スピーダー』をエナジーにチャージする。

 残った他の手札2枚のうちの1枚……『彷徨える戦火の魂』は『破滅狂いの戦士』とのコンボのためにも取っておきたい。

 『フルアクセル』持ちを捨てるのは惜しいが、背に腹は代えられない。

 ここで出すのは、『スーパー・スピーダー』と『彷徨える戦火の魂』以外の、最後に残った1枚だ。

 

「さらに3エナジーを消費して、わたしは『オフェンシブ・ゾンビ』を召喚する!」

 

オフェンシブ・ゾンビ
コスト3 種別:アンデッド 
属性:闇 ATK 1000 HP 1000 

サーヴァント 

 - 効果 - 
①『アクセル』

②自分の場に他の「オフェンシブ・ゾンビ」がいるなら、このサーヴァントのATKを+1000する。

③召喚時に発動可能。サーヴァント「オフェンシブ・ゾンビ」1枚を生成して場に出す。自分のライフカウンターの数が2つ以下なら、1枚ではなく2枚。

④破壊された時に発動可能。サーヴァント「ディフェンシブ・ゾンビ」1枚をデッキから手札に加える。

 

「『オフェンシブ・ゾンビ』の効果! 召喚時、これと同名サーヴァント1体を生成して場に出す! 来て、2体目の『オフェンシブ・ゾンビ』!」

「なるほど……小型を横に並べてきましたね」

「まだだよ! 『オフェンシブ・ゾンビ』は自分の場に他の『オフェンシブ・ゾンビ』がいる間、自身のATKを+1000する! よって2体のATKは2000まで上昇する!」

 

 これでわたしの場のサーヴァントは一気に4体まで増えた。

 次のクライアントのターンは、まだ後攻3ターン目。エナジーをチャージしたとしても、使えるエナジーは3だ。

 それだけのエナジーで、わたしの場の4体すべてを除去することは、相手の場全体にダメージを与える効果を持ったカードでも使わない限りほぼ不可能だろう。

 さらに『オフェンシブ・ゾンビ』は破壊された時、『ディフェンシブ・ゾンビ』をデッキから1枚手札に加える効果を持っている。

 『オフェンシブ・ゾンビ』は2体場にいるから、2体とも破壊されれば合計2枚の手札を補給できるというわけだ。

 これで後続のリソースの確保は万全……あとはこの先、『フルアクセル』持ちをコンスタントに引けるかどうかにかかっている。

 

「わたしはこれで、ターンエンド!」

 

 

後攻3ターン目:クライアント

燃照センカ
ライフ:6Se:スピーダー(A1000/H1000)

Se:破滅狂いの戦士(A3000/H1000)

Se:オフェンシブ・ゾンビ(A2000/H1000)

Se:オフェンシブ・ゾンビ(A2000/H1000)

Ene:3(0)
手札:1

クライアント (保有中の特殊能力)
ライフ:5Ar:求人募集中 -アットホームな職場です-
Ene:2
手札:4→5

 

 

「私のターンですね……おや? ……ふふっ」

 

 ターンスタート時の処理でデッキからカードを引いたクライアントが、心底愉快そうな笑みを口元に浮かべる。

 

「……なに? そんなに良いカードでも引けたの?」

「わかってしまいますか? ふふ……ですが、ご安心を。この状況を打開できるようなカードではありませんので。ここは大人しく、あらかじめ予定していた通りの動きをするとしましょう」

 

 そう言うと、クライアントは彼女自身の場にあるエリアに手をかざした。

 

「私がターンスタートを迎えたこの瞬間、私はエリア『求人募集中 -アットホームな職場です-』の効果を発動します」

 

求人募集中 -アットホームな職場です-
コスト2 属性:光/闇 

エリア 種別:メイド 

 - 効果 - 
【制約】:[複合属性]


①『カウント』=初期値:1

②このエリアの効果以外の方法で種別:メイドを持つサーヴァントが自分の場に出るたび、『カウント』を1増やす。(同時に2枚以上が場に出ても1しか増えない)

③自分のターンスタート時に発動可能。『カウント』を任意の数だけ減らし、減らした数だけサーヴァント「メイド研修生」を生成して自分または相手の場に出す。(相手の場には2枚までしか出せない)

 

「私のターンスタート時、このエリアの『カウント』を任意の数だけ減らし、減らした数だけ『メイド研修生』を場に出します。『カウント』の初期値は1……これを0にし、私は私の場に『メイド研修生』1体を生成します」

