もしも風のタクトのガノンおじさんがブレワイ世界に転移したとする 作:東雲るぅ
ハイラル王国の辺境にある、広大な砂漠地帯。
そこにはゲルド族が住んでいた。
ゲルド族は女しか生まれない部族である。だが100年に一度、男児が生まれ、その子がゲルドの王となる。
ある時、ゲルド族に男児が生まれた。
その男の子はガノンドロフと名付けられる。
ガノンドロフは少年時代から、強大な力を身に宿し、王としての稀有な才能を所持していた。
さらに乳母であるツインローバから様々な教育を受け、その力と才を伸ばしていったのだ。
やがてガノンドロフはある野心を抱く。
「肥沃な大地で暮らしたい」
なにせ、ゲルド族が暮らす砂漠地帯は過酷だ。
昼には灼熱の風が、夜には凍てつく風が吹きつける。
それゆえ、ガノンドロフは渇望する。
砂漠の彼方にあるハイラルの大地を。砂漠にはない、生命が満ちあふれた風を。
成人したガノンドロフは、野望を己の腹のうちに抱え、ハイラル王に仕える。
そして機をうかがって反乱を起こし、神殿に眠るトライフォースを奪取することで、ハイラル王国を転覆させた。
しかしガノンドロフの計画は頓挫する。どこからか現れた時の勇者によって、ガノンドロフは打ち倒されたのだ。
勇者と姫に憎悪の念をぶつけながら、ガノンドロフは賢者たちの魔法に封印される。
だがガノンドロフは執念により、長い年月をかけて、封印を破ることに成功した。しかしハイラルの神々によって、ハイラルもろとも海に沈められ、またしても封印されてしまう。
それでも、ガノンドロフの野心は消えなかった。
ハイラルの大地が欲しい。あの風をもう一度……。
封印を破り、2度目の復活を果たしたガノンドロフ。
だが求めたハイラルの大地は水没し、どこまでも広がる青い海しかない。
ハイラルの大地を取り戻そうと暗躍するガノンドロフであるが、しだいに疲れていく。
繰り返される封印。望んだものは海の底。長い年月の果てに、己の中に燻っていた妄執は、音を立てて崩れていく。
そしてふたたび勇者が現れ、その暗躍さえも阻止された。ガノンドロフはついに己の野望を手放す。
最後は、勇者と姫に敗北し、石となって永遠の眠りについた。
かくして、運命と己の野望に翻弄されつづけた男の人生は幕を閉じた……
……かに思われた。
★
小鳥のさえずりが聞こえた。
木々のざわめくのを耳にした。
ガノンドロフは目を見開き、周囲を見渡す。
そこは見知らぬ森の中だ。
(ここはどこだ? わしはあの小僧に敗北し、海の底で朽ち果てたはずだ)
衣服や持ち物に関しては、封印直前のものと変わりない。
黒い外套と、ふたつの剣。それらに触れ、安堵する。
ガノンドロフは起き上がり、森の中を歩いた。やがて木々が途切れ、前方の景色が広がる。
ガノンドロフは目を見開いた。
そこには緑の大地が広がっていた。
ガノンドロフがあれだけ求めて、ついに諦めた、肥沃な土地がそこにはあった。
ふいに、風が頬をあたる。
それはかつて恐れた死を運ぶ風ではない。幼い頃に憧れた、野生の息吹だ。
「ハイラルの神どもは、わしをどこまでも愚弄しおる……」
それからガノンドロフは高笑いした。心底おかしそうに、腹の底から。
最後まで求めて手に入らなかったものが、今になって現れたのだ。これほど馬鹿げた話はどこにあるのか。
ガノンドロフは、これからの自分の立ち振る舞いを思考する。
ふたたび魔物たちを率いて、ハイラルを我がものにするか……。
思考を回すガノンであったが、違和感を覚えた。
意欲がわかない。自分の中にある執念は燃え上がらない。
「いや、もういい。もうどうでもよい」
ガノンドロフはそこで悟った。
たぶん、自分はもう疲れ果てている。野望も、運命も、すべてを捨てて楽になりたかったのだ。
そこにいるのは、魔王と恐れられた男ではない。
