可愛い銀髪美少女天使カードとして転生した私、マスターを導く   作:にゃっとう

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50.どんなことをしてでも勝ち続けるという――無空さんの決意の証

後攻5ターン目:無空メイ

光華ノゾミ (保有中の特殊能力)自分が相手にチャージさせた枚数:5
ライフ:8Ar:ジャッジメント・ワールド

Se:【豊穣】の熾天使アースエル(A6000/H6000)

Se:見習い天使ピピエル(A0/H500)

Se:【均衡】の熾天使バランエル(A19000/H19000)

Ene:10(0)
手札:6

無空メイ (保有中の特殊能力)場を離れた虚構定理:6
ライフ:8Se:無給の使用人アズリ(A1000/H2000)

Se:虚無龍の巫女インフィ(A1000/H1000)

Se:虚構天使ホロエル(A6000/H2000)

Ene:9(7)
手札:6→7

 

 

「私がターンスタートを迎えたこの時、前の私のターンで詠唱した『虚無の祝福』のデメリットでエナジーが2消費される」

「それだけではありませんよ。『虚構天使ホロエル』は私が詠唱した『咎戒』の効果で、ターンスタート時の処理による攻撃権の回復を行うことができません。ホロエルの攻撃権は消費されたままです」

 

 私とノゾミの場には、それぞれ3体のサーヴァントが存在する。

 数の面だけで言えば互角だが、その実態はまるで異なる。

 

 私の場にいるのは、まず攻撃権を消費済みで動くことができない『虚構天使ホロエル』。

 そして下級サーヴァント相応のステータスしか持たない『虚無龍の巫女インフィ』と『無給の使用人アズリ』で、合計3体。

 

 一方、ノゾミの場にはエース級サーヴァント『【豊穣の熾天使アースエル】』。

 受けるダメージが倍になるデメリット効果を持つものの、ATKとHPがともに19000という驚異的な数値を誇る『【均衡】の熾天使バランエル』。

 そしてATKが0の『見習い天使ピピエル』。

 これら3体すべては、相手サーヴァントの攻撃時に攻撃対象を自身へと強制的に変更させることができる『ガード』効果を持っている。

 たとえアースエルやバランエルを倒せるだけのATKを持つサーヴァントで攻撃を仕掛けたとしても、ピピエルに『ガード』されて攻撃を逸らされてしまうと言った事態も起こり得る。

 

 ボードアドバンテージの面では明らかに私が不利だ。

 加えて、エナジーチャージを加速させるカードが多めに投入されているノゾミのデッキは、その莫大なエナジーを活かせるだけの高コストのサーヴァントも相当数採用されているはず。

 もしもこの状況でノゾミの場のサーヴァントへの対抗策を用意できず、下手に守りに入ってしまえば、高コストのカードパワーの暴力で押し切られてしまうと言った事態にもなりかねない。

 つまり……このターン、盤面の優位を取り返すことは必須条件だ。

 そのうえで、可能であれば相手の次の展開を牽制できるような布陣を作ることが望ましい。

 

 ここから先、相手に盤面の主導権を渡してしまうことは死を意味すると考えるべきだ。

 すでにノゾミのデッキとその性質は把握した。どう勝ち切るかという道筋も、朧気ながら見え始めている。

 だがその前に……まずは目の前の危機に対処することに集中しなければ。

 

 ……今の手札では、ノゾミの作ってきた盤面に対してあまり有効な対処はできない。

 まずは手札を入れ替えるところからだ。

 

「私は3エナジーを消費して、『虚夢界実現(ドリームワールド)素敵な贈り物(シュガーギフト)】』を詠唱する」

 

虚夢界実現(ドリームワールド)素敵な贈り物(シュガーギフト)
コスト3 属性:無 

スペル 種別:虚数/フェアリー 

 - 効果 - 
【制約】:[詠唱制限](エナジーに属性があるなら詠唱不可)


①このカードを消滅させる。

②以下の効果から3つまで選択して適用できる。(手札に該当するカードがないなら選べない)

・手札のサーヴァント2枚を相手に渡し、相手のデッキに加える。

・手札のスペル2枚を相手に渡し、相手のデッキに加える。

・手札のエリア2枚を相手に渡し、相手のデッキに加える。

③スペル「虚無」を1枚生成して手札に加える。エナジーをX回復する。カードをX×2枚引く。(Xは「②」で効果を適用した数)

 

「このカードは、私の手札のサーヴァント、スペル、エリアをそれぞれ2枚ずつあなたのデッキに加えることができる。私はサーヴァントとスペルの2種類を選択する」

「エミリアさんとのデュエルでも使っていたカードですね。勝負の綾とも言える瞬間、エミリアさんはこのスペルの効果で紛れ込まされた『虚無』を引いてしまったことが遠因で敗北を喫しました。しかし、私の手札にはすでに6枚とじゅうぶんな枚数の手札があります。使い道のないカードを多少引いたところで支障はありませんよ」

 

 エミリアがなにやら渋い顔をしているのを横目に、私は手札からノゾミのデッキに加えるカードを選択していく。

 

「私は手札のサーヴァント『無縁塚の墓守』と『無響紫苑メモリア』、2枚のスペル『虚無』をあなたのデッキに加える。そしてエナジーを2回復し、あなたのデッキに加えた数と同じ4枚のカードをドロー。さらに『虚無』を1枚生成して手札に加える」

