相棒枠に収まろうと思う   作:ラトソル

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剣の世界の物語

「えっ!? なに! ここ何処!? あれ!?」

 

「……」

 

「────あ! あのっ、すみません!! 此処は何処ですか!?」

 

「……」

 

「あ、あれ? あの〜、すみませ〜ん……?」

 

「……すまない。あまりにも予想外のことで困惑してしまっていた」

 

「そ、そうですか……?」

 

「……幼い子の相手は得意ではないのだがね……レインくん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇◇◇◇◇

 

「お前は本当に手がかかる娘でしたよォ」

 

 ユージオとは別行動となってしまったものの、アリスの説得に成功しこちら側へと加わってくれたために俺とアリスは共に行動しアドミニストレータ打倒を掲げて塔を登る。

 

 途中、ベルクーリという男と遭遇したもののアリスの右目に付けられた眼帯を見ると俺達を見逃すという事態が起こり困惑を隠せないままにさらに上階へと登る。

 

 そして今、最上階間近となった一室にて生きたままの人間が培養液のような何かに入れられて神聖術を唱え続けるという元老院システムの全貌を目撃した後にチュデルキンと遭遇。

 アリスは怒りのままにそいつの胸ぐらを掴み上げてことの真相を確かめるべく問いただしたならばチュデルキンは嬉々として、しかしどこか忌々しげに語り始める。

 

「最初は帰りたい帰りたいと何度もほざきながらも私の言葉を信じて馬鹿みたいに神聖術を学んでいましてねぇ。叶わない希望に縋ってる貴女の姿は何度思い出しても笑いが込み上げて仕方がありませんよォ」

 

「ッ……」

 

「ただァ……あんの、クソ忌々しい二十番ッ!! あのカスが貴女に干渉してからはお前の目はキラキラキラキラキラキラキラキラッ!! ウザったらしくて仕方がなかったんですよ!!」

 

「な……かつての私にレインは関わっていたと言うのですか!?」

 

『レイン』……それはアリスから聞いた人物の名前。

 整合騎士序列二位、レイン・シンセシス・トゥエニ。その肩書きは偽りであり、彼の騎士を表現する言葉は文字通りの『人界最強』。

 

 アリスが言うには、その男は今遠征に出ておりあと数日は戻ってこないだろうと安堵しながら聞かされた。

 

 その名前に、強烈な既視感を感じながら。

 

 レイン……居るのか? ここに。お前が。

 ただの名前の一致だけだと言われればそれまでだ。だから俺は期待しない。期待なんてしてはいけないと分かっている。だが、縋ってしまう。

 

 そうあって欲しいという気持ちと、敵対したくないためにそうであって欲しくないという気持ちが。

 

「あの糞人形は騎士の身でありながらお前がいる階層に何度も何度も足を運んではお前の勉強に付き合い。お前の精神安定と共に異常なまでに神聖術行使のレベルが飛躍しましてねぇ。こちらとしてはそれは喜ばしいことではあるんですがね、問題なのは私がお前にシンセサイズをかけようとする度にあのゴミカスは私を蹴り飛ばしては気絶させて邪魔をしてきやがるんですよ。あの木偶がシンセサイズなんて知るはずがねぇですからね……私を見つければ蹴り飛ばすを何度も何度も繰り返して結果的に貴女にシンセサイズを施すまでに2年かかりましたよ……」

 

 脂汗を流し、そして心底忌々しげに誰かを脳に映し出し、唾を撒き散らして呪詛を吐く男。

 アリスはその内容に僅かに手の力が緩む。

 

「レイン、が」

 

「まあ尤も? あの二十番の記憶から貴女との思い出は猊下がしっかりと削除してくださってますがねぇ! それにしてもウザったらしいことこの上ないですよ!! あの御方のお気に入りだからって調子に乗りやがってッ……お前もお前ですがねぇ。強制シンセサイズを施す時も泣く様子も見せずに私に挑発するような余力もある様子でしたしね」

 

(何かを待ってる……?)

