異能系デスゲームで俺だけ異能が分からないので意味深なセリフで切り抜けたい 作:あおさ
「……」
何処だ?此処。
俺の部屋?いや、それにしては穴が無いし違うな。誰かの部屋か。と言うか身体中が痛い。……痛い?
痛みがあるって事はまだ死んで無いって事か多分。命あって良かったって思うべきなんだろうけど、痛くてそれどころじゃない。
起き上がる事は無理そうだったので、体勢を変えてそのまま寝転がっている事にした。
「生きてたのか、チッ。ならさっさと俺も解放しやがれ」
そんな声が上から聞こえ、ふと頭を上げてみるとそこには磔にされたヤンキーがいた。
「何だ?それ……」
「ハッ!白々しい演技だな。お前は知ってたんだろ?コレがお前を殺ったデスペナルティーってヤツらしい。てめえが言ってただろ」
いや、え?まじであんの?あの時、口から出まかせで言ってたんだけど。てか何で人を殺すゲームで、人殺したらペナルティーがあるんだ?時間の都合上?尺が余っちゃうからか?
まぁ、確かにこう言うデスゲームって、偉い人が高いワインとか飲みながら愉しんでるイメージがあるからやるなら長くやりたいって事なんだろ。知らないけど。
「おい、運営!見てるんだろ?さっさと俺を解放しろ!」
『はいはい〜それは出来ないですね〜ッ★』
「は?」
仮面の女は画面越しにそれを否定した。何だって言うんだ。
『取り敢えず、一時間はそうやってて下さいッ★一時間したら、解放されますからご安心を〜★あ、それからそこのモブ顔太郎さん!』
誰?……ああヤンキーか。
「可哀想な名前だな。お前」
「俺は
「可哀想な名前だな……お前」
え?待って?じゃあ俺がモブ顔太郎?そんな名前じゃないんだけど。
『そこのヤンキーにボコボコにされたボロ雑巾みたいなモブ顔さん!お薬出しといたんで、飲んで下さいね〜★……辛い時には諦める事も肝心ですからねッ★』
「あ、ありがとうございます?」
アフターフォローも完璧……じゃねえな。誰がモブ顔太郎だ。もしかして、モブだから「こいつには異能いらねえw」って事?
ひでぇ。いや、まぁ妄想だしな。そんな訳無いか。そうだ薬飲んどくか。こう言うサービスは、良いよなぁこのデスゲーム。死なせたいのか生かしたいのか。どっち何やら。
……あっ、やっぱり殺したいんだな。
俺はポケットに入っていた"自決剤"を見ながらそう思った。絶対飲まない。意地でも生きてやる。そう俺は強く思った。
「暇だな。好きな性癖でも晒さないか?」
突然部屋にやって来て早々、見知らぬおじさんはそんな提案をして来た。
「あっ、間に合ってるんで」
「帰れジジイ」
おじさんは帰らず、近くで座り落ち込んでいた。帰ってくれ。
『しゃーないなぁ。……ボクとしようよ!性癖トークッ★』
少し遠くからモニター越しに運営が参加して来た。こうして、半強制的に地獄の性癖座談会が始まった。
「さぁ、まずはおじさんから始めようか!まず、おじさんの性癖は……」
「フッ……こう言うのも悪く無いな」
「どう考えても悪趣味だろ」
取り敢えず意味深に言ってみたけど、全然良くない。おっさんと仮面女子が和気藹々と性癖語る絵面も酷いし、早く辞めて欲しい。