 

 引いたカードは……よし。

 ホロエルの動きが封じられてしまっている今、この盤面を返すためには……やはり前の私のターンに墓地へ送った、あのサーヴァントの力を借りるしかない。

 

「私は4エナジーで『無死の怪物』を召喚する」

 

無死の怪物
コスト4 種別:虚数 
属性:無 ATK 3500 HP 3500 

サーヴァント 

 - 効果 - 
①『虚構定理』=条件:後攻4ターン目以降。

②場に出た時に発動可能(上限:同名/1ターンに1回)。墓地のサーヴァントを1枚選択して手札に戻す。そのコストが「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」以下なら、手札に戻すのではなく場に出してもよい。

 

「このサーヴァントは……」

「来たっ! メイ様の鉄板コンボ!」

 

 なにかを察したようにノゾミが眉を顰める。

 同時に観客席の方でも、センカが目を輝かせながら興奮で身を乗り出していた。

 

「『無死の怪物』の効果発動。これが場に出た時、私の場を離れた『虚構定理』以下のコストを持つ墓地のサーヴァント1体を蘇らせる」

「……今、あなたの場を離れた『虚構定理』を持つカードの数は6枚ですね。となると、やはり……」

 

 私のデッキの軸は『虚構天使ホロエル』だ。

 それは一度でも私のデュエルを見たことのある者からしてみれば周知の事実であり、だからこそ私のデッキは対策されやすいという弱点も抱えてしまっている。

 今のようにホロエルの動きが封じられたり、消滅させられたり、はたまた別のサーヴァントへとカードそのものを書き換えられてしまったり。

 だけど……デッキの軸がホロエルなのだとしても、デッキのエースがホロエルだけとは限らない。

 

「私が選択するのはコスト6の転生サーヴァント、『虚無龍ヴァニタス』。私はこれを『無死の怪物』に重ねて転生させる」

 

 ホロエルを中心とした戦術に対策を取られることは初めての経験じゃない。

 ホロエルの動きが封じられているというのなら、もう一方のエースを主軸にした戦術に切り替えるだけだ。

 

「触れるものすべてを無に帰す。降臨せよ――『虚無龍ヴァニタス』」

 

虚無龍ヴァニタス
コスト6 種別:虚数/ドラゴン 
属性:無 ATK 7000 HP 9000 

転生サーヴァント 条件: コスト4以上の無属性サーヴァント1枚 

 - 効果 - 
【制約】:[転生サーヴァント]


①『虚構定理』=条件:転生素材を持っている。

②『ストライク2』

③場に出た時、「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」を+2する。

④「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」が6以上なら、以下の効果を得る。

・サーヴァント以外のカードの使用、または他のカードの発動効果に反応して発動可能。そのカードをゲームから消滅させる。その後、「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」を1減らす。

⑤「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」が減る時、代わりにこのサーヴァントの転生素材を1つ取り除いてもよい。

 

 無数の目を持つ異形の怪物の全身が罅割れ、卵が割れるようにして龍が生誕する。

 宙へと舞い上がった龍の身体は、美しい純白の鱗で覆われていた。

 しかしその奥に透けて見える血管の中では、白とは正反対の黒い血が脈動しており、敵である天使を見下ろすその眼は虚無の深淵に満ちている。

 

「……ねえ、ホムラ。あなたは無空さんが、どんな思いであのカードを使ってると思う?」

「え? どうしたの急に。エミリア」

 

 私と、私の場に降臨したヴァニタスを、エミリアがどこか遠い目で眺めている。

 

「『虚無龍ヴァニタス』は、元はと言えば無空さんのお父さんがアリエルから授かったサーヴァントよ。無空さんのお父さんはあのカードの力を使って、他の誰かを傷つけようとしていた。ううん……それだけじゃないわ。他でもない無空さん自身の心にも、深い絶望を刻みつけた」

「言われてみれば……そうだよね。だってもしもホロエルちゃんが守ってくれなかったら、メイちゃんはヴァニタスに……」

 

 ホムラが心配そうに瞳を揺らしながら、私を見つめてくる。

 

「普通ならそんなカード、持ってたところで使おうとすら思わないはずよ。あれだけのことがあったんだもの。ヴァニタスを手に取るたびに、無空さんの頭の中にはどうしたってお父さんやアリエルのことが過ぎるはず……」

「……でも、メイちゃんはヴァニタスをデッキに入れて使ってる。ホロエルちゃんと並ぶエースとして」

「そうね。生半可な覚悟じゃ、そんなことはできない。それはつまり……あの『虚無龍ヴァニタス』こそが、どんなことをしてでも勝ち続けるという――無空さんの決意の証」

 

 ヴァニタスが咆哮を上げ、禍々しい赤い波動をまき散らす。

 蔦を纏った天使――アースエルが、幼い天使ピピエルの手を握りながら怯えたように後ずさり、勾玉を掲げた天使バランエルは、そんな二人を守ろうとするようにヴァニタスの前に立ちはだかった。

 

「『虚無龍ヴァニタス』……やはり来ましたか。燃照ホムラの二年間の無敗記録に終止符を打った、虚構なる天使の忠実なる(しもべ)

 

 目を鋭く細めたノゾミが、警戒をあらわにしながらヴァニタスと相対する。

 