ただの、枯れはてたゲルド族の男だった。
★
それからガノンドロフは行く当てもなくさまよう。
獣道に従って、平原を進んだ。その道中、旅人とすれ違った。
長い耳の茶髪の男。ハイラル人だ。
「近くに街はあるか? あるいは人がいる集落は?」
ガノンドロフは旅人にたずねた。
「ここから南に向かえば、半日でカカリコ村にたどり着けます」
ハイラル人の旅人は、おっかなびっくりと言った態度で答える。
いきなり威圧感のある巨漢の男が話しかけてきたのだから、そういった反応は自然なのかもしれない。
ガノンドロフは呆然とする旅人を尻目に、静かに立ち去った。
★
旅人の言う通り、半日、獣道を進めば、カカリコ村にたどりつく。
それからガノンドロフは、この世界がどうなっているのか調べた。
今から100年前に復活した厄災ガノン。それにより、ハイラル王国は滅んでしまったのだという。
さらに、ガノンドロフは知った。
おそらくここは、海に沈んだあのハイラルとは別物だ。
何千年、あるいは何万年先の未来の世界なのかもしれない。もしくはどこか別次元のハイラルなのかもしれない。
もうガノンドロフが知っているハイラルの名残はどこにもない。まるで自分が置き去りにされたような気分になった。
(厄災ガノン……。おそらくあれはこの世界の、わしの怨念だろう)
カカリコ村から、遠方にあるハイラル城を確認できる。
城を覆うように禍々しい瘴気が憑りついているのは、厄災ガノンだ。
その遥か地下から、気配を感じたのだ。まるでそこにもうひとりの自分が封じられているような。
ガノンドロフは哀れに思った。
遥か長い年月もの間、封印と復活を繰り返した自分。
いつまでもハイラルを求める妄執が、あのような厄災となって噴出しているのだろう。
あまりにも見苦しいので、いっそのこと自分の手で終わらせた方が……とも考えた。
★
その翌日のことである。
ガノンドロフは、村の門からひとりの青年が入るところを見かける。
青年は、水色の衣服を身に着けた金髪のハイラル人だった。
その青年を目撃したガノンドロフは、まるで、電流が走ったかのような感覚に襲われた。
あの青年とは、かつてどこかで会ったような気がする。
立ち止まったガノンドロフの傍を、青年が通り過ぎる。
その瞬間──
『リンク、お疲れ様です』
──声が聞こえた。澄んだ女の声だ。
しかし、声の主である女の姿はどこにも見当たらない。
なにより「リンク」というその名前……!
『リンク、村長の家を訪ねて、インパに会いに行くのです』
どうやら女の声は周囲にいる他の村人には聞こえておらず、ガノンドロフだけは聞き取ることができた。
リンクと呼ばれた青年は、女の声にうなずき、それまで寡黙にしていた口を開く。
「────」
ガノンドロフは振り返って、青年に視線を注いだ。
『わかりました、ゼルダ姫』と、あの青年は今さっき、そう言い放ったのだ。
勇者リンクとゼルダ姫。
ガノンドロフにとって、それは忘れられぬ因縁の相手。時代を超えて、2度もガノンドロフを敗北に追い込んだ宿敵だ。
おそらくこの時代の、勇者リンクとゼルダ姫はあのふたりなのだ。
めぐりあったのは、偶然なのかもしれない。はたまたトライフォースの因果なのかもしれない。
ガノンドロフはふたりに何かしようなどと考えなかった。
敵意を抱くことはなかった。その代わり、郷愁、懐かしさ、悲哀。いくつもの感情が去来した。
★
その翌日の明朝、ガノンドロフは村周辺の森をうろつく。
気まぐれだ。生命が息づいた自然。そこから吹きつける風。それらを五感で感じ取りたかったのだ。
ふいに、何か音が聞こえた。
剣戟、大きな物が動く音。ぶつかる音。
それらを耳にしたガノンドロフは足を進める。
木々の隙間から、誰かが魔物と戦っているところを目視した。
巨大な岩の魔物──イワロックと相対している人影。
