大怪獣バトルウルトラモンスターズEternal   作:リクソンLv.6

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第5話①:惑星に不時着した男

「さてと、もう夜だし今日はここで寝るかな……。」

2体の怪獣が入ったバトルナイザーを抱えながら、洞窟へと戻っていった。

ー翌日ー

「ふぅ〜よく眠れたな。」

俺は体を伸ばし、目覚める。

「よし、早速外に出るか。」

俺は身支度を整え、外へ出た。

「グエバッサー、出てこい!」

俺はバトルナイザーを構え空に向かって叫んだ。すると、上空に巨大な影が現れる。その姿は昨日の疲弊したものとは打って変わって、とても元気…いや元気過ぎる程だ。まるで生まれ変わったかのように思えるほどだ。

「すごいな、一晩休んだだけでこんなに変わるなんて。」

グエバッサーは鳴かずに翼を広げて見せた。それはまるで早く乗ってくれと言ってるようだ。

「よっと。それじゃ行くぞ!」

俺は背中に乗ると羽ばたいて飛び上がる。

「おおっ!すげぇ!空を飛ぶなんて夢みたいだ!!」

俺は感動しっぱなしだ。すると、突然風を切る音が聞こえたかと思うと視界が開けた。

そこには広大な景色が広がっていた。どこまでも続く青空に壮大な大地。まさに絶景だった。

さらにしばらく進むと建造物が見えた。よく目を凝らすとそこにはZAPの文字が。

「ZAP!?って事はここは開拓惑星だったのか。」

開拓惑星というのは未開の地にある惑星のことだ。つまりここなら、食糧はもちろん寝床や最低限の生活は出来るという事だ。それにもしかすれば地球に通信を送ることだってできるかもしれない。そう思うと一層心が踊った。そんな事を考えているうちに基地に到着した。基地といっても地球の本部程ではなく割と小柄だ。中には物資などが沢山あり、食料も置いてあった。しかも量も結構あるしこれなら1週間ぐらいは保ちそうだ。その他にも簡易的ではあるが部屋がいくつかありそこで生活が出来るようになっていた。

「これは良い場所に来たかもな。グエバッサー!お疲れ様、ゆっくり休んでくれ!」

俺は満足しながらグエバッサーから降りバトルナイザーに収容する。そして改めて基地の中を見て回ることにした。まずは武器の倉庫だ。ここには、レーザーガンが数丁、対物ライフル、スナイパーライフル、グレネード、C4など多種多様な武器が保管されていた。何か貰っていこう。他にも、弾薬なども大量に用意されていた。幾つかは古いもので使い物にはならなそうだ。次に医療施設。中に入ると思ったよりも綺麗だった。ベッドがあり薬もある。そんな感じで基地内を周回した訳だが…人が居ない。設備もまだ新しい方なのに。

「おかしいなぁ、誰かいないのかな?」

そう思いながらも探索を続ける。すると、管制室と書かれた部屋に辿り着いた。

扉を開けると、やはり誰もいない。

「うーん?貴重な資源を残して別惑星に移動する筈も無いしな…」

俺は首を傾げながら管制室の操作盤を弄るが、どうやら地球との通信は出来なさそうだ。そうやって色々と見ていると机の上にメモが残されていた。

『この基地を捨てるには惜しいが、生き残る為だ。仕方ない。私は仲間と共に別惑星に行かせてもらうとする。もし、これを読んでいる者が居るのであれば今すぐここから立ち去るか最下階よりさらに地下のシェルターにありったけの食糧を詰め込み、救援が来るまで待つんだな。私個人としては後者はオススメしないな。最後に一つ“ヤツ”には気をつけろ。』……何だコレは。