「『虚無龍ヴァニタス』が場に出た時、場を離れた『虚構定理』の数を+2する。さらに、転生サーヴァントは召喚硬直を無視する。よって場に出たターンでもサーヴァントとライフカウンターに攻撃が可能」

「『虚無龍ヴァニタス』のATKは7000……私のエース級サーヴァント、アースエルのHP6000を上回っていますね。しかし私の場にはもう1体のエース級サーヴァント、『【均衡】の熾天使バランエル』がいます。バランエルのATKとHPはともに19000。バランエルには受けるダメージが倍になるデメリット効果がありますが、それでもヴァニタスとの戦闘で受けるダメージは14000に収まります」

「……」

「加えてバランエルは『ガード』効果を所持しています。ヴァニタスがアースエルへの攻撃を宣言したところで、バランエルの攻撃権を消費すれば、その攻撃はバランエルへと誘導される。迂闊な攻撃は、一方的な破壊という結果を招くだけです」

 

 ノゾミの言う通り、ヴァニタスだけではこの盤面を返すことはできない。

 ヴァニタスが攻撃した瞬間、その攻撃対象は強制的にバランエルへと変更され、こちらにとって不利な戦闘が行われる。

 ……ただし。

 

「それは、逆も同じこと」

「逆……ですか?」

「バランエルが相手の場にいる状況で、ヴァニタスから先に攻撃を仕掛けてしまえば、ヴァニタスはバランエルに倒されてしまう。だけどヴァニタスが場にいる状況で、バランエルが先に攻撃したのなら、その結果はまったくの逆になる」

「……なるほど。そういう狙いですか」

 

 ノゾミも私の言いたいことがわかったらしく、神妙な面持ちでヴァニタスを見据える。

 

「えーっと……どういうこと?」

「ホムラ……あなた、私がいると私に解説を投げがちよね。忘れたの? バランエルには攻撃時に互いのライフカウンターを回復して、ライフが上限に達しているプレイヤーがいるなら攻撃権を回復する効果があるわ」

「しかもあれ強制発動の効果だったよ。お姉ちゃん」

「あ、そっか! メイちゃんのヴァニタスには、サーヴァント以外のカードの使用と発動効果に反応してカードを消滅させる効果があるもんね。もしもバランエルが先に攻撃して、ライフと攻撃権を回復する効果を使っちゃったら……」

「ええ。その瞬間、ヴァニタスの効果が発動してバランエルは消滅させられる。いわば現状は、ヴァニタスとバランエルが互いに牽制し、睨み合っている膠着状態。バランエルがいる限りヴァニタスは自由には動けないけど、同様にヴァニタスがいる限り、バランエルも好きには動けないわ」

 

 ノゾミの場の3体のサーヴァントすべてが『ガード』を所持している、この状況。

 好きに攻撃対象を変更させられてしまう以上、攻撃によって狙ったサーヴァントを除去することは至難の業だ。

 現にヴァニタスはアースエルを倒せるだけのステータスを持つというのに、バランエルがいるせいで、攻撃したくともできない状況に置かれてしまっている。

 

 ……残念ながら今の私の手札と状況では、どう足掻いてもノゾミの場のサーヴァントすべてを除去することはできない。

 だけど、なにも除去だけが盤面の優劣を決める要素じゃない。

 私の場に『虚無龍ヴァニタス』がいる限り、バランエルは動けない。

 そしてノゾミが現状を打破しようと新しくカードを使った場合にも、私はヴァニタスの効果でそのカードの消滅を狙っていける。

 ヴァニタスを万全の状態で場に残し続けること。ただそうするだけで、主導権は私が握れるようになる。

 

 次だ。ヴァニタスがいる限り、バランエルはただの置き物と化す。

 となれば、次に対処するべきなのは……。

 

「私は2エナジーを消費して、『虚無龍の眼』を詠唱する」

 

虚無龍の眼
コスト2 属性:無 

スペル 種別:虚数 

 - 効果 - 
①『Qアクション0』=条件:相手によって自分のライフカウンターが破壊された時。

②「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」を+1する。

③相手の場のサーヴァント1枚を選択して【各ターンエンド時に強制発動。ATKとHPを-1000する。この効果に続けて自分は強制発動以外のカードの効果を連鎖できない。】を付与する。

④このデュエル中に1度でも「虚無龍ヴァニタス」を場に出しているなら、エナジーを2回復する。

 

「私の場を離れた『虚構定理』の数を+1する。そして相手の場のサーヴァント1枚を選択して、各ターンエンド時にATKとHPを-1000する強制発動効果を付与する。さらに付与されたこの効果が発動する時、あなたはそれに続けて強制発動以外のカードの効果を連鎖させることができない」

「これは……このデュエルの序盤、『虚無龍の巫女インフィ』が『見習い天使ミクエル』に付与したものとまったく同じ効果ですね。しかし今はあの時とは違い、あなたの場には『虚無龍ヴァニタス』がいます。つまり……」

「そう。この効果を付与されたサーヴァントはターンエンド時、その効果の発動とともに、ヴァニタスの効果で消滅させられることになる」

 

 ATKとHPを-1000という数値は、序盤ならばいざ知らず、中盤以降にまで勝負がもつれ込んだ現状では大した影響を及ぼせない。

 しかし今ここで重要なのは効果によって下げられる数値そのものではなく、効果の発動を強制できるという点だ。

 私の場にはヴァニタスがいる。ヴァニタスの前で効果の発動を宣言することは、自らその首を差し出すことと同義だ。

 

「私が効果を付与する対象に選ぶのは……『【豊穣】の熾天使アースエル』」

「え。ヴァニタスより高いステータスを持つバランエルじゃなくて、アースエル……?」

「いえ、これでいいわ」

 

 疑問の声を上げるホムラに、エミリアがふるふると首を左右に振って答える。

 

「バランエルのステータスは確かに派手だけど、その代償に多くのデメリット効果を抱えてもいる。その一つがライフカウンターへの攻撃ができないことよ」

「バランエルじゃメイちゃんのライフを削れないから、放っておいても問題ないってこと?」

「問題ないというほどではないけど……次のターン、もしもノゾミ先輩が自分の場のサーヴァントをそのまま残したまま……たとえばスペルの効果なんかでヴァニタスに対処してきた時のことを考えると、ライフ的にはバランエルよりもアースエルを除去しておいた方が安全なのよ」

「アースエルにはサーヴァントの破壊をエナジーチャージに置換しちゃう常在効果もあるもんね。放っておくとなにされるかわかんないよ。お姉ちゃん」

 

 エミリアとセンカの言う通りだ。

 それに、ノゾミは『慈愛の施し』や『【均衡】の熾天使バランエル』など、自分から相手のライフカウンターを回復させてしまうカードを複数枚採用している。

 それは裏を返せば、彼女には上限の8にまで到達した相手のライフカウンターを削り切れるだけの自信があるということだ。

 バランエルとアースエル。どちらか一方しか除去できないなら、ここはライフカウンターへの打点にもなれるアースエルを選んでおく方が賢明だろう。

 

「そして『虚無龍の眼』の最後の効果。私がこのデュエル中1度でも『虚無龍ヴァニタス』を場に出しているなら、エナジーを2回復する」

 

 これでバランエルを置き物にして、アースエルを除去する手はずも整った。

 残るは『見習い天使ピピエル』だが、こちらは放っておいても問題はないだろう。

 ピピエルのATKは0。そして攻撃によってライフカウンターを破壊するためにはATKが1以上必要だ。

 ATK0による『ガード』はこちらから攻撃を仕掛ける場合には厄介に働くが、ノゾミのターン中ならば大した脅威にはならない。

 ノゾミの場にサーヴァントを残すことにはなってしまうものの……ひとまずはこれで盤面を返すことはできたと言ってもいいだろう。

 

 あとは……。

 

「……」

「……メイ様、なにか迷ってる……?」

 

 ノゾミが私のエナジーチャージを加速させてくれたおかげで、ここまでは遠慮なく展開できているが……。

 問題はここからだ。

 

 ノゾミの場には、依然としてエリア『ジャッジメント・ワールド』が存在する。

 あのエリアの効果は、場にある限り、各プレイヤーのエナジーの最大値よりも高いコストを持つサーヴァントの攻撃・『ガード』・攻撃権の回復・発動効果の宣言を禁止するというもの。

 私の現在のエナジーの最大値は9。つまり、コスト9までならば自由に展開ができる。

 一見するとじゅうぶんな値にも思えるが……私のデッキの軸である『虚構天使ホロエル』*3には、私の場を離れた『虚構定理』の数に応じて、場でのコストとステータスを上昇させる常在効果がある。

 現在、私の場を離れた『虚構定理』は9。これによって『虚構天使ホロエル』もコストが9にまで上昇してしまっている。

 つまり、これ以上私の場を離れた『虚構定理』の数を稼いでしまったら、ホロエルは『ジャッジメント・ワールド』が課す制約によって、あらゆる動きが封じられてしまうということだ。

 そうなれば自分のターンエンド時の発動効果によるドローや攻撃権回復もできなくなるばかりでなく、『ガード』効果による『虚無龍ヴァニタス』を守る盾もなくなり、防御と妨害が手薄になる。

 

 ……私の残る使用可能エナジーは2。手札にもまだ使えるカードが残っている。

 ここから私が打てる手の選択肢は、およそ三つだ。

 

 一つは、これ以上エナジーや『虚構定理』の数に影響を及ぼすような行為をせず、大人しくターンを渡すこと。

 リスクの面で言えば、これがもっとも危険がない(ローリスク)。だが同時に、見返りが少ない(ローリターン)とも言える。

 闇雲に時間を稼いだところで意味はない。ノゾミと並走したままゴールテープを100m(メートル)先に置いたところで、ノゾミより先にそこへ到達できないのなら敗北の結果は不変だ。

 ノゾミよりも先に相手のライフカウンターを削り切り、ダイレクトストライクを与える。

 そういった先の展開を見据えるなら、ここで下手に守りに入ることが、結果的に敗北への遠因になる可能性は否定できない。

 

 そして二つ目の選択肢が、自らエナジーをチャージして最大値を10にまで上げて、さらに私の場を離れた『虚構定理』の数を稼ぎにいくこと。

 場を離れた『虚構定理』の数が10に到達すれば、『虚構天使ホロエル』の効果で、私の場にエリア『完全虚構証明』を出せるようにもなる。

 ……ノゾミは明らかにホロエルを警戒している。『咎戒』のように、今後また私の予想外の手でホロエルの動きを封じられてしまう可能性も否定できない。

 このターンを逃せば、次の私のターン以降、『完全虚構証明』を出せる隙があるかどうかは五分五分と言ったところだろう。

 