 

 長々とした話に僅かな疑問を抱く。

 

「なぁにが、『私の大好きな人は100でも200でもエレメントつくれちゃうんだからぁ!』、ですかぁ? んなもん出来るわけないでしょうが! 夢見も程々にしやがれってんですよ!?」

 

 唾を撒き散らす醜い男はピエロのように白く塗られた顔が真っ赤に染まるほどに怒りを露わにして地団駄を踏みしめる。

 

『────長々しい話し合いはやめにしましょう?』

 

「は?」

 

 女性の声が聞こえた。

 脳に直接響いた、脳を溶かす魅惑の声が。

 

 声だけで美しいと思えてしまう、そんな声が聞こえて、そして視界に映る光景が変化したことに気がついた。

 

「ファナティオとアリスちゃんが思っていた以上に粘っていたから予定の繰上げよ。全く……気の利かない男」

 

「あ、アドミニストレータ猊下ァ!!!」

 

 チュデルキンが声高々に叫び、頬を染めてニンマリと気持ちの悪い笑みを浮かべてスーパーボールのように跳ねて主人の元へと戻っていく。

 

 女神の姿を俺は初めて見た。

 

 神々しいという言葉の意味をようやく理解した。

 

 それほどまでに、目の前のベッドに腰掛ける女性は完成されていて、圧倒的で、恐ろしいと感じた。

 

「キリト!?」

 

「ユージオっ! お前もここに来たのか」

 

 別行動を取らざるを得なかったユージオの無事を確認する。

 

「おおお、最高司祭様ァ!!」

 

「五月蝿い」

 

「ほへ?」

 

「今、私は気分が良いの。その邪魔をしないで頂戴」

 

 広い一室。天上は遥か遠く、ここが最上階で間違いないだろう。

 

 中央にキングサイズのベッドがひとつ、その傍に置かれているいくつかの本棚。それだけの空間。

 

 なのに、ただただ恐ろしい。

 

 アレと戦ってはダメだ。

 

 そう、細胞が警鐘を鳴らしているから。

 

「────はじめまして。あっちから来た坊や」

 

「なっ……」

 

 じっくりと、舐めるように俺の全身を見定める女性……アドミニストレータは、敵勢力が目の前に来ていると言うにもかかわらず柔らかく微笑み、そして俺に向けて俺にだけ伝わる言葉を告げてくる。

 

『あっち』……それはつまり、この世界の外側である俺たちが住む世界。言うなれば『リアルワールド』。

 アドミニストレータは、外の世界を正しく認識しているだけでなく、俺がそうなのだと理解していた。

 

 続けて、俺の隣にいるアリスとユージオそれぞれに視線を向ける。

 

「Code871……ああ、右目の封印を破ったのね。偉いわアリスちゃん」

 

「何を……」

 

「ユージオ。お前はシンセサイズに抗えるだけの意志を私に示した。元々お前を整合騎士にしてキリトにぶつけるようなことは考えていなかったけど、称賛に値するのだから素直に褒めておくわ」

 

 パチパチ、と。

 細く長く、そして滑らかな手を叩き合わせて二人を祝福するかのように音を奏でるアドミニストレータに、言い表せない何かが駆け巡る。

 

 それは他の二人も同じで。ユージオも、そして整合騎士であるアリスでさえ、不気味な光景に息を呑む。

 

「────だからこれはご褒美」

 

 徐ろに右手の指を弾き音を鳴らしたアドミニストレータ。

 パチン、と。やけに響く高い音が鳴ったのと同時に、何かボールのようなものが宙を舞う。

 

「────はひょ?」

 

「いつ処分するか迷っていたから……ちょうど良かったわ」

 

 なんてことないように、日常会話の一幕であるかのように振る舞うアドミニストレータ。

 俺たちの目の前で、チュデルキンの首が飛んだ。

 

 あっさりと。本人もわけがわからずという声を出して。それだけでその男の人生の幕が引かれた。

 

 重々しい音とともに落下した生首。ボールのようにゴロゴロと転がり、少しして停止する。その顔はこちらを見ていて、何か言おうと口を動かしているように見えたがそれが音をなすことは叶わず。

 

「────さ、お話しましょう?」

 

 その声が聞こえて、その声の主の顔を見て。

 俺は初めて、恐怖により身体が震えた。

 

 女神の微笑みと言っていいその表情が恐ろしい。

 ただただ、目の前の上位存在が、理解出来ない存在が恐ろしい。

 

 俺達はまだアドミニストレータに危害を加えられていないというのに。

 俺は、アレと戦わなければならないのか? 

 

 今まで戦ってきたどの相手とも異なる。

 全てを見通すかのようなその瞳が。

 

「そんなに怯えなくても良いのよ? 今、私からあなたたちに危害を加えようという意思は無いの」

 

「なにを……言ってるんだ……」

 

「言ったでしょう? お話しましょうって……ね、桐ヶ谷和人?」

 

「ッッッ」

 

「抜けないわよ……そんな物騒なものは今必要ないでしょう?」

 

 俺の名前を、本名を、当たり前のようにその女は告げてきて。

 驚きよりも恐怖よりも先に、俺は今すぐ奴を殺さなければと剣を鞘から引き抜こうとして、微動だにしない剣に目を見開いた。

 

(これも心意ってやつか……!!)

