大怪獣バトルウルトラモンスターズEternal   作:リクソンLv.6

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第一章:惑星ナナシ編
第4話:新たなる白き翼


気がつくとそこはどこかの森だった。周りを見渡すがゴモラの姿はない。

どうやらゴモラとは引き離されたようだ。

「ゴモラッ!聞こえるか!」……返事がない。どうしたんだ一体……

俺は立ち上がり辺りを散策する事にした。

少し歩くと開けた場所に出た。そこには大きな湖があった。水面に太陽の光が反射し輝いている。

綺麗だなと思っていると突然目の前に人影が現れた。

「こんにちは。お兄さん。」

そこには少女がいた。年齢は12歳くらいだろうか。真っ白なワンピースを身に纏い、麦わら帽子を被っている。顔は幼さが残っているが整った顔をしている。そして何より、その声は俺にバトルナイザーの場所を教えた声の主そのものだった。

「君は、誰だ?」

「私はアリス。お兄さんの味方です。」

「……どういうこと?」

「そのままの意味ですよ。お兄さんは選ばれたんです。」

「選ばれた?」

「はい。お兄さんは怪獣使い…レイオニクスに選ばれました。」

「レイオニクス?」

俺は困惑していた。いきなり現れた女の子は怪獣使い=レイオニクスに選ばれたと言う。何を言っているのか分からない。

「混乱するのは分かります。でも、信じてください。」

「……分かったよ。それで俺はこれからどうなる?」

「まずは怪獣について説明しますね。」

彼女は語り始めた。怪獣とは何か、何故現れるのか。

「あなたの世界に現れた怪獣は少し違う世界から来ています。」

「違う……世界?」

「はい。怪獣は本来様々な世界に存在するものなのです。ですがその世界は一つに交わる事は無いんです。ただ、貴方が産まれるずっとずーっと前に『レイブラッド星人』と呼ばれる宇宙人が一つの世界に橋を掛け怪獣が流れ込んだんです。」

「もしかして、あのブルトンとがその橋って事?」

「アタリです。」

「じゃあ、俺はなんで呼ばれたの?」

「それは、お兄さんがレイオニクスに選ばれたからです。」

「レイオニクス……。」

「お兄さんには怪獣を操る力があったのはご存知でしょう?」

「あぁ、うん。でも…俺は元の世界に帰らなくちゃ。」

綾香から貰ったネックレスに目を向ける。

向こうの世界には家族がいるし、なにより綾香が居る。俺が居なくて泣いてそうだしな。

 

「帰れませんよ。」

 

「は?今なんて言った?」

「だから帰られません。物理的に不可能ですし、運命なので。」

「そんな!じゃあどうすればいいんだよ……」

「そうですねぇ…」

アリスと名乗る少女は考える素振りを見せる。

「私の手伝いをしてください。」

「手伝うって?」

「私の目的はこの宇宙を平和にすることです。その目的の為にはお兄さんの力が必要なのです。」

「俺の力が……。でも、俺は戦うつもりはないよ。」

「分かっていますよ。だから無理強いはしません。」

「なら!」

「でも、このままだとお兄さん死にますよ。」

「……え?どういうことだよ。」

「さっきも言いましたがここはお兄さんが住んでいた所とは違う星なんですよ?それにこの星で生きていく為の知識もないでしょう。」

確かに彼女の言う通りだ。

ここにきてまだ1日も経っていないし、ここの事もよく知らない。

「それじゃあ、どうしろっていうんだよ……」

俺は不貞腐れながら呟いた。

「簡単ですよ。とにかく勝って下さい。勝って勝って勝ちまくって最強になれば良いんですよ。」

「簡単に言ってくれるよ…それに、その後は!?」

「……おっと!時間が迫っていますので、私はここで。」

「えっ!?もう行くのか?聞きたい事とかまだあるんだけど……」

「色々と準備がありますから。質問は次の機会に。また会いましょうね。お兄さん。」

そういうと彼女は消えてしまった。

「とりあえず、ゴモラを探すか……。」

 

そして、今に至る――

 

「あぁーもう!怪獣一体も居ないだけでこんなにキツいとか思わないじゃん!普通!」

俺は恐らく子供だと思われる10m級のツインテールの群体に追いかけられていた。ゴモラを探している内に荒野に出たのにツインテールの巣にぶつかってしまい、外敵と見なされツインテール達に狙われたのだ。しかも、今は丸腰状態。