 おそらくは、これがもっとも私の勝利に近づける選択肢だ。

 だが同時に、ノゾミの勝利という結果を近づけてしまう選択肢でもある。

 私が使えるエナジーの量が増えてしまうにもかかわらず、前のターン、あれほど強引に私のエナジーチャージを加速させてきたノゾミのことだ。

 彼女の『【豊穣】の熾天使アースエル』が召喚時に使った、私のエナジーの最大値以下のコストになるように、彼女のエナジーからサーヴァントを2体まで場に出す効果のように……。

 次のターン、私のエナジーの最大値を参照したなんらかの効果を狙っているだろうことは容易に想像がつく。

 自らエナジーをチャージすることは、ノゾミのさらなる展開を助長する危険を孕む。

 一つ目の選択肢がゴールテープを100m先に置くことなら、いわばこちらはゴールテープを100m手前に置く選択だ。

 

 そして最後の三つ目の選択肢が、『ジャッジメント・ワールド』が私に付与している特殊能力を使用すること。

 あのエリアのもう一つの常在効果だ。場にある限り、相手のプレイヤーに特殊能力を付与する。

 その内容は、エナジーを2消費することで、互いのデッキの上から1枚目を消費状態でエナジーにチャージさせ、次の私のターンスタート時まで『ジャッジメント・ワールド』の効果を無効にすること。

 この特殊能力を使えば、もしも相手のターン中に『虚構天使ホロエル』以外の私のサーヴァントが除去されて、場を離れた『虚構定理』の数が私のエナジーの最大値を超えてしまったとしても、次のノゾミのターン中に限ってならばホロエルの『ガード』が利用できるようになる。

 ……とは言え、得られる恩恵はせいぜいがそれくらいだ。この選択肢を選ぶ意味はあまりない。

 

 選ぶとしたら、一つ目か二つ目のいずれかだ。

 長期戦の体力勝負に持ち込むか。あるいは、短期戦の加速力勝負に挑むか。

 いずれ訪れる勝敗という結果だけが、どちらが正解だったのかを暗に示すだろう。

 

 勝つために、私がここで選ぶべきは……。

 

「私は……()()()()()()()()()

「……なるほど、そう来ましたか。勝負に出るつもりですね」

 

 私が選ぶのは、二つ目の選択肢。

 エナジーをチャージして、さらに『虚構定理』を稼ぎにいく。

 

「そして手札の転生サーヴァント『虚夢の精霊ホルボルポルン』は、相手の場のカード2枚につき召喚に必要なコストを1下げる」

「私の場のカードは『ジャッジメント・ワールド』、『【豊穣】の熾天使アースエル』、『見習い天使ピピエル』、『【均衡】の熾天使バランエル』の合計4枚ですね」

「これにより元のコスト5から2下がった3エナジーで召喚が可能。そしてその転生素材に、私は『虚無龍の巫女インフィ』を選ぶ」

 

 私は刃を抜き放つように1枚のカードを手に取ると、それを『虚無龍の巫女インフィ』の上に重ねた。

 

「数多の魂を虚夢へと(いざな)う。甘く蕩ける優しい時間。ここはただ、幸福だけが存在する夢の世界。皆で眠ろう、とこしえに。転生召喚――『虚夢の精霊ホルボルポルン』!」

 

虚夢の精霊ホルボルポルン
コスト5 種別:虚数/フェアリー 
属性:無 ATK 5000 HP 5000 

転生サーヴァント 条件: 無属性サーヴァント1枚 

 - 効果 - 
【制約】:[転生サーヴァント]


①【手札で有効】このサーヴァントを召喚するために必要なコストは-Xされる。(Xは相手の場のカードの数を2で割った数。端数切り捨て)

②『Qアクション5』=条件:相手のサーヴァントの攻撃時。

③『虚構定理』=条件:場に出たターン中。

④場に出た時、「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」を+1する。このサーヴァントのATK以下のATKを持つ他のサーヴァントの攻撃中に場に出たなら、その攻撃を停止させる。

⑤このサーヴァントのATK以下のATKを持つ他のサーヴァントの攻撃時に発動可能。その攻撃を停止させる。このサーヴァントの攻撃権を回復する。

 

 シャボン玉の群れがデュエルフィールドを覆い尽くし、シャボン玉の渦の中から幻想的な少女が姿を現す。

 まだまだ成長期と言ったその少女は宙に浮いた一際大きなシャボン玉の中で眠っており、楽しい夢でも見ているのか、その口元は幸せそうに緩んでいる。

 

「ホロエルちゃんに、ヴァニタスに、ホルルンちゃ……じゃなくて、ホルボルポルン! ねえエミリア、これって……!」

「ええ。無空さんのデッキが誇る3体のエースすべてが、無空さんの場に揃った」

「これが、メイ様の全力……!」

 

 ホロエルが槍を構え、ヴァニタスが咆哮を上げて、同時にビクッと肩を震わせて目を覚ましたホルボルポルンが喧しそうに両手で自分の耳を塞ぐ。

 

「……さすがに壮観ですね」

 

 私の場に揃った3体のエースの姿に、ホムラたちが湧き立つ。

 ノゾミもまた同様に、険しい表情で3体のサーヴァントを見据えていた。

 