 

「……まだ生きてるの、あなた」

 

「さ、最高司祭……猊下ぁ……」

 

 首を撥ねられて完全に生命活動を停止したと思われていたチュデルキンの頭がグルりと転がり、アドミニストレータへと顔を向ける。

 その動き、その声がおぞましく感じ取れてしまい、アドミニストレータに植え付けられた恐怖が若干和らいだ。

 

 チュデルキンは怒りを向けるでも戸惑いでもなく、ただただアドミニストレータへと懇願するように涙を流す。

 

「猊下ぁ……ワタ、私はァ……」

 

「……ああ。そういえばお前、私と寝たいんだったわね」

 

 くいっ、と。人差し指を上に折り曲げる動作を行い、それに呼応するようにチュデルキンの頭部が浮かび上がる。

 ふわりと、浮かんだチュデルキンの顔から垂れてくる涙と鼻水。血液以外の体液がぼたぼたと滴り落ちていた。

 

 アドミニストレータは浮かぶチュデルキンを見つめ、徐ろに脚を組みかえる。

 なんの感情も含んでいない瞳を向けたまま。

 

「お前は本当につまらないわね、チュデルキン」

 

「げ、げい、か……?」

 

「お前が私と寝たい? 許すわけないでしょそんなこと」

 

「すみ、ません……猊下ぁ……」

 

 アドミニストレータが右手を握りしめる。

 途端、チュデルキンの周りに現れた幾つもの赤い光の玉がチュデルキンへと押し寄せ、黒い球体を作り上げた後に何も無かったかのように消滅した。

 

「私……これでも、身の堅い女よ?」

 

 気怠げに呟くアドミニストレータを横目に、俺はアリスへと確認を取る。

 

「アリス……あいつの強さとか知らないのか」

 

「分かりません……最高司祭様は自室から出ることがありませんでしたから。傍に誰かを置くことも無く、拝見するのは任務報告の時だけ。あの方が神聖術を行使しているのさえ、今目の前にしたものが初めてです」

 

「未知数ってことか……とりあえず話をしよう」

 

 当の本人であるアドミニストレータはチュデルキンの消滅に何ら感情を動かさず、またしても俺に瞳を向けてくる。

 微笑む様は、まるで玩具を前にした幼子のようで。

 

「どうして俺の名前を知ってる? あんたはいったい何者なんだ」

 

「到達者であり世界の調停者。そういう認識でいいわ」

 

 全く理解できない。ただ、この会話自体になにか意味があるかと言えばそうでは無く、ユージオとアリスに迎撃の準備をさせるための時間稼ぎに過ぎないために話を続ける。

 

「アドミニストレータ。あんたは近い将来、自らの手で人界を破滅へと追い込む」

 

「ああ。そんなセリフもあったわね」

 

「なに?」

 

「ああごめんなさいね。ええっと……そう。あのちびっ子が言っていたのかしら? 整合騎士団を作り上げたこと自体が過ちだ、と」

 

「そうだ。来たるダークテリトリーとの抗争に現状の戦力では太刀打ち出来ない」

 

「滑稽ね。現状の戦力ではダークテリトリーに劣るって? それはあの子の意見でしょう? まあそう言うのも無理ないわ。あの子はこちら側の戦力を正しく認識出来ていない」

 

「なんだと? どういうことだ」

 

「あのチビっ子の情報は二十年前で止まっている。私がそう細工したもの」

 

 違和感がつのる。

 まるで全ての事象がこの女の手の上であるかのような錯覚を。

 錯覚であって欲しいと願う自分自身を。

 

 楽しそうに笑うソイツが不気味で。

 

「ダークテリトリー程度、私一人で事足りる。状況次第だけれど、ベルクーリとファナティオ、イーディスの三人でも十分殲滅が可能よ。尤も、外から戦力が投入されればその限りでは無いけれど。それでも、私一人で勝てる事実に変わりは無いわ。私の懐刀はそれほどまでに強力」

 

「懐刀……?」

 

「ねぇ、キリト」

 

 俺からの問いかけに答えたお返しと言わんばかりに、アドミニストレータは俺へと尋ねてくる。

 自然な微笑みのままに。彼女のシナリオ通りにことは進んでいくのだ。

 

「私、本が好きなの。物語。漫画も小説もなんでも読むわ……貴方の好きな本はなぁに?」

 

 意味をなさない問いかけに黙っていると一瞬吹き出した彼女は「つれないