大怪獣バトルウルトラモンスターズEternal   作:リクソンLv.6

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第19話①:熾烈!レイオニクスVSギルドガード!!

情動、威圧、衝撃、混ざりて轟く。青いプラズマソウルを纏い輝きを放つ鋏から赤色の電撃が浮遊する小衛星を粉砕する。尾びれをたなびかせると、その巨体は圧倒的な速さでこの宇宙を駆け巡る。

それはまさに水を得た魚の如く──。

「ゼガン、逃げます!」

「マーカーセット!外すなよ!」

身体を翻し、戦艦をぐんぐんと突き放して逃げていく。ジョーが声を上げ追跡マーカーの込められたミサイルが発射された。そして…両者が見えなくなった。

「むぅ…」

「そういえば、なんであの……プラズマ怪獣?を追ってるんスか?」

確かにそうだ。この宇宙に存在する怪獣たちの事は分かったがそれ以外のことやジョーらのことをそもそも何も教えられていなかった。

「こっちの宇宙人たちはその多くがギルドに所属してプラズマ怪獣の討伐を生業とし報酬を稼ぐ"ハンター"らしい。宇宙人たちはそのハンターが戦う姿を娯楽としながらプラズマ怪獣のもつ、このプラズマソウルを集めている。つまりwin-winの関係って訳だね。」

ジョーはコンソールを操作し円柱状の入れ物に込められたプラズマソウルを取り出す。それをレイジに渡しジョーが話を続けようとした時だ。

「生命体、高速接近!3、2、1…来ルゾ!」

レーダーを担当しているベリル星人がジョーに向かって叫ぶ。言い終えたと同時に戦艦に何者かが衝突した。内部が大きく揺れ、多くが驚きの声を出す。

そこには鎌を携え、金色の装飾が施された外装を身に纏った宇宙人が翠色の眼で戦闘指揮所を睨んでいた。

「また来たのか……音声、繋いでくれる?」

ジョーが落胆しながらイゴマスに頼む。イゴマスがそそくさと作業を済ませるとジョーは宇宙人と話し始めた。

『えーと…シックルさん。今回は一体、何の用です?』

「ほざくな。貴様らの行動はギルドの掟に反している。貴様らの持つプラズマソウルを全て差し出せ。さもなくば……」

シックルが鎌を構え攻撃の姿勢を取る。それに動じずジョーは言い分を伝え続ける。

『我々ギルドに入ってないですし、そもそも目的がプラズマソウル集める事じゃありませんよ。この船に乗る全員を生きて元の宇宙に返すことですから。』

シックルは沈黙を守ったまま鎌を構え続ける。

話を聞くつもりが無いのか……?

……ん?ちょっと待って、ということはジョーたちも俺らと同じ宇宙からこちらに来たってことォ!?

「ああなったら話聞いてくれないんだよなぁ…。……この領域から緊急脱出する。各員発進準備。……そうだベリル。彼、使わせて貰うよ。」

「アア。存分ニ使エ。」

ハルたちが完全に置いてけぼりの中、事は水流のように着々と進んでいく。ジョーがパスコードを打ち込むと厳格に閉じられたカバーが開きスイッチを押す。今まで操作していたコンソールが左右に別れその間から俺もよく知る、その機械がせり上がってきた。

 

「え"ぇ"!?バトルナイザー!?!?」

 

あまりの衝撃に声が喉から飛び出てしまった。ジョーは気にすることなくバトルナイザーを掲げて叫ぶ。

「頼んだよ!ヘルズキング!!」

『バトルナイザー・モンスロード!!』

シックルの前に出現した青色の巨兵は両腕のキャノン砲で牽制を掛ける。シックルは光弾を次々と弾いて斬りつける。しかしその装甲は硬く、傷一つ入らない。

ヘルズキングは左手で鎌を握るとそのまま宇宙空間へ投げ飛ばす。シックルは空中で体勢を整えるとプラズマアクアゼガンが破壊した小惑星の残骸を足場に再度ヘルズキングへ斬りかかる。──ピシッ…!

「フン……。」

先程までシックルの攻撃をものともしなかった装甲が一転、ヘルズキングの胸装甲にヒビが入ってしまった。

「アイツメ、先程ト全ク同ジ場所ヲ攻撃シテイルノカ…」

ベリル星人がそう言った時、俺を目を耳を疑った。そんな事が出来るのか。そんな曲芸を一瞬で見極め、しかも成功させるなんて……

俺は唾を飲み込み無意識に呟く。

「あの宇宙人…相当な強さだぞ……。」

シックルが鎌をヘルズキングに振り下ろす。しかしそれは空を切り、ヘルズキングの拳がシックルの胴体を打ち抜いた。

戦艦の上を滑るシックルにすかさず追撃を仕掛けるがシックルは体勢を立て直すと光刃を斬り放つ。避けきれなかったヘルズキングは胴体部分を酷く損傷。加えて光刃の一部が戦艦に命中した。幸いにも戦闘指揮所に当たる事は無かったが乗組員が機体の30%損傷だと伝えた。すると別の乗組員が言う。

「プラズマエンジン出力最大!ソウルワープ走法、発動可能です!」

「分かった!ヘルズキング、シックルを船から離れさせてくれ!」

命令を受けヘルズキングはシックルに掴みかかり自ら船から飛び立つ。その瞬間、ジョーが叫ぶ。

「ヘルズキング戻れ!ソウルワープ開始!」

「逃がすものか!」

ヘルズキングがバトルナイザーに帰還したと同時に戦艦の周りの星が伸びるように歪んでいく。1、2秒後にはその場所に戦艦の姿は跡形もなく消えていた。

「……フン…。」

また逃したか…。……仕方あるまい。

後悔と面倒さが混じった溜め息を漏らす。

そして、シックルもその場を後にしたのだった。

◆◆◆

ソウルワープなるものが成功し無事にあの領域から脱したハルたち。一連のことが終わりリーダーがジョーに問う。

「ジョー!今のは何だ!」

「彼はギルドガードの1人シックル。この戦艦がプラズマソウルで動いているからだろうけどギルドに属さずプラズマソウルを使うことが気に入らないらしい。」

確かに怪獣を超巨大化させる程のエネルギーを秘めた鉱石だ、ギルドという管理下に置いておきたいというのも分かる。しかもそんなモノを多量に積んだ船だ、攻撃されるのも無理ないか……。

──そんな事よりだ。

「ジョーさんってレイオニクスだったんですか!?」

当然の疑問をぶつけるハル。リーダーが「あ〜」と言いながらその質問に答えた。

「そういえば言っていなかったね。デュサリアに墜落する前のレイオニクスに詳しい友人というのは彼の事だったんだ。」

なるほど。レイオニクスについてレイオニクス本人に聞いていたのだから通りで詳しい訳だ。

「でもペダン星人にもレイオニクスって居たんっスね。てっきりそういうのとは無縁の宇宙人だと……」

レイジの言葉に固まるジョー。まさかとは思うが……

「あ〜……僕がペダン星人たちと関わりが無いっていうのはそれが原因でね。僕から関わりを絶ったというより…」

「ジョー。ゼガンノコト、話スベキ。」

イゴマスの言葉によって静まり返った重い空気が幾らかマシになった。レイジが後で謝って居たのを俺は覚えている。

「そうだね。君たちがそして僕たちがこっちの宇宙に来たのか。その鍵を握っているのが最初に見たプラズマアクアゼガンだよ。彼の放つ光線には着弾地点に時空の歪みを生じさせ異次元へと繋がらせる効果があるんだ。」

「成程な…通りで次元トンネルがあそこまで大きくなる訳だ。」

◆◆◆

少し時間が経ち──。

「よし…これで完成だな。」

リーダーは戦艦内の設備を使い完成させた、とある物の調整を終えたところだった。

「ほう……これがお前の完成させた船か。」

「なんだ、ジョーか。いい出来だろう?……というかこんなところで油売ってていいのか?船長なんだろう。」

リーダー、もといコジロウ…いやここでは敢えて"ライトス"と呼ぶべきだろう。ライトスは過去に思いを馳せながらジョーと話し始めた。

「よしてくれ。今はお前と昔みたいに話したいだけだ。」

意地悪くライトスに弄られ、ジョーは困った顔で返答する。

「いい仲間を持ったな……ライトス。まさか僕と同じレイオニクスを仲間にしているとは思わなかったが。」

ジョーはハハッと笑いながら言った。昔と変わらない喋り方とその顔にライトスは少し安堵して「あぁ。」と答える。

「これは…私の旅でもあるが、彼の……ハル君の旅でもあるんだ。私なんかじゃ想像もつかないような途方もない旅を、ね。」

「君も変わったな。──それは、あのレイジ君……彼との生活を始めたからなのかな?」

整備ドックから見える星の数々を遠く遠く眺めながらリーダーは口を噤んだ。──しばらくの後、リーダーは口を開いた。

「正直、私にも分からないよ。ただレイジが成長していく姿を見たいのかもしれない。」

「……そうか。ならその姿の事は早く言っておいた方がいいと思うぞ。言っておくが、地球人ならまだしも他の種族からすればその擬態…バレバレだからな。」

先程の嫌味を返すようにジョーはライトスに言いつける。その後ジョーは手を振って戦闘指揮所に戻って行った。

そうしてライトスは数分…いや数十分は星を眺め続けたままポツリと呟いた。

 

「なぁ、コジロウ。私は君のように成れているだろうか。君と同じようにレイジを───。」

 

自分と同じ名前をした地球人の姿が今でも脳裏に焼き付いている。彼から貰った…1枚の写真を持ち上げ、宇宙の彼方に光る星々と照らし合わせていた。

 

To be continued……

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