可愛い銀髪美少女天使カードとして転生した私、マスターを導く   作:にゃっとう

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◇「CROSS WORLD -SUNBREAK-」運営です。
カードの能力の下方修正をお知らせいたします。
対象カードは「虚構天使ホロエル」。修正される効果は以下の通りです。

修正前
「⑦各ターンエンド時に発動可能。カードを1枚引き、攻撃権を回復する。」
 ↓
修正後
「⑦自分のターンエンド時に発動可能。カードを1枚引き、攻撃権を回復する。」

◇変更に至った経緯。
「虚構天使ホロエル」は1コストと軽量のサーヴァントでありながら、条件を満たした時に自身の効果によって非常に高いステータスを持ちます。
更には各ターンエンド時にカードを引く能力があることで、対面するプレイヤーへの除去を強要する圧力が高く、除去ができなかった際には手札の枚数差が大きく開いてしまう場面もありました。
このような1コストのサーヴァントにしては高すぎる能力を重く見て、ゲームのバランスを保つ為、修正に踏み入る判断を致しました。

以上になります。
今後とも「CROSS WORLD -SUNBREAK-」をよろしくお願いいたします。


8.触れるものすべてを無に帰す

後攻5ターン目:無空メイ

燃照ホムラ
ライフ:5Ar:竜を呼ぶ儀式

Se:竜の巫女シムラクルム(A1000/H1000)

Se:再燃の焔リバイヴ・H・ドラゴン(A12000/H7000)

Ene:5(0)
手札:1

無空メイ場を離れた虚構定理:6
ライフ:0(無し)
Ene:5
手札:5→6

 

 

 ひどく楽しそうに獰猛な笑みを浮かべる赤き炎の化身を、私――無空メイは冷静に見つめる。

 私の残りライフは0。誰が見てもわかるほどの絶体絶命。あと一撃でももらえば終わりの崖っぷち。

 一方、ホムラのライフは5。私のデッキではどんなに急いだところであれを削り切るには後2、3ターンはかかる。

 さらにあちらの盤面にはサーヴァントが2体。そのうち1体は、ダメージ以外の除去に対しての耐性が付与された強力な転生サーヴァントだ。

 

 誰が見ても、今この状況で優勢なのはホムラの方だ。

 このデュエルを見ている観客たちは、そのほぼ全員がホムラの勝利を確信しているだろう。

 

 ……だけど感じる。数多の戦場を生き抜いてきた私の直感が告げている。

 ここだ。今この瞬間、このターンこそが勝負の分かれ目。私と彼女の勝敗を分かつターニングポイントだと。

 

 私のライフは0で、ホムラのライフは5……確かに大きな差はある。

 だが、お互いのデッキが重視するものや戦術の違いを鑑みれば、このデュエルにおいて、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 今の私の立場で着目すべきこと。注目すべき要素はライフなどではなく、今現在のホムラの手札の枚数だ。

 

 現在のホムラの手札は1枚――ここまで続いた苛烈な攻めの手が、ついに尽きかけている。

 ホムラは前のターン、『竜の巫女アクアエ』を手札に戻していたが……あの最後の手札がアクアエだという甘い認識は捨てた方がいいだろう。おそらくアクアエはエナジーゾーンに送られている*1

 アクアエはコスト5以上の強力なドラゴンをデッキから手札に加える効果があるものの、持ってくる対象自体はあくまでコスト5以上のドラゴンの中からランダムだ。

 もちろん、そのランダムの中から私へのダイレクトストライクを詰め切るカードを持ってこれる可能性はある。だけどそもそもアクアエを出すために2エナジーも使う必要がある時点で、その持ってきたカードをその場ですぐに使えるかどうかさえ、ホムラにとっては不確かなのだ。

 ここまで私を追い詰めた彼女ほどのデュエリストが、そんな不確定で確率の低い要素に最後の一手を委ねるとは思えない。

 

 つまりあの最後に残った1枚こそが、私を倒すため彼女が用意している、とっておきの詰めの一手であるということ。

 それも1枚ということは、『炎旱竜グレイブ・ドラグニル』のような他のカードとのシナジーによるものではなく、カード単体のパワーによる力押しに限られる。

 唯一、この後の彼女のターンスタート時のドローが不確定要素ではあるものの……仮にドローしたカードまで使うとなると、2枚まで増える手札をすべて使うことになり、彼女はエナジーチャージができなくなる。

 現在のホムラのエナジーの最大値は5。いくら『竜を呼ぶ儀式』があるとは言え、詰め切るために用意したとっておきの一手を二手に分けるとなれば、一手一手は相当パワーが落ちる。

 

 強力な一手、あるいは弱い二手。

 それを迎え撃ち、無力化することができる封殺の布陣を。

 私のデッキの十八番である、あの必殺の形をこのターン中に作ることさえできれば――。

 

 ――殺せる。

 今のライフ差なんて関係ない。手札が0枚になった彼女とのアドバンテージに絶対的な差をつけ、私はこのデュエルに勝利できる。

 今この状況で追い詰められているのは私だけじゃない。ホムラもだ。

 

「私のターン。ドロー」

 

 ドローしたカードを確認し、それらとホムラの場のサーヴァントと比較し、頭の中で戦術を見直す。

 