「『虚夢の精霊ホルボルポルン』の効果。これが場に出た時、私の場を離れた『虚構定理』の数を+1する」

「……ふむ。これであなたの場を離れた『虚構定理』の数は、大台の10に到達しましたか。となると……」

「私は『虚構天使ホロエル』の効果発動。場を離れた『虚構定理』の数が10以上の時、ホロエルはエリア『完全虚構証明』を生成して場に出せる」

 

完全虚構証明
コスト10 属性:無 

エリア 種別:虚数 

 - 効果 - 
【制約】:[存在制限](上限:同名/場に1枚)


①自分の場のカードが持つすべての『虚構定理』は、条件を満たしていなくとも条件を満たしたものとして扱う。

②「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」が減る時、代わりに増やす。(上限:1ターンに1回)

③自分のターンエンド時に発動可能。自分の場の『虚構定理』を持つすべてのサーヴァントのHPを全回復する。

④???

 

 ホロエルが槍の先端を宙空に向けると、理解不能な数式が不可思議なシャンデリアを形成し、虚無の光がデュエルフィールドを照らし始める。

 

「『完全虚構証明』が場にある限り、私の場のカードが持つ『虚構定理』は条件を満たしていなくとも条件を満たしたものとして扱う」

「あなたの『虚夢の精霊ホルボルポルン』が持つ『虚構定理』の条件は、場に出たターン中でしたね。本来であればターンを跨いだ瞬間にその条件は満たされなくなりますが……これで次の私のターンでも、ホルボルポルンの効果が有効なまま生存できるというわけですか」

 

 自身が持つ『虚構定理』の条件を満たしていないサーヴァントは、『虚構定理』以外のすべての効果が無効化され、攻撃もできず、ターンエンド時に破壊される。

 だけど『完全虚構証明』さえあれば、私はあらゆる『虚構定理』の条件を気にせずにカードを使用できるようになる。

 

「私はこれでターンエンド。この時、『虚構天使ホロエル』の効果発動。カードを1枚引き、攻撃権を回復する」

 

 私のターンスタート時の処理が終わった時点で、すでに『咎戒』による攻撃権の回復封じの効果は切れている。

 よってホロエルは問題なく攻撃権を回復し、次のノゾミのターン、攻撃権を消費することによる『ガード』効果の使用が可能になる。

 

「続けて『無給の使用人アズリ』と『完全虚構証明』の効果発動。ターンエンド時、アズリは私の手札の『虚無』の枚数と同じ数だけエナジーを回復する。現在、私の手札の『虚無』は1枚。よって1回復する。さらに『完全虚構証明』は、私の場の『虚構定理』を持つすべてのサーヴァントが受けているダメージを最大まで回復する。これによりホロエルが受けているダメージ4000を回復」

 

 そこまで効果を宣言したところで、私はノゾミへと人差し指を突きつけた。

 

「さあ、次はあなたの番」

「……ルールに従い、ターンプレイヤーの『時に発動可能』あるいは『時に強制発動』の連鎖宣言が終わった後、相手プレイヤーもまたそれに続く形で同系統のカード効果の連鎖を行います。その時、強制発動の文言を持つカードが存在しているのなら、それを必ず使用しなければなりません」

「あなたの場には私が『虚無龍の眼』で効果を付与したアースエルがいる。その効果は各ターンエンド時に強制的に効果を発動し、ATKとHPを-1000すること。さらにあなたはその発動に続けて強制発動以外のカードの効果を連鎖できない」

「私はアースエルに付与された効果の発動を宣言します。続くカードの使用はありません」

「この瞬間、『虚無龍ヴァニタス』の効果発動。サーヴァント以外のカードの使用、または他のカードの発動効果が起動した時、そのカードを消滅させる。この効果による除去は破壊ではないため、破壊をエナジーチャージに置換するアースエルの常在効果は適用されない」

「……私がもっともリターンを得られない方法で、アースエルを除去されてしまいましたか」

 

 ヴァニタスに睨まれたアースエルが、突如として発生した虚無の渦に飲み込まれ、その存在を消失させる。

 アースエルのそばにいたピピエルは呆然と唇を震わせ、バランエルは非力を痛感するように拳を握り締め、ヴァニタスを睨みつけた。

 

「その後、私の場を離れた『虚構定理』の数を-1する」

「しかしあなたの場の『完全虚構証明』には、場を離れた『虚構定理』の数が減る代わりに増やす常在効果があったはずです。そしてそれは私のアースエルの破壊をエナジーチャージに置換する効果と同様、強制適用の効果だったと記憶しています。これにより、あなたの場を離れた『虚構定理』の数は10から11に上昇します」

 

 その効果は、前のクラス代表対抗戦……決勝であるエミリアとのデュエルの時にも使っていなかったはずだけど……。

 ……いや、薄々予想はついていたことだ。

 彼女は私とエミリアとのデュエル以外にも、私がこの学園に来てから行ったすべてのデュエルの記録をチェックしていたのだろう。

 たとえばこの学園での私の初めてのデュエル。ホムラとの勝負では、私は場を離れた『虚構定理』の数が減る代わりに増やさせる効果を1度だけ適用した。

 すでに勝敗の行方が決していた場面での出来事ではあったけど……仮にノゾミがあのデュエルの記録も見ているのなら、『完全虚構証明』が持つ置換効果も知られていて然るべきだ。

 

「場を離れた『虚構定理』の数が増えたことで、それに伴いホロエルのコストも11に。あなたのエナジーの最大値である10を上回ったことにより、『ジャッジメント・ワールド』の効果で『虚構天使ホロエル』は――」

「この瞬間、『虚無龍ヴァニタス』のさらなる効果。『自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数』が減る時、代わりにヴァニタスの転生素材を取り除くことができる」

「なんですって? そんな効果は今まで……」

「そう。この効果は、この学園に来てからはまだ一度も使っていない。だからあなたも知らなかったでしょ?」

「……」

 

 ノゾミにとってほとんどが既知だっただろう私の打つ手の中で、初めてノゾミの想定を越えるものが現れた。

 私の一言に押し黙ったノゾミが、最大限の警戒をあらわにして私を見返してくる。

 

「代わりに何々するという置換系の常在効果が複数枚存在する場合、ターンプレイヤーのものから優先して適用される。そしてその際、そのプレイヤーの場にさらに置換系の常在効果が複数枚あった場合、古く場にあるカードから優先して効果を適用する」

「……あなたの場の『虚無龍ヴァニタス』は、『完全虚構証明』よりも先に場に存在していますね」

「よってヴァニタスの置換効果を先に適用できる。私は私の場を離れた『虚構定理』が減る代わりに、ヴァニタスの転生素材である『無死の怪物』を取り除く」

 

 これで、私の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数は10のまま。

 ホロエルの動きが『ジャッジメント・ワールド』で封じられてしまうこともない。

 

「『虚無龍ヴァニタス』が持つ『虚構定理』の条件は転生素材を持っていること。その条件は今、満たされなくなった。だけど私の場には『完全虚構証明』がある。よってヴァニタスの『虚構定理』は満たされているものとして扱われる」

「……上手い……」

 

 ここまでほとんど黙っていたイサネが、思わずと言った具合にポツリと呟く。

 

「『虚無龍ヴァニタス』も、『虚夢の精霊ホルボルポルン』も……これで次のターン、本来は『虚構定理』を満たしていないにもかかわらず行動ができます。お嬢様の『ジャッジメント・ワールド』が許容するギリギリを見極めたうえで、考え得る最高効率で『虚構定理』の数を稼ぎ、お嬢様の次の手を牽制する盤面を維持する。まさしく針の穴を縫うようなプレイング……これが本来の、虚無の巫女に選ばれしものの力……」

「……イサネ。そう心配そうな顔をしないでください」

 

 観客席を一瞥し、ノゾミが冷静さを取り戻した声色で告げる。

 

「私の切り札が降臨するための舞台は、すでに整っています。もはや彼女に天使が下す審判から逃れる術はありません。終幕へのカウントダウンを、彼女はただ座して待つ運命なのです」

「……お嬢様……私は……」

 

 ……これですべての効果の連鎖が終了した。効果の適用は、もっとも後から使用されたカード効果から順に行われる。

 最初にヴァニタスの効果によるアースエルの消滅。

 次にアースエルのATKとHPを-1000する効果……だが、これはアースエルがすでに存在しないため意味をなさない。

 その次に『完全虚構証明』の効果でホロエルのダメージを回復。続いてアズリの効果で私のエナジーを1回復。

 最後にホロエルの効果でカードを1枚引いて、ホロエルの攻撃権を回復する。

 

「……ねえ、エミリアさん。メイ様のこれって、かなり強固な盤面だよね?」

 

 センカが感嘆の息を吐きながら、エミリアに確認を取る。

 

「ええ。ノゾミ先輩にとって一番厄介なのは、おそらく『虚無龍ヴァニタス』でしょうね。ヴァニタスがいる限り、『【均衡】の熾天使バランエル』は動けない。ピピエルもATKが0だから盤面処理には貢献できないわ」

「メイちゃんのヴァニタスの怖さはそれだけじゃないよ! 会長の人がサーヴァント以外のカードを使用したら、ヴァニタスの効果で問答無用で消滅させられちゃうし。それがもしサーヴァントだったとしても、発動効果を使ったなら同じように消滅させられちゃう」

 

 ホムラが補足すると、エミリアがこくりと頷く。

 

「『虚無龍ヴァニタス』は本来、発動効果を使用せず『アクセル』で攻撃を仕掛けてくるようなサーヴァントを苦手とする傾向にあるわ。けれど今、無空さんの場にはATKとHPがともに10000で『ガード』が使用可能なホロエルちゃんと、ATK5000以下の攻撃をすべてシャットアウトする『虚夢の精霊ホルボルポルン』がいる」

「今のメイ様の『虚無龍ヴァニタス』を『アクセル』で除去するためには、大きいのが1体いてもダメで、小さいのが何体で攻撃を仕掛けてもダメってことだよね?」

「そう。そしてそんな肝心のヴァニタスのHPも9000と相当な量があるわ。攻撃に頼らず、なんらかの効果で対処しようにも、このステータスなら相応のコストを支払わなければ除去までは持っていけないはずよ。そうなれば仮にヴァニタスがやられてしまったとしても、そのぶんだけノゾミ先輩の展開を遅らせることにも繋がって、無空さんがテンポアドバンテージを獲得できる」

 