「どういうことだ?」

俺は理解できなかった。

一体誰がこんな手紙を残したんだ?俺はその疑問を抱えたまま部屋を出ようとする。その時、何かが近づいてくる気配を感じた。

咄嵯に銃を構え辺りを見回す。

「誰だ!どこにいる!」

俺は叫ぶ。だが返事はない。その代わりにガサゴソという音が聞こえるだけだ。

音の方へ近づき武器庫からパク…頂いてきたトライガンナーを突きつけ様子を伺う。

「ま、待ってくれ!」

突然の声に驚きつつもゆっくりと声の主に近づく。

そこには頭が尖り、赤い目の淵は紫色をしている鮭の切り身みたいなやつが居た。…そうレギュラン星人である。

「レギュラン星人!?」

「驚かせてすまなかった。実は宇宙船が故障してしまって此処に助けを求めに来たんだ。」

レギュラン星人はそういうと俺に手を差し伸べてきた。

「なるほど。それってもしかして”ヤツ“にやられたんですか?」

バトルナイザーを机に置き、トライガンナーを仕舞うと握手をしながら尋ねてみた。

「”ヤツ”?それはなんだね?そういえば、自己紹介がまだだったな。私はサルトだ。よろしく。」

「俺は神崎ハルです。」

「ハル君かよろしく頼む。それで、君は何をしていたんだい?」

俺は基地の中を見回っていた事とここで見つけた置きメモの事を話した。

「ほう、そんな危険生物の事は存じ上げないが…まぁ分からない事を語り合っていても意味は無い訳だし、そうだな。此処からは私が案内しよう。付いてきてくれ。何処に行くかは着いてからのお楽しみだ。」

「分かりました。お願いします。」

俺は言われるがままに後を追う。

「そういえばサルトさんはどうして他の惑星に行きたいって思ったんですか?」

ふと浮かんできた質問をする。

「私は元々旅行帰りだったんだがな…。それにそんな生物が居ると聞いたなら、なおのこと早く母星に戻りたい。」

(母星…か。)

ふと、みんなの事を思い出し大きく深呼吸をしてみる。沈黙が続き、なんだか気まずいな…。そう思った矢先、サルトは突然口を開いた。

「そうだ!一つ言わなければいけなかった。この星は滅ぶだろう。理由は私にも分からないが、それだけは知っておいてほしい。」

真剣な声でそう言った。冗談ではないみたいだ。

「わ、わかりました。覚悟します。」

そう言いつつ歩いているとかなり上の階の目的地に到着したようだ。そこにはレギュラン星人の宇宙船らしき物があった。

「これは……」

思わず声が出てしまうほど、それは異様な姿だった。大きさもさることながら見た目が異様だった。何せモロ魚なのだ。特に目を引くのは、頭頂部についた大きな耳と、ヒレ状の部分だ。

「どうだい?なかなかの出来栄えだろ? ただ、先も言った通り途中で故障していてな…」

サルトは得意げに語る。確かに凄いとは思うが、これに乗って移動しているのか?俺は一抹の不安を覚えるのだった。

「それじゃあ修理しないとですね。俺、手伝いましょうか?」

「それは有難い!確か、最下階に地球人の使っていた宇宙船のパーツがあったはずだ。そこから私の言うパーツを持ってきてはくれないか?」

「分かりました、最下階ですね!行ってきます。」

◆◆◆

「…………行ったか。フフッ…これが怪我の功名と言うやつか。こんな星でバトルナイザーに出逢えるとはな!私も運がいい…」

サルトはバトルナイザーを見て不敵な笑みを浮かべる。

その頃ハルは基地の最下階を目指していた。エレベーターを使い、降りた先は宇宙船を扱っているからか随分と広々としている。俺はとりあえず近くの扉を開ける。するとそこは工具やら部品やらが沢山あった。

「なるほど、ここにパーツがあるってことかな?」

俺は辺りを探索する。すると奥の方にコンテナを見つけた。中を確認すると……

「あったぞ!」

よく分からないが指定されたパーツは見つけた。俺は急いで戻ろうとしたその時、

「うわっ!」

足元に何かが絡み、引っ張られてしまった。俺は咄嵯に受け身を取ろうとしたが、間に合わずそのまま壁に激突する。

「痛てて……」

何が起こったのか確認するために起き上がると、そこに居たのは白滝のようなものだった。目もなく鼻もなく口もない様に見える。

「な、なんだコイツ!?」

俺は驚きながらも銃を構える。だがその瞬間、

「キィイ!」という声と共に白滝のようなものが飛びかかってきた。

「うおっ!」俺は咄嵯に避ける。そしてすぐに反撃に移る。

「喰らえ!」

トライガンナーから銃弾を放つ。しかし、白滝はまるで水のように形を変え弾丸を避けた。

「マジかよ!?」

今度は俺の方に向かってくる。

「くそったれ!!」

必死に避け続ける。攻撃手段がない以上、逃げるしかないのだ。

「早くサルトさんの所に行かないと…」

エレベーターの方に目をやると、ウジャウジャと白滝が居る。気づけば完全に包囲されている。俺は逃げ道を探すため、周りを見渡す。すると壁の一部に穴があることに気が付きそこに向かう。幸いにも白滝はそこまで追ってきていない。俺はすぐさまその穴に飛び込む。

