大怪獣バトルウルトラモンスターズEternal   作:リクソンLv.6

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第14話②:宇宙海賊見参!?

────ドクン!!

ハルの中で心臓が飛び跳ねた。どこからか聞こえる声が耳を刺し、謎の映像がフラッシュして脳と視界に流れていく。

「バーロバロバロバロ!!」

渦を巻いた金色の顔と装甲、藍色の身体をした宇宙人がバトルナイザーを操り三つの頭を携えた蛇の怪獣を暴れさせている。逃げ惑う人たちを次々と石に変えていく様子は妙にリアリティがあり不気味だ。

「はぁっ…!はぁっ…!はぁっ…!はぁっ……!」

突然の出来事と情報の渦に巻き込まれ脳が処理が追いつかない。息の荒さがそれを物語っていた。

「ハル先輩!」

いち早く異常に気づいたレイジが駆け寄り背中を摩ってくれる。おかげで落ち着きを取り戻したが、同時に悟った。

 

「──あれは現実だ!」

 

◆◆◆

グエバッサーを召喚し壁外に降り立ったハル。そこにはあの時見た映像と同じ光景が広がっていた。

「くっ!ギリギリ間に合わなかったか!」

「バロ?バロバロバロ!バーロバロバロッサ!!」

通じない言葉に苛立ちを覚え宇宙人に問いただす。

「何言ってんのか全然わかんねぇよ!それと……これをやったのはテメェとその怪獣だな?」

頭をポリポリと掻き、どこからか古いラジオ…のような機械を取り出しボタンやらダイヤルを調整するとその宇宙人の言葉が途端に分かるようになっていく。──頭の中を弄られている感じがして妙に気持ち悪かった。

「アー…アー…テステス。コレで聞こえているバロね?コホン!改めて、バロはバロッサ星人。宇宙を股に掛ける海賊宇宙人バロ!」

名乗りと胸を張った決めポーズをするバロッサ星人に反応するのは後ろの怪獣だけだ。凍えきった空気に耐えきれなかったのか、聞いてもいないここまでの経緯を語り出した。

「あ、あれは宇宙を放浪していた時のことバロ…ペダンのロボットに撃ち堕とされて気がついたらこんな惑星にいたバロ……さすらい続けて右往左往、ようやっと食べ物にあり付けると思ったらやれ化け物だのなんだのと…もう散々で……」

話と顔を抑えて泣いている仕草に呆気をとられながらも俺は少し同情したが、バロッサ星人に間違いを言いつける。

「で、でも!だからってこの人たちを石化するってのは間違ってるだろ!」

「……ウッセェバロ。」

「え?」

「うるさいうるさいうるさァ〜い!おめェレイオニクスだろ!レイオニクスは目と目が合ったらレイオニクスバトルバロ!行くバロ!ガーゴルゴン!」

突如始まったレイオニクスバトル。石化した人たちを巻き込まないよう鉤爪で両肩を引っ掛けその場から離脱する。

見た目的な特徴ならば猛禽類と蛇という一見、猛禽類側が優勢のように思われるが2体は怪獣であり且つレイオニクスに使役されているもの同士だ。どちらが勝つかは最後まで分からない。

ガーゴルゴンの先制、両肩からの電撃が空飛ぶグエバッサーを追いかける。グエバッサーもまた、その飛行能力を存分に発揮し過激な攻撃を華麗に避けつつ反撃のチャンスを狙う。

「今だ!」

俺の合図と同時に伸身を翻し地面スレスレを飛行することで砂埃を舞わせ電撃を回避。そのままガーゴルゴンに接近し右肩の蛇頭を翼で打つ。

「よし!」

「何やってるバロ!そんなやつ早くやっちまえバロ!」

地団駄を踏みながらバロッサ星人はガーゴルゴンに指示を出す。

もう一度、グエバッサーは肩の蛇頭を狙おうと急降下するがそれを見越していたガーゴルゴンは素早く回り込みその勢いのまま尻尾の殴打によって地面に叩きつけられ土煙が上がった。

その隙を逃さんとばかりにガーゴルゴンの尾先が発光し口がガヴァッと開く。

「目玉……!?」

口内の目玉にエネルギーが集中していく。フッと音が止まり、直後目玉から青・赤・黄を混合し構成された光線がグエバッサーを撃つ。

「グエェェッ……」

「グエバッサァァァ!!」

悲痛な声を上げ俺に手を伸ばしたままグエバッサーは石化していく。このままじゃ完全に石化してしまう。

「そ、そうだ!グエバッサー戻っ──ぐあっ!」

「隙だらけバロ。」

ラッパ銃を手にバロッサ星人は近づいてくる。撃たれた右手から血がタラタラと流れ落ち砂に染み込んだ。

「卑…怯者が!」

「卑怯?それはバロたち宇宙海賊にとって褒め言葉バロ!バーロバロバロ!」

独特だが妙に癪に障る笑い声に再び怒りが湧いてくる。落ちたバトルナイザーを拾いグエバッサーを戻そうと掲げるも完全に石化したグエバッサーに反応は無い。

「無駄バロ。 その場に固定され行き場を失った魂はバトルナイザーに戻る事は無いバロ!」

 

──ギャゥウオオッ!