 今、盤面の主導権は私が握っている。

 もしもノゾミがヴァニタスに対処できないなら、このまま押し切れる可能性すらあると言ってもいい。

 

 ……とは言え、そう簡単に行くなら初めからここまで苦労していない。

 ノゾミは確実にこの盤面に対応してくるだろう。

 だけど、それこそが私の狙いのうちの一つでもある。

 

 ホロエル、アズリ、ヴァニタス、ホルボルポルン。

 4体が場から離れれば、私の場を離れた『虚構定理』の数は14になる。

 さらにそうなるまでの間に、カードを消滅させるヴァニタスの効果を1度でも発動させられていれば、その際に発生する『虚構定理』の減少を『完全虚構証明』で上昇に置換して15にまで到達させられる。

 

 15……そこが勝負所だ。

 ホロエルを手にしてから未だ誰にも見せたことがない、ホロエルのあの効果で……。

 次の私のターン。私がこの手で、勝負の幕を引いてみせる。

 

 

先攻6ターン目:光華ノゾミ

光華ノゾミ (保有中の特殊能力)自分が相手にチャージさせた枚数:5
ライフ:8Ar:ジャッジメント・ワールド

Se:見習い天使ピピエル(A0/H500)

Se:【均衡】の熾天使バランエル(A20000/H20000)

Ene:10
手札:6→7

無空メイ (保有中の特殊能力)場を離れた虚構定理:10
ライフ:8Se:無給の使用人アズリ(A1000/H2000)

Se:虚夢の精霊ホルボルポルン(A5000/H5000)

Se:虚構天使ホロエル(A10000/H10000)

Se:虚無龍ヴァニタス(A7000/H9000)

Ar:完全虚構証明

Ene:10(1)
手札:4

☆光属性を含む複合した属性を持つカードをエナジーにチャージする時、消費状態でチャージする制約を無視する。(【制約】:[複合属性]を無視し、未消費状態でチャージする)

☆エナジーを2消費して使用可能。お互いのプレイヤーはデッキの上から1枚目を消費状態でエナジーにチャージする。次の自分のターンスタート時まで、相手の場のすべての「ジャッジメント・ワールド」の効果を無効にする。(特殊能力を失っても無効状態は継続する)

*3
「虚構天使ホロエル」の参考効果。

①『虚構定理』=条件:「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」が5以上。

②『アクセル』

③『ガード』

④場にある限り、このカードのコストは「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」と同じとして扱う。

⑤ATKとHPに「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」×1000を+する。

⑥「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」がX以上なら発動可能。以下の効果から1つを選択して適用する。(Xは指定された数)

・X=10:エリア「完全虚構証明」1枚を生成して場に出す。

・X=15:このカードを「???」に書き換える。

・X=20:???

⑦自分のターンエンド時に発動可能。カードを1枚引き、攻撃権を回復する。

☆光属性を含む複合した属性を持つカードをエナジーにチャージする時、消費状態でチャージする制約を無視する。(【制約】:[複合属性]を無視し、未消費状態でチャージする)

☆エナジーを2消費して使用可能。お互いのプレイヤーはデッキの上から1枚目を消費状態でエナジーにチャージする。次の自分のターンスタート時まで、相手の場のすべての「ジャッジメント・ワールド」の効果を無効にする。(特殊能力を失っても無効状態は継続する)




カード制作裏話
・虚夢界実現【素敵な贈り物】
すっかりトラウマになっているエミリアから苦い顔をされた1枚。あれ以来、エミリアは盤面ロック対策とドローロック対策のプレイングを意識しているらしい。

・無死の怪物
メインキャラ勢公認のヴァニタスのズッ友。これからもよろしく(˶ `–֊–´ )

・虚無龍ヴァニタス
改心した不良枠。カードを手に入れた背景が明らかになったことで若干小物感が増していたが、「どんなことをしてでも勝ち続けるという――無空さんの決意の証」という一連の流れで威厳を取り戻せたんじゃないかと思う( *´꒳`*)。なおヴァニタス降臨からの一連の会話は前々からずっと書きたくてアイディア用執筆メモ帳に保存していた。この他にもこれだけはやりたいという流れをそこそこ保存して温めている。なんかセンスが良いなと思うやり取りがあったら多分大体それである。

・虚無龍の眼
序盤の処理札の面が強いQアク0持ちスペル。ただしヴァニタスと併用すれば確定除去、さらにヴァニタスが1度でも出ているなら0エネで虚構+1と、後半でも相応の役割がある。ドローやサーチ効果ばかりだとなんなので、そういったハンドを補充する効果を搭載していなくとも採用する価値がある低コストスペルを作ろうとしたらこうなった。効果そのもののは良くできたと思ってはいるものの、低コストスペルにしては効果を多くし過ぎてしまった気もするので、今後はその反省を活かしていきたい。

・虚夢の精霊ホルボルポルン
ヴァニタスうるさい…<( ⸝⸝⸝-︿-*)>

・無給の使用人アズリ
ホロエルヴァニタスホルボルポルンのエース揃い踏みに周囲が湧き立つ中、「私もいますよ…」と死んだ目をして所在なさげに突っ立っていた社畜少女。ターンエンド時にメイちゃんが効果の発動をちゃんと宣言してくれたことで、忘れられていなかったことがわかってほんのちょっとだけ嬉しかったらしい。
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