「ハァ……ハァ……何とか助かった……」

俺が安堵の息をつくと同時に、近くの階段に身を隠す。トライガンナーを仕舞おうと腰を触った……無い。バトルナイザーが無いのだ。

「嘘だろ?落としたのか?」

俺は慌てて探す。

「おいおいおい…なんでどこにも無いんだよぉおおお!!!」

あまりのショックに叫び出す。まさかこんな事になるなんて……。

「クソッ!落ち着け……まずは状況を整理しよう……確か。」

そうだった。サルトさんにトライガンナーを突きつける前に管制室の机に置いてきたんだ!

(とにかく急がないとあの化け物が来る前に…)

俺は急いで階段を駆け上がり管制室を目指す。だが、そんな簡単にはいかなかった。

廊下を進んでいると前からあの化け物がやって来た。それも大量にだ。

「最悪だ…こっちはバトルナイザーも持ってないのに……」

俺の脳内をフル回転させながら化け物を避けていく。このままだと死ぬのは目に見えている。銃を構え発砲するが、やはり効果はほぼ無いようだ。

「やっぱり効かないよなぁ!」

こうなればやけくそだ。俺は全速力で走る。銃声を聞いたからか、さっきよりも多くの化け物が辺りを漂っている。

「あの部屋は…武器庫!」

カバンに入れておいた手榴弾を取り出しピンを抜き武器庫へと投げ込んだ。爆音と爆風が辺りを襲う。

「これでどうだ!」

俺は部屋の前を走り去る。すぐに後ろから爆発音が聞こえ、チリチリと燃え広がって行くのが見えた。

「よし!上手くいったみたいだな。」

それからも走り続け、ようやく管制室に辿り着いた。

「さて、サルトさんと合流しないとな。」

部屋に入るとそこには誰もいなかった。どうやらサルトは宇宙船の修理をしているようだ。

「おーい、パーツを見つけてきましたよ。」

呼びかけるが返事はない。仕方ないので勝手に持っていこう。その時、

「やれやれ、もう帰ってきたのか?随分と速いなぁ『怪獣使い』は。バトルナイザーも持っていないなら怪獣使いでも何でも無いか!」

サルトは笑いながら言う。だが、明らかに様子がおかしい。

「サルトさん?」

恐る恐る聞くが答えが返ってくる事はなかった。

「いやぁ!本当に人間っていうのはお人好しが多いんだなぁ!君をあの化け物に襲わせたのもバトルナイザーを奪ったのも私だよ!」

「な、なんで……」

「バトルナイザーを盗む為に決まってるじゃないか!バトルナイザーさえあれば、宇宙を支配するのだって容易な事だ。全宇宙人達が喉から手が出る程に欲しがる代物だぞ!これで私はどんな奴だろうと負けはしない!」

サルトは高らかに笑う。その表情はまるでおもちゃを手に入れた子供のようだった。俺は急いでトライガンナーを構える。

「無駄だ、私の手の中にはバトルナイザーがある!」バトルナイザーを握りしめ、不敵な笑みを浮かべていた。

「さぁ出てこい!」

しかし、何も起こらない。サルトは不機嫌そうな顔をして言った。

「何が起こっている?何故出てこない?」

サルトが焦りだすと同時に警告音が鳴り響き管制室のモニターに映像が映し出された。そこに居たのは……

「キュゥイ!キュゥイ!」

宇宙大昆虫ダイオリウスであった。その光景を見てサルトの表情が変わる。

「馬鹿な…どうしてここに……!!」

「おい、あれって…。」

ふと、机のメモを思い出した。

「まさか“ヤツ”って…!」

「クッソォオオ!!」

サルトが怒りの形相で叫ぶと俺にバトルナイザーを向けた。

「貴様が、貴様がぁああ!!アレを呼んだんだな!許さんぞおおおお!!!」

サルトが叫んだ瞬間、俺は吹き飛ばされ壁に叩きつけられた。

「グハッ!?」

「このままでは地球人もろとも地獄行き…そんなものはごめんだ!」

サルトはそう言い残し、姿を消した。

「逃すかよ!」

急いで立ち上がりトライガンナーを構えるが、吹き飛ばされた衝撃で足が動かない。俺は必死にトライガンナーをサルトに向かって構えようとする。だが、遅かった。

「ちくしょう……」

意識を失い倒れてしまった。

 

To be continued…

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