紅蓮の王のまったりライフ   作:ちゅーに菌

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女死会

 

 

「第四回、黒歌強襲祭~」

 

彼の宣言の直後、彼の両隣にいる楽器を持った赤と黒のアリス服姿の幼女2人が、ドンドンパフパフと音を出した。

 

食堂にてお月見に参加する予定だった使い魔たち数十人が彼により集められ、着席しているようだ。

 

彼の発言により、お月見と言う名宴会を楽しみにしていた大多数から批難の声が上がった。

 

「色々聞きたいけれどまずなんで4回目なのかしら?」

 

お月見の主催者である黒いドレス姿の吸血鬼…レイチェル・アルカード彼の前に出てそう呟いた。

 

彼女はいつの間にか彼の使い魔としてここにいる吸血鬼だ。最近はカーミラ派とヴラド派に別れている吸血鬼の中で新たにアーカード派という団体を作っている最中らしい。

 

彼女の世界には吸血鬼はもうほぼ居ないらしく、かなり熱心にやっているらしい。

 

実はラグナ・ザ・ブラッドエッジを追ってきたとの噂もあるが、定かではない。

 

どうでも良いが、遥か昔に既に死んだとされているカーミラ本人とヴラド(ドラキュラ)本人は現在、紅蓮の王の使い魔として暮らしていたりする。身内問題は完全に放置だ。

 

まあ、そもそも紅蓮の王の使い魔としているだけで自身の安泰が保証されたようなモノなので関わる必要すらなかったりする。

 

「アサシンが既に3回しくじっているからだ。依頼金詐欺だチクショウ」

 

30%OFF→50%OFF→75%OFF→95%OFFでもこれではダメダメである。先払いのため、イチイチ振り込んでいたりするから酷い話だ。

 

「ああ、なるほど…もうあなたが動くわけね。それなら」

 

「おい、今日はいい月だ。月下の桜を見るために集まったんだぞ?」

 

話の途中で一人の半裸に近い服装の男の声が上がった。男の腕には着物姿の美しい女性がもたれ掛かっている。

 

会話を遮られたレイチェルは眉を潜めた。

 

「無粋な犬ね。話すら待てないのかしら?」

 

男…源義経が何か言う前にレイチェルに向かってもたれ掛かっていた女が抜き身の刀を投擲した。

 

レイチェルはそれをヒラリと避け、女を一別する。

 

「危ないわね。(しずか)、妻の癖に我慢も出来ないのね」

 

「新参者のクセに……よしつねさまになんて口の聞き方…よしつねさまは狼王よ…それを犬なんて…殺す…殺すわ…バラバラにしてやるわ…」

 

「おい、静」

 

「よしつねさまは黙っていてください」

 

「お、おう…」

 

どうやら名将も女房には勝てないらしい。

 

「あら? 私とやり合うつもり? 身の程を弁えなさい」

 

一触即発の光景が繰り広げられ、元から血の気の多い集団である紅蓮の軍団はそれを煽るようにコールを掛け、どちらに掛けるか等の主旨の会話が巻き起こっていた。

 

静御前が立ち上がり、刀を手元に戻すと式神を召喚するための札を取り出す。

 

レイチェルは使い魔の傘を静御前に向けた。

 

が、次の瞬間、食堂に金属で石を打つような甲高い音が響き渡る。

 

すると一瞬で食堂の空気が凍り付いたような錯覚に襲われた。

 

発生源の場所を見ると全員が見渡せる特等席に座っていた彼が立ち上がり、冷めた目で2人を見つめていた。

 

その肩には彼の使い魔の一人から渡された金の柄の美しい剣、"咎人の剣 神を斬獲せし者"が乗せられている。

 

「別に全員で行くとは言わないさ、適当に行きたい奴かどっちでもいい奴を数人連れて行けば良いからな。それでいいだろ義経?」

 

「お…おう…そうだな…来い静」

 

「はいぃ…」

 

珍しく紅蓮の王としての威圧を放っている彼に気圧され、義経は妻の前以上に縮こまっていた。

 

義経は本来、傍若無人で豪快な男だ。狼王など紅蓮の王に比べれば乳飲み子にすら劣ると言うことだろう。

 

2人が着席した事で、この世の者もあの世の者も等しく絶対的な恐怖を覚えるほど強烈で冷徹な視線がレイチェルを貫く。

 

「レイチェル、他に聞きたいことは?」

 

「も、もう無いわ…」

 