正直かなりヤバい状況だ。

「あー疲れた。もう、しょうがないか……」俺が全身の力を抜いたその時だった。

『グギャァア!』

目の前に黒い影が現れ、ツインテール(子)を蹴散らす。その正体は……

「ゴモラッ!!」

俺の声に反応したのかこちらを振り返る。そして俺を見つけるとゆっくりと近づいてきた。

「ゴモラ……お前今までどこに……心配したんだぞ。」

「ガゥ」

俺の言葉に応えるように鳴く。

すると後ろの方から物音が聞こえた。俺は振り返るとそこには巨大なツインテールがいた。

「こいつが親玉か?」

ゴモラを睨みつけると、いきなり襲いかかってきた。

「ッ!危ね!」ギリギリの所で避ける。

「キシャアアア…!!」

どうやら相当怒ってるようだ。

「こうなったら、やるしかないな。」

俺は覚悟を決める。

「行くぞ!!ゴモラ!!!」

俺はバトルナイザーを構え、ゴモラに指示を送る。

「グルォオオオオッ!!!」

ゴモラも雄叫びを上げ、ムチの様にしなる太い尾を胴体に入れる。

「嘘だろ!?全然効いてねぇ…」

逆に二対の触手で掴まれ投げ飛ばされる。なんとか空中で体勢を立て直し、更に尻尾で追撃を入れる。

「決めるぞゴモラ!」

俺はそう叫ぶとゴモラの角にエネルギーを集中させ、そのままツインテールに突き刺した。

「食らえ!超振動波!!!」

ツインテールの体内に直接超振動波を流し込み、かち上げる。落下したその瞬間ツインテールは木っ端微塵になった。それを見たツインテール(子)はゾロゾロと巣へと戻っていった。