 

メイド研修生
コスト0 種別:メイド 
属性:光 ATK 500 HP 500 

サーヴァント 

 - 効果 - 
①『アクセル』

②破壊される時、消滅する。

③各ターンエンド時に強制発動。破壊される。

 

「『メイド研修生』は『アクセル』を持ちます。よって場に出たターンでもサーヴァントへの攻撃が可能です」

「『アクセル』、ねぇ……ATK500程度じゃなにもできないでしょ?」

 

 わたしの場にいるサーヴァント――『スピーダー』に『破滅狂いの戦士』、そして2体の『オフェンシブ・ゾンビ』は、4体ともHPが1000だ。

 ATK500分のダメージを受けても、HPは500残る。どれに攻撃したとしても『メイド研修生』が一方的に破壊されるだけだ。

 

「では、実際に試してみましょうか。攻撃宣言です。私は『メイド研修生』で『破滅狂いの戦士』に攻撃」

 

 っ……本当に攻撃してきた。

 いったいなにが狙い……?

 

「この瞬間、『Qアクション1』。スペル『定時なので帰らせていただきます』」

 

定時なので帰らせていただきます
コスト1 属性:闇 

スペル 種別:メイド 

 - 効果 - 
①『Qアクション1』=条件:自分のサーヴァントの攻撃時。

②自分の場のサーヴァント1枚を破壊し、サーヴァント「メイド研修生」を2枚生成して場に出す。

③【墓地で有効】同一の反応連鎖上に種別:メイドを持つスペルが存在しないなら、コスト3の種別:メイドを持つサーヴァントの召喚時に発動可能。墓地のこのカードを手札に戻す。このターン、自分は墓地からカードを手札に戻せない。

 

「このスペルは私のサーヴァントの攻撃時にQアクションによって詠唱ができます。そしてその効果により、私は攻撃中の『メイド研修生』を破壊」

「えっ!? 自分で自分のサーヴァントを……!?」

「攻撃中のサーヴァントが破壊されたことで攻撃は中止されます。さらにスペルの効果により、新たな『メイド研修生』を2体生成して場に。そしてエリア『求人募集中 -アットホームな職場です-』の効果。このエリアの効果以外の方法で種別メイドを持つサーヴァントが場に出た時、カウントを1増やします」

 

 ……意味がわからない。

 わざわざ攻撃して、その攻撃を中断させるようにしてQアクションでスペルを詠唱して、自分からサーヴァントを破壊……?

 今詠唱したスペル、『定時なので帰らせていただきます』の元のコストは1だった。そしてQアクションで使う場合でのコストも同様に1だ。

 ただ『メイド研修生』を増やしたいだけなら、そもそも攻撃する必要すらなかったはず。

 ただ普通にスペルを詠唱しても、場に残る結果は同じだった。

 ……クライアントにとっては、攻撃という行為自体になにかしらの意味があるってこと……?

 

「さらに私は新たに場に出た『メイド研修生』のうちの1体で、再度『破滅狂いの戦士』に攻撃。そしてこの瞬間、再び『Qアクション』の発動を宣言します」

「っ、またサーヴァントの攻撃時にっ?」

「スペル『皆さん、お仕事の時間ですよ~』を0エナジーで詠唱」

 

皆さん、お仕事の時間ですよ~
コスト1 属性:光 

スペル 種別:メイド 

 - 効果 - 
①『Qアクション0』=条件:このターン2度目以降の自分のサーヴァントの攻撃時。

②手札を1枚デッキに戻し、種別:メイドを持つサーヴァント2枚をデッキから手札に加える。(同名カードは1枚まで)

③【墓地で有効】同一の反応連鎖上に種別:メイドを持つスペルが存在しないなら、コスト3の種別:メイドを持つサーヴァントの召喚時に発動可能。墓地のこのカードを手札に戻す。このターン、自分は墓地からカードを手札に戻せない。

 

「このスペルは、そのターン2度目以降の私のサーヴァントの攻撃時に『Qアクション0』で詠唱できます」

「2度目以降の攻撃時……」

「その効果で私は手札を1枚デッキに戻し、種別がメイドのサーヴァントを任意に2枚、デッキから手札に加えます」

 

 攻撃の回数を参照する効果……。

 なるほど。確かにこれなら、わざわざ攻撃を中断させるようにして『定時なので帰らせていただきます』を使ったのにも納得がいく。

 たとえ攻撃が中断されたとしても、攻撃を宣言したという事実は残るのだから。

 

