異能系デスゲームで俺だけ異能が分からないので意味深なセリフで切り抜けたい 作:あおさ
「これから君達には一つのゲームをして貰う。なぁに、そんな怖い顔をしなくても良い。簡単なゲームさ。君たちが死ぬか、性癖の彼らが死ぬかの二つに一つ。ルールを説明しよう」
「ルールは単純明快。君達には、自分達の性癖と戦って貰う。勿論断る事も出来るが……その場合は死を待って償って貰う。おっと、僕は手を出さないさ。ただ……名前、年齢。マイナンバー、カード番号。住所、学歴etc。その場合君達は社会的に死ぬ事になる。僕は優しいからね、君達がどっちの死を選ぼうと構わない」
「そして、君達の勝ち筋は一つ。性癖を理解し、説き伏せ。僕を倒し、具現化を解除する事だ。君達に果たして、それが出来るのか。どうした?ゲームマスターさんもっと嬉しそうな顔をしなよ!!見てるんだろ?何処かでお偉いさんがこの映像を!トラブルやハプニングは待ってたんじゃないのか!?」
長い、マジで長い。校長先生やってた?ってレベルで長い。その後頭部は校長の証だったのか。今は周りに草生やしてるけど笑えないよそれ。手入れしなよちゃんと。
『……うっさいですね。大体アンタのゲームに、私まで乗っかる必要があるんですか?ゲームマスターである私を差し置いて、偉そうにしてるのもムカつくし!そもそも貴方が言った個人情報の脅しだって知ってる訳が無いでしょッ★』
そう捲し立てた仮面の意味も無いゲームマスターの言葉を華麗に流し、性癖おじさんは再び長い独白を始めた。勘弁して下さい。
「性癖とは、一体なんだと思う?物心ついた時にはすでにいたと思うが。──そんな事気にした事も、考えた事も無いだろう。だって無駄だから。そんな事を考えるんだったら問題集の一問や二問を解いた方が良いに決まってる。それもまた正しい選択だろう。だが、一重に僕は思う。性癖とは、家族であり友達。そして、自分を映す鏡なんじゃないかって」
「だからこそ彼らは何でも知ってるのさ。君達とは見えなくてもずっと一緒にいるのだから……」
成程、てっきりストーカーなのかと思ったけど違ったんだ。性癖がストーキングしてただけか。
「さぁ、ルールの説明は終わりだ。存分に戦ってくれ。あ、そうだ。因みに彼らは君達の性癖だから、君達の性的嗜好に合わせて形を変えるんだ。せいぜい僕が愉しめる様にしてくれよ。それに自分の好きな性癖に殺されるのなら本望だろう?」
その後の光景は目を疑う物だった。一匹の性癖がモニターの元へ向かったかと思うと、そのまま中へと入っていた。その時の姿は幼い少年のような見た目で、耳は獣の様だった。
一方、ヤンキーの方には女性が立っていた。髪が長く、背が高い。服装は、無難な格好で……。あれ?指に光ったアレってまさか。人妻か?うわ、これ嫌だな。他の人にも自分の性的嗜好がバレるの。
「クソッ……見せもんじゃねえぞ!」
ヤンキーは顔を真っ赤に染め、周囲に当たり始めた。まぁ、俺は関係無いし気楽に見てよう。どうせ何にも出来ないしな。