大怪獣バトルウルトラモンスターズEternal   作:リクソンLv.6

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第三章:砂の惑星編
第12話:覚悟と選択


『君もまた選ばれてしまったのか……。』

 

『バトルナイザーさえあれば、宇宙を支配するのだって容易な事だ。全宇宙人達が喉から手が出る程に欲しがる代物だぞ!』

 

『忌々しいレイブラッドの手先め!!貴様らがヤツを復活させようとしている事に気づかんのか!』

 

『貴方も…レイオニクスなのね。』

 

『あれほど怪獣のデータを集めやすく、かつ怪獣たちの恐るべき力の再現性が高い道具は他にない!』

 

「レイオニクス…バトルナイザー……」

惑星ブラムから出発した俺たちは次なる目標である惑星アヴァルを目指し航海を続けていた。

「それで話って何かな、ハル君。」

「リーダーはレイオニクスやバトルナイザーのことをどこまで知っているんですか?」

俺は以前レイオニクスについて話してくれたことを思い出しながら再びリーダーに尋ねた。ブラムの図書館ですら、その全容が記されていなかったのにも関わらずリーダーはレイオニクスについて事細かく知っていたからだ。

「そこら辺の話オレも聞いてみたいっス!」

背後からひょこっとレイジが顔を出した。確か掃除を頼まれていたはずだが…。

「あー…あぁ。実の所、私もそこまで詳しくはないんだ。友人がその辺に詳しくてね。前に話したのは彼の受け売りなんだ…。ははは……」

「なんスか!それ!?聞いてガッカリしたッスよ……」

随分と歯切れが悪い。恐らくレイジが居るからというのもあるだろうが、それだけではないような気配がした。レイジや俺にも話せないそんな秘密が──

「だ、だが!バトルナイザーには私自身すごく興味があってね!ハル君。君さえ良ければバトルナイザーを調べさせてはくれないだろうか?」

思いがけない提案だ。バトルナイザーがどんな物なのか理解できれば、レイブラッドやレイオニクスの事だけではない戦闘面においてても何か得るものがあるかもしれない。

「はい!モチロン!」

俺は2つ返事で答えた。

◆◆◆

─数分後─

3人はコンピューターの前にかじりついて結果を見つめていた。

「おぉ!コレは凄いな!!メカと有機体で構成されたハイブリッド構造なのか!今も刻一刻と変化を続けている…」

「リーダーがこんなに興奮してるの初めて見たっス……」

レイジの言う通り研究精神はたまた機械好きが刺激されたのかリーダーはかつて見ない程に興奮している。

「そんなに凄いんですか……?バトルナイザーって。」

野暮な質問だがリーダーは気にせず熱く答えていく。

「あぁ!コンピューターが示す結果が事実ならバトルナイザーは"成長"している。しかもとんでもない速さで…だ!それだけじゃない、バトルナイザーは怪獣との戦闘を繰り返す度に"学習"しそのデータをゴモラたちに伝えているんだ!そう!ハル君、君を介して情報を集め君を通じてゴモラたちを学習させているというわけだ!」

「俺が……」

リーダーから手渡されたバトルナイザーを見つめているとバトルナイザーは発光を始め、高々と機械音が流れる。

 

『宇宙大怪獣反応!宇宙大怪獣接近中!!』

 

その直後に兎龍丸の緊急事態アラームが鳴り響く。レイジが外部カメラのチャンネルを開くと宇宙大怪獣ベムスターの姿がそこにあった。

「ベムスター!?なんでここに!」

「考えられるのは先の戦いだろうな。不条理に不条理をぶつけるなんていうイレギュラー中のイレギュラーが起きたんだ。何が起きても不思議じゃない!」

ベムスターは速度を上げて船に接近してくる。こちらがミサイルのハッチを開けた頃には既に船の真上を陣取っていた。

「俺が行きます!」

「待てハル君!宇宙空間に怪獣を投げ出すつもりか!?」

「でも!」

◆◆◆

「……ん?」

バトルナイザーがレイオニクス反応がある事を示している。あの船にレイオニクスが居るのだろうか。──どうやら襲われている最中の様だが。それともベムスターの方か?

「どちらにせよ潰しておいて損は無いな。──行け。」

 

『バトルナイザー・モンスロード!』

 

ズドンッ──────!! 重い衝撃音が鳴り響き、浮遊する小惑星に1体の怪獣が出現した。

◆◆◆

『宇宙恐竜出現!宇宙恐竜出現!』

再びバトルナイザーから音声が流れる。その音声を聞いた途端、その場にいる全員の動きが止まり開かれた別のチャンネルを凝視する。

 

「ピロロロロ……ゼットォン……」

 

──宇宙恐竜 ゼットン。

怪獣好きであろうと無かろうと誰もが聞いたことのあるその名前。多種多様な怪獣が存在する中、『最強』という肩書きが今なお語り継がれている。実際に生で見るのは無論初めての訳だが圧倒的な威圧感や不気味さはこの前のグリーザにも劣らないと言えよう。

 