あのレイチェル・アーカードが冷や汗をかきながら彼に目を合わせないようにしていた。ラグナが見れば爆笑モノである。

 

視線だけでこれだ。あの剣を振って襲われでもしたら勝てるわけがないという絶望と恐怖をレイチェルは浴びていた。

 

目の前にいるのはレイチェルが知る中で最も強烈で痛烈、そして最強の生命体だ。

 

ユウキ=テルミだろうが皇帝だろうが今の彼の前には10秒と持つ事はないだろう。

 

「で? 他に意見する者はいるか?」

 

彼が咎人の剣 神を斬獲せし者の切っ先をその場の全員に向け、辺りを見渡した。既にさっきまでのブーイングが嘘のように静まり返っている。

 

まあ、この空気の中でも数人だけ楽しそうにニヤつきながらただ傍観しているだけの者もいるが、そいつらは紅蓮の王の使い魔の中でも色々な意味でトップクラスの奴らなので数に入れるのはお門違いだろう。

 

「よろしい…」

 

彼が座り直し、剣は空に溶けるように消えた。

 

するとそれまでの空気が嘘のように軽くなり、彼にへらへらとした笑顔が戻った。

 

「で? 誰が付いてくるんだ? くじ引きでもいいぞ?」

 

そう言いながらどこからともなく人数分の割り箸と割り箸立てを用意し、6本ほど抜き取ると、先端をマジックで赤く染め、割り箸立てに戻した。

 

「あ、そうだ。青子、お前確定な」

 

そう言いながら先の赤い割り箸を1本抜いた。

 

「ちょ…なんでよ!?」

 

お月見での御馳走を楽しみにしていた蒼崎青子は抗議の声を上げた。

 

「黙らっしゃい。お前昨日、酒蔵庫から妙にキラッキラッしたボトル空けただろ? そんでボトル消し飛ばしたよな?」

 

「ああ、酔った勢いでやったわね。既に泥酔してたから味なんてよくわからなかったけど」

 

そう言ってケラケラと青子は笑った。

 

それを聞いた青子の周囲に座っていた者は、あ…という表情になり無言で別の席に移ったり、呆れた表情をしたりと彼女を哀れんだ。

 

それを見た彼は溜め息を付くと半ば諦めたような表情になってから呟いた。

 

「あれはメキシコの蒸留酒メーカーが作ったテキーラ・ボトルでな。ダイヤモンド4000個が散りばめられていて、3億以上するボトルだったんだよ」

 

「へー、そうだったんだ。通りでバカみたいに光ってたのねー………………え?」

 

青子は事の重大さにやっと気付いたらしい。顔を真っ青にしてわなわなと震え始めた。

 

「3億ぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!?」

 

是非この自業自得の行いで悲痛な叫び声を上げる女性の姿を先生と呼び慕う男の子に見せてやりたいものである。

 

青子を無視し、割り箸立てが使い魔の中で回されていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

とある大陸の寂れた町の隅。

 

彼と7体の使い魔が並んでいた。

 

「さーて、集まったな。無敵の敗残兵諸君」

 

とは言った彼だったが狙ったかのようなメンツの濃さに彼は若干、引いていた。

 

「よくやったな。アサシン」

 

「………………はい…」

 

相変わらず名前で呼ばない彼に言われ、アサシンもといリータ・パティスは彼の目が見れないまま浮かない返事をした。

 

そもそも紅蓮の王時代に彼女が、じれじれと彼に思い出した自分の名前を打ち明けられなかったのがそもそもの失態だ。

 

結果、こっちの世界で最近に来ても名前を告げれず、最近になってから彼女の名前がふとした会話で他の使い魔から耳に入ったのだ。

 

一番と言ってもいいほど長い付き合いだった彼にとって地味にかなり傷付いたのは言うまでもない。

 

念願の花を育てることが出来るようになったリータであるが、結果的にそれが手につかない程、彼との関係がギスギスしたのである。

 

自分が女として本気で彼を愛してしまった事に気付かされたと共に、かなりの心の亀裂を作ってしまった事にリータは絶望した。

 

口下手なリータでは最早、取り繕う事すら出来そうに無いのだ。

 

そして、汚名返上しようと頑張って自分から彼の最優先目標である黒歌を生死問わず連れ来るこようとしたのだが…。

 

昔なら有り得ない3連続依頼の失敗+結局、王直々に出て来るという酷い結果となった。彼に金だけ消費させて今に至る。これではまるで汚名挽回…いや、上塗りである。

 

