大怪獣バトルウルトラモンスターズEternal   作:リクソンLv.6

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第17話①:決意の日

「ヤプール……俺は…お前を許さ……ない…………!」

 

「な、なんだ!?なんなんだその姿は!」

 

「暴…走……!?」

──レイオニックバースト。

レイオニクスがパートナーである怪獣の戦闘力を極限まで引き出す強化現象。この時、怪獣の肉体は炎のような光に包まれ、真紅に染め上げられる。しかし、そのあまりにも強大な力はレイオニクス本人の身をも滅ぼしかねず更には暴走を引き起こすという代償も孕んでいるとか…。

ケレスはいつかの星で戦ったレイオニクスがその様なことを言っていたのを思い出す。

 

「あの時の奴は…まさに──」

 

◆◆◆

「戻れ…グエバッサー……。」

乗ってきたグエバッサーをバトルナイザーに戻し、破壊し尽くされ数時間前までとは比べ物にならない瓦礫の山と成り果てたアラモール王国にハルは降り立つ。

誰か居るかもしれないとリーダーとレイジには言いつけて来たが、そこに誰一人として人の形は存在せず倒壊した建物が時間を経て砂に埋もれているだけだった。

「俺の…俺のせいだ……俺が弱かったから……」

両手両膝をつき砂が水分で点々と染みる。

どこか自分を過信していたのかもしれない。"俺なら勝てる"、"俺は強いんだ"と。思い返せば惑星ブラムの時も…この星に来てからだってそうだ──

 

俺は一度も自分の力だけで相手に勝てたことが無かった。

 

「俺は…」

「──おい!そこの人間。」

突如かけられた声に驚きゆっくりと振り返る。そこには複眼のような大きな両眼、金色と藍色の横縞模様の服を着た宇宙人だった。

その手にはバトルナイザーが握られていることからレイオニクスであることが伺える。

「私はカナン星人。さっきの鳥からして…君レイオニクスだな?」

レイオニクスバトルを始めようじゃないかと言わんばかりにバトルナイザーを構えるカナン星人にハルは言葉すら発さずに見ているだけだ。

「?……まぁいい。そっちが来ないならこっちからやらせて貰うだけだ。ゆけ!セグメゲル!!」

ズザァン……!と砂を舞い上がらせ、カナン星人の背後に召喚されたセグメゲルはハルへ威嚇するように特徴的な咆哮を放つ。

「なんだ。ただの腰抜けか……やれ!セグメゲ…ん?」

カナン星人がセグメゲルに指示を下そうと手を上げた時、天空から不気味な機械音と4つの影が迫る。その内の1体…というよりも1機という方が正しいか。その1機が備え付けられた腕のランチャーをセグメゲルに向けて乱射し始めたのだ。

撃ち抜かれたセグメゲルは即座に爆散。そのあまりの破壊力に驚いたのも束の間、その4機は頭・胸・腹・足と変形し1体の…しかも既視感のある"あの"ロボットに合体するのだった。

「黒い……キングジョー!?」

「キングジョーブラック!?何故ここに!」

どうやら『キングジョーブラック』というらしい。が、そんなことを言っている場合では無い。あんなランチャー、少しでも掠ったら…と考えるだけで震え上がらせる。

「貴様ら!そこを動くな!」

そこに赤とベージュの円盤が3機増え、最前を飛んでいた1機から銃を構えたペダン星人が4人降りてくる。

「抹殺対象とは違うが…レイオニクスは根絶する!」

ペダン星人は円盤から降り立つと、銃を構え発砲。ハルはギリギリの所で避けるが、背後にいたカナン星人には直撃してしまい断末魔を上げて倒れてしまった。

今度は無機質な銃口がこちらを向きペダン星人は引き金を引いていく。

銃弾が発射される…その瞬間。

バトルナイザーが輝きグエバッサーが召喚され俺を鉤爪で掴み翼をはためかせながら空高く飛翔しハルの涙で濡れた頬を風で乾かしていく。

「くっ…!逃がすな追え!!」

ペダン星人は円盤に乗り込み、キングジョーブラックと共に追いかけてくる。キングジョーブラックとペダン円盤による攻撃の網をくぐり抜けなんとか振り切ったハル達。

地平線が見える程の高度まで上昇すると、グエバッサーは下に顔を向け"何か見つけたぞ"と言わんばかりにハルに視線を合わせてきた。

下を見ると……廃村だろうか?小さく人の集まりのような場所が見えたのだ。そこに降り立ちグエバッサーをバトルナイザーに帰還させる。

◆◆◆

「よし…!コレで兎龍丸をまた飛ばせるぞ……レイジ!ハル君を呼び戻してくれ。」

「それが…さっきから何度も呼びかけてるんスけど全然応答が無くて。」

リーダーが惑星破壊爆弾の発射時刻に目を向ける。

──残り1時間と言ったところか……。

「レイジ、そのままハル君に呼びかけを続けてくれ。」

「わかったっス!」

ハル君……。君は今、我々には想像もつかない程の苦痛や悲しみ、恐怖…様々な感情に押しつぶされそうなはずだ。だがその逆境を跳ね除ければ報われる日が必ず来る。

だから…絶望を退ける勇気を持て。

──君が他とは違う心優しきレイオニクスであるならば。

「ハル君。今は君を信じて待つだけだ。」

◆◆◆

「ここは村だった…のか?」

その小さな廃村には焼け落ちた家屋や瓦礫、動かなくなった住人の生活感がこびり付いていた。その惨状に目を伏せずには居られない…そんな中1軒だけ家が建っている。崩れかけてはいるが、他よりずっとしっかりとしていて何度か補修された形跡もあった。

「…………ぃ……」

「!?」

その家屋から微かに声がした。自分にもまだ救える命があるかもしれないと、すぐさま駆け込むとそこには少女が床に仰向けで倒れその手を握る少年がいた。どちらも酷くやせ細り力を入れずとも握り締めれば折れてしまいそうだ。

「誰だ…。妹に、近づくな…。」

妹を庇いながら振り向く兄は怯えているが瞳の奥の凶暴さがこちらを覗いている。

「違うんだ!俺は君たちを助けたくて……」

「妹は…妹だけは……自分の力で守るんだ!」

兄はハルを睨みつけ威嚇してくるが、その言葉を言い終える前に脱力し座り込んでしまう。妹の方は意識が朦朧としているのか心ここに在らずと言った様子だ。

「と、とにかく今はコレを!」

カバンを床に置き中から水と食糧を兄に手渡す。アラモールに誰か居たら…!と思い持ってきておいて正解だった。一目散に水を含み口移しで妹に運ぶ。ほんの少しずつだが妹の喉が動き、兄は涙を浮かべていた。

それにしてもどうしてこんな小さい子が1人で…

「アンタは…"あの人"と違うんだな……」

「あの人?」

「妹を自分の力でどうにかしろってその人が言ったんだ。」

「酷いな……」

兄は首を横に振って話を続ける。

「でもその人が居たから今日まで生きてこられた。『ゼットン使い』のその人は俺たち2人の命の恩人なんだよ。」

「!?…………その話詳しく聞かせてくれないか?」

◆◆◆

──惑星破壊爆弾発射まで残り30分…。

「戻れ!グエバッサー!」

「……貴様か。何の用だ。」

グエバッサーから飛び降り、立ちはだかるハルにケレスは問いかけた。──とはいえ俺に用など1つしかあるまい。

「ケレス。惑星破壊爆弾を止めてくれ。」

「無理だ。」

「この星に住む罪の無い人たちはどうなる…!お前が見てきた村の人たちは!何も知らないまま死ねってのかよ!」

「仕方のない犠牲だ。」

「────ならどうして救ってきたんだ。」

ケレスの動きがピタッと止まった。好機と捉えたハルは畳み掛けるようにケレスを捲し立てる。

「ここに来るまでに村を沢山見てきた。もう無くなってしまった村もあったけど残された人たちはみんな口を揃えて『ゼットン使いの人』に助けられたって言っていた。」

「……」

さっきまでの冷徹な回答とは裏腹にケレスは口を閉ざしたまま、動かない。

数秒の後ゆっくりとケレスは口を開いた。

「フン…奴らめ、のうのうと生きていたか。どちらにせよ惑星破壊爆弾はもう止められない。……俺を除いてだが。」

腕の装置をコンコンと指で弾きながら不敵な笑みを目の前のレイオニクスに向けた。

「さぁ…構えろ。レイオニクス同士…"レイオニクスバトル"で決着をつけようか!」

2人のレイオニクスはバトルナイザーを構え、各々の相棒を呼び出す。

「俺がお前を止めてみせる…!」

 

『『バトルナイザー・モンスロード!!』』

 

To be continued……

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