勇者リンクだった。
錆びた銅の剣を片手に、イワロックの周囲を駆けまわる。弓や、爆弾、何らかのアイテムを活用し、戦っていた。
ガノンドロフは、その戦いぶりを静かにしばらく観察した。
しだいに、ガノンドロフは眉をひそめていく。
「……どういうことだ?」
勇者リンクは、イワロックに苦戦しているようだった。
たしかにイワロックは、ここらで出没する魔物の中では強いだろう。
しかし、これまでガノンドロフが出会ったふたりのリンクならば、片手間で倒せてしまうほどの弱さだ。
(なにかおかしい。小僧の動きがぎこちない)
ゲルド剣術を極めたガノンドロフだからこそ、この短時間で見抜いた。
剣の振り、型、挙動。体の使い方。
それらがいびつなのだ。
あるところでは熟練の剣士のような完璧な動作を見せる。しかしあるところでは、素人同然の不慣れさを見せる。
なにより、その動作にリンク自身の体が追いついていないように思える。
あたかも優れた剣士が、長い眠りの果てに記憶喪失にあって、一部の技能と身体能力を喪失したような、そんな……。
『リンク、頑張って!』
ゼルダは声援を飛ばしている。
しかし戦況に変化はない。
リンクは武器を消耗しており、疲労のせいか動きに精彩を欠いている。
(このままでは、あやつは死んでしまうかもしれぬ……)
あのリンクは、時の勇者であったリンクでも、タクトを持った少年リンクでもない。
すなわち、ガノンドロフにとって関係のない人間だ。
だが、捨て置くことがどうにもできなかった。
リンクとゼルダ。このふたりは宿敵でもあり、ガノンドロフにとって故郷ハイラルの名残でもあったのだ。
ガノンドロフは踏み出す。
イワロックは、ガノンドロフが放つ研ぎ澄まされたオーラに感づいたのか、振り返る。
ガノンドロフは外套をまくりあげ、内側に帯刀していた双剣を抜く。
その双剣の名は、コウメ・コタケ。ガノンドロフを育てた二人の乳母ツインローバの名を刻んだものだ。
イワロックは岩石を飛ばしてくる。
ガノンドロフは、肩慣らしに右の剣を振り上げ、飛来する岩石を両断した。
さらに剣の風圧で、真っ二つになった岩石がいしつぶてになって崩れていく。
そのまま接近したガノンドロフは、剣を振り上げる。
イワロックの体は頑丈だ。埋め込まれた核を攻撃しなければ倒すのは難しい。
だが、ガノンドロフはお構いなしに切りつける。
桁違いな筋力から放たれる剣戟。それは長年の鍛錬により、極限まで無駄を省いた軌道を描く。
わずか1秒でイワロックの手足を切断し、その勢いで胴体を両断。イワロックを絶命させた。
「小僧、無事か」
ガノンドロフは剣を納めたあと、リンクにそう話しかける。
窮地に登場した助っ人に驚いたのか、リンクは目を丸くしていた。
★
どうやらカカリコ村の住民は、近隣に生息するあのイワロックに手を焼いていたらしい。
それを見兼ねたリンクは、討伐するため赴いたのだという。
そんな話を、ガノンドロフはリンクから聞いた。
(小僧は何かの目的で旅をしていたのだろう。その道中の道草として、あのような厄介事を引き受けたのか)
「小僧、おまえの名前はなんという?」
ガノンドロフは念のためにたずねた。やはり返って来たのは『リンク』という名前である。
「ん……? <助けてくれてありがとう。あなたの名前は?>だと? そうだな……」
リンクの質問に、ガノンドロフは思考を回す。
流石に本名を名乗るのはまずい。そう考えたあと、とっさに偽名を名乗った。
「わしの名はドロフだ」
ハイラルを壊滅に追いやった厄災。その名前はガノン。
ならば、野望を諦めてしまった抜け殻のような自分は、ドロフと名乗るにぴったりだ。ガノンドロフはそう自嘲した。
『リンク、彼は一体何者なのでしょう? 英傑に匹敵、いえ、それすら凌駕しうる実力です。ウルボザの剣技でさえあれほどのものではありません』