「さらに今度は『メイド研修生』が破壊されなかったため、そのまま戦闘に移行します」

「『破滅狂いの戦士』のHPは1000! ATK500じゃ倒せないよ!」

「ですが、その500のダメージは受けてもらいます。そして『破滅狂いの戦士』のATK3000分のダメージを受け、HP500の『メイド研修生』は破壊……ただし『メイド研修生』は破壊される時、墓地へは送られず消滅します」

 

 クライアントは最後に残った『メイド研修生』に手を伸ばす。

 

「さらに攻撃。『メイド研修生』で……ふむ。『オフェンシブ・ゾンビ』に3回目の攻撃。そしてこの瞬間、三度(みたび)『Qアクション』発動」

「っ……!」

「ふふ、今度はスペルではありませんよ。サーヴァントです。1エナジーで来なさい、『新人メイド・フラム』」

 

新人メイド・フラム
コスト3 種別:メイド 
属性:火 ATK 1000 HP 2000 

サーヴァント 

 - 効果 - 
【制約】:[存在制限](上限:同名/場に1枚)


①【手札で有効】このサーヴァントの『Qアクション』に必要なコストは-Xされる。(Xはこのターン中に自分が行った攻撃の数。Xの上限は3)

②『Qアクション4』=条件:自分のサーヴァントの攻撃時。

③場にある限り、自分の場のコスト3以下のサーヴァントすべてのATKを+1000し、『アクセル』を付与する。

④破壊された時に発動可能。墓地のこのサーヴァントをデッキに戻し、火属性を含まない種別:メイドを持つサーヴァントをランダムに1枚デッキから手札に加える。

 

「『新人メイド・フラム』の『Qアクション』に必要なコストは4ですが、このターン中に私が行った攻撃の数だけ『Qアクション』に必要なコストが下がります。ただし、この効果で下がる数の上限値は3です」

「……今の『メイド研修生』の攻撃は3回目。だから上限値の3下がって、4引く3で、1エナジーで場に出せるってわけ?」

「ええ、その通りです。そして『新人メイド・フラム』がいる限り、私の場のコスト3以下のサーヴァントすべてはATKが+1000され、『アクセル』を得ます。これによりコスト0の研修生のATKは1500、コスト3のフラムはATK2000まで上昇」

 

 フラムの効果がフラム自身にも及ぶ……ということは、フラムも『アクセル』を持つことを意味する。

 つまり、まだフラムによる次の攻撃がある。そしてその攻撃時には、おそらくまた……。

 

「新たにメイドが場に出たことで、『求人募集中 -アットホームな職場です-』のカウントを1増やして2にします。さらに墓地の『定時なので帰らせていただきます』の効果を発動。私の場にコスト3のメイドが召喚された時、これを手札に戻します。ただしこの効果の適用後、私はこのターン墓地からカードを手札に戻すことができなくなります」

 

 クライアントは淡々とデュエルの処理を続ける。

 

「そして戦闘ですが……どちらも互いのATKの数値に、自身のHPの値が耐えられませんね。『メイド研修生』と『オフェンシブ・ゾンビ』、互いのサーヴァントは破壊されます。ただし『メイド研修生』は破壊される時、消滅します」

「なら、わたしは破壊された『オフェンシブ・ゾンビ』の効果! デッキから『ディフェンシブ・ゾンビ』1体を手札に加える! ……そして『オフェンシブ・ゾンビ』が1体のみとなったことにより、場に残った1体のゾンビのATKは1000にダウンする」

 

 正直、手札が『彷徨える戦火の魂』1枚だけでは心細かったので、この手札補給は本当にありがたい。

 さらにわたしの場にはまだあと3体のサーヴァントが残っている。これもクライアントは放っておきたくはないはずだ。

 

「では、次です。私はエナジーにカードをチャージし、『新人メイド・フラム』でもう1体の『オフェンシブ・ゾンビ』に攻撃。そしてこの瞬間、『Qアクション』発動。1エナジーで『新人メイド・プレリー』を召喚」

 

新人メイド・プレリー
コスト3 種別:メイド 
属性:地 ATK 1000 HP 2000 

サーヴァント 

 - 効果 - 
【制約】:[存在制限](上限:同名/場に1枚)


