暗殺教室編開始
「ホームルームを始めます! 日直の人は号令を!」
「き、起立!」
ガチャンと銃を構える。
「気をつけ!!」
指を引き金にかける。
「礼!」
バババババと発砲が始まる。
これが私達の日常……暗殺教室……先生がターゲット……生徒は殺し屋。
始業のベルが今日も鳴る。
私、小鳥遊星乃は転生者である。
神様に出会った訳でもなく、死んだと思った次の瞬間には私の大好きなキャラクターの小鳥遊ホシノになっていた。
自称おじさんの美少女……辛い過去を背負っているが明るく振舞、そして色々抱え込み、ゲームでも何かと優遇されていたキャラクター……それが小鳥遊ホシノだ。
私はそのキャラクターと同じ容姿を持つことができたのでそのキャラクターの様に振る舞っていた。
ただこの世界はブルーアーカイブではなく、普通の平和な現代日本。
銃を扱うことなんかせずに普通の生活をしていた。
ヘイローは無いとはいえ、ホシノの身体能力はずば抜けていて、運動では好成績を残し、暇な時には野山を駆け回って男子達と遊んでいた。
中学校は椚ヶ丘学園という私立の進学校に進学し、普通の生徒をしていたのだけど、2年のある日、酒に酔っ払った男性が女性に暴行を振るっている現場に出会わせて、正義感からか、女性を助けるために男性を攻撃してしまった。
その男性が社会的地位の高い人物で、怪我を負わせたということで何故か私が捕まるハメになり、示談で済んだものの学校から腫れ物扱いをされてしまうことになった。
親は私の言い分をしっかり聞いてくれたが、世の中理不尽な事も沢山ある。
今回はそんな理不尽にたまたま出会ってしまっただけだと慰めてくれたが、学校側から隔離校舎に3年時から行かされることになった私は、色々なやる気を失い、惰性な日常を送っていた。
3年生になって、隔離校舎でも惰性な日常を送りながら高校受験の勉強をほどほどにやればいいや〜程度に思っていたら、なんか月が7割消滅する事件が起こった。
その次の日に月を消し飛ばした犯人と名乗る黄色いタコっぽい生物が現れた。
防衛省の方曰く
「月を破壊したこの生物は来年の3月地球も同じように破壊する。この事を知っているのは各国の首脳陣だけ。世界中がパニックになる前にこの生物を殺さなくてはならない」
とのこと。
更にこの生物は月を破壊するパワーを持ちながら、そのエネルギーを速度に変換することができるらしくマッハ20で動くことができるらしい。
実際に防衛省の方がナイフで攻撃を試みようとすると、避けるだけではなく、避けている間にまつ毛を整えて顔のムダ毛処理をする始末。
「まぁただ逃げるだけではつまらないので、私から国に提案しまたのです。殺されるのはゴメンですが、椚ヶ丘中学の3年E組の担任ならやっても良いと」
クラスの皆の心が一つになった。
(((なんで?)))
防衛省の方は続けて
「コイツの狙いはわからん。だが政府は止むなく承認した。君達生徒に危害を絶対に加えないことを条件にな」
「理由は2つ、教師として毎日教室に来るなら監視ができるし、何より30人の人物が至近距離でコイツを殺すチャンスを得る」
色々突っ込みたい気持ちが湧いてきたが、防衛省の烏間さんの一言で誰も何も言えなくなった。
「成功報酬は100億円。当然の額だ。成功の暁には地球を本当に救うことを意味するのだからな」
ということで私達にはその生物……一応先生と呼称するが、先生に有効ながら人には無害なナイフと弾、銃が支給された。
ナイフは程よい重さながら刃の部分は柔らかく、弾もBB弾みたいだった。
家族や友人には絶対に言ってはならないと守秘義務の書類にもサインさせられ、いきなり日常が崩れて、非日常が飛び込んできた。
私達椚ヶ丘中学校3年E組は隔離学級である。
綺麗な本校舎はエアコン完備、美味しい学食や広い図書室、様々な強い部活動に加入でき、学業に励みやすい環境が整っていたが、隔離学級のE組は素行不良、学業不振等様々な理由で落とされた通称エンドのE組と呼ばれていた。
E組になると本校舎の殆どの利用が出来なくなり、毎日本校舎から1キロ離れた山の中にある木造で古い隔離校舎に通わされ、何より椚ヶ丘高校への進学の権利が剥奪されてしまうのだ。
一応の救済処置はあるが、それも狭き門。
本校舎の人々から差別されるのがE組の生徒だ。
私も暴力事件を起こしてしまった身なのでそんなクラスに入れられていた。
超生物の授業が始まると意外や意外、普通に教師ができているではないか。
というか教えるのが上手い。
私にとって前世で1度通ってきた道だがスルスルと頭の中に入ってくる。
「えー、この4つの英文のうち1つ仲間はずれです。4つの触手のうちどの色が仲間はずれかわかりますか星乃さん」
「えっと……赤?」
「はい、その通り、こちらだけ複数形になっていますね」
多分私がこの世界にホシノの体で転生した理由はこの超生物を倒すことを神様かなんかの導きだと思う。
俄然やる気が起こってきた。
私は直ぐに行動を開始するのだった。