またしてもゼルダの声が響いた。
だが、やはり周囲にはリンクとガノンドロフ以外誰もいない。
「そこの娘、おまえの声も聞こえておる」
『え!? わたしの声が聞こえているのですか?』
「煩わしくてたまらん。名を名乗れ」
『……ゼルダと言います』
「なるほど、おそらくおまえは、何らかの方法を用いて、遠方から小僧に向けて言葉を飛ばしているのだろう」
『はい……しかし、いったいどうしてあなたにも届くのでしょうか』
「わしは知らぬ。だが、おまえたちは何らかの事情を抱えているのだろう。ここで会った縁だ。わしに語り聞かせてみろ」
ガノンドロフは飄々と言い切る。
なにもそれは善意や興味からではない。リンクとゼルダの動向を探ろうという思惑があったからだ。
それから、ガノンドロフは知った。
100年前の大厄災。
その戦いにより、リンクは仮死状態となって、回生の祠で100年の眠りに就いた。
そしてゼルダは厄災を抑えるために、たったひとりでハイラル城に残ったのだ。
「つまり、それから100年の眠りから目覚めて、小僧は旅をしているのだな。厄災ガノンを倒して、ゼルダを救出するため……と」
リンクはガノンの放った発言にうなずいた。
「本気か? 死ぬかもしれぬ過酷な旅だ。小僧、おまえは行くのか?」
リンクは再度、うなずいた。
それを見届けたガノンドロフは、
『リンク!!』
とっさに、リンクは攻撃を受け止める。
だがその衝撃で錆びた銅剣は手から滑り落ち、体は吹き飛ばされる。
「今のおまえは弱い。100年前の眠りで、かつての持っていた力を失い弱体化している。
さっきの魔物にてこずるほどにだ。それでは厄災ガノンを倒すことなど不可能だ」
ガノンは剣を鞘に戻してから、言い放つ。
「それでもおまえは旅をつづけるのか?
100年の時が過ぎて、おまえの存在は多くの者に忘れられている。
もうお前の知っているハイラルではない。そんなハイラルをおまえは救うつもりなのか?」
その問いかけは、諦めを促すようでもあり、なにかを試しているようでもあった。
リンクは立ち上がって、それでもうなずいた。
「誰一人味方のいない孤独な旅だ。それでもか?」
ガノンドロフは念を押すように、たずねた。
リンクは<それが自分の使命だから、どんな困難があろうとも構わない>と答える。
その時、ガノンドロフは目にした。
リンクの瞳には、決意が宿っていた。
2つの時代でガノンドロフを負かした勇者リンク。あのふたりと同じ瞳をしていたのだ。
それは、絶対に折れない勇気のこころ。
それは勇者のリンクという存在の、なによりの証だ。
たしかにこの世界のリンクは、ガノンドロフが知る勇者リンクとは別人である。
しかし、その魂はまったく同じものであった。
なぜだか分からない。ガノンドロフの体がひどく打ち震えた。
それから勝手に、言葉が口をついて出る。
「勇者リンク、わしからひとつ、おまえに提案する」
それはガノンドロフ自身も予期していないものだった。
「その旅にわしを同行させてもらおう」
★
「先ほどは試すようなマネをしてすまなかった、リンク。それに貴殿の騎士を傷つけてしまった。許せ、ゼルダ姫」
そのあと、ガノンドロフとリンクはカカリコ村に戻った。
リンクは宿屋で旅支度をしていた。どうやら数日後には村を発つらしい。
『いきなりで驚きました。ですが、あなたはリンクに敵意があったわけではないでしょう』
「ああ、もちろんだ」
『……ひとつ聞かせてください。あなたの言うとおり、これからの旅は危険です。ならば、なぜリンクに同行しようと考えたのですか?』
「あれを……厄災を放置しておくわけにはいくまい。あれは見苦しい」
ガノンドロフはこの世界での目標を定めた。
まずは勇者リンクに手を貸し、厄災ガノンを滅ぼす。そしてその大元である、この世界のガノンドロフを倒す。
動機はなにも、正義感からではない。
あの見苦しい存在がいるだけで、ガノンドロフは気が滅入ってしまう。だから消し去ろうと考えたからだ。
『あなたのようなハイラルを想う、強い剣士が旅の供になっていただけるのです。これ以上、心強いことはありません』
(ハイラルを想う……か)
ゼルダは色々と誤解しているようだが、ガノンドロフは触れないことにする。
「リンク」
ガノンドロフはかつての宿敵の名前を呼んだ。
この世界の宿敵は、荷造りの作業を中断し、ゆっくりと振り向いた。
「これからわしは、おまえの旅に同行する。それで良いか?」
リンクはうなずいた。それからガノンドロフに一言いう。
「<頼りにしている。よろしく頼む>か……。ふふ、まあ、よいわ」
★
旅立つまでの数日間、ガノンドロフとリンクは、カカリコ村を南下し、クロチェリー平原に向かう。
長旅にはかかせない存在──馬を調達するためである。
「ハアッ!」
ガノンドロフが手なずけた馬は、他の馬より体躯が大きい黒馬だった。
奇しくも、かつて愛馬としていたゲルド馬と似た種のものであり、ガノンドロフは一目見て、この馬に心惹かれた。
対して、リンクは栗毛の馬を手なずけたようだ。しかしなぜか、リンクは浮かない顔をしている。
「どうした、リンク? ……なに? <どんな名前にしようか迷っている>だと?」
ささいなことに迷うものなのだな、とガノンドロフは呆れた。
それと同時に、自分の愛剣に育ての乳母の名前を付けていることを思い出す。たしかに、名前とは大事なものだ。
「<思いつかないし、何かいい名前があるか?>とな、そうだな……」
ガノンドロフは、この栗毛の馬にふさわしい名前を、脳内で並べていく。
だが、納得できるような名前は出てこない。
そんな中、なぜかある情景が頭に浮かんだ。
緑の衣を着た青年。青年は小さな妖精を供に、栗毛の馬に乗っている。
それは遥か昔の時代の記憶。若かったころ、野心に燃えていたガノンドロフが敵視していた者の姿だ。
(そうだ、たしかあやつの馬の名前は……)
「エポナ、という名はどうだ」
──エポナ。
その名前を聞いたリンクは目を輝かせる。<とてもいい名前だ。教えてくれてありがたい>と、感謝を口にした。
ハイラル平原の荒れた街道を、2頭の馬が並んで駆け抜ける。
片方は、ゲルドの中年の男を乗せた、黒馬だ。
もう片方は、凛々しい顔つきのハイラル人の青年を乗せた、栗毛の馬だ。
「聞こえるか、ゼルダ姫。まずはじめにどこにいけばいい?」
『まずはラネール地方に向かいましょう。リンク、ドロフさん、あなたたちの旅の無事を』
リンクは<了解>と短く言い切る。
厄災ガノン討伐には、ハイラル各地にある4つの神獣を解放する必要がある。
今から1万年前、シーカー族の技術を結集し作られた、大型古代兵器。それが神獣である。
水の神獣ヴァ・ルッタ
風の神獣ヴァ・メドー
炎の神獣ヴァ・ルーダニア
雷の神獣ヴァ・ナボリス
100年前の厄災で、それら神獣は汚染されてしまい、制御機能を失ってしまった。
ゆえに直接現地に乗り込み、神獣を奪還する必要がある。
(思ったよりも長旅になりそうだ)
ガノンドロフは、3度の封印と年を取ったことにより、全盛期よりも実力が衰えている。
単身で挑めば、あの厄災に勝てるだろう。だが地下に眠る、この世界のガノンドロフには敗北するかもしれない。
そのため、万全の準備を整えなければならない。
勇者リンクの力を取り戻させて、神獣という強力な援護を得る。それこそ最も勝率が高いとガノンドロフは判断する。
おだやかな風が吹く。
風は、乗馬しているガノンドロフの頬をなでた。ガノンドロフはわずかに瞼を閉じて、つぶやいた。
「今日は、よい風だ……」
続きは……気が向いたら書いていこうと思います。