 ……『再燃の焔リバイヴ・H・ドラゴン』と『竜の巫女シムラクルム』。そのHPは、それぞれ7000と1000。

 この盤面。場を離れた『虚構定理』を持つカードの数が5を超えた今、ホロエルを何度も出し直しさえすれば崩すこと自体はそう難しくない。

 しかしそうなると一つ気がかりなのは、彼女がなぜ『消えぬ残り火』を『再燃の焔リバイヴ・H・ドラゴン』に使ったかだ。

 

 前の私のターンで私が使った『虚構天使の槍』のような、場のサーヴァントを消滅させるカードへの対策であることはもちろんわかっている。

 けれど『消えぬ残り火』を使った意図はそれだけではないはずだ。

 消滅への耐性を付与したところで、ホロエルの特性――少ないコストで場に出せて、かつ場を離れた『虚構定理』に応じて強くなっていく効果を鑑みれば、戦闘による除去で対応されてしまう可能性は容易に思い至るはず。

 にもかかわらず、わざわざ貴重な手札を消費してまで、ホムラはあのドラゴンにダメージ以外への耐性を付与した。

 つまり、どうしても消滅だけはされたくなかった――戦闘で対応してほしかった。

 ……戦闘をトリガーに発動する効果。もしくは消滅されたら発動できなくなってしまう類の、破壊された時に発動する効果を持っている。そう想定して動いた方がいい。

 

 私はあのカード……リバイヴ・H・ドラゴンは初見だ。

 今の私には、あのカードがどんな効果を持っているかがわからない。

 だからまずは本命を出す前にあれを除去し、その効果の全貌を確かめることから始める。

 

「私は1エナジーで『虚構天使ホロエル』を召喚」

 

虚構天使ホロエル
コスト1 種別:虚数/天使 
属性:無 ATK 0 HP 0 

サーヴァント 

 - 効果 - 
①『虚構定理』=条件:「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」が5以上。

②『アクセル』

③『ガード』

④場にある限り、このカードのコストは「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」と同じとして扱う。

⑤ATKとHPに「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」×1000を+する。

⑥「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」がX以上なら発動可能。以下の効果から1つを選択して適用する。(Xは指定された数)

・X=10:エリア「完全虚構証明」1枚を生成して場に出す。

・X=15:このカードを「???」に書き換える。

・X=20:???

⑦自分のターンエンド時に発動可能。カードを1枚引き、攻撃権を回復する。

 

 前のターン『生死虚実の反転』で手に入れたのは『竜の巫女アクアエ』と『竜の巫女フラメン』、そして『虚の妖精ホルルン』と『虚構天使ホロエル』の合計4枚。

 このうちアクアエとフルメンはエナジーに火属性がチャージされていないから使うことができないものの、無属性のホロエルなら話は別だ。

 

 可愛らしい銀髪の天使が理解不能な数式とともに再び姿を現し、槍を構えた。

 その周囲には六つの小さな白い球が浮かんでいる。

 

「やっぱり出てきたね。ホロエルは後半になればなるほど強くなっていくカードだけど、メイちゃんの場を離れた『虚構定理』の数は前のターンに破壊されたホロエルを合わせてもまだ6枚。ATK6000じゃHPが7000ある私のリバイヴには届かないよ!」

「そうね。だけどあと1枚を確保することさえできれば、私のホロエルはあなたのそのドラゴンを戦闘で破壊できる」

 

 破壊できる――その言葉を口にしても、ホムラの笑みが崩れる様子はない。

 やはりリバイヴ・Hが戦闘で対応されることまでは折り込み済みか。

 

 ……今、私の手札のほとんどは使えないカードで埋まっている。

 アクアエとフルメンは言わずもがな。ホルルンも序盤は非常に頼りになるカードではあるが、すでに終盤に差しかかった現状では活躍の機会はないと言わざるを得ない。

 とは言え、そんなことは元より私も折り込み済み。本来なら役に立たないこれらを活用する手段を、私は手札に握っている。

 ただ、それを使う前にまずは……。

 

「私は手札からスペル『無知なる代償』を0エナジーで詠唱する」

 

無知なる代償
コスト0 属性:無 

スペル 種別:虚数 

 - 効果 - 
①スペル「虚無」を1枚生成して手札に加える。

②「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」だけデッキの上をめくる。その中からカードを1枚選んで墓地へ送る。

 

「このカードの効果は2つ。1つは私の手札にスペル『虚無』を加えること。そしてもう1つは、私の場を離れた『虚構定理』を持っていたカードの数だけデッキの上をめくって、その中からカードを1枚墓地へ送ること」

「スペル『虚無』?」

「『虚無』の効果は単純。エナジーにチャージできないことと、詠唱できない。ただそれだけ」

 

虚無
コスト0 属性:無 

スペル 

 - 効果 - 
【制約①】:[エナジーへのチャージ不可]

【制約②】:[詠唱不可]


①(無し)

 

 『虚無』の効果をデュエルガントレット経由で公開する。

 効果を確認したホムラは困惑した顔をしていた。

 こんなカードを加えても意味なんて……と言いたげだ。

 

 実際、この『虚無』の効果そのものに有効な使い道なんてものはない。

 ただ、私にとっては『虚無』が手札を埋めるカードの1枚であるという、その1点の事実があればじゅうぶんだった。

 