①【手札で有効】このサーヴァントの『Qアクション』に必要なコストは-Xされる。(Xはこのターン中に自分が行った攻撃の数。Xの上限は3)

②『Qアクション4』=条件:自分のサーヴァントの攻撃時。

③召喚時に発動可能。デッキの上から1枚目を消費状態でエナジーにチャージする。

④破壊された時に発動可能。墓地のこのサーヴァントをデッキに戻し、地属性を含まない種別:メイドを持つサーヴァントをランダムに1枚デッキから手札に加える。

 

「これにより『求人募集中 -アットホームな職場です-』のカウントを3に。さらに『新人メイド・プレリー』の効果。召喚時、デッキの上から1枚目を消費状態でエナジーにチャージします……これで、先攻と後攻のエナジーの差は埋まりましたね」

「くっ……」

「攻撃続行。戦闘により『オフェンシブ・ゾンビ』に2000ダメージを与えて破壊。『新人メイド・フラム』も戦闘したゾンビのATK分、1000ダメージを受けますが……フラムの元のHPは2000。よって1000残ります」

「破壊された『オフェンシブ・ゾンビ』の効果! 『ディフェンシブ・ゾンビ』1枚をデッキから手札に加える!」

 

 これで手札の枚数は3枚。次のドローで4枚にもなる。

 そのうちの2枚は『ディフェンシブ・ゾンビ』だけど……いらないならエナジーにチャージすればいいし、多少は手札に余裕を持って動けるようになった。

 

「まだ終わりではありませんよ。フラムの効果により、コスト3の『新人メイド・プレリー』もATKが+1000され、『アクセル』が付与されています。私はプレリーで『スピーダー』に攻撃」

 

 今のクライアントの残りエナジーは0。

 攻撃に反応して発動できる『Qアクション』はさすがにもう持っていないようで、そのまま戦闘に突入する。

 

「『スピーダー』のHPは1000……プレリーのATK2000には敵わないね」

「そして、プレリーのHPは2000です。『スピーダー』のATK1000のダメージを受けても破壊されず、場に残ります」

 

 一気に3体ものサーヴァントを処理された……が、まだわたしの場には『破滅狂いの戦士』が残っている。

 クライアントの場の2体のサーヴァント、『新人メイド・フラム』と『新人メイド・プレリー』はどちらも攻撃権が残っていない。

 さらに、クライアントの残りエナジーは0……この状況からでは『破滅狂いの戦士』の破壊までは持っていくことはできないはずだ。

 

「……ふむ。4体中3体は除去できましたが……さすがに数が多すぎましたね。私はこれでターンエンドです」

 

 ……『破滅狂いの戦士』はATK3000と、それまで存在した他の3体のサーヴァントと比べてももっともステータスが高かった。

 なのに4体の中でわざわざこれを残したのは……おそらくは『破滅狂いの戦士』の効果をクライアントも知っていたから。

 そしてそれを利用したわたしの戦術の一部が、クライアントに読まれてしまっていたからだろう。

 わたしの戦術――すなわち、『破滅狂いの戦士』の破壊された時の効果を利用して、『Qアクション0』で即座に『彷徨える戦火の魂』を場に出すこと。

 

 まあ、さすがに具体的にどんなカードを出すかまでは読まれてはなかったとは思うけど……。

 速攻として序盤のうちから場にサーヴァントを並べるための方法の一つとして、クライアントは間違いなくそういった手段を想定していたはずだ。

 仮にそうなれば、わたしの場のサーヴァントの合計枚数が増えることで、わたしの場に残るサーヴァントは1体ではなく2体になっていた。

 クライアントはそれを嫌ったんだ。

 

 場に残すサーヴァントにステータスの高いサーヴァントを選ぶだなんて、並のデュエリストならできない判断だ。

 経験豊富なデュエリストである証拠……こうなってくると『フルアクセル』で詰め切るわたしの戦術も読まれている可能性が高い。

 

 ……切り札を。

 普段は使う間もなく終わってしまう、あのカードを……使うことも視野に入れるべきなのかもしれない。

 

 

先攻4ターン目:燃照センカ

燃照センカ
ライフ:6Se:破滅狂いの戦士(A3000/H500)
Ene:3
手札:3→4

クライアント (保有中の特殊能力)
ライフ:5Ar:求人募集中 -アットホームな職場です-

Se:新人メイド・フラム(A2000/H1000)

Se:新人メイド・プレリー(A2000/H1000)

