大怪獣バトルウルトラモンスターズEternal   作:リクソンLv.6

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第19話③:戮力ハンティング!ゼガンVSラッシュハンターズ!!

『隙は作ったよ!今だ!!』

グエバッサーは翼をはためかせると螺旋を描き竜巻を発生させながら急上昇。その竜巻を纏った渾身の急降下キックが右肩に生えるプラズマソウルを穿つ。

悲鳴と怒りの芳香をゼガンが上げ、胸の中心にある一番巨大なプラズマソウルに向けてエネルギーを溜め始める。

「これか!」

これが時空を歪ませ次元トンネルを発生させるゼガンにとっての必殺技。──ゼガントビーム!

「お前にとっては必殺技かもしれないけれど…今の僕たちにとっては、最後の希望だよ。」

ハルとジョーが個々の船に戻ろうと準備を始めたその時だった。

 

パリィャァァァァン…………!!!

 

無慈悲なプラズマソウルの破壊音が辺りに響く。

そう、ゼガンの左肩に生えたプラズマソウルが何者かによって破壊され断末魔と共にゼガントビームの発射が止めてしまったのだ。

◆◆◆

「あ"ぁ"ー!あのプラズマソウル俺が狙ってたのにィ!」

「ハッ!早いもん勝ちだ、ヒヨっ子!」

クロスランチャーを肩に担ぎ、悔しそうに地団駄を踏むマグナを笑い飛ばすガルム。

そんな騒がしい横でバレルの目線はゼガン……ではなく、先に戦っていた者達に向いていた。

「──まさか先客が居るとはな…。」

「どれどれ……ロボット・ロボット…それから………鳥?」

マグナが目を細めながら額に手のひらで傘を作り、押し当てて覗き込む。

「それだけじゃない。俺たちが討伐の対象として言われていたのは、プラズマアクアゼガンだけだったはずだが……奴と同量かそれ以上のプラズマソウルを持ってるあの宇宙船はなんだ…?──おいジェント!こいつはどういう事だ!?」

『さぁ…?彼らがギルドに属していない人達、なんですかねぇ……。』

そう言っていつもの如くはぐらかされて通信を切断されたガルムは憤りを感じつつ、次の一手を考える。

「作戦はいつも通り……だな?」

「よォーし!じゃあ早速俺から……!」

マグママスター・マグナが先陣を切って飛び出した。マグナは槍状のサーベルを展開し背中のプラズマソウルを狙い定める。ガルムは呆れながら。バレルもそれに続いて追いかけようとした時、目の前を白い羽が舞い一陣の竜巻がマグナを轢き飛ばした。

「「!」」

次の瞬間。先程までゼガンの周りに居た2機のロボットがガルムとバレルに急速接近し、勢いそのまま2人に突進攻撃を食らわせる。

「何のつもりだ!ハンター同士の戦闘はギルドの掟に……」

ガルムは言いかけた言葉を噤む。それはそのロボットたちの異質さに気づいたからか、それともそのロボットの他に小さな生命体の存在に気がついたからだろうか。

しかし、討伐対象はそんな隙を許してはくれないらしい。

ゼガンは怒りのままに鋏を振り上げると敵の固まる岩山を積み木の如く簡単に叩き壊す。

全員、間一髪で避けられたが肝心の生命体の正体もロボットと鳥の正体すら分からず散開してしまった。

「奴らは一体……。」

「よく分からねぇが、ともかくゼガンを討伐せん事には始まるもんも始まらねぇ。おいヒヨっ子!無事か?」

「痛っっってぇぇぇえ!!」

「それを言えてるうちは大丈夫そうだな。」

傷んだ腕をプラプラさせながらマグナは何とか立ち直り再びガルム・バレルと合流。ゼガンへと目を向ける。だが先程までの白い鳥とロボット2機の姿は無い。

「残りのプラズマソウルはあと5つ。頭、両鋏、胸、背中。」

「待て…何か来る……。」

一同が警戒し緊迫した状況の中、惑星にそびえる岩山の一角から鋭い光が放たれた。その光に反応してか、ゼガンはそちらを向き咆哮。ゼガンの視線の先には先程ガルムとバレルの攻撃を妨害した2体のロボットが立っていた。

しかし、先の攻撃はまるでプラズマソウルを狙っていないように見える。

「おっ!何処の誰かも分からないけど陽動サンキュー!」

その隙にゼガンに接近しバレルは頭をマグナは背中のプラズマソウルを狙い2人は武器を振り上げる。

『白色破壊斬!』『フォース…サーベル!』

攻撃は見事的中し2人の攻撃によってプラズマソウルは砕かれハンターステーションへと転送される。

──残るプラズマソウルは残り3箇所。

◆◆◆

「まずいね…」

『あぁ。このまま彼らを放っておけばゼガンが倒されるのは目に見えているが、一体どうしたものか…。』

こちらでもハルとジョーの2人が合流しリーダーと通信を交わしていた。

もうすぐ15分。リーダーの装置もあと5分しか使えない…その上ハンターたちよりも先にゼガンに攻撃させてあっちの宇宙に戻らないといけないなんて……。

「キングジョーグを使おうにも無理があるし、ヘルズキングも完全には修復できていない。くっそ…他に"協力者"でも居れば……」

考え込むハルは頭の中で幾つか案を羅列していく。しかしそのどれもが不確実、不確定で煙の様にすぐさま消えてしまう。

 

協力者──。

 

ふと、ハルの頭に一つの案が産まれた。だが今まで考えた案の中で最も不確定だ。そうやって何度も他と同様に煙を払うがその案だけは何度払っても消えないのだ。

俺はあの時、意識していただろうか。いや……していなかっただろうな。

気がついた時にはもはや博打とも言える作戦を俺は口にしていた。

 

「彼らに協力をお願いしませんか?」

 

『「え?」』

ジョーとリーダーが困惑の声を上げる。

確かに正気の沙汰とは思えないし、自分でも馬鹿げていると思い込む事にして俺は作戦を否定しようと口を開く。

「流石にこんな作戦無理ですよね〜あはは…なんちゃって……」

 

「──いや、それは…アリだね。」

 

思っても見なかった返答に面をくらい俺は思わず素っ頓狂な声を出した。ジョーは顎に手を当て3秒ほど考えると、俺とリーダーに作戦を伝える。

「と、まぁこんな感じかな。善は急げ。プラズマソウルを破壊される前に彼らと話をつけに行こうか!」

各々が作戦に取り掛り、俺はグエバッサーをハンター達の元へ飛翔させた。

◆◆◆

「ホークアイ・ショーット!!」

クロスランチャーから放たれたレーザーはゼガンのブプラズマソウル目掛けて突き進むがスカウトバーサークの装甲に幾度と無く阻まれる。

「チッ!アイツら一体何がしてぇんだこの野郎!」

苛立ちを隠そうともせず、ガルムが吼える一方でマグナはヘルズキングと、バレルはグエバッサーとの戦いにはある程度対応していたが、そこにゼガンからの攻撃も相まって苦戦を強いられていた。

「プラズマ怪獣ならともかく同じ位の敵は戦いづらいったらありゃしねぇ!」

だが3人の頭の片隅には共通して他のプラズマ怪獣たちとは違い、『命を狙って来てはいない』という気がしていたのだ。

「何か妙だぞ……」

『お前…もそ……u思うk……………………』

いつもは…いやつい先程まで正常に働いていた通信機に突然ノイズが入りガルムの声が全く聞こえなくなってしまった。

「ガルム!マグナ!応答しろ!」

次にバレルの声に答えたのはガルムでもマグナでも無く、聞いたことも無い見知らぬ人の声であった。

『あーあーテステス。聞こえてますか?ハンターの皆さん。僕はペダン星人のジョー。そこから見える一番巨大な船の船長です。』

「!?」「なんだと!?」

「なんだ!?この声!」

3人は思わず攻撃の手を止めてしまったが、ゼガンを除いて目の前の敵が襲ってくる様子は無い。

『我々はあなた方の妨害をしているのは、そのプラズマ怪獣を倒されると元の宇宙に帰れなくなってしまうからなのです。』

「知った事か!俺たちはコイツを倒すってのが仕事なんだよ!これ以上邪魔をするってんならお前らごとあの世にでも何でも送ってやるよ!」

聞く耳を持たず突っぱねるガルムに対しジョーは冷静に話を続ける。

『えぇ。あなた方はハンターです。ですから、取引をしましょう。我々があちらの宇宙に帰ることが出来れば後はゼガンは好きに討伐して頂いて結構です。我々h……ちょっとハル君!」

『俺たちはただ!あの船に乗る仲間たちを"故郷"に帰してやりたいだけなんだ!──どうか…どうか!お願いします。』

そこで通信は切れ、今まで通りの回線へと戻る。

「故郷……」

『聞く耳なんて持つんじゃないぞ!本当かどうかも分からん事に命賭けられるか!……おい!おい!聞いてんのか!?』

ガルムの怒号混じりの疑問に対して2人は沈黙を続け、やがてバレルは口を開く。

「故郷があるのなら…帰してやるべきだろう……。」

その声はどこか悲しげで、遠い日の思い出を見つめている様に聞こえた。

『いや…まあ?俺たちが命賭けてるってのはいつもの事だし?それに?別の宇宙にまでオレの名が轟くってのは案外悪くないかなァって。』

マグナはいつも通りの調子で返すが、その言葉の裏には何か別の感情が隠されているようにも思える。

『こぉんの…死にたがり!若僧!どいつもこいつも知らねぇ奴の事に気ィ回してんじゃねェ!───チィッ!今回のインセンティブは俺が10だからな!』

ガルムの怒号が響き、その横でバレルは微笑みマグナはニヤニヤと笑い続けていた。

◆◆◆

「どう…なったんスかね……?」

「上手くいってくれているといいんだが。」

兎龍丸に戻った俺とレイジが話しているとキングジョーグと兎龍丸の回線にハンターたちが割って入ってきた。

『分かった。お前らの要求を呑もう。作戦とタイミングを教えてくれ後はこっちでやる。』

2人は見つめ合って喜びのガッツポーズを取り、それからジョーとリーダーが説明を始めた。

まずは陽動。分身や翻弄を得意とするバレルとスピード自慢のグエバッサーがゼガンからヘイトを向けさせる。

流石、得意としているだけあってゼガンの攻撃はまるで命中していない。適宜攻撃を挟みつつゼガンを対象のポイントまで移動させていく。

「サイクロン…ソーサー!!うむ。陽動はこの位か……この程度造作もないな。次!来るぞガルム!」

「あぁ。見えてる……ゼガンの属性は水。その弱点は雷って訳で、カネゴンさん特製…"ショックバレット"お見舞いだァ!!」

続いてガルムのショックバレットによって展開された電磁パルスでゼガンをそのポイントに足止め。

そこには起爆性のある鉱石が岩柱となり連なっているのだった。

即座に通常弾へと換装を済ませ、待機していたスカウトバーサークと共に岩柱を狙撃。更に先に設置しておいた爆弾の起動で岩山が崩壊、雪崩を起こしてゼガンは埋められてしまう。

「よし…ヒヨっ子!後はお前らの見せ場だ!派手にやれ!」

「任せろォ!流石だぜガルムの旦那…雪崩の勢い深さ場所まで計算してプラズマソウルだけを表面に露出させるなんてよォ!」

マグナは三度サーベルを展開。ヘルズキングと同タイミングで鋏に残るプラズマソウルを狙い撃つ。寸前で2人は飛び上がる。

「行くぜェ…ロボットちゃん!」

 

『スティンガー・サーベル………ツインパクトォ……………クラッシャー!!』

 

鋏から電撃が走り、その衝撃で雪崩が吹き飛び起き上がったゼガンが怒号をあげる。しかし、それはもう悪あがきだ。岩柱に阻まれて身動きも取れず追撃で爆弾の爆発をモロに食らってしまっている上、ゼガンを貫く2人の拳と刃がすぐそこまで迫り───

 

パリィャァァァァン!!!