正直、もう依頼金なんて取らなくても良いのだが彼が律儀に昔のままの依頼金を直ぐに振り込むので引っ込みがつかなくなっていたりする。それほどまでに彼女は口下手である。

 

彼はそんなことは一切気付かず、目すら合わしてくれないリータに地味に傷付きながら他の参加者に目を向けた。

「うー…3億…」

 

一人目はまだ沈んでいる蒼崎青子。

 

まあ、使い魔の奇行でイチイチなにかしていたら切りがないので、彼は別に請求する気も無かったりするが面白いのでこのまま放って置いている。

 

この時点でSSランクの悪魔には十分な気がするが後、5人いるのである。

 

「いい月ね」

 

二人目はこれから行くと言うのに何故かティーセットを広げているレイチェル・アルカード。

 

まあ、即行で仕舞えるようなので放って置いても特に問題あるまい。

 

と言うかこの吸血鬼、くじ運はサッパリ無いようである。まあ、ぶるらじであんな事になっているから仕方あるまい。

 

彼は目を隣に移した。

 

「うふふ、死んでても良いのよね~」

 

三人目はなにやら触れたら危なそうな蝶々を空に飛ばしている少女の幽霊、西行寺幽々子。

 

なんかもう見るからにあの世に送る気満々である。恐らく、御馳走を食べ損ねた腹いせだろう。そうに違いない。

 

日頃は温厚で穏やかな彼女だが、今は背にドス黒いオーラや巨大な扇子のような何かが見えるため、そっとしておく事に決め、また、目を隣へ移した。

 

「ん? どうかしたのか? 我が王」

 

四人目は自称永遠の17歳の英雄でお馴染み、ロックブーケさんである。

 

なぜか昔はもっとこう…なんと言うか女っぽい喋り方をしていた気がするが彼の気のせいかもしれない。

 

美女を同化させ過ぎて性格まで良い方向にネジ曲がったのだろうか?

 

「本当にまた会えてよかったよ…一人で行ってしまったから心配してたんだぞ…全く…」

 

「……………………これはこれで…」

 

「ん? 何か言ったか?」

 

「いや、そのままの君で居て欲しいとな」

 

「それは難しい注文だな。善処はするよ」

 

なぜか彼の頭の中で"エンサガ仕様"とか"エンサガブーケ"とかよくわからない単語が浮かんだが無視する事にし、目を移した。

 

「うふふ、くじ引きでも一緒なんて…やっぱりダーリンとは繋がっているのね。クスクス…」

 

五人目なのだが…なんと言うか…プリキュアの敵役の魔女のような服装をした女性だった。衣装のところ所には三日月の形をした装飾が散りばめられている。

 

こんななりだが日本神話の太陽の神アマテラスと双璧を成す、月の神ツクヨミその人である。

 

だが、彼女が彼を見る目がどこかおかしい。長年の恋人を見るような目で見つめながらも、大好きな玩具(オモチャ)を見るような目でも見つめているのだ。

 

それもそのハズこの娘の母親はなんとあの日本神話最古のヤンデレとして知られるイザナミである。彼女はその遺伝子を全面的に継いでしまっているのだろう。迷惑なことこの上ない。

 

ちなみに自称ニドの婚約者である。

 

彼は少しブルーな気持ちになりながらも溜め息を付きたい気持ちを抑え込み、最後にして最終の問題児に目を向けた。

 

彼女は彼と目が合うとニッコリと美の神も一歩引くような妖艶で、可愛らしく、美しい笑みを浮かべた。それにより彼も少し押される。

 

「あら? あなた襟が曲がってるわよ?」

 

「おう…」

 

天の川のように煌めく金髪の長髪、揺ったりとした黒いドレス、三日月の刃の付いた杖、そして完全な造形を持ったその肉体が彼の目に入った。

 

「これでよし…」

 

彼の襟から離れた彼女の指はまるで最高級の陶器が足元にも及ばないほど美しく、白魚など鼻で笑えるほど生物的な美しさを兼ね備えていた。

 

「ん…」

 

彼女は彼の頬に軽く口付けをしてから列に戻った。

 

彼女の名を"イセリアクイーン"と言う。

 

自身で自らが最強の神だと謳っているよくいる神様なのだが、実際彼女より強い神を彼は知らないので困る。

 

それほどまでに最強の二文字が似合うのが目の前にいる女神なのだ。

 

ちなみに彼に彼女が知りうる限りの最強の剣、"咎人の剣 神を斬獲せし者"を渡したのも彼女である。

 

そして自称ニドの妻である。生前のニドと子供を成す約束をしていたとは本人談だ。

 

