可愛い銀髪美少女天使カードとして転生した私、マスターを導く 作:にゃっとう
| 後攻4ターン目:無空メイ |
|---|
| 燃照ホムラ | ||
|---|---|---|
| ライフ:5 | 場 | Ar:竜を呼ぶ儀式 Se:炎旱竜グレイブ・ドラグニル(A7000/H7000) Se:竜の巫女アクアエ(A1000/H1000) Se:竜の巫女フルメン(A1000/H1000) |
| Ene:4(0) | ||
| 手札:3 |
| 無空メイ | 場を離れた虚構定理:4 | |
|---|---|---|
| ライフ:3 | 場 | Se:虚の妖精ホルルン(A1000/H1000) |
| Ene:4 | ||
| 手札:2→3 |
……まずは状況を整理しよう。
相手の場にはATKとHPがともに7000のエース級サーヴァント『炎旱竜グレイブ・ドラグニル』と、ATKとHPがともに1000の小型サーヴァント『竜の巫女アクアエ』と『竜の巫女フルメン』の合計3体がいる。
ライフカウンターを多く削ることができる『ストライク2』を持っているグレイブは最低限破壊しておきたいところだが、そうなるとアクアエとフルメンの存在がネックだ。
アクアエとフルメンはステータスだけ見れば大したことがないものの、グレイブの効果で『ガード』能力を付与されている。
『ガード』……その能力を持つサーヴァントは、自身に攻撃権が残っている場合、それを消費することで相手の攻撃対象を自身に移し替えることができる。
場に出たばかりのサーヴァントは召喚硬直のルールによって攻撃できないが、攻撃権自体は持っている。
つまり今グレイブに攻撃しようとしても、その攻撃はアクアエとフルメンに吸収されてしまうということだ。
さらに厄介なのはフルメンの効果……あれは破壊された時、場のコスト5以上のドラゴンに『バリア』を付与する効果を持っている。つまりこちらの攻撃をフルメンに『ガード』され、フルメンが破壊されると、グレイブに『バリア』が付与されてしまう。
『バリア』を持ったサーヴァントは次に受けるダメージが0になる。戦闘や効果を問わず、だ。
もしも今、攻撃だけでグレイブを破壊しようとするのなら、まずアクアエとフルメンの2体を破壊するために2回。その後、フルメンが与えた『バリア』をはがすために1回。さらにグレイブのHP7000に対抗できるだけのATKを持ったサーヴァントで1回……最低でも4回の攻撃を繰り出す必要がある。
私の場にはホルルンがいるから1回分は確保できるが、今から私がエナジーをチャージしても、使えるエナジー量は5だけ。たったの5コストで残り3回の攻撃回数を確保するのは現実的じゃない。
今の状況からグレイブの除去を狙うなら、フルメンに『ガード』能力を使わせないように立ち回るか、ダメージに頼らない直接的な破壊効果を利用するなど、単純な攻撃以外の手段を選んだ方が賢明だろう。
……相手の残りライフはまだ5。私のデッキは『フルアクセル』のような自分から積極的にライフカウンターを削りに行ける効果を持ったカードはほとんど入っていないから、攻められている現状でトドメまで持っていくことはまず不可能。
勝つためにはどこかで必ずこちらに有利な盤面を作って、主導権を奪い返す必要がある。
相手の残りエナジーは0。エナジーが残っていれば手札から強力な『Qアクション』が飛んでくることも警戒しなければならないが、今の状況なら
『Qアクション
もちろん例外はあるが、ホムラの攻撃的な戦術スタイルから鑑みても、そう神経質に警戒する必要はないだろう。
今は盤面に集中するべきだ。
そして最後に、相手の残り手札は3枚。そのうち2枚は、前のターンにアクアエの効果でサーチしたコスト5以上のドラゴンであることが確定している。
もしもここで仮に相手の盤面にサーヴァントを残してしまえば、次に出てくるサーヴァントがまた『フルアクセル』を持っていた場合、3しか残っていない私のライフが持たない危険性が出てくる。
安全を期するなら、グレイブだけでなく3体全員を除去したい。
そのためにはやはり……デッキで眠る、ホロエルの力が必要だ。
「行くよ、ホロエル――ドロー」
ターンスタート時のドロー。引いたカードは――。
「……攻撃宣言。ホルルンで『竜の巫女アクアエ』に攻撃」
「なら私はその攻撃に反応して、『竜の巫女フルメン』の『ガード』効果! フルメンの攻撃権を放棄し、攻撃対象をフルメンに移し替える!」
ホルルンが杖から放った白いビームがアクアエに向かうが、そのビームはアクアエを守るように軌道に割り込んだフルメンに衝突する。
そしてビームが当たる寸前にフルメンも稲妻を
お互いに1000のダメージを与え合い、ともに爆散し相打ちとなる。
「そしてこの時、フルメンの効果を発動するよ! フルメンが破壊された時、場のコスト5以上のドラゴンに1層の『バリア』を付与できる! 私が選択するのは当然『炎旱竜グレイブ・ドラグニル』! これにより、グレイブが次に受けるダメージは0になる!」
「……」
「ふふっ、残念だったねメイちゃん。竜の巫女とグレイブの相性は抜群なの。巫女の祈りと儀式がグレイブのコストを下げ、グレイブもまたそれに応えるように巫女のコストを下げる。そして巫女がさらなる力をグレイブに与えて……この竜の血筋を持つ者同士の絆、信頼関係こそがグレイブの真骨頂。顕現した太陽は、そう簡単には落とせない。これでもうメイちゃんに打つ手は――」
「無い、って? ふふ、ふふふっ……そう、普通だったらそうだったかもしれない。でも、打つ手が無いということは……それすなわち虚無。それは私が歩む、運命の名前」
「メイちゃん……?」
ホムラが訝しげな眼を向けてくるが、気にならない。
私は手の中にあるカードを見下ろす。
竜の血筋を持つ者同士の絆? 信頼関係?
それが本当に強さの証だと言うのなら、それこそあなたたちなんて相手にもならない。
いつだってそうだった。
今日に至るまで私が誰にも負けなかったのは、勝ち続けてこられたのは、私一人だけの力じゃない。
「虚無の運命の行く末は私
1ターン目のホロエルの自壊で1枚。2ターン目の複製したホロエルの自壊で2枚。3ターン目の『虚構論構築』の効果と、消滅させた蛍火で4枚。そして今ホルルンが戦闘で破壊されたことにより、合計5枚。
私はこのターンのスタート時にデッキから引いたカードを大きく掲げ、場に叩きつける。
「虚無より生誕せし慈愛の天使。あなたが私を愛してくれるのなら、私があなたの存在を肯定する。どうか私を導いて! 私は1エナジーを消費して、『虚構天使ホロエル』を召喚!」
| 虚構天使ホロエル | |||
|---|---|---|---|
| コスト1 | 種別:虚数/天使 | ||
| 属性:無 | ATK 0 | HP 0 | |
| サーヴァント |
|---|
| - 効果 - |
|---|
| ①『虚構定理』=条件:「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」が5以上。 ②『アクセル』 ③『ガード』 ④場にある限り、このカードのコストは「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」と同じとして扱う。 ⑤ATKとHPに「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」×1000を+する。 ⑥「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」がX以上なら発動可能。以下の効果から1つを選択して適用する。(Xは指定された数) ・X=10:エリア「完全虚構証明」1枚を生成して場に出す。 ・X=15:このカードを「???」に書き換える。 ・X=20:??? ⑦自分のターンエンド時に発動可能。カードを1枚引き、攻撃権を回復する。 |
虚空に理解不能な無数の数式が現れ、それが渦を巻くようにして一つの場所に集い、神々しい銀髪の天使を虚構する。
今度はその身は鎖には捕らわれない。これまでに崩壊した虚構の残骸が彼女の存在を証明する基盤となり、本来存在し得ない虚無の天使が現実世界に顕現する。
「そのカードは、1ターン目と2ターン目に出してた……でも、『無相の蛍火』の効果でデッキに戻ってたはずじゃ? ……ううん、そうじゃないか。何度も出し直してたことから察するに、きっとそのカードがメイちゃんのデッキの軸。つまり、同名カードを入れられるギリギリの3枚までデッキに積んでるってこと」
「……ホロエルは1枚しか入ってない」
「え? じゃあまさか……この2ターンの2枚のドローだけで、もう引いたのっ!?」
「舐めないで。私が望んで、ホロエルが応えてくれなかったことはない」
私の迷いない返答に、ホムラが息を吞む。
……ホロエルはどうしてか、ちょっと苦笑いしてたけど。
「ホロエルの虚構定理の条件は、場を離れた『虚構定理』を持つカードの数が5以上であること。現在、場を離れた数は5枚。よってホロエルの虚構は定理によって実現し、その存在と力が解放される」
「5……メイちゃんのそのカードへの信頼度合いを見るに、そこがメイちゃんのデッキが回り始めるボーダーラインみたいだね」
ホムラが警戒度を引き上げてホロエルを見据える。
「ホロエルの効果。ホロエルは自身の効果が有効になったことにより、そのステータスを私の場を離れた虚構定理を持っていたカードの数に応じて変動させる」
「変動?」
ホロエルが手のひらを上に向けると、そこから5つの小さな白い光の玉が出現し、ホロエルの周囲をフワフワと回り始める。
「場にいる間、ホロエルのコストは場を離れた虚構定理の数と同じになる。ATKとHPも同様に、その数の1000倍となる」
「今は5枚だから、コスト5でATKとHPが5000になるってこと? へえ、悪くないね! でも、その程度じゃ私のグレイブは倒せないよ!」
「その程度? 本当にそう思っているのなら、あなたはまだホロエルの強さをなにもわかっていない。攻撃宣言、私はホロエルでアクアエに攻撃」
「えっ!? まさか……『アクセル』!?」
通常のサーヴァントは場に出たターンには攻撃できない。
しかし『アクセル』を持ったサーヴァントは、場に出たターンでもサーヴァントに攻撃できる。
ホロエルが手の内に槍を虚構して創り出すと、その先端をアクアエへ向かって突き刺した。
アクアエも抵抗していたが、ATKが1000しかないアクアエではホロエルにはかすり傷しか負わせられていない。
アクアエだけが破壊され、残りHP4000のホロエルが私の場に残る。
「アクアエ……でもまだ!」
これで残るは、『炎旱竜グレイブ・ドラグニル』1体のみ。
グレイブには『バリア』が付与されており、2度のダメージを与えなければ倒すことができないが、それを解決できる手段もすでに私は手にしている。
「さらに私はエナジーをチャージし、4エナジーを使って手札からスペル『
| コスト4 | 属性:無 |
|---|
| スペル | 種別:虚数 |
|---|
| - 効果 - |
|---|
| ①相手は自分自身の場のカード1枚を選択して消滅させる。「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」が5以上なら、消滅させる対象は相手ではなく自分が選ぶ。 ②自分と相手はお互いに以下の効果から一つを選択して適用する。 ・カードを1枚引く。 ・ライフカウンターを1つ回復する。 |
「このカードは、あなた自身に自分の場のカード1枚を消滅させることを強制させる」
「っ、だったら私は『竜を呼ぶ儀式』を――」
「ただし。私の場を離れた虚構定理を持っていたカードの数が5以上なら、その対象はあなたではなく私が選ぶ」
「え!? ってことは……!」
「言ったでしょ? あなたに虚無の行く末を決める権利はないって。私が選ぶのは当然、『炎旱竜グレイブ・ドラグニル』」
ホロエルがグレイブに槍の先端を向け、虚無のエネルギーの塊を放つ。
青い障壁を纏っていた竜は炎を吐いて虚無のエネルギーを押し返そうとしていたが、虚無に力押しは無意味だ。
虚無は陽光を象徴する竜の光を、その身を守る障壁ごと飲み込み、やがてはその存在を完全に消滅させた。
「グレイブッ……!」
「これであなたの絆は虚無へと消えた。でも安心して? ホロエルは優しいから、あなたのこともちゃんと慈しんでくれる。この効果の適用後、私とあなたはお互いにカードを1枚引くか、ライフカウンターを1つ回復できるの。さあ、選んで。この祝福を、あなたはどう受け取るの?」
「……私はカードを1枚引く!」
「私もカードを1枚引く」
私のライフカウンターはもう初期値の半分の3しか残っていないから、本当ならここでライフを回復しておきたかった。
けれど、ホムラのデッキの速度についていくために展開を急いだせいで、手札の消費が少々激しくなりすぎている。
もしもここでライフカウンターを回復してしまうと、この後のホロエルの効果でカードを引くことを加味しても、私の手札は残り1枚……。
いくらホロエルがいるとは言え、次のターン以降のホムラの攻めに対応できなくなる危険が出てくる。
ここは多少のリスクを背負ってでも、カードを引くことを選ぶ。
「私はこれでターンエンド。そしてこの時、ホロエルの効果。私のターンエンド時、ホロエルが場に残っているなら私はカードを1枚ドローして、ホロエルは自身の攻撃権を回復する」
「攻撃権を? でも、ターンエンド時に回復しても意味が――ううん違う! そのサーヴァント、まさか『ガード』も持ってるの!?」
本来、攻撃権は自分のターン中に攻撃する時に消費するものだ。そして消費した攻撃権は、次の自分のターンスタート時に回復する。
だから普通のサーヴァントならば、ターンエンド時に攻撃権が回復しても意味がない。
しかし『ガード』持ちならば話は変わってくる。
『ガード』は攻撃権を消費して攻撃対象を自身に移し替える能力だ。つまり前のターンに攻撃して攻撃権を消費していた場合、『ガード』は使えなくなってしまう。
だがホロエルは、その『ガード』を持つサーヴァントの弱点を完全に克服している。
たとえ自分のターンで攻撃していたとしても、自分のターンエンド時に攻撃権を回復するために、次の相手のターンでの『ガード』が可能になるのだ。
矛となり盾にもなる。まさしく攻防一体。すべてを救うべく虚構された、完全無欠の万能の天使の真髄。
「そろそろわかった? アクセル、ガード、ドロー、攻撃権回復、デュエルの後半になればなるほど増していく力……そしてこれらすべてを、たったの1コストで実現できること。これこそが、私のホロエルが持つ真の力。虚構はここに定義され、今、世界は天使の力で塗り替わる」
「くっ……」
「前のターン。あなたはついてこれないなら置いていくと私に言った。なら、今度は私があなたに言わせてもらう――敗北へ急ぐことになんの意味があるの? ふふっ……私はこれでターンエンド」
ホロエルが「マスターって私が場に出ると性格ちょっと変わるよなぁ……」というような、なんとも言えない表情(可愛い)を浮かべているのを見ながら、私はホムラにターンを渡す。
ホロエルのおかげで有利な盤面でターンを返すことはできたが、まだ状況は楽観視できない。
依然として変わりなく、劣勢なのは私の方だ。
……ホムラは強い。私が今まで戦ったことがある中で一番と言ってもいいくらい。
だがそれでも、最後には私が勝つ。
すべてはホロエルのために。ホロエルが望んだデュエルの勝利を、私は彼女に捧げてみせる。
| 先攻5ターン目:燃照ホムラ |
|---|
| 燃照ホムラ | ||
|---|---|---|
| ライフ:5 | 場 | Ar:竜を呼ぶ儀式 |
| Ene:4 | ||
| 手札:4→5 |
| 無空メイ | 場を離れた虚構定理:5 | |
|---|---|---|
| ライフ:3 | 場 | Se:虚構天使ホロエル(A5000/H4000) |
| Ene:5(0) | ||
| 手札:2 |
カード制作裏話
・虚構天使ホロエル
ついに効果が公開(一部除く)された本作の主人公。1コストという軽さで場に出すことができ、最低でも5コストA5000/H5000のステータスでサーヴァントに即攻撃可能。さらに生き残りさえすればターン終了時にドローして攻撃権を回復しガードまでできるようになるという盛り盛りの効果を持つ。ここだけの話、実は当初はドローするタイミングが場に出た時だったが、自爆特攻→蘇生→自爆特攻→蘇生のムーブがあまりにインチキすぎたためナーフされた。場ではステータスが強くなるがその他の場所では1コスト0/0というのが一番の売りであり、低コスト限定の蘇生やサポートカードを受けられるので非常に場に出しやすい。場を離れた虚構定理の数が5に達したらとりあえず毎ターンホロエルを出しながら、残ったエナジーで好きな動きをして臨機応変に動いていくのがメイちゃんデッキの基本ムーブ。唯一の欠点は世界に1枚しか存在しないのでピン挿ししかできないことだが、メイちゃんは強い想いによりその気になればいつでもホロエルを引けるのでそこまで大きな問題はない。ホロエルよりメイちゃんの方がインチキな気がしてきましたね…。
・虚構天使の槍
優秀な汎用単体除去。白状するとシャ〇バのエンジェ〇シュートをパク…もといリスペクトした()。とは言えそのままだと味気なかったのでそれっぽい制限をつけて、ドローの他にライフ回復も選択できるようにアレンジ。パクリ元のエンジェルシュートがつよつよカードなので当然このカードも強い。