「やっぱりお前は最強だよ。」

俺は笑いながら言うと、ゴモラをバトルナイザー内に収容する。

「さてと、これからどうするか……。」

俺は辺りを見渡す。

なにやら雲行きが怪しい…雷も鳴っているし遠目から見ても分かる竜巻だ…あれに巻き込まれたら間違いなく死ぬだろう。

「これは…逃げた方が良さそうだな!」

俺は粉砕され肉塊となったツインテールの肉を持てるだけもって近くに見つけた洞窟へと身を隠した。

「ふぅ……とりあえずは助かったか。」

俺は一息つくと改めて周りを確認する。ここは恐らくだが山の中にある洞窟の中だと思われる。

中はまるで冷蔵庫のように冷たく、凍えてしまいそうだった。俺は持ってきた肉を火に当て、温めることにした。

「あっつ!でもこれで少しはマシになるはず……」

しばらくするとやっと暖かくなってきたので肉を食べ始めた。

「美味いな。さすがツインテール。」

俺は満足するまで食べ終わると、俺はこの先の方針を考えることにした。

「とりあえずはこの洞窟で身を隠して……食料もまだあるし、しばらくは大丈夫だと思うけど。」

俺は食料の入った袋を見る。

「問題はあの嵐がいつ来るのか分からないことだな。」

正直、怪獣がこの星にはわんさかいると思うとゾッとする。

「まぁ、考えてても仕方がない。今日はもう寝よう。」

俺は考えることを諦め眠りにつくことにする…筈だった。

「あぁ〜寝れねぇー。」

ここに着くまでに色んな事があって気にしなかったが、冷静になるとこの星に自分しか居ないと思うと不安で堪らなくなる。というより寂しい。

「父さん、母さん……綾香…あぁ〜みんなに会いてぇなあ!」

家族や綾香に会いたい気持ちが強くなっていく。

「くそぉ、なんでこんなことに……。」

俺は泣きそうになるのを堪える。すると、外から轟音が響いた。

「ッ!?嵐が来たか?」

俺は岩陰からひょっこりと顔を出し外の様子を確認する。

思っていた通り外は嵐の真っ最中のようだ。

「こりゃ、外に出るのは危険だな。よし、もう少し様子を見よう。」

俺は様子見を続ける。しかし、それから1時間ほど経ったが一向に収まる気配がなかった。

「おかしい……もうとっくに過ぎてるはずなのに……」

疑問を感じながらも外の様子を伺い続ける。

「グエェェェェエ!!」

「何の音だ!?……鳥?」

俺は嫌な予感がしながらも外に飛び出した。

「おいおい……嘘だろ…なんだよあれ!!」

俺の目の前に現れたのは地球のトキに似た、推定体長50m程の鳥だった。しかも、嵐の中で全く動じずと翼を広げている。今の所俺の存在には気付いていないようだ。

「まずいな、あれは絶対ヤバいやつだ。逃げるか?……いや、逃げ切れなそうだな。」

俺は諦めるしかなかった。すると、いきなりトキ擬きが鳴き出した。

『ギィアァアー!!』

俺はあまりの大音量に耳を塞ぐ。しかし、それでも頭に響く。

「クソ、なんて声量だよ!!」

「ピキャァアー!!」

思わず上げた叫びを聞き漏らさなかったようで、鳴き声を上げながらこちらに向かってきた。

「くっ、やるしかないのか!」

覚悟を決めた俺はバトルナイザーを取り出す。

「頼むぞゴモラ!」

「グルルォオオッ!!」

ゴモラを召喚し、戦闘態勢に入る。

「さて、どう戦うか……。」

俺はゴモラを召喚してすぐに攻撃はせず、敵の行動パターンを把握するために動きを見ることにした。

「まずは小手調べだ!」

ゴモラは走り出し勢いのまま蹴りを繰り出す。

「シャァアッ!!」

しかし、嵐の中、空に飛び上がりあっさりと避けられてしまう。そして、反撃にクチバシによる突きを放ってくる。

「クッ!当たってたまるかよっ!」

なんとか回避したが、かなり危なかった。

その後何度もゴモラの攻撃が当たらず、翻弄される。

「クソっ!やっぱり空中相手じゃ分が悪い!」

俺は悪態をつく。すると、それを聞いたのか分からないがまたもや鳴き声を上げた。

『ギィアァアー!』

「なっ!またかよ!?」

突然の突風に体勢を崩してしまう。

そこに降り立ったトキ擬きが大きく翼を広げ、羽根を何本も飛ばしてくる。

「うわぁああ!ゴモラ!!避けろぉおおお!!」

慌てて叫ぶ。だが間に合わず、大量の羽根がゴモラは直撃し爆発する。

「グギャャャアアッ!!!」

悲痛な叫びを上げる。だがこれで終わりではなかった。今度はクチバシでの連続攻撃を始めたのだ。

それを何とか防いでいくが、完全に押し込まれていた。このままではいずれ致命傷を受けてしまうだろう。

そう考えた俺は一か八かの賭けに出ることにした。

「ゴモラ!地面に潜れ!」

そう言い放つと、ゴモラは地面に潜り込む。

次の瞬間、地面から飛び出したゴモラは空中で体を捻り尻尾を振るった。

その衝撃で鳥は大きく吹き飛ぶ。そしてそのまま落下した。

「やったの…か?」

鳥はまだ生きていた。だが、かなりのダメージを負っているように見えた。それでもトキ擬きは立ち上がり、戦闘態勢を取る。

「グルルルルルルゥ!」

ゴモラも威嚇し返すように喉を鳴らす。

両者は睨み合い、嵐が止んで沈黙が流れる。

その沈黙を破ったのは他でもない俺だった。

「ゴモラ、もうやめよう。」

俺は静かに言う。すると、ゴモラは驚いたような顔をしていた。

「なぁ、俺達と一緒に来ないか?」

俺はトキ擬きに手を差し伸べる。

すると、トキ擬きは分かったのか目を瞑り俺の差し伸べた手の平にクチバシを乗せると光球となりバトルナイザーに収容された。

「ありがとう……これからよろしくな。」

こうして、新たな仲間が増えた。

「あ、そういえば名前なんなんだ?」

バトルナイザーを開くと、その情報が事細かに記されていた。

「『猛禽怪獣 グエバッサー』か…いい名前だ。」

そう言うと隣の枠にいるゴモラがそっぽを向いた。

「勿論ゴモラもかっこいいよ。」

俺は2つの枠が埋まったバトルナイザーを見ながら笑っていた。

 

To be continued…

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