 

「!」

俺を使えとばかりにバトルナイザーから呼びかけるゴモラ。グリーザとの戦いが終わってからずっと休眠していたが遂に目覚めたようだ。

「頼むぞ!行け!ゴモラァァァ!!」

『バトルナイザー・モンスロード!』

俺の背後に召喚されたゴモラは迫るガーゴルゴンを睨みつけ格闘戦を開始。刺々しい爪でゴモラに切りかかるも次々と捌いていく。電撃攻撃も飛び上がって回避したかと思えば前宙を織り交ぜガーゴルゴンの脳天に尻尾の一撃をお見舞いする。

あまりの連撃にガーゴルゴンはよろめき、その隙を逃さずゴモラが距離を縮める。そして追い打ちをかけるように、右肘の突起を振り抜いて肘打ちを決める。

どうやら格闘戦ならゴモラの方に分があるらしい。見た感じでも腕力は互角だがスピードに関してはゴモラの方が上だろう。逆に素早さで勝るゴモラは小回りが利くから敵の攻撃を捌きやすい。

対してガーゴルゴンの猛攻は止まらない。今度は両肩の蛇頭を伸ばしてゴモラに噛み付いた。強烈な吸引力でゴモラの体を宙に浮かせ、その隙に長い2本の尻尾で首を絞めつけていく。完全に拘束し、止めを刺そうとした時、ガーゴルゴンが悲鳴を上げる。ゴモラがその長い尻尾に噛み付いていたのだ。

ブチブチと音を立てながら、尻尾ごと体を持ち上げて地面に叩きつける。その衝撃は凄まじく地面が大きく揺れる。

そしてゴモラはガーゴルゴンの体を放すと自慢の尻尾を振りかぶってメガトンテールを叩きつけ、さらに尻尾を鞭のように振るい、ガーゴルゴンの体を何度も打ち付ける。

ガーゴルゴンは後ずさり、距離を取ると再び口を開きエネルギーの集中を始めだした。

「アレは…!ゴモラ!」

「ギシャアアア!」

『分かってらぁ!』とでも言ったのだろう。ゴモラは石化光線が放たれる前に地中に潜航し攻撃を回避し、ガーゴルゴンの手前で浮上し角でかち上げた。

「馬鹿な…!こうなればやむを得ないバロ!異次元人ギギたちから奪ったこの縮小光線銃を逆流させて……」

「おいおい嘘だろ!?」

縮小光線銃からの光を浴びてバロッサ星人はどんどん大きくなっていく。ゴモラたちと同じサイズまで大きくなると、これまたどこからか取り出した刀を振り回しゴモラに襲いかかる。そこにガーゴルゴンも加わりバロッサ星人とのタッグがゴモラを追い詰める。

「バロバロバロバロバロ!」

バロッサ星人がゴモラを羽交い締めで押さえつけガーゴルゴンが三度、石化光線のチャージを始めた。

──何か、何かこの窮地を脱する方法は無いのか!?

刹那、煌めく流星の一閃が戦場を切り裂いた。

赤い髪が風でなびく。つばをトンと叩くと、両サイドに真っ二つに切断されて落ちたガーゴルゴンが爆破炎上する。

「お前何者バロ!?」

「我が名はザムシャー…お前を切る者よ……。」

バロッサ星人はゴモラを突き放すと刀を構えザムシャーと相対する。ザムシャーも剣先を突き立て訊ねる。

「貴様のその刀、我が一族に伝わる業物の一本"流星刀・真打"だな?貴様が何故持っているのか分からんがその刀返して貰おう。……参る!」

「あのザムシャー族の刀だったバロか…余計に渡す気になんかにならんバロね!」

バロッサ星人とザムシャーの剣戟が繰り広げられ、今のところバロッサ星人の方が優勢と見える。が、ザムシャーの付け入る隙を与えない美しい太刀筋は他を寄せ付けない魅力と畏怖を兼ね備えていた。

「お前、本気じゃ…ないバロね……?」

「フン……」

両者構えてその時を待つ。

 

一滴の雫が泉に落ちた──。

 

ザムシャーの一閃で流星刀が巻き上げられ、空を舞う。

意識がそちらに向いた隙を突いてバロッサ星人は腰から短剣を取り出し切りかかる。

 

──ザムシャーのそれが隙ではないことに気づいたのは胴が二連撃で断ち切られた後だった。

 

体捌きでバロッサ星人の攻撃を避けつつ空から落ちる流星刀を逆手で掴み、流れるように反撃の二閃。剣の死合いでここまで美しいと思えたのは後にも先にもコレだけだろう。

「すごい……。」

満身創痍のゴモラと石化から戻ったグエバッサーがザムシャーを挟み睨みを利かせる。

「貴様も俺を討って名を上げる気か。」

「君が、俺を狙うって言うなら戦うだけだ!」

ザムシャーはこちらを見つめ刀を鞘に納めていく。どうやら戦う気は無い…のか?二本の刀を納刀し終えると閉ざされた口を開く。

「貴様らに用など無い。我は強者を求め戦うだけだ…」

遠回しにお前は弱いって言ってんな……と思いつつも俺は安堵した。この状況、いや最善の状態で戦ったとしてもザムシャーに勝てるとは思わなかったからだ。

「そっか。それにありがとう!君が居なかったら俺は今頃、アイツらに負けていた。」

「……くだらぬ。」

そう言ってザムシャーはどこかに去っていった。戦っている時は恐ろしいけれど、そんなに悪いヤツじゃない気がする。そんな風に考えながらゴモラとグエバッサーをバトルナイザーに戻し、王国に戻るのだった。

◆◆◆

「──全く呑気なヤツらよ、次にまみえる時は敵同士かもしれんというのに。……俺も彼奴に侵されたか。」

今は遠い過去と刀を照らし合わせながら暗黒の鎧を打ち破った若きレイオニクスに思いを巡らせる。

「フッ…バカバカしい。」

永遠に続く静寂の彼方へと消えていった──。

 

To be continued…

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