「ゼッ…トン……なんで、こんなところに……!?」

額から汗が流れるのを感じながら唾を飲み込む。

その威圧感に気圧されたのかベムスターは慌てて兎龍丸を手放し猛スピードでその場を離れようと飛び立つ。

ゼットンが腕をクロスさせ振り払うモーションを行うと同時に顔の前が赤く発光し始めた。

「もしかして…もしかしなくても……アイツ、この船ごと木っ端微塵にするつもりっスよ!」

「緊急回避!」

急いで回避準備に入ろうとするが時既に遅し。ゼットンの眼前から放たれた破滅の一撃がベムスターと兎龍丸を襲う。ベムスターは爆発四散しその爆発に巻き込まれた他、1兆度の火球をモロに食らった兎龍丸はエンジンが停止。さらに重力操作システムのほとんどが機能停止した影響で惑星の重力に引っ張られそのまま大気圏に突入。謎の惑星に墜落を果たした。

◆◆◆

兎龍丸は大気圏突破後、操作不能のまま砂の惑星に墜落。数百メートル砂の海をランディングし岩に激突する事で勢いを完全に殺すことに成功したのだった。

「いったた……リーダー!ハル先輩!大丈夫っスか!?」

「私は大丈夫。だが、ハル君が一向に目覚めなくてな…」

「……」

◆◆◆

「……んっ…ここは?」

確かゼットンの攻撃で兎龍丸が墜落して──

「え…?」

リーダーやレイジ、兎龍丸の面影すらそこには無く辺りは見渡す限りの焼け野原だ。その地獄のような光景を俺は見たことがあった。そう、地球でブルトンが現れる直前に見た夢と合致しているのだ。違うところを上げるとするなら怪獣が居ないことだろうか。

『こっち……。』

「この声は……!」

突然聞こえた声を追いかけ地獄を奔走するハル。辿り着くとそこはこの冒険の始まりとも言える──古びた噴水のある、あの広場だった。靴も履かず、ズタボロで少し焦げた服を着た少女が立っている。

「アリス…ここは一体どこだ!これはお前の仕業か!?」

「──お久しぶりです。」

なんだ…この感じ!?顔も声もアリスそのものなのに心が違うと否定して止まない!そんな違和感が気持ち悪く俺はまくし立てるように少女に問う。

「お前は…いや、君は一体誰なんだ……!?」

「ボクはアイリス。アリス姉さんの妹と言えば伝わりますか?」

その衝撃発言に面を食らったが、ある程度納得がいく。

「ごめんなさい。ボクが貴方を巻き込んでしまったせいでこんな事に…。」

「それは……そ、そもそもレイオニクスバトルはレイブラッド星人の後継者を決めるモノなんだろ?」

彼女は首を横に振りながら答える。

「いいえ。この戦いはレイブラッドが肉体を得て実体化し、再び宇宙を自分たちの支配下に置く機会を得るために相応しい体を探すだけの自作自演のバトルロワイヤルなんです。」

レイオニクスバトルの真実を聞かされ、俺は言葉を失う。畳み掛けるようにアリスの妹を名乗る少女は話を続ける。

「姉さんもレイブラッドに騙されて…。ボクはレイブラッドを倒す為、貴方に助けを求め・助けるためにそのネックレスを送りました。」

綾香から貰ったネックレスがキラリと光る。アイリスは何かに気づいたが、ハルはそれに気づくこと無くずっと考えていた言葉が溢れ出た。

「……なぁ。どうして俺だったんだ?どこの誰でもない、ただの一般人を君はどうして選んだんだ?」

「──本当のことを言うと、ボクにも分からないんです。ただ貴方じゃないとダメだ!ってそう思ったんです。」

「俺じゃなきゃダメ……か。」

聞きたかったことが思っていたよりフワッとしていてお互い気まずい空気感の中、アイリスは不安そうな顔で話を切り出した。

「あの…自分でお願いしてしまった上、こんな事聞いていいのか悪いのですが……。」

 

『これから今まで以上に残酷で、非情な現実が待っています。時に仲間を失うことだって起きてしまうかも知れません。──それでも貴方は戦い続けますか?』

 

周りの炎が上げるチリチリという音だけがその場に残る。逃げられるのなら、こんな戦い今すぐにだって抜け出してやりたい。辛い。苦しい。明日自分が生きているかも分からない生き方なんて辞めて、地球でただ平然と暮らしていたい。俺は所詮バトルナイザーで怪獣を操っているだけの凡人に過ぎないんだ。

 

……でも

 

『ハル君!』 『ハル先輩!』

 

『『──ハル!』』

 

────俺は。

 

ただ熱いと思っていたその場所にどこか懐かしいそよ風が吹き抜けた。

 

今まで出会いを、戦いを、思い出を。

この旅を全てを否定したくはない!!

 

「戦い続けるよ、俺。どんなことがあっても。それに今更迷う必要なんて無かったんだ。だってあの時──」

 

『(たとえ俺が戦うことでレイブラッドの為になるのだとしても!俺は――!)』

『……行きます。戦います、俺!レイジを救う為にも…街のみんなを守る為にも!』

 

既に誓いを立てていたのだから。

 

「それが貴方の選択なんですね……。分かりました。御武運を。」

「あぁ。」

ハルの体が光を帯びて粒子に変わっていく。粒子は空へと登っていき、いつしかその欠片さえも見えなくなった。

 

「……レイモンさん。頼みます。」

ネックレスの光に祈りを捧げ、瞳を閉じた。

◆◆◆

「――い…んぱい…おーいハル先輩!……あ!リーダー!」

「目を覚ましたか!?」

リーダーとレイジが詰め寄ってくる。どうやら墜落の衝撃で意識を失っていたみたいだ。それはそうと随分と懐かしい起こされ方な気がする……

「えっと、おはようございます……?」

 

To be continued……

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