そう言われてみればそんな気がしたような気もした彼だったが、彼の他の使い魔曰く、それは無いらしい。

 

というかニドは子を残し、その子に宿命を背負わせるのを嫌ったらしく、ニドの子は偶々アマゾネスの少女と出来ちゃった1人しか居ないそうだ。とんだロリコン野郎である。

 

脱線したが、こんなところで第4次黒歌討伐隊の編成は完了した。書き出すとこのようなメンツだ。

 

 

紅蓮の王 ニド

はぐれ暗殺者 リータ・パティス

現代の魔女 蒼崎青子

真祖の吸血鬼 レイチェル・アルカード

亡霊の姫君 西行寺幽々子

七英雄 ロックブーケ

月と夜の神 ツクヨミ

全てを超越せし女神 イセリアクイーン

 

 

オーバーキルにも程がある構成だ…。これで紅蓮の王の総戦力の人指し指程のなのだから化け物集団にも程がある。

 

「目的はSS級はぐれ悪魔黒歌の討伐だ。無論、生死は問わない。どれだけ引き裂こうとも、貫こうとも、バラバラにしようと構わない、君らの自由だ」

 

だがと彼は言葉を区切った。

 

「ひとつだけ条件がある。彼女の心を完全に折ることだ。ボロボロでは足りない、廃人にしろ、恐怖で塗り潰せ、粉々になるまで壊せ、それまでは絶対に殺すな、絶対にだ。身体を折り、心を折り、最後に彼女の命の蝋燭を折ろう。いや、最後は蝋燭を踏み潰しても構わないな」

 

彼は首を鳴らすと大きく伸びをした。

 

「じゃあ、行こうか。夜は長い、月夜は美しい」

 

その言葉を吐くと彼は咎人の剣 神を斬獲せし者を出し、空に登るように歩き出した。

 

「彼女にとっては今日が命日だ、命の終点だ、最期の日だ。なら盛大に殺そう、殺戮しよう、そして弔おう」

 

使い魔達は当たり前のように彼の後を追った。

 

月夜の下、紅蓮より混沌すら弾き返す史上最強の集団が動き出し始める。その後ろには緩やかに闇夜を侵食する紅蓮の尾のような光を引きながら。

 

紅蓮の王の進軍から逃れたモノはただの一体も存在しない。

 

自ら死選ぶという道を除いて。

 

 




個性が過ぎる使い魔の皆さん。

リータ・パティス
みんな大好きアサシンちゃん。特技は双影斬、夢は花を育てること。どうでもいいがLOV1の時のアサシンちゃんのカードの絵柄の胸が完全に地肌と同化しているように見え、丸出しの痴女だと思ったのは私だけでいい。

レイチェル・アルカード
ループに飽きたのか、紅蓮の王が一晩で解決してくれたのかレムギアにいる吸血鬼。この世界線では紅蓮の王の使い魔になっている。彼女のモテメガネは伝説だろう。ロリBAAでうわ使い魔でなにするのやめ。

西行寺幽々子
二次創作で食いしん坊の属性を付けられた悲しき乙女(故人)。例に漏れずここの幽々子様もそんな感じである。多分、食べ物につられて七界に迷い混んで来たのだろう。そうに違いない。彼女にも射影機が効くかどうか試してみたいところである。

ロックブーケ
自称永遠の17歳。本編とエンサガで180度性格の違うお方。エンサガブーケの他にも浴衣ブーケや水着ブーケなど各種取り揃えられている。特技はテンプテーションと召雷。ちなみに七英雄になる前は斧を振るう茶髪のポニーテールなお方だったそうな。

ツクヨミ
ヤンデレ、ブラコン、妹属性ともう戻れないところまで色々と来ているお方。しっているか? おつきさまからは にげられない。一時期LOVⅡの環境を粉々にしてくれた事でもとても有名。どうでもいいが声優が水樹奈々。

イセリアクイーン
チート、裏ボス、理不尽などを兼ね備え、沢山のレナス御一行にふざけんな! と言う豚のような悲鳴を上げさせた事で有名。攻略本が頼りのあの時代にコイツを倒すことは限り無く不可能に近かった古き良き時代の超鬼畜女神様。世界を越えるのがお得意らしく、ヴァルキリープロファイルどころかスターオーシャンやLOVなどにも遊びに行く困ったお方である。基本的な容姿は統一されているがたまにロリになったりとそっちの需要まで満たしてくれる素晴らしい女神様でもある。




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