「そして私はもう1つの効果で、デッキの上を6枚めくってその中の1枚……『虚無龍ヴァニタス』を墓地へ送る」

 

 これで、私の手札5枚のうち4枚はまともに使えないカードで埋まった。

 最後の1枚の使い時だ。

 

「さらに私は1エナジーで『虚構再定義』を詠唱する」

 

虚構再定義
コスト1 属性:無 

スペル 種別:虚数 

 - 効果 - 
①手札をすべて消滅させる。消滅させた数+1枚のカードを引く。

 

「このカードは私の手札をすべて消滅させて、消滅した数+1枚のカードを引く」

「えっ!? それってつまり……!」

「そう。これが前のターンに『生死虚実の反転』で手に入れたあなたのカードの使い道。私は手札を4枚消滅させ――カードを5枚ドローする」

 

 普通に使うなら、ただ手札の枚数が変わらないだけの手札入れ替えカードでしかない。

 だけど今の状況でなら、その効果は意味合いが変わってくる。

 『竜の巫女アクアエ』、『竜の巫女フルメン』、『虚の妖精ホルルン』、そして『虚無』。

 現状では使えない、あるいは使う意義が薄い4枚が消え、新たに有効で潤沢な手札が揃った。

 そしてそれらを見て、私は確信する。

 

 ――いける。この手札なら、ホムラのサーヴァントを除去しながら、あの布陣を作れる。

 

「私は1エナジーで『虚無の祝福』を詠唱」

 

虚無の祝福
コスト1 属性:無 

スペル 種別:虚数 

 - 効果 - 
【制約】:[詠唱制限](上限:同名/1ターンに1回)


①3以下の数字を指定する。指定した数だけエナジーを回復する。次の自分のターンスタート時、指定した数だけエナジーを消費する。

②以下の効果から1つを選択して適用する。

・スペル「虚無」を2枚生成して手札に加える。

・「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」を+1する。

 

「3以下の数字を指定することで、私はその数のエナジーを回復する。ただしこの効果で回復した値だけ、次の私のターンスタート時にそのターン中に使えるエナジーが減少する。私は3を指定する」

「っ……このターンにすべてを懸けるつもりだね」

 

 ホムラが次のターンで私を仕留めきれなければ敗色が濃厚であるように、私もまたこのターンを理想とする形で終われなければ敗色は濃厚。

 迷う必要はない。ここが勝負どころだ。最大値を選択して、彼女とのデュエルに一気にケリをつける。

 

 『虚無の祝福』を含め、その詠唱までに消費したエナジー量は3。

 それがすべて回復し、これで私が使えるエナジー量は5まで戻った。

 

「さらに私は『虚無の祝福』のもう一つの効果により、私の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数を+1する。これによりその数は7となり、私の場のホロエルのATKとHPも7000に上昇する」

「私のリバイヴのHPと同じ値……!」

「攻撃宣言。ホロエルで『再燃の焔リバイヴ・H・ドラゴン』に攻撃」

 

 銀髪の天使が槍を手に私の場を飛び出し、焼け焦げた鱗を持つ小さな竜へと突撃する。

 天使と竜は舞うようにして何度か空中でぶつかり合っていたが、やがて2体が真正面から衝突すると、その衝撃で2体が同時に爆散する。

 ホロエルとリバイヴ・Hが互いに7000のダメージを受け、破壊された。

 

「この瞬間、私はリバイヴの効果発動! このカードが破壊された時、転生素材になっていたサーヴァントを蘇らせる! 来て、『炎旱竜グレイブ・ドラグニル』」

 

炎旱竜グレイブ・ドラグニル
コスト7 種別:ドラゴン 
属性:火 ATK 7000 HP 7000 

サーヴァント 

 - 効果 - 
①『ストライク2』

②『アクセル』

③自分の場に他の種別:ドラゴンを持つサーヴァントが出るたび、それに『ガード』を付与する。

④召喚時に発動可能(上限:同名/1ターンに1回)。手札の種別:ドラゴンを持つすべてのカードの、使用するために必要なコストを-Xする。(Xは自分の場の種別:ドラゴンを持つカードの数)

 

 太陽の紋章を宿した竜が再び場に降臨する。

 とは言え『炎旱竜グレイブ・ドラグニル』の手札のドラゴンカードのコストを下げる効果は、あくまで召喚時に適用されるものだ。

 召喚とは手札からエナジーを消費して場に出すことを指す。カードの効果で場に出た今回は、グレイブの真骨頂であるコストを下げる効果は発動されない。

 

「さあどうするの? メイちゃん! メイちゃんのライフはもう0! 1体だって場に残すわけにはいかないよね!」

「……」

 

 なるほど。ホムラの思考が読めてきた。

 予想通り、リバイヴ・Hは破壊された時に発動する効果を持っていた。

 リバイヴ・Hとグレイブ……この2体の処理に私のカードとエナジーを使わせることで、最後に残ったあの1枚を確実に通すことこそが彼女の狙いか。

 

 やはりホムラは手強い。私が今まで戦ってきた並のデュエリストとは違う。

 ただの攻め一辺倒とは異なり、二段構え、三段構えで攻めてくる。

 目先の戦況に囚われているだけでは後手に回ることを強要され、容赦なく攻め切られる。

 

