可愛い銀髪美少女天使カードとして転生した私、マスターを導く 作:にゃっとう
――光華家。
五百年以上前から続く由緒正しき名家であり、その歴史は深く、伝統は重く、輝かしい実績は枚挙にいとまがない。
国でもっとも規模の大きなデュエリスト養成校である国立クロワッサン学園の理事を任されていることからも、その権力や影響力の強大さは窺い知れるだろう。
光華の名は、ある種の誇りであり、信頼であり、責任であり、重荷と義務でもあった。
だからこそ光華家に生まれた者は、必ずやその家名に恥じない人物に育つよう教育される。
私――光華ノゾミは、幸か不幸か、そんな名家の本家の長女として生を受けた。
「ノゾミ。誰よりも強くなりなさい。人々を守ることが、天使様との盟約によって課せられた私たちの宿命なのだ」
「……はい。お父様」
誇り高く、美しく。何者もひれ伏すほどの気品をもって、完璧に振舞い続けることこそ、光華の名の恩恵を受ける者の責務だ。
等身大の少女として振舞うことなど許されない。淑女としての嗜みを身につけ、常に品位ある振る舞いを心がけるようにと育てられた。
「ノゾミ。あなたは自慢の娘よ。これからも精進を続けなさい」
「……ありがとうございます。お母様」
分家を含む光華に縁のある多くの子どもたちの中で、私は取り分け優秀だったそうだ。
我が儘の一つも言わず、泣き言の一つも漏らさず。数々の習い事で、同年代どころか二つ三つ年上の子にすら追随を許さない優れた成績を収める。
そんな私のことを、周囲の大人たちは才女だと持てはやした。将来はきっと光華家を大きく発展させてくれるだろうと期待を寄せた。
私は、将来を
「……」
厳格な両親によって管理された生活環境。
教えられたのは、正しい人生の歩み方。人の上に立つ者としての立ち居振る舞い。
あれがしたい、これがしたいなどと言った自分自身の意思が介在する余地はなく、客観的に見れば、誰かの指示通りに生きるだけの人形のようですらあった。
しかし、私はそんな生き方に疑問を抱くことはなかった。
物心ついた時から光華の名に相応しくあれと躾けられていた私は、それが自らの運命なのだととっくに受け入れていたから。
辛いとも、苦しいとも、思ったことはない。
同年代の子供たちが外を駆け回って遊んでいる間、私は他の子どもとは違うのだと、分刻みで詰め込まれた習い事をこなしていた。
「――……あなたはいったい、ここでなにをしているのですか?」
「んへ?」
そんな私の生活に変化が生じたのは、彼女に声をかけた、あの時からだった。
光華の屋敷は広い。習い事のために敷地内を移動することが多かった私は、建物間を一直線に横断できる中庭の庭園をよく通っていた。
そんな庭園の道の脇にある花壇の前で、ここ連日、私と同年代ほどの銀髪の少女がしゃがみ込んでいたのだ。
一度、二度程度なら特に気にすることもなかった。
だけど同じ時間、同じ場所で、何度も同じことを繰り返していれば、私とて不思議に思うことくらいはする。
声をかけたことは、ほんの気まぐれだった。
だけどその気まぐれが、無感情に生きていた私の人生に彩りを与えてくれた。
「あなた、だれ?」
「光華の屋敷にいるというのに、知らないのですか? 私の名前は光華ノゾミ。光華の長女です」
「光華……ノゾミちゃん? ……あっ! なんか聞いたことあるかも! 大人の人たちが、天才とか才女とかっていつも褒めてる人の名前がそんな感じだった気がする! ねぇねぇ、ノゾミちゃんって天才なの?」
「ご期待に添えず申しわけありませんが、自分で自分を天才だなどと思ったことはありません」
「わぁ~! ほんとだ! なんか天才っぽい! ……あ。そういえば、お父さんとお母さんが『もしもお会いになった際は失礼のないようにしなさい』とも言ってたような……」
今更ながら両親の言いつけを思い出したらしい少女だったが、少し悩んだ様子を見せた後、「ま、いっか!」と手を叩いて、あっけらかんと笑う。
……言いつけからして、この少女はおそらく光華の人間ではない。
とは言え、光華以外の者が敷地内にいることは、実のところそう珍しいことではない。
光華の家の敷地は広く、人脈も同様だ。雇っている人間も縁を結んでいる家も、数多く存在する。
もっとも……屋敷の主にも等しい光華の人間に、ここまでかしこまらずに接してくる人は今まで一人とて見たことはなかったが。
本来ならば注意すべき事柄だったのかもしれないが、相手はまだ子どもだ。そう目くじらを立てることでもないと判断し、私は開きかけた口を閉じる。
……まあ子どもとは言っても、私と同じくらいの年頃だけれど……。
私は光華の人間だ。普通の子どもとは違う。
「わたしがなにをしてたかだよね? えへへ~。実はね、ここの花壇の花は私が植えたんだ! 侍女としての教育の一環だって、お父さんとお母さんに植え方を教えてもらってね。それから毎日こうやって、大きくなれ~大きくなれ~! っていっぱい念じてたんだ!」
子どもらしい快活さを伴って返ってきた返事に、私は肩を竦めて口を開く。
「念じただけで花が育つとは思えませんが」
「もちろんそれだけじゃないよ! 毎日ちゃんとお水も上げて、今日もいっぱいお水飲めて偉いねーって褒めてあげたり!」
「水はともかく、褒めたところで成長の度合いは変わりません」
「え~、わかんないよ~? だってわたし、お父さんとお母さんに褒められたら嬉しいし、もっと頑張りたいって思うもん! お花さんもきっと同じだと思う! ノゾミちゃんはそうじゃないの?」
「周囲からの期待など、私にとっては当たり前のことです。そんなことで私のやるべきことは変わりませんし、成績の是非が変化することもありません」
「……」
間を置かず放たれた私の返答に、少女は目を見開き、パチパチと瞬かせる。
そんな少女の反応を見て、私はその時ふと、きっと彼女は自分から離れていくのだろう、と思った。
人は自分とは違う存在を畏怖する。拒絶する。
特に彼女のように遊びたいざかりの子どもからしてみれば、私のような手合いは「つまんない」とそっぽを向いて然るべき存在だろう。
だけどそんな私の予想と反し、少女はなぜか興味深そうにジーッと私の顔を見つめてきた。
そしてなにか面白いことを思いついたかのようにパッと顔を明るくすると、唐突に私の手を取って、軽やかな足取りで庭園を駆け出した。
「えっ!? あの、ちょっとっ……」
戸惑い、足をもたつかせる私の方に振り向いて、少女がいたずらっ子のように無邪気に笑う。
「あっちにまだお花を植えてない花壇があるの! せっかくだから一緒に植えようよ! ノゾミちゃんはいつも忙しいみたいだけど、ちょっとくらいならいいでしょ?」
「花を……? で、ですが……花壇への種の植え方なんて、私はまだ習っていません。私がいても、大してあなたの役には……」
強くなりなさい、と躾けられてきたのに。
突然の事態に情けなく弱音を吐いてしまった私へと、少女はまたしても嬉しそうに微笑みかける。
「ノゾミちゃんでも知らないことがあるんだ? えへへ、なーんだ。ノゾミちゃんもやっぱり、わたしとなんにも変わらないんだね」
「変わらない……私と、あなたが?」
私は、普通の子どもとは違う。