 

鋏のプラズマソウルは砕かれ、残るは胸部のみ。

攻撃手段を失ったゼガンはゼガントビームの射出体制に入る。

『さぁ来るぞ!ご自慢の光線が!お前さんら逃げる準備は出来てんだろうな?』

おどけた調子でガルムが茶化すも、これでお納め。ジョーとハルは怪獣たちを戻し船で待機。3人も身構えると、同時に放たれたゼガントビームを全員が回避すると空間が歪み、惑星の空で渦を巻いて穴が空いていく。

その中央で何かが煌めいていた。

──あちら側…いや俺たちの宇宙に輝く星々だ!

『行くぞぉぉぉぉぉおお!!』

2機の船が空間の歪み=次元トンネルに突入。それに続いて次元トンネルに向かうゼガン。

「させるかよ!」

しかし、胸部のプラズマソウルは一筋のレーザーによって貫かれ遂には奴の持つプラズマソウルは全て破壊。その後ゼガンが惑星の谷に落ちていったのは言うまでもない。

「これにて一件落着って感じだな!」

「どうだか…プラズマキラーザウルスは依然として見つかっちゃいない。面倒な事が起きなきゃいいんだが……。」

「フッ…らしくもない。俺たちはハンター……だろ?」

「───ハッ!そうだな…そうだったな。」

3人が談笑する遥か上空。プラズマソウルが煌々と紅に輝く流星が何処吹く風といった顔で宇宙を駆け巡っているのだった。

◆◆◆

来た時と同じく凄まじい衝撃と光に包まれた。

光で視界が塞がれて何も見えない。それ故に彼らが思うことは皆、一つであった……それは自分たちが元の宇宙に戻れたか否かである。

長い様でもあり短い時間を経て漸くの後、光が和らぎ彼らの視界には最初に来た時と同じ宇宙空間が広がっていた。更にそこには既に懐かしさを覚える惑星デュサリアの姿が。

「オレたち戻って来られたんっスね!?」

「あぁ!これでひとまずは安心だ!」

「でも……戦艦は…キングジョーグは何処に?」

そう。その安堵とは対照的に辺り周辺にジョーらの乗るキングジョーグの姿は無い。次元トンネルに飲み込まれた地点に戻るというのなら……だがそれも確証は無く不安が積もっていく。その沈黙を破りリーダーが口を開いた。

「大丈夫さ!あんな別の宇宙で逢えただけでも奇跡。それにアイツはこの程度でやられるほどヤワじゃない。私が友人の……いや親友の私が言うんだ本当さ。」

そう言ってリーダーは振り向くと俺たちに向かってニッコリと笑った。つられてその場にいる俺たちも笑い合った。

「ハル君!我々の最初の目標は何処だったでしょうか!」

突然、リーダーに指名されてたじろぐ俺。授業中に居眠りをしていて当てられたときがこんな感じだったっけ。

「ええっと……あ!惑星アヴァルです!」

何とか思い出し正解を導き出す。

なぜ思い出せたかと言えば、それはアヴァルで俺の父さんが働いているからだ。リーダーは頷くと席につきレイジに船の操作を指示する。

「気がつけば周り回って色々な所に寄り道をしてしまったが……我々の旅を再び始めようじゃないか!兎龍丸、発進だ!」

リーダーの号令の元、兎龍丸が動き出しデュサリアに背を向けて飛び立った。目指すは惑星アヴァル。これから始まる新しい出会いに心躍らせながら一同を乗せた船は彗星の様に光を放ち星々を追い越していく。

 

──その光は新たなる冒険が始まりか。はたまた別の事件が待っているか、それは誰にも分からない。

 

果てなき旅路は続く。大きな夢と希望を背負って──!

 

メモリーオブクリスタル [完]

To becontinued……

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