 けれど、その戦略もすでに看破した。

 ここまでの攻防で、彼女のデュエルのレベルはもうわかった。

 思考パターンも、戦術スタイルも、使うカードの傾向も。

 デッキの弱点も、それに対して彼女が打っているだろう対策も。

 それらを念頭に置いた上で動けば、対応できる。読み切れる。

 見透かされた戦略に、価値はない。

 

「私はさらに2エナジーで『無相の境地』を詠唱する」

 

無相の境地
コスト2 属性:無 

スペル 種別:虚数 

 - 効果 - 
①『Qアクション2』=条件:相手のサーヴァントの攻撃時。

②墓地からコスト1以下のサーヴァント1枚を場に出す。「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」が5以上なら、1枚ではなく2枚。

 

「このカードは、私の墓地にいるコスト1以下のサーヴァントを1体蘇らせる。さらに、私の場を離れた虚構定理の数が5に達しているなら、1体ではなく2体まで場に出すことができる。この効果で私が選択するのは、墓地の2枚の『虚構天使ホロエル』」

「えっ、2枚のホロエル!?」

 

 私の場に、まったく同じ姿をした二人の銀髪の天使が虚構される。

 2枚もホロエルが存在していることに最初こそホムラは驚いていたが、すぐにその理由に思い至ったようで、険しい顔でホロエルを見上げた。

 

「……そっか。前のターン『生死虚実の反転』でメイちゃんが手札に加えたホロエルは、あくまで複製したカード。本物は墓地に送られたままだった。そしてさっき複製されたホロエルも戦闘で破壊されたから、墓地にホロエルが2枚存在する状態になった……」

「そう。私がこのデュエルの序盤に使った『無相の蛍火』には、複製したカードが場を離れた時に消滅させる効果があった。けれど『生死虚実の反転』にその制限はない。つまり……私はここから毎ターン2体のホロエルを場に出していけるということ」

 

 2体のホロエルは、そのステータスがともにコスト8のATK8000にHP8000。

 ホムラのエース級サーヴァントであるグレイブを完全に上回る数値をたったの2エナジーで、しかも2体も出されては普通なら打つ手はない。

 

 ……そう、普通なら。並の相手なら。

 追い詰められたこの窮地で、私がこの程度の盤面を作ってくることくらいホムラは間違いなく()()()()()()

 この程度では、まだ足りない。

 あと一手が必要だ。そしてそのあと一手で、確実に彼女を殺し切る。

 

「私は2体のホロエルで、グレイブとシムラクルムに攻撃」

 

 片やグレイブのATK7000のダメージを受けて、残りHP1000。片やシムラクルムのATK1000のダメージを受けて、残りHP7000。

 どちらも生き残っている。私がこの後ターンエンドを宣言すれば、2体のホロエルはその攻撃権を回復し、『ガード』の使用が可能になる。

 

「さあ、これであなたの場はがら空き……そして私がこのターンに使用するカードも、これが最後」

 

 手札からエナジーをチャージすると、1枚のカードを場に叩きつける。

 

「私は残った4エナジーをすべて消費して、『無死の怪物』を召喚」

 

無死の怪物
コスト4 種別:虚数 
属性:無 ATK 3500 HP 3500 

サーヴァント 

 - 効果 - 
①『虚構定理』=条件:後攻4ターン目以降。

②場に出た時に発動可能(上限:同名/1ターンに1回)。墓地のサーヴァントを1枚選択して手札に戻す。そのコストが「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」以下なら、手札に戻すのではなく場に出してもよい。

 

 無数の目を全身に持った異形の怪物が出現し、その目を妖しく輝かせる。

 

「このカードは、私の墓地のサーヴァントを手札に戻す。ただし選択したカードのコストが私の場を離れた虚構定理の数以下なら、手札に戻すのではなく場に出すことができる」

「場に? でも、メイちゃんのエースのホロエルはもうメイちゃんの場に……」

「ホロエルは確かに私のデッキの軸で、間違いなくエース。でも、私のデッキのエースはホロエルだけじゃない。私はこの効果で……『無知なる代償』で墓地へと送っていた『虚無龍ヴァニタス』を選択する」

 

 完成する。

 私のデッキの十八番。数多のデュエリストたちを葬ってきた、必殺の形が。

 

「『虚無龍ヴァニタス』のコストは6。私の場を離れた数は8。よって私はこの『虚無龍ヴァニタス』を『無死の怪物』に重ねて転生させる」

「っ、メイちゃんも転生サーヴァントをっ!?」

 

 さあ、終幕だ。

 

「触れるものすべてを無に帰す。降臨せよ――『虚無龍ヴァニタス』」

 

虚無龍ヴァニタス
コスト6 種別:虚数/ドラゴン 
属性:無 ATK 7000 HP 9000 

転生サーヴァント 条件: コスト4以上の無属性サーヴァント1枚 

 - 効果 - 
【制約】:[転生サーヴァント]


①『虚構定理』=条件:転生素材を持っている。

②『ストライク2』

③場に出た時、「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」を+2する。

④「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」が6以上なら、以下の効果を得る。

・サーヴァント以外のカードの使用、または他のカードの発動効果に反応して発動可能。そのカードをゲームから消滅させる。その後、「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」を1減らす。

⑤「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」が減る時、代わりにこのサーヴァントの転生素材を1つ取り除いてもよい。

 

 

 


 

 

 

「触れるものすべてを無に帰す。降臨せよ――『虚無龍ヴァニタス』」

 

 黒い血が流れる血管を持つ白き龍がメイちゃんの場に降り立ち、禍々しい赤い力の波動をまき散らす。

 コスト6の転生サーヴァントで、ATK7000のHP9000――私のリバイヴ・Hの元のATKとHPを入れ替えれば、あのステータスになるだろうか。

 その姿もまた、黒く焼け焦げたようなリバイヴ・Hとは対を成すようだ。

 

「そしてこの瞬間、ヴァニタスの効果。ヴァニタスが場に出た時、私は自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数を+2する。これにより場を離れた数は10枚となり、2体のホロエルはさらにその力を増す」

「ATK10000……!」

「私はヴァニタスでライフカウンターに攻撃。『ストライク2』によりカウンターを2つ破壊」

 

燃照ホムラ ライフ:5→3

 

 ……ライフを削られてしまったものの、それ自体は大きな問題じゃない。

 メイちゃんのデッキに『フルアクセル』のような攻撃的にライフを削りにいけるカードがほとんど入っていないことはもうわかっている。このターン中にトドメまでもっていくことは不可能だ。問題ない。

 

 まだ勝てる。メイちゃんのライフカウンターは依然として0のまま。

 この盤面なら、前のターンから手札に取っておいた詰めの一手で突破できる!

 

 ……けれどそう思考する私とは反対に、メイちゃんはすでにデュエルは終わったと言わんばかりの冷淡な声で続ける。

 

「そして……これはもう必要ないと思うけど、ここまで私を追い詰めたあなたを相手に油断はしない。私はホロエルの効果を発動する。場を離れた『虚構定理』が10に達している時、ホロエルはエリア『完全虚構証明』を生成して場に出せる」

 

完全虚構証明
コスト10 属性:無 

エリア 種別:虚数 

 - 効果 - 
【制約】:[存在制限](上限:同名/場に1枚)*2


①???

②???

③???

④???

 

 コスト10のエリア……!?

 ダメだ。初めて見るせいで効果がわからない。

 しかもすでに終盤戦。悠長に効果を探っている暇もない。

 

「私はこれでターンエンド……そしてこの時、2体のホロエルの効果。私はカードを2枚ドローし、2体は攻撃権を回復する。さらに『完全虚構証明』の効果。私のターンエンド時、私の場の『虚構定理』を持つサーヴァントはダメージをすべて回復する」

「ダメージを回復……!?」

「これにより2体のホロエルのHPは10000に戻る……さあホムラ。あなたのターン」

 

 

先攻6ターン目:燃照ホムラ

燃照ホムラ
ライフ:3Ar:竜を呼ぶ儀式
Ene:5
手札:1→2

無空メイ場を離れた虚構定理:10
ライフ:0Se:虚構天使ホロエル(A10000/H10000)

Se:虚構天使ホロエル(A10000/H10000)

Se:虚無龍ヴァニタス(A7000/H9000)

Ar:完全虚構証明

Ene:6(0)
手札:3

 

 

「くっ……私のターン!」

 

 私がグレイブだけでなくリバイヴ・Hを奥の手として用意しているように、メイちゃんもまた同じように転生サーヴァントを隠し持っていた。

 しかも場には効果の全貌が見えない、コスト10のエリアまで存在する。

 

 前の私のターン、私は長ければ3ターンは持つかとも思っていたけど……甘かった。

 メイちゃんはたったの1ターンでリバイヴ・Hも、そこから出てくるグレイブも除去した上で、ここまでの盤面を作ってきた。すでにメイちゃんのデッキは完全にエンジンがかかってしまっている。

 このターンだ。このターン中に決め切れなければ、私は確実に負ける。

 

 2体のホロエルは、すでにコスト10でATK10000にHP10000と、まともな手段では対処が難しいレベルでステータスが上がってきている。

 今まで私が使ってきたカード群なら、間違いなく突破できない。

 

 ……だけど一つだけ付け入る隙がある。それはあの『虚構天使ホロエル』が『ガード』の能力を持っているということだ。

 『ガード』は確かに優秀な能力だが、時に能力を持っていることが足枷になることもある。

 私の手札にいるドラゴンは、まさしくこういう『ガード』持ちを並べられた盤面でこそ輝くとっておきだった。

 

「……行くよ、メイちゃん! 新たに私のターンを迎えたこの瞬間、私の『竜を呼ぶ儀式』の効果! 後攻5ターン目以降なら、コスト5以上のドラゴンを呼ぶために必要なコストを下げる効果が-1から-2になる! そして私はエナジーをチャージして、6エナジーで『炎槍竜クリムゾンブレイカー』を召喚する!」

 

炎槍竜クリムゾンブレイカー
コスト8 種別:ドラゴン 
属性:火 ATK 6000 HP 6000 

サーヴァント 

 - 効果 - 
①『ストライク2』

②『フルアクセル』

③場に出た時に発動可能。相手の場の『ガード』を持つサーヴァントをすべて破壊する。

 

「このカードは『フルアクセル』を持っているから、場に出たターンでもメイちゃんにダイレクトストライクが可能!」

「……」

「さらに私は、クリムゾンブレイカーの効果を――発動する!」

 

 発動する――そう口にした瞬間、メイちゃんが、ふぅ、と小さく息を吐いた。

 デュエル中に似つかわしくない、やっと終わったとでも言うような気の抜けた反応に一瞬呆気に取られる。

 だけどすぐに気を取り直して、私はクリムゾンブレイカーの効果を叫んだ。

 

「場に出た時、クリムゾンブレイカーは相手の場の『ガード』を持つサーヴァントをすべて破壊する!」

 

 私がこれまで使ったグレイブ・ドラグニルやリバイヴ・Hは、ダメージや破壊に関係するカードが多い火属性にしては珍しく、サーヴァントにダメージを与えたり破壊したりする効果を持っていなかった。

 裏を返せばそれはつまり、今のように『ガード』を持つサーヴァントを並べられた時に性能を存分に発揮できなくなってしまうということにほかならない。

 けれど、自分のデッキの事情だ。私だって自分の切り札が守備寄りのデッキに対しての決め手になりにくいことは把握している。

 だからこその『炎槍竜クリムゾンブレイカー』だ。『ガード』を持つサーヴァントを問答無用で破壊できるこのカードなら、グレイブとリバイヴ・Hの弱点をカバーすることができる。

 

 グレイブとリバイヴ・Hでライフを削り、クリムゾンブレイカーで確実に仕留める。

 これこそが、私のデッキの必勝の動きだ。

 

 メイちゃんの手札は潤沢だけど、残りエナジーは0。サーヴァントを除去できるような、場に直接的に干渉する強力な『Qアクション』はまず飛んでこない。

 そして『ガード』を持つホロエルさえいなくなれば、クリムゾンブレイカーはメイちゃんへのダイレクトストライクが可能になる!

 これで私の勝――。

 

「――この瞬間、私は『虚無龍ヴァニタス』の効果を発動する」

 

 ――まるで自分でも気づかないうちに死神に心臓を握られていたような、冷たい感触が全身を浸す。

 

 見上げれば、あの禍々しい白い龍が私を見下ろしていた。

 その瞳の奥にはなんの感情もなく、虚無の深淵に満ちている。

 

「相手がサーヴァント以外のカードを使用した時、または発動効果を使用した時、ヴァニタスはそれに反応して効果を発動し、直前に使用されたカードを消滅させる」

「え――私のカードの効果に反応して、発動する除去効果……!?」

 

 クリムゾンブレイカーを握ってることが、読まれてた……!?

 ううん……それだけじゃない。

 私は今、間違いなく効果の発動を誘われていた!

 ……そっか、この盤面。メイちゃんは最初から私の最後の一手を潰すつもりで……!

 

「気がついた?」

 

 私の反応を見てメイちゃんはそう呟くと、淡々と説明を始めた。

 

「私のヴァニタスには、効果の発動に反応してカードを除去する強力な効果がある。でも、その効果には穴もある……それは除去したいサーヴァントが発動効果を使ってくれなければ、消滅させることができないということ」

「……でも今の状況でなら、私は効果を使うしかない……」

「そう。『ガード』を持つホロエルがいる以上、効果を発動してホロエルを除去しなければダイレクトストライクができない。もしもここで私の場にヴァニタスだけが存在し、あなたが発動しない効果である『フルアクセル』だけで決めようとしてきていたら……あるいはホロエルだけが存在し、その『ガード』を破壊する効果を使われてしまっていたら。私はダイレクトストライクを受け、敗北していた」

 

 そう。ホロエルだけなら突破できるはずだった。

 どんなにステータスが高くなろうと、『ガード』を持つ以上は『炎槍竜クリムゾンブレイカー』で破壊できる。

 でもこれは、この盤面は、まるで私の手を……。

 

「メイちゃんは……読んでたの? 私の最後の手札を……私が、クリムゾンブレイカーを握ってることを」

「カードそのものまではわからない。でも効果の推察は容易。あなたのグレイブとリバイヴはどちらも強力な効果を持つ反面、『ガード』を持つサーヴァントに有効打を与えられるカードではなかった。完全に守備に偏ったデッキを相手するには力不足……固い防御を崩すための3枚目の切り札があることはわかっていた」

「さすが、だね……」

「あなたがグレイブやリバイヴで切り開いた道を、そのクリムゾンブレイカーでこじ開ける形を必勝としているように……ホロエルとヴァニタス。2体が揃ったこの盤面こそが、私の必殺の形」

 

 ホロエルの数多くの強力な効果と『ガード』で相手のサーヴァントの効果の発動を誘い、ヴァニタスでその一瞬の隙を仕留める。

 ……凶悪な布陣だ。相手の切り札を確実に無力化し、封殺する。まさしく必殺と言ってもいいほどの。

 

「ホロエルとヴァニタス。場にいたのがどちらか一方だけなら私は敗北していた。だけどどちらもが揃った今……たった1枚しか手札を使えなくなったあなたの勝ち目は、とっくになくなっていたの」

 

 私のターンだけで数えて、あと2ターンか、長くても3ターン。

 1つ前の私のターン、私はそれだけの猶予はあると思っていた。

 だけど違った。3ターンでも、2ターンでもない。

 

 あの1ターン。それだけだったんだ。

 手札を1枚しか残さなかった。たった1つしか手がない状況でメイちゃんにターンを渡してしまった時点で、メイちゃんはすでに私の最後の切り札の使用を誘い、仕留める算段を立てていた。

 

「話は終わり。私のヴァニタスの効果で、クリムゾンブレイカーは消滅する。ただし、ヴァニタスの効果はカードを消滅させるだけで、効果そのものまでは無効にできない。クリムゾンブレイカーの効果も適用され、私のホロエルは2体とも破壊される」

 

 メイちゃんの場に『ガード』を持つサーヴァントがいなくなった。

 今なら『フルアクセル』を持つサーヴァントを出せばダイレクトストライクが可能だ。

 

 ……もっとも、それは手札とエナジーが余っていればの話だけど。

 私の手札は0。残りエナジーも0。打てる手は、もう残っていない。

 

「そしてヴァニタスは自身の効果の発動後、私の場を離れた『虚構定理』の数を1減らす。ただし『完全虚構証明』は私の場を離れた『虚構定理』の数が減る時、代わりにその数だけ増やす。これにより場を離れた数は13まで上昇する」

「……私はこれで、ターンエンド」

 

 できることはなにもない。

 デュエル自体は続いているけれど、このデュエルの勝敗も、おそらくはもう……。

 

 

後攻6ターン目:無空メイ

燃照ホムラ
ライフ:3Ar:竜を呼ぶ儀式
Ene:6(0)
手札:0

無空メイ場を離れた虚構定理:13
ライフ:0Se:虚無龍ヴァニタス(A7000/H9000)

Ar:完全虚構証明

Ene:6(3)
手札:3→4

 

 

「私のターン。この瞬間、私は前の私のターンで詠唱した『虚無の祝福』のデメリットでエナジーが3消費される」

 

 メイちゃんは淡々とデュエルを続ける。

 

「もうあなたの炎に薪はない。燃えるための燃料もない。けれど容赦はしない。ほんのわずかでも可能性があるのなら、確実に摘んでおく。私は手札から2エナジーでスペル『愚者による無益の強要』を詠唱する」

 

愚者による無益の強要
コスト2 属性:無 

スペル 種別:虚数 

 - 効果 - 
【制約】:[詠唱制限](上限:同名/3ターンに1回。自分と相手のターンをそれぞれ1ターンとして数える)


①『Qアクション3』=条件:相手がスペルを詠唱した時/相手が発動効果を使った時。

②自分と相手が次にカードを引いた時、引いたカードをスペル「虚無」に書き換える。(2枚以上同時に引いたなら、それらのうちランダムに2枚を書き換える)

③「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」が5以上なら、カードを1枚引く。

 

「このカードは、私とあなたが次に引くカードをスペル『虚無』に書き換える」

「っ……!」

 

 私の次のターンスタート時のドローを、完全に無意味にする効果……!

 

「スペル『虚無』の効果は……もう見せたから知ってるでしょ?」

「……あはは。本当に容赦がないね、メイちゃん……」

 

 ヴァニタスが生き残っている以上、1枚引いたところでほとんどもうどうにもならないのに……。

 まるで詰めデュエルだ。苛烈に勝機をこじ開ける私のデュエルとはまるで異なる。確実に勝つための道を舗装して進んでいる。

 ――白い死神。そんな呼び名が脳裏をよぎる。

 

「さらに私はもう一つの効果でカードを1枚ドロー。ドローしたカードは『虚無』に書き換わる。そして私はエナジーをチャージして、『無相の蛍火』を召喚」

 

無相の蛍火
コスト2 種別:虚数 
属性:無 ATK 500 HP 500 

サーヴァント 

 - 効果 - 
①『虚構定理』=条件:「自分の場を離れた『虚構定理』を持つカードの数」が1以上。

②場に出た時に発動可能。墓地のコスト1のサーヴァントを選択して、それを1枚複製して場に出し、選択したサーヴァントをデッキに戻す。この効果で場に出したサーヴァントは場を離れる時、消滅する。

 

「この効果で墓地のホロエルを複製して場に出し、本物はデッキに戻す。攻撃宣言、ヴァニタスでライフに攻撃。『ストライク2』により2つ破壊」

 

燃照ホムラ ライフ:3→1

 

「ターンエンド。そしてターンエンド時、私はホロエルの効果で1枚ドローする」

 

 

先攻7ターン目:燃照ホムラ

燃照ホムラ
ライフ:1Ar:竜を呼ぶ儀式
Ene:6
手札:0→1

無空メイ場を離れた虚構定理:13
ライフ:0Se:虚無龍ヴァニタス(A7000/H9000)

Ar:完全虚構証明

Se:無相の蛍火(A500/H500)

Se:虚構天使ホロエル(A13000/H13000)

Ene:7(0)
手札:3

 

 

「私のターン……ターンエンド」

 

 デッキから引いて書き換わったカードである『虚無』は詠唱もできなければ、エナジーにチャージすることすらできない。

 文字通りの虚無だ。私にできることは一つもない。

 ただ、メイちゃんにターンを渡すしかない。

 死神に介錯を任せるしか、もう道は残されていない。

 