言い聞かせるように周囲からそう評価され、私自身も盲目に信じてきたそれとは違う、屈託のない答えに、今度は私が目を丸くする番だった。
視界の端。光の差し込んだ花壇の中で、色取り取りの花々が美しく咲き誇る。
優しい風に花々がそよぐたび、まるで私の手を引く少女のように、笑っているかのように花弁を揺らしていた。
「ノゾミちゃんが知らないなら、わたしがノゾミちゃんにやり方を教えてあげるね! それにね、役に立つとかどうかなんて考えなくていいんだよ。わたしはただ、ノゾミちゃんが笑ってるところが見てみたいなぁって、そう思っただけだから!」
「――――」
明るくて奔放で、自由で楽しそうで。
不思議だった。この少女の言葉は、他の誰よりもすんなりと私の中へと入ってくる。
私の身体を雁字搦めにしていた鎖が崩れていく音がする。
真っ暗だった視界に、温かな光が差し込んでくるのが見える。
この手を繋ぐ少女の笑顔と声があるだけで、灰色だった私の世界が、どうしてだか色付いたようにさえ感じた。
「……わかり、ました。少しだけなら……付き合ってあげます」
「やった! じゃあ行こ! ノゾミちゃん!」
胸が温かいものでいっぱいになる。
庭に吹く優しい風が、火照った頬に心地いい。
「――ノゾミちゃーん! こっちこっち!」
「あんまり大声を出さないでください。家の人に見つかったら大変ですよ」
それからというもの、私たちは同じ場所で毎日のように落ち合うようになった。
私には数々の習い事があって、少女――冥土イサネもまた、光華ではない者が光華の娘と親しげに接している姿を他の者に見られるわけにはいかない。
一緒にいられるのは、一日に三十分に満たない程度のごく短い時間だけ。
だけどその数えられる程度の時間の中、私たちは一緒に花を植えたり、水を上げたり、時にはただお喋りをしたりと、同じ時間を共有するようになった。
花を植える以外のこともたくさんした。鬼ごっこに隠れんぼ、それから雨の日はお絵かきをしたり。
同年代の子と、こんな風に普通の子どものように遊ぶのは初めてのことで……彼女の前でだけは、私は光華の名を背負う長女ではなく、等身大のただの少女でいられた。
銀髪の少女――冥土イサネはそんな私にいつも笑いかけてくれて、私もいつしか彼女の隣でなら、自然と笑顔を浮かべられるようになっていた。
「……あれ? ねえノゾミちゃん、あれって……」
そんなある日、いつものように庭園の隅の花壇に腰かけ、会話に花を咲かせていた時のことだ。
イサネが唐突に庭園の奥を指差し、不思議そうな声を上げた。
その人差し指の先にあったのは、庭園の中でも特に目立っている巨大な石碑だった。
だけど石碑なんて、庭園に来れば嫌でも目に入る。
だからイサネが気になったのは石碑の方ではなく、その隣で物憂げに佇む見慣れない半透明の人影の方だったのだろう。
半透明と表現したように、その全身は明らかに透けており、透けた体を通して向こう側の景色が見えてしまっている。
かと言って幽霊の類かと問われれば、そういうわけでもないのだろう。
背に3対の羽を生やし、頭上に神秘的な光輪を携えた幽霊なんているはずがない。
まるで天から地上に降臨したかのような神々しい気配を纏ったその存在に、私は即座に彼女が何者なのかを理解して、イサネが向けた指を慌てて下ろさせていた。
「い、いけませんよイサネ! あの方に指を向けるなんて!」
「ノゾミちゃんは、あの人のこと知ってるの?」
「あの方は……おそらく、ラフィエル様です」
「ラフィエル様?」
こてん、と小首を傾げるイサネに、私は真剣に頷き返して補足する。
時は遡ること、今からおよそ五百年前。
幾度となく繰り返される戦乱の中、追い詰められたある一族が、禁忌の邪法に手を染めたことがすべての始まりだった。
邪法によって誕生した邪悪なる怪物は、敵味方の区別なく、この地に住まうありとあらゆる生命を蹂躙し尽くした。
怪物は人々の生気を糧にして成長を続け、ついにはその体躯だけで天を衝くほどに膨れ上がってしまったと言う。
互いに傷つけ合い、奪い合う。戦乱の世の闇が生み出した怪物を前に人々は逃げ惑い、やがて為すすべもなく膝をつく。
……しかしそんな絶望的状況の中、怪物を討ち果たさんと立ち上がった者たちがいた。
その先頭に立っていた者こそが、光華の歴史に残る最初のご先祖様であり……そんな勇気ある者たちに加護を与え、ともに戦ってくださったのが、他ならぬラフィエル様だった。
光華のご先祖様率いる勇士たちと怪物との決戦は、熾烈を極めた。
およそ三日三晩にも渡って繰り広げられたという激しい戦いの末、ついぞ怪物を討ち滅ぼすことこそ叶わなかったものの、地脈の霊力を利用することで辛くも封印に成功する。
それからというもの、光華のご先祖様は子々孫々怪物の封印を管理していく誓いを立てるとともに、このような惨劇が二度と起きないようにと、ラフィエル様と『人々を救う』という盟約を結んだ。
以来、人々が争わず、支え合い、手を取り合うための指針として、光華と光華に所縁ある者たちにはラフィエル様の加護が与えられ、光華の家は繁栄の道を歩むこととなったのだ。
「へ~。ノゾミちゃん物知りだねぇ。じゃあもしかして、庭の奥にあるあのでっかい石碑もなにか関係あったりするの?」
光華に所縁ある者なら絶対に知っておいて然るべきな伝説を、まるで初耳かのごとく聞き終えたイサネが、今度は興味深げに石碑へと目を向ける。
私は呆れたように肩をすくめた後、こくんと首を縦に振って肯定を示した。
「ええ。お父様いわく、あの石碑の中にはラフィエル様の本体であるカードが安置されているようでして、その近くでは時折ラフィエル様がその姿を見せてくださることがある……らしいです」
「らしいって?」
「……実は、私も直接お姿を拝見したのは初めてなのです。ここ最近、ラフィエル様はあまりお姿をお見せになられないようで……」
「ほぇ~、そうなんだ。じゃあノゾミちゃん! せっかくだし、ラフィエル様に挨拶しに行こうよ!」
「え? ちょ……ちょっと待ちなさいイサネ! 光華に連なる者にとって、ラフィエル様は誰よりも尊き御方です! もしもラフィエル様に不敬を働いたと家の者に知られてしまえば、私はともかくあなたは……」
「挨拶するだけだから大丈夫だよー!」
私の制止も聞かずに駆け出したイサネは、そのまま石碑の前まで走っていくと、「こんにちはー!」と元気よく声を張り上げる。
ラフィエル様はどうやら考え事に耽っていたらしく、突然の大声にやや驚いた様子で、その半透明な肩と羽をビクンと震わせた。
しかしニコニコと自分を見上げるイサネの姿に気づくと、すぐに微笑ましそうに表情を和らげる。
イサネと目線の高さを合わせるように膝に手を置いて身を屈め、ラフィエル様は穏やかな声で語りかけた。
『ふふ、元気がいいですね。こんにちは。私になにか御用ですか?』
「ノゾミちゃんがラフィエル様のこと教えてくれたから! ご挨拶したいなって思って!」
欠片ほども臆さず平然と天使様と会話するイサネを見て、私は呆気に取られるしかなかった。
そんな折、ラフィエル様がその視線をイサネを追いかけてきた私の方にも向けて、わずかにその表情を強張らせる。
『あなたは……光華の者、ですね』
「は、はい! お初にお目にかかりますラフィエル様!」