Ene:4(0)
手札:2

☆種別:メイドを持つカードをエナジーの属性にかかわらず使用できる。

*2
次に引くカード次第で大きく戦況が左右される状況の事

☆種別:メイドを持つカードをエナジーの属性にかかわらず使用できる。

☆種別:メイドを持つカードをエナジーの属性にかかわらず使用できる。




カード製作裏話
・制止の光
架空DCG掲示板世界で速攻デッキを使っている時に同じように連続でこれを使われて「ファーwwww」と台パンする人が多数存在する模様。この他にも速攻対策カードはそれなりに存在するので速攻は対策されると肩身が狭い。が、対策を怠っている相手には無類の強さを発揮するので良くも悪くも相性差がハッキリしていると言える。

・スーパー・スピーダー
軽めのデメリット持ち軽量フルアクセルサーヴァント。シンプルイズベスト第2弾。正直2コストのフルアクセル持ちは実装するかどうか結構迷ったのだが、実際に動かしてみた時を仮定した際に速攻対策スペルが思ったよりも強かったので2コストフルアクセルも大丈夫そうかなと思い実装。インフレが進むとデメリットが外れたほぼ上位互換が出てくるのは通例。

・オフェンシブ・ゾンビ
人生楽しそうなゾンビ。皆で熱く楽しく冥界でラグビーをしている。2人以上でコンビを組むことでコンビネーションによりATKが+1000されパワーアップする。ピンチ(ライフカウンター2つ以下)の時は仲間がさらにもう1体駆けつけてくれる。オフェンスがやられてもディフェンスが来てくれるところに尊い友情を感じる。実際問題、1枚で2体のサーヴァントを場に出しつつ2枚の手札を補給できるのは普通に強い。リソース確保に是非。

・求人募集中 -アットホームな職場です-
メイドが場に出るごとに新たに求人(カウントを+)して、自分のターンスタートごとに逐一職場(場)に投入してくれる素敵なエリア。あなたも一緒に働きませんか?

・メイド研修生
何度も攻撃しては何度も消滅する。このようなキツイ研修を乗り越えてこそ真のメイドになれるのだ。属性が光なのは、まだ未来に希望があると信じて疑わない純粋さを示唆しているのかもしれない…。

・定時なので帰らせていただきます
まだ見ぬ闇属性メイドが描かれたスペル。光属性メイドの制止を振り切って即座に帰宅する闇属性メイドのイラストが描かれている。なお、後日光属性メイドからは叱られる模様。カードデザインとしては、3コストメイドには破壊された時にデッキに戻る効果があるので、それを帰宅と形容して自分のサーヴァントを破壊…からの後始末で研修生がてんやわんやするムーブでカード名の状況を再現している。ただ実際には本編のように研修生を破壊して研修生を出すことの方が圧倒的に多いようだ。

・皆さん、お仕事の時間ですよ~
カード名を見るだけでみるみる意欲が下がっていくスペル。これが光属性ってマジ…? イラストとしては光属性メイドが他の5属性メイドにニコニコほんわか笑顔で呼びかけている感じ。カード名通り、デッキからメイドを持ってくる効果でこれからメイドのお仕事が始まることを示唆している。任意のメイド2枚を持ってこれるので、デッキをスムーズに回す潤滑油となる重要スペルである。

・新人メイド・フラム
活発系火属性メイド。水属性メイドによくちょっかいをかけては怒られている。水属性メイドとは幼馴染。3コスト以下全体にアクセル付与にATK+1000と、小回りがきくようにしてくれる。フラム自身もこの恩恵を受けられるのは大きな利点。メイドデッキは攻撃をトリガーにQアクションで効果を発動できるカードが非常に多いので、アクセル付与はそれだけでも強力。また、メイド研修生のステータスを底上げして相手の場の中型を処理させる役割を担わせることもできる。除去の要になるので、メイドデッキでは必須の1枚と言えるだろう。

・新人メイド・プレリー
引っ込み思案陰キャ系地属性メイド。闇属性メイドからは密かにシンパシーを感じられており、たまに世話を焼かれている。地属性メイドも闇属性メイドのことは慕っている様子。効果としてはエナジーをブーストするシンプル効果。特筆すべき点はないが、メイド特有の展開方法を駆使して1コストでこれを実現できる点は大きな魅力と言える。ただし場に1体しか存在できない縛りにより連続では召喚できない。序盤は積極的にこれを出して中盤以降の展開をスムーズに行えるようにしておきたいところ。
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