 

後攻7ターン目:無空メイ

燃照ホムラ
ライフ:1Ar:竜を呼ぶ儀式
Ene:6
手札:1

無空メイ場を離れた虚構定理:13
ライフ:0Se:虚無龍ヴァニタス(A7000/H9000)

Ar:完全虚構証明

Se:無相の蛍火(A500/H500)

Se:虚構天使ホロエル(A13000/H13000)

Ene:7
手札:3→4

 

 

「私のターン。攻撃宣言、ヴァニタスで残った最後のライフカウンターを破壊。そしてホロエルでダイレクトストライク」

 

燃照ホムラ ライフ:1→×(敗北)

 

 ずっと求めていた。

 全力の私にもう一度、完膚なきまでの敗北をくれる相手を。

 そうして待ち望んだ、久しぶりの敗北の味は……幼い頃に経験した初めての負けよりもはるかに鮮烈で苦々しく、なんとも記憶に残るものだった。

*1
このカードゲームはエナジーに置かれた相手のカードは非公開情報。ただしチャージされている属性については公開情報である。

*2
指定された枚数しか場に存在できない。同名カードが指定された枚数以上になる時、そのカードは代わりに墓地へ送られる




ホムラちゃんのデュエルは勝つためのデュエル。
メイちゃんのデュエルは生き残るためのデュエル。
その本質的な違いが垣間見えるデュエルになっていたらと思う次第です!

書き溜めが完全に尽きたのでここからは更新が少し遅くなりますが、何卒ご容赦いただけますと幸いです。

カード制作裏話
・虚構天使ホロエル
2体出た盤面があまりにインチキすぎたのでナーフされた。世界に1枚しかなくて良かったと思う。

・無知なる代償
スペル「虚無」を手札に加え、場を離れた虚構定理の数だけデッキの上をめくり、1枚を墓地へ送るカード。はっきり言って事故要因なので仮にこの架空TCGが実在するとして採用する価値はほぼないのだが、メイちゃんデッキにおいて単純な墓地送り効果は貴重である。

・虚無
なんの使い道もないデメリットカードとして設計。一応メイちゃんがやったように手札入れ替えの弾くらいにはなる。

・虚構再定義
手札をすべて消滅させて、その数+1枚引くカード。手札の総枚数も減らず、普通に良いカードだと思う。ただし問答無用で手札をすべてを消滅させるのでキーカードを手札に握っている時は使えない。できれば虚無のような増やしやすいが役に立たないカードをたくさんため込んでから使いたい。

・虚無の祝福
ワンショットキルのお供にされそうなエナジー前借り回復スペル。1ターンに何度も使えてしまったらゲームが壊れちゃうので1ターンに1度しか使えない制約をつけた。ただそれでも正直壊れレベルで強い。詠唱時に3以下の数字を宣言しなければならないが、0を宣言すれば次のターンでエナジーが減ることはない。オマケ効果の虚無2枚生成or虚構定理+1も普通に強い。

・無相の境地
コスト1以下を1~2体蘇生させるスペル。これ自体はそんなに強くないはずなのだが、ホロエルの性能がインチキすぎて不思議とこのカードもインチキに見える。このカードは冤罪なので許してください…。

・無死の怪物
墓地のサーヴァントを回収、ただし場を離れた虚構定理の数がそのサーヴァントのコスト以上なら場に出せる。条件を満たしていない時は重めのコストの割に回収しかできない微妙なサーヴァントだが、条件を満たしていると4コストでなんでも出せるスーパー万能サーヴァントに大変身。今回はヴァニタスを出したが、墓地にカードが揃っているなら無死の怪物→無相の蛍火→ホロエルのような流れで1枚から一気に3枚分の虚構定理を稼ぐ動きもできるため柔軟な使い道が考えられる。じゅうぶんに条件を満たしている時は強いものの、序盤はやっぱり事故要因なので採用するとしてもせいぜい2枚が限度。虚構論構築などで必要な時にだけ持ってくるのが一番良いと思われる。

・虚無龍ヴァニタス
満を持して再登場した2大エースの一角。ホロエルがインチキすぎて存在を忘れ去られかけていたが、エースの面目躍如な活躍をしてくれたと思う。ヴァニタスくん単体ならまだどうにかできる範疇であるものの、優位な盤面でさらに横にホロエルのような他に強いサーヴァントが並んでいると本当に鬱陶しすぎる効果をしている。メイちゃんが言っていたようにホロエル+ヴァニタスの盤面こそがメイちゃんのデッキの十八番であり必殺の形。やはりコスト制のカードゲームで相手ターンに使える除去は鬼のように強いことを証明した。

・完全虚構証明
ホロエルが生成する未だ効果の全貌がわからない高コストエリア。とりあえずターンエンド時にダメージ全回復と、場を離れた虚構定理が減る時に代わりに増やしてくれるようだ。

・炎槍竜クリムゾンブレイカー
どう見てもクリムゾン・ワイバーン。ほぼそのままパクった()

・愚者による無益の強要
お互いが次にドローするカードを「虚無」にするスペル。メイちゃんのデュエルスタイルがどういったものかという演出を強調するために考えた。メイちゃんの前で一度でも手札を0枚にするとこれが飛んでくる。それすなわち敗北である。
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