失礼があってはいけないと、緊張で声を上擦らせながら、私はラフィエル様に頭を下げる。
けれどラフィエル様はそんな私にふるふると首を左右に振ってみせると、どことなく申しわけなさそうに眉尻を下げた。
『そんなに畏まらなくても大丈夫ですよ。私など、しょせんは一枚のカードに過ぎません。それにあなたには……普通の人の何倍にも及ぶ、多大な苦労をおかけしてしまっていると思いますから』
「い、いえ、そのようなことは……」
私が否定しても、ラフィエル様は変わらず表情を曇らせたまま、物憂げに目を伏せた。
『五百年前……かつての戦乱の世では、人々を統治する指導者が必要でした。ですが今は……あの日交わした盟約が、子どもたちの可能性を狭める枷になっているのかもしれないと、そう思わずにいられないのです。私の存在が、光華の子の未来を暗く閉ざす一因になってしまっているのではないかと……』
「え……」
――光華の者たちが信奉し、守り続けている盟約の必要性を、当のラフィエル様が疑問視している。
そんな事実を匂わせるラフィエル様の言葉は、光華の家に生まれた者としてあまりに衝撃的で、私は返す言葉をすぐには見つけられなかった。
私とラフィエル様。向かい合う二人の間に、重く苦しい沈黙が横たわる。
「……ねえ、ラフィエル様」
そんな気まずい静寂を切り裂いて最初に声を上げたのは、私でもラフィエル様でもなく、イサネだった。
イサネは私とラフィエル様を浮かべる交互に見やると、私の隣に立ってラフィエル様を見上げる。
「わたしね。ノゾミちゃんみたいに頭がいいわけじゃないし、ラフィエル様みたいにいっぱい生きてるわけでもないから、ラフィエル様の悩みを解決してあげることはできないけど……ラフィエル様やノゾミちゃんの先祖の人たちがいっぱい頑張ってくれたから、わたしたちの今があるんでしょ?」
『私が、頑張ったから……?』
「うん! ノゾミちゃんと出会えて、友達になれて、いっぱい楽しく過ごせて……えへへ。わたし、ラフィエル様が守ってくれた今の世界が大好きだよ!」
イサネが浮かべる無垢な笑顔を前に、ラフィエル様が言葉を失ったように硬直する。
「でも、きっとね。どこにだって、独りぼっちで頑張り続けられる人なんていないから。ラフィエル様も、ノゾミちゃんも、わたしだってそう。友達と手を繋いで、遊んで、笑い合って……そんな大好きで些細な日常があるから、心からこうしたいって思えることが見つけられるんだと思うの」
『大好きで、些細な日常……』
「うん! だからラフィエル様、わたしたちと友達になろうよ! 一緒に遊んだり、おしゃべりしたり、いっぱい楽しいことしようよ! そうすればきっとラフィエル様も、これから自分がどうしたいかが見つけられて……それでいつか、自分のことも好きになれると思う!」
ラフィエル様はしばしの間、イサネの言葉を噛みしめるように瞑目したまま動かなかった。
けれどやがてその口元に穏やかな微笑を浮かべると、慈しむような眼差しでイサネと私を見つめた。
『……そうですね。では、私もあなたたちの日常に、少しだけお邪魔させてもらいましょうか』
ラフィエル様はそう言うと、半透明だった身体に実体を持たせて、そっと私たちに手を差し伸べる。
『改めて、あなたたちのお名前をお聞かせいただいてもよろしいですか?』
「わたしは冥土イサネだよ!」
「こ、光華ノゾミですっ」
『イサネさんと、ノゾミさんですね。私はラフィエル。皆が崇める偉大な大天使などではなく……ただのラフィエルです。お二人とも、どうか私の初めての友人になっていただけますか?』
ラフィエル様の問いかけに、私とイサネはしばし見つめ合って、それから同じタイミングで頷いた。
「もちろんだよ! ラフィエル様!」
「わ……私でよろしければ、ラフィエル様の友人として、誠心誠意務めさせていただきます!」
『ふふ。ありがとうございます……私の初めての、小さな友人たち』
――それが私とイサネとラフィエルの、三人だけの秘密の関係の始まり。
……光華の者は、私のことを才女だと持てはやし、羨望の眼差しを向けてくる。
だけどきっと、本当に特別だったのは私なんかじゃない。
誰に対しても分け隔てなく、太陽のように笑いかけることができる彼女――イサネの方だった。
「ノゾミちゃん! 蝶々だよ蝶々! あ、待って行かないで~!」
「きゃっ!? ちょ、ちょっとっ、急に走り出さないでくださいイサネ! 服に水がかかっちゃったじゃないですか!」
『ふふっ。可愛らしい蝶々さんたちですね』
イサネとラフィエル様と三人で過ごす秘密の日常は、本当に楽しくて、ずっと続いてほしいと願うほどに夢のような時間で。
いつしか二人の存在は私の中で、かけがえのない大きなものへと変わっていた。
……けれど。
そんな楽しくて幸せな時間は、私が小学四年生に上がってしばらくが経ったある日を境に、突然の終わりを迎えることになる。
イサネに連れられて、初めて屋敷を抜け出したあの日――私とイサネは不運にも、虚無の教団ヌルの信徒たちによる誘拐事件に巻き込まれてしまったのだ。
| 先攻5ターン目:光華ノゾミ |
|---|
| 光華ノゾミ (保有中の特殊能力) | ||
|---|---|---|
| ライフ:6 | 場 | Ar:ジャッジメント・ワールド |
| Ene:8 | ||
| 手札:5→6 |
| 無空メイ (保有中の特殊能力) | 場を離れた虚構定理:5 | |
|---|---|---|
| ライフ:7 | 場 | Se:ハリボテ人形(A0/H500) Se:無給の使用人アズリ(A1000/H2000) Se:虚無龍の巫女インフィ(A1000/H1000) Se:虚構天使ホロエル(A5000/H1000) |
| Ene:7(2) | ||
| 手札:7 |
「本番はここからです。行きますよ、無空さん。私のターン――ドロー」
ノゾミがデッキからカードをドローする。
私――無空メイは、ノゾミが打ってくる手を迎え撃つべく、その一挙一動に注意しながらも盤面に視線を落とす。
現在、私の場にはサーヴァントが4体。ノゾミは0体。
ボードアドバンテージ*3は明らかに私の方が優勢だ。
この4体のサーヴァントのうち、『虚構天使ホロエル』は『咎戒』*4の効果で次の私のターンスタートまで攻撃権の回復が封じられてしまっており、『ハリボテ人形』はATKが0であるため攻撃で相手のライフカウンターを削ることができない。
2体のうちホロエルに関しては……正直、時間が経って解放されるのを待つしかない。
だけど『ハリボテ人形』の方は、もしも次の私のターンで私の切り札の一枚である『虚夢の精霊ホルボルポルン』*5を出せるなら、少し話は変わってくる。
『虚夢の精霊ホルボルポルン』には、ホルボルポルンのATK以下のサーヴァントの攻撃時に、その攻撃を停止させてホルボルポルン自身の攻撃権を回復するという発動効果がある。
これを『ハリボテ人形』の攻撃に反応させて使えば、ハリボテ人形は実質的にホルボルポルンの攻撃回数を増やす役割を担うことができる。
つまり、『ハリボテ人形』の存在を完全に無視することもまた、ノゾミにとってはリスクになりかねない可能性があるということだ。
仮にこのノゾミのターンを終えても私の場のサーヴァント4体が丸ごと残っていた場合、決して攻撃性能が高いとは言えない私のデッキでも、一気に大ダメージを与えることができる。
ここまでの4ターン、ノゾミの動きは非常に大人しかった。
使ったカードのうち、サーヴァントは『見習い天使ミクエル』に『慈愛の熾天使ラフィエル』と、防御やサポートに特化した効果を持つカードのみ。
スペルも同様だ。『守護の導き』に『咎戒』。どちらも私の場のサーヴァントを直接的に除去する類のものではなかった。
エリアもまた、『慈愛の施し』と『ジャッジメント・ワールド』の2枚と、お互いのプレイヤーに恩恵を齎したり、あるいは縛り付けたり……いずれも直接的に彼女の有利を保証するカードではない。
それを思えば、こうして私が場の優位を確保することは、ある意味で必然の展開と言えた。
だけどそうなるとノゾミも同様に、相手に盤面の優位を握られる状況をあらかじめ想定してデッキを組んできているはず……。
今現在こちらが押しているからと言って、油断はできない。
ノゾミの言う通り、本番はここからだ。
ここまでは積極的に私の場に干渉しようとしてこなかった彼女だが……危機が目前に迫っている今の状況を、彼女ももう指をこまねいて見ているわけにはいかないだろう。
「……ふむ」
ノゾミはドローしたカードを確認すると、その視線を素早く盤面に走らせる。
そして一瞬の思考の後、彼女は一枚のカードをデュエルガントレットに読み込ませた。
「ならば、ここはこのサーヴァントで対処するとしましょう。大地に恵みを齎せし豊穣の化身――私は8エナジーで『【豊穣】の熾天使アースエル』を召喚します」
| 【豊穣】の熾天使アースエル | |||
|---|---|---|---|
| コスト8 | 種別:天使 | ||
| 属性:光/地 | ATK 6000 | HP 6000 | |
| サーヴァント |
|---|
| - 効果 - |
|---|
| 【制約】:[複合属性] ①『ストライク2』 ②『ガード』 ③召喚時、または種別:天使を持つカードの効果で場に出た時に発動可能(上限:同名/1ターンに1回)。以下の効果から1つを選択して適用する。 ・デッキの上から2枚をエナジーにチャージする。 ・合計コストが相手のエナジーの最大値以下になるように、光属性サーヴァントを2枚までエナジーゾーンから選択して場に出す(転生サーヴァントは選べない)。その後、この効果で場に出た種別:天使を持つサーヴァントの数だけデッキの上からカードを消費状態でエナジーにチャージする。 ④??? ⑤自分の場に「ジャッジメント・ワールド」があるなら、自分のターンエンド時に発動可能。攻撃権を回復する。 |
蔦を纏う新たな天使が、ノゾミの場に舞い降りる。
「光属性と地属性を併せ持つコスト8の天使……! 紛れもなくエース級サーヴァントよ! 気をつけて、無空さん!」
エミリアが知らせる警鐘に私は頷いて、腰を低く落として身構える。
「良い警戒ですね。しかしこのターン、私が出すサーヴァントはこれだけではありませんよ。私はアースエルの効果を発動。これが召喚された時、または種別天使を持つカードの効果で場に出た時、2つの効果から1つを選択して適用します」
「2つの効果?」
「1つはデッキの上から2枚をエナジーをチャージすること。そしてもう1つは、合計コストがあなたのエナジーの最大値以下になるように、私のエナジーゾーンから光属性サーヴァントを2体まで選んで場に出すことです。私は後者のサーヴァントを場に出す効果を選択します」
「メイちゃんが予想してた、メイちゃんのエナジーの最大値を参照する効果……!」
……ノゾミが扱う属性は光、地、水、火の4つだ。
すでに8つもエナジーがチャージされていることを鑑みれば、デッキ内の属性の比率を考慮しても、これ以上属性が増えることはないと見ていいはずだ。
そしてノゾミが扱うこれら4つの属性のうち、地属性は主にエナジーの扱いを得意としている。
だからこそ、エナジーゾーンからサーヴァントを出す効果を持つカードを使ってくること自体は、まだ想定の範囲内だった。
だけど……相手のエナジーに置かれているカードの内容は、あくまで非公開情報だ。
たとえ効果の予測ができたとしても、どんなカードを出してくるかまでは読むことができない。
「無空さんのエナジーの最大値は7。よって合計コスト7になるように選び、場に出すことができます。私が選択するのはコスト1、『見習い天使ピピエル』。そしてコスト6、『【均衡】の熾天使バランエル』。来なさい、幼き天使。そして対立の調停者よ!」
| 見習い天使ピピエル | |||
|---|---|---|---|
| コスト1 | 種別:天使 | ||
| 属性:光/水 | ATK 0 | HP 500 | |
| サーヴァント |
|---|
| - 効果 - |
|---|
| 【制約】:[複合属性] ①自分の場に光属性のエリアがあるなら、『ガード』を得る。 ②場に出た時に発動可能。このターンのターンエンド時、カードを1枚引く。 |
| 【均衡】の熾天使バランエル | |||
|---|---|---|---|
| コスト6 | 種別:天使 | ||
| 属性:光/火 | ATK 0 | HP 0 | |
| サーヴァント |
|---|
| - 効果 - |
|---|
| 【制約】:[複合属性] ①ライフカウンターへ攻撃できない。 ②このサーヴァントが受けるダメージは倍になる。 ③『アクセル』 ④『ガード』 ⑤ ATKとHPにお互いのプレイヤーのエナジーの最大値の合計×1000を+する。 ⑥??? ⑦自分の場に「ジャッジメント・ワールド」があるなら、自分のターンエンド時に発動可能。攻撃権を回復する。 |
「アースエルと合わせて、1枚のカードからサーヴァントが一気に3体!? ぐぬぬ……メイ様、踏ん張ってーっ!」
場のサーヴァントの数だけで言えば、まだ4体もいる私の方が多い。
だけど私の場にいるサーヴァントは『虚構天使ホロエル』を除き、全員が低コストの弱小サーヴァントだ。
そして肝心のホロエルは、『咎戒』の効果で攻撃権の回復が一時的に封じられてしまっている……。
一方で、ノゾミの場に現れた3体のうち、2体はコスト6以上のエース級サーヴァント。
場にいるサーヴァントの質の面で言えば、ノゾミの方が遥かに上だ。
たった1枚のカードが引き起こした展開の連鎖が、ボードアドバンテージの優劣を覆した。やはりそう簡単に押し切れる相手ではない。
「アースエルの効果で場に出したサーヴァントが種別天使を持つなら、私はその数だけデッキの上から消費状態でエナジーにチャージできます。『見習い天使ピピエル』と『【均衡】の熾天使バランエル』は、どちらも種別が天使のサーヴァントです。よって私はデッキの上から2枚を消費状態でチャージします」
エナジーゾーンからサーヴァントを場に出したことで、ノゾミのエナジーの最大値は8から6に減っていた。
しかし今、そうして展開のために消費したエナジーゾーンのカードを補充したことで、ノゾミのエナジーの最大値が再び8に戻る。
……3体の展開の起点となった『【豊穣】の熾天使アースエル』のコストは8。
もしもノゾミが2枚目以降のアースエルを持っているなら、彼女は毎ターンそれを出していくことで、このような多面展開を何度でも気軽に行えることにほかならない。
ノゾミの手札は現時点で5枚と、じゅうぶんな枚数がある。
となれば、この先のノゾミのターン、彼女がこれ以下の展開でターンを終えるような事態は二度と訪れないと見るべきだろう。
「そして私はアースエルの効果で場に出たピピエルの効果を発動。これが場に出たターンのターンエンド時、私はカードを1枚ドローします。さらにバランエルの効果。バランエルのATKとHPは、私とあなたのエナジーの最大値の合計×1000になります」
「会長の人とメイちゃんのエナジーの合計×1000!? それってかなりとんでもない数値になるんじゃ……!」
「ええ、その通りですホムラさん。現在の私のエナジーの最大値は8、無空さんは7。その合計は15。よってバランエルのATKとHPは、ともに15000となります」
勾玉を思わせる文様を宙に浮かべた天使が、一気にその威圧感を増す。
「ただしバランエルは自身の効果によって、ライフカウンターへ攻撃することができず、バランエルが受けるすべてのダメージは倍になります」
「ダメージが倍……ということは、HPの半分のダメージを与えれば倒せるということね。今のバランエルのHPは15000だから、数値にして7500ダメージ……」
「7500ってそんな気軽に出せる数値じゃないよね? 今はホロエルちゃんの動きも封じられちゃってるし……」
エミリアとセンカの言う通りだ。
いくらダメージが倍になるとは言っても、元々の数値が大きすぎる。
せめてホロエルの動きが封じられてさえいなければ……いや、違う。
おそらく、逆だ。ホロエルが機能不全に陥っている今このタイミングだからこそ、ノゾミは盤面の優位を取りに仕掛けてきたのか。
テンポアドバンテージ――時間と効率の優位性。
手札やエナジーの枚数と言った単純な数の差では測れない。非常に曖昧で、けれどデュエルの駆け引きにおいて最重要と言っても過言ではないアドバンテージの概念だ。
不自由の鎖で相手を絡め取り、見えない手で戦場を支配する。コントロールデッキの本領が牙をむく。
「さらにバランエルは『アクセル』を持っています。よって場に出たターンでもサーヴァントへの攻撃が可能です。私はバランエルで『無給の使用人アズリ』に攻撃します。そして攻撃宣言を行ったこの瞬間、バランエルの効果発動」
バランエルが勾玉の文様を掲げると、それが天蓋のように宙を覆い、光の粒子が私とノゾミの両方に降り注ぐ。
「バランエルは自身の攻撃時に強制的に効果を発動し、お互いのプレイヤーのライフカウンターを1つずつ回復します」
「私のライフまで……?」
「その後、いずれかのプレイヤーのライフカウンターの数が上限の8つに到達しているのであれば、バランエルは自身の攻撃権を回復します」
| 光華ノゾミ | ライフ:6→7 |
|---|
| 無空メイ | ライフ:7→8 |
|---|
| 【均衡】の熾天使バランエル | |||
|---|---|---|---|
| コスト6 | 種別:天使 | ||
| 属性:光/火 | ATK 0 | HP 0 | |
| サーヴァント |
|---|
| - 効果 - |
|---|
| 【制約】:[複合属性] 〈※効果①〜⑤&⑦は省略とする〉(省略された効果) ⑥??? ↓ ⑥攻撃時に強制発動(上限:同名/1ターンに1回)。お互いのプレイヤーのライフカウンターを1つ回復する。その後、いずれかのプレイヤーのライフカウンターの数が8つなら、攻撃権を回復する。 |
「え、それってATK15000で連続攻撃ができるってこと!? そんなのあり!?」
ホムラが身を乗り出して叫ぶ。
ホムラの隣にいるエミリアとセンカも、焦ったように顔を顰めている。
「まずいわね……無空さんは前のターンにノゾミ先輩の『慈愛の施し』*7を破壊しに行ったことで、その破壊時効果でライフを初期値の6から7に回復させられているわ。そこにバランエルによるライフカウンターの回復が加われば、無空さんのライフは8になる。つまり」
「バランエルの攻撃権を回復する条件を満たす……あの会長の人、最初からこれを見越してわざとメイ様に『慈愛の施し』を破壊させてたの!?」
……いや。
相手のエナジーの最大値を参照するという特異な戦術を活かすカードとして、『慈愛の施し』は最適とも呼べるエリアだった。
ノゾミからしてみれば、できることなら場に残しておきたかったエリアだったことは間違いない。
ただ、おそらく彼女は『慈愛の施し』が破壊されてしまった場合のことも想定し、それによって発生する相手のライフカウンターを回復してしまうというデメリットさえも利用できるようにデッキを組んでいる。
「ライフカウンターの数は、私が7で無空さんが8。8つのプレイヤーがいることにより、バランエルは自身の攻撃権を回復します。ただしバランエルのこの攻撃時効果は、1ターンに1度しか発動しません。2度目の攻撃時には発動しませんので、どうぞご安心ください」
……段々とわかってきた。ノゾミのデッキの本質が。
エナジー、ドロー、ライフカウンター。
本来であれば自分だけが獲得することを目指すべきアドバンテージを、敢えて自分から相手に押しつけ……そうすることでこそ、より強力な効果を発揮できるカード群を中心に据えた、1枚1枚のカードパワーを重視した4属性複合コントロールデッキ。
おそらくはそれこそが、ノゾミのデッキの正体だ。
「さて、攻撃の続きです。現在、『【均衡】の熾天使バランエル』は『無給の使用人アズリ』へ攻撃を仕掛けています。この攻撃が通れば、アズリは破壊されてしまいますが」
「残念だけど、その攻撃は通さない。私は『ハリボテ人形』でバランエルの攻撃を『ガード』する」
ハリボテ人形のATKは0で、HPは500。
ATKとHPがともに15000もあるバランエルが相手では、為すすべもなく破壊される。
「そして『かじられた無花果』*8の効果で『虚構定理』を付与された『ハリボテ人形』が場を離れたことで、私の場を離れた虚構定理の数が6に上昇。ホロエルのATKとHPも1000アップする」
「ですがこの瞬間、『【豊穣】の熾天使アースエル』の効果が適用されます。これが場にある限り、各プレイヤーは1ターンに2度まで、サーヴァントが破壊される時に代わりにそれを消費状態でエナジーにチャージさせます。その『ハリボテ人形』は墓地ではなく、エナジーに行ってもらいますよ」
| 【豊穣】の熾天使アースエル | |||
|---|---|---|---|
| コスト8 | 種別:天使 | ||
| 属性:光/地 | ATK 6000 | HP 6000 | |
| サーヴァント |
|---|
| - 効果 - |
|---|
| 【制約】:[複合属性] 〈※効果①〜③&⑤は省略とする〉(省略された効果) ④??? ↓ ④自分・相手の場のサーヴァントが破壊される時、代わりにそれを消費状態でエナジーにチャージさせる。(上限:各プレイヤーごとに1ターンに2回) |
私の『ハリボテ人形』をエナジーへ送った……?
「……あなた、そこまでして私のエナジーを増やさせたいの? そんなことしたら、次のターンに私が使えるエナジーを増やすことにも繋がっちゃうけど」
前の私のターンで『【慈愛】の熾天使ラフィエル』*10がそうしたように、私のターン中に消費状態でチャージさせるなら、そのターン中すぐにはそのエナジーを使うことはできないため、次の私のターンを迎えるまでテンポの面で私が得をすることはない。
つまりその場合、私が手に入れたエナジーを活用できるようになるまで、ノゾミ側には2ターン分の猶予がある。
だけどノゾミのターン中に私にエナジーをチャージさせてしまったなら、次の私のターンには、消費状態でチャージさせたぶんのエナジーがターンスタート時の処理によって丸ごと回復してしまう。
こちらの場合、ノゾミが得られる猶予はノゾミのターン中の1ターンだけ……。
いくら相手のエナジーの最大値を参照する戦術を扱うと言っても、その戦術そのものが高いリスクが伴っていることもまた事実だ。
ただ闇雲に相手のエナジーチャージを加速させていたら、逆利用されて危険に晒されるのはノゾミの方のはず。
そんなことはその戦術を使っているノゾミ自身が一番よくわかっているはずなのに、いったいなにを考えて……。
「第一に、アースエルの破壊をエナジーチャージに置換する効果は強制効果です。残念ながら適用の是非に関して私に選択権はありません。そして第二に、私はこの行為が私をより確実に勝利へ導くものと確信しています。よって私にとって、あなたの心配は無用のものです」
「……大した自信ね」
「これは自信ではありませんよ。私とあなたのデッキ相性、あなたの戦術が重視しているもの、現在の私の手札……その他あらゆる要素を加味したうえで、これがもっとも勝率の高い手と判断したまでのことです」
「……」
「2度目の攻撃です。あなたのエナジーにカードがチャージされたことでATKが16000まで上昇した『【均衡】の熾天使バランエル』で、再度『無給の使用人アズリ』に攻撃します」
今、私の場には『虚構天使ホロエル』と『無給の使用人アズリ』、『虚無龍の巫女インフィ』の3体のサーヴァントがいる。
このうちホロエルは『ガード』を持っているが、『ガード』による攻撃対象の変更を行うためには攻撃権の消費が必要だ。
現在、ホロエルには攻撃権が残っておらず、その回復も『咎戒』で封じられてしまっている。
つまり今、私の場に『ガード』ができるサーヴァントは存在しない。
だからノゾミはどれでも好きなサーヴァントを攻撃しに行けるはずのだが……やはり、ホロエルは狙わないか。
アースエルがいる限り、破壊されるサーヴァントは代わりにエナジーへ送られてしまう。
そうなれば、ホロエルをエナジー送りにするという選択肢もノゾミの中にはあったはずだ。
しかし、ノゾミはそれを狙おうとはしていない。
おそらく彼女は、私がエミリアとのデュエルで見せた『
再利用される危険があるエナジー送りにするよりも、敢えて場に残したままにしておく方が、より確実に動きを封じておけるとノゾミは判断したのだ。
ただ……いくら『咎戒』でホロエルの攻撃権の回復が封じられてしまっていると言っても、その効果はあくまで私のターンスタート時までしか持続しない。
ホロエルには、私のターンエンドごとにカードを1枚引いて攻撃権を回復する効果がある。その時にはもう『咎戒』の効果は切れている。
私に継続的なアドバンテージをもたらすホロエルを残しておくことは、本来あまり望ましくないはずことのはずだ。
そのはずなのに……どうしてかノゾミの手に迷いはない。
まさか『咎戒』のように、ホロエルを場に留めたまま動きを封じることができるようなカードを、他にもまだ持っているのか?
それとも……次に迎える私の1ターン。その1ターンさえ確実に凌げれば、それだけでじゅうぶんだとでも?
……現在のノゾミのエナジーの最大値は8。
けれどこのターン、彼女はまだエナジーをチャージしていないから、エナジーをチャージすれば最大値は9になる。
そうなれば次のノゾミのターン、さらにエナジーチャージをすることで、彼女は10という二桁の大台に乗るエナジーを利用できるようになる。
10……そこで今以上のなにかを仕掛けてくるつもりなのか?
……。
「……バランエルがアズリを攻撃したこの瞬間、私は『Qアクション2』。『無相の境地』」
| 無相の境地 | |
|---|---|
| コスト2 | 属性:無 |
| スペル | 種別:虚数 |
|---|
| - 効果 - |
|---|
| ①『Qアクション2』=条件:相手のサーヴァントの攻撃時。 ②墓地からコスト1以下のサーヴァント1枚を場に出す。「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」が5以上なら、1枚ではなく2枚。 |
「墓地からコスト1以下のサーヴァント1体を蘇らせる。そして私の場を離れた『虚構定理』が5以上なら、さらにもう1体呼び出せる」
「しかし今、あなたの墓地にはコスト1以下のサーヴァントは『ハリボテ人形』1体しかいません。どうやらあなたにとって、『ハリボテ人形』が墓地ではなくエナジーへ送られてしまったのは予想外の展開だったようですね」
本来であれば、『ハリボテ人形』で攻撃を『ガード』して敢えて破壊させた後、元々墓地にあったものと合わせて2枚の『ハリボテ人形』を墓地に揃えることで、相手のさらなる追撃に備える算段だった。
その流れの中で、もしも『虚構天使ホロエル』が破壊されたなら、ホロエルを蘇生させる選択肢も取れる……そういう筋道を立てていた。
だから1体しか蘇生できないこのタイミングで『無相の境地』を使ってしまうことは、あまり効率の良い使い方とは言えないのだろう。
けれど、最善の選択とはその時々で変動するものだ。
次の私のターンに私が使えるエナジーが増えてしまうことを承知で、私の場のサーヴァントをエナジー送りにしているノゾミのように……先の展開を見据えて、時には一見非効率な手を打たなければいけないこともある。
「『無相の境地』の効果で、私は墓地の『ハリボテ人形』1体を蘇らせる」
| ハリボテ人形 | |||
|---|---|---|---|
| コスト0 | 種別:(無し) | ||
| 属性:無 | ATK 0 | HP 500 | |
| サーヴァント |
|---|
| - 効果 - |
|---|
| ①『ガード』 |
「そして『ハリボテ人形』でバランエルの攻撃を『ガード』する」
「『ガード』による攻撃対象の変更は、攻撃時効果の処理の後で行われるルールでしたね。ですが『【豊穣】の熾天使アースエル』の常在効果により、その『ハリボテ人形』はさきほどと同様、墓地ではなくエナジーに行ってもらいますよ。それに伴い、バランエルのステータスも17000まで上昇します。ふむ……アズリを守られてしまいましたか」
ノゾミが除去を狙った『無給の使用人アズリ』には、私のターンエンド時に手札の『虚無』の枚数ぶんエナジーを回復させてくれる効果がある。
アズリを場に残しておけば、今のような『Qアクション』による奇襲もしやすくなる。
ノゾミがなにを狙っているかわからない現状、打てる手の幅を広く保っておくことは大事だ。
「……少し厄介ですが、致し方ありませんね。私はエナジーをチャージ。エナジーの最大値が増えたことでバランエルのステータスが18000に上昇。そして余った1エナジーで『熾天使の加護』を詠唱させていただきます」
| 熾天使の加護 | |
|---|---|
| コスト1 | 属性:光/地/水/火 |
| スペル | 種別:天使 |
|---|
| - 効果 - |
|---|
| 【制約①】:[複合属性] 【制約②】:[詠唱制限](上限:同名/1ターンに1回) ①「自分のカードの効果で相手のエナジーにチャージさせたカードの枚数」によって以下の効果を適用する。 ・2以上:デッキの上から1枚目を消費状態でエナジーにチャージする。 ・3以上:カードを1枚引く ・4以上:カードを1枚引く。 ・5以上:ライフカウンターを1つ回復する。(上限:同名/デュエル中に1回) ・6以上:墓地のこのカードをデッキの1番上に置いてもよい。 |
「このカードは、私が自分のカードの効果で相手のエナジーにチャージさせたカードの枚数に応じて追加効果を獲得します」
「……それが、あなたが私のカードをエナジー送りにしていた理由の一つ?」
「ええ。私が自分のカードの効果で相手にチャージさせた枚数は、『慈愛の施し』で1枚、『【慈愛】の熾天使ラフィエル』で2枚、『【豊穣】の熾天使アースエル』で2枚……合計5枚です。よって私はデッキの上から1枚を消費状態でエナジーにチャージし、カードを2枚引き、さらにライフカウンターを1つ回復します。ただしこのカードの効果によるライフカウンターの回復は、デュエル中1度までしか適用できません」
| 光華ノゾミ | ライフ:7→8 |
|---|
「いくら条件が厳しいからって、こんなの……」
「エナジーチャージ、2枚のドロー、ライフカウンターの回復。たった1枚のカード、それもたったの1エナジーでしていいことじゃないわね」
「次の会長の人のターン、また同じカードを使われちゃう可能性だってあるよね? これじゃリソース切れは狙えそうにないね……」
これでライフカウンターの数は、互いに8。ともに上限に達した。
ここから私たちはお互いに、この8つのライフカウンターを削り切ってトドメまで持っていかなければならないということだ。
「私のエナジーの最大値が1増えたことで、バランエルのステータスが19000まで上昇します」
「……」
「『虚構天使ホロエル』、『無給の使用人アズリ』、『虚無龍の巫女インフィ』……想定していたよりも多くのサーヴァントを場に残されてしまいましたね。しかしホロエルの攻撃権の回復は封じられており、アズリとインフィはどちらもATKが1000しかありません。一方で、私のアースエルのHPは6000、バランエルは19000……その差は歴然と言っていいでしょう」
「でも、バランエルには受けるダメージが倍になるデメリット効果がある」
「しかしそれでも、バランエルを倒すには9500ものダメージを与える必要があります。あなたのアズリとインフィが直接的な脅威になることはありません。私はこれでターンエンド。この時、ピピエルの効果で私は1枚カードをドローします。加えて『【均衡】の熾天使バランエル』のさらなる効果発動。私のターンエンド時、私の場に『ジャッジメント・ワールド』があるなら攻撃権を回復します」
ホロエルと同じように、ターンエンドごとに攻撃権を回復する効果……ということは。
「これでバランエルは、次の私のターンに『ガード』が可能になった……」
「その通りです。『【豊穣】の熾天使アースエル』、そして『【均衡】の熾天使バランエル』の2体はともに『ガード』効果を所持しています。そして『見習い天使ピピエル』もまた、私の場に光属性のエリアがある場合に限り『ガード』効果を獲得します」
「……あなたの場の『ジャッジメント・ワールド』は光属性のエリア。つまりピピエルも『ガード』を持っている」
……厄介な状況だ。
バランエルのATK19000という驚異的な数値による『ガード』もそうだが、ピピエルも決して侮れるサーヴァントではない。
ピピエルのATKは0……同じくATK0の『ハリボテ人形』を使っているからこそ理解できるが、ATK0の『ガード』とはそれだけで強力なのだ。
ATK0では相手のサーヴァントにダメージを与えられず、絶対に倒すことができない。しかしだからこそ、ホロエルのように使い回すことを前提としているサーヴァントや、破壊効果を持っているサーヴァントを敢えて場に留めておくことができる。
そのうえ、場に出せるカードの上限枚数は6枚だ。ATK0で『ガード』され、攻撃権を消費してしまったサーヴァントが場に残ってしまうことは、攻め入るうえで障害と化してしまうことがある。
ATK19000のバランエルと、ATK0のピピエル……そしてATK6000のアースエル。
私の場の状況に応じ、これらの『ガード』を使い分けられてしまえば、そのすべてを除去することは難しい。
「審判の時は、刻一刻と迫っています。あなたが振るう死神の鎌は、果たしてそれまでに私の命を刈り取ることができるでしょうか?」
「……」
「私は私の正しさを証明し続ける。私はもう、誰にも負けるわけにはいかないのです。ラフィエルの声と力を奪った、あの黒き風を退け、その背後に隠れた卑劣で臆病なアリエルを討ち果たす。その最後の瞬間を見届けるまでは」
「黒き風? それって……」
「……あなたは目にしたことがないのですね。己の主たるデュエリストを持たないアリエルを守護する、あの者が振るう
「……」
3体の天使を従えたノゾミが、私とホロエルを悠然と見下ろす。
「さあ、あなたのターンですよ。無空さん。アリエルと対を成すというホロエルの力を、もっと私に見せてください。無論……見せられるというならの話ですが」
……幼い当時、一年にも満たない短い期間しか教団にいなかった私よりも、ノゾミは遥かに教団のことについて熟知している。
教団の規模、悪事の全容、振るう力、その脅威。正直、聞きたいことは山ほどある。
だがそれも、勝たなければなにも始まらない。
「私のターン。ドロー」
私とノゾミ。私たちは互いに勝利を望んでいる。
だが、デュエルには勝敗が付き物だ。
その最後にはどちらかが勝ち、そして必ずどちらかが敗北する。
敗北を前に膝をつくのが私か、それとも彼女なのか。
その結末はまだ、決まっていない。
| 後攻5ターン目:無空メイ |
|---|
| 光華ノゾミ (保有中の特殊能力) | 自分が相手にチャージさせた枚数:5 | |
|---|---|---|
| ライフ:8 | 場 | Ar:ジャッジメント・ワールド Se:【豊穣】の熾天使アースエル(A6000/H6000) Se:見習い天使ピピエル(A0/H500) Se:【均衡】の熾天使バランエル(A19000/H19000) |
| Ene:10(0) | ||
| 手札:6 |
| 無空メイ (保有中の特殊能力) | 場を離れた虚構定理:6 | |
|---|---|---|
| ライフ:8 | 場 | Se:無給の使用人アズリ(A1000/H2000) Se:虚無龍の巫女インフィ(A1000/H1000) Se:虚構天使ホロエル(A6000/H2000) |
| Ene:9(7) | ||
| 手札:6→7 |
①『Qアクション2』=条件:相手のターンエンド時。
②ライフカウンターを1つ回復する。
③自分のライフカウンターが破壊されたターン、このスペルの『Aエフェクト』に必要なコストは-2される。
④『Aエフェクト2』=効果:相手の場のサーヴァント1枚を選択する。次の相手のターンスタート時まで、そのサーヴァントは攻撃権を回復できない。
①【手札で有効】このサーヴァントを召喚するために必要なコストは-Xされる。(Xは相手の場のカードの数を2で割った数。端数切り捨て)
②『Qアクション5』=条件:相手のサーヴァントの攻撃時。
③『虚構定理』=条件:場に出たターン中。
④場に出た時、「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」を+1する。このサーヴァントのATK以下のATKを持つ他のサーヴァントの攻撃中に場に出たなら、その攻撃を停止させる。
⑤このサーヴァントのATK以下のATKを持つ他のサーヴァントの攻撃時に発動可能。その攻撃を停止させる。このサーヴァントの攻撃権を回復する。
②このサーヴァントが受けるダメージは倍になる。
③『アクセル』
④『ガード』
⑤ ATKとHPにお互いのプレイヤーのエナジーの最大値の合計×1000を+する。
⑦自分の場に「ジャッジメント・ワールド」があるなら、自分のターンエンド時に発動可能。攻撃権を回復する。
①各ターンエンド時に強制発動。ターンプレイヤーはデッキの上から1枚目を消費状態でエナジーにチャージし、カードを1枚引く。
②いずれかのプレイヤーのライフカウンターが破壊された時に強制発動。このエリアを破壊する。
③破壊された時に強制発動。相手はエナジーを1回復し、ライフカウンターを1つ回復する。
①自分の場のサーヴァントを2枚まで選択してもよい。選択したサーヴァントに【『虚構定理』=条件:手札にスペル「虚無」が存在する。】を付与する。その後、この効果で選択しなかった数だけスペル「虚無」を生成して手札に加える。
②『ガード』
③召喚時、または種別:天使を持つカードの効果で場に出た時に発動可能(上限:同名/1ターンに1回)。以下の効果から1つを選択して適用する。
・デッキの上から2枚をエナジーにチャージする。
・合計コストが相手のエナジーの最大値以下になるように、光属性サーヴァントを2枚までエナジーゾーンから選択して場に出す(転生サーヴァントは選べない)。その後、この効果で場に出た種別:天使を持つサーヴァントの数だけデッキの上からカードを消費状態でエナジーにチャージする。
⑤自分の場に「ジャッジメント・ワールド」があるなら、自分のターンエンド時に発動可能。攻撃権を回復する。
①【手札で有効】自分の場にエリア「ジャッジメント・ワールド」があるなら、このサーヴァントを召喚するために必要なコストは-2される。
②召喚時に発動可能。プレイヤーはデュエル中永続する以下の特殊能力を得る。(同じ特殊能力は重複して得られない)
☆光属性を含む複合した属性を持つカードをエナジーにチャージする時、消費状態でチャージする制約を無視する。(【制約】:[複合属性]を無視し、未消費状態でチャージする)
③相手のターンスタート時に強制発動(上限:同名/デュエル中に1回)。お互いのプレイヤーはデッキの上から2枚をエナジーにチャージし、カードを2枚引く。この時、相手のエナジーは消費状態でチャージされる。
①以下の効果から1つを選択して適用する。
・デッキの上から1枚目を消費状態でエナジーにチャージする。
・カードを1枚引く。
②エナジーゾーンから無属性のサーヴァント1枚を手札に戻してもよい。
カード制作裏話
・【豊穣】の熾天使アースエル
天使デッキの展開の要として設計。コスト8という重さはいかんともしがたいものの、1枚で容易に多面展開ができるため、8にさえ達してしまえばこれを脳死で毎ターン出し続けているだけでも割と強い。破壊をエナジーチャージに置換する常在効果は、破壊をトリガーに効果を発動する類のカードへのメタであり、相手からの除去に対する保険でもあるが、基本的にはデメリットの側面が大きい。押されている状況で相手の盤面を返すためにアースエルを出し、それによって除去した相手サーヴァントがエナジーにいってしまったせいで、さらなる展開を相手にされて負けると言った事態が頻発することが予想される。天使デッキであれば相手にエナジーをチャージさせることも逆利用できるが、それでも取り扱いには注意が必要と言える。
・見習い天使ピピエル
コスト1で条件有りのガード持ち1ドロー付きと、フルスペックを発揮できた時のカードパワーが順当に高い1枚。ただしコスト1とは言え、光と水の複合のため1ターン目に召喚することはほぼ不可能。またガードを持つ条件が光属性のエリアがあることなので、これを十全に活かしたいなら相当数のエリアの採用が必要。さらにドロー効果が適用されるタイミングがターンエンド時と遅いので、手早く次のドローが欲しいという時には動きが鈍ってしまうこともあるだろう。個人的にカードパワーに対しての効果の制限がうまくできたなと思っている1枚である( *¯ ꒳¯*)
・【均衡】の熾天使バランエル
スーパーウルトラ脳筋天使(੭ ᐕ)੭。自らはライフカウンターを攻撃できず、高いステータスで場を掃除し続けながら互いのライフを回復して均衡状態を保つことで「均衡」を表現している。攻撃時効果によるライフ回復は自分が劣勢の時はありがたいが、あくまで強制効果なので、こちらが攻めている時に相手の盤面への処理札として使ってしまうと、相手のライフを回復してしまい邪魔にもなりえる。いずれかのプレイヤーのライフが8でなければ攻撃権の回復はできないが、それでも天使デッキ以外でも採用しようと思えば採用できる汎用性のある除去札の1枚に仕上がったと思っている。
・熾天使の加護
テーマ専用の超性能スペル。フルスペックを発揮できた時のカードパワーは凄まじいの一言に尽きるが、フルスペックを発揮するための条件がハッキリ言っておバカである( ᐛ )。冷静に考えて6枚も自分から相手にエナジーをチャージさせるのは正気の沙汰ではない。とは言え、相手の場のサーヴァントをエナジーにチャージさせると言った除去手段としてエナジー送りにした場合にもカウント数は+されるので、構築次第では効率良く運用できる。また、光地水火の4属性を持つ複合カードなので、エナジーにチャージすることでお手軽に4属性解放できる点は紛れもない利点である。相性の良いデッキがあれば、天使デッキ以外でも採用が検討できるかもしれない(っ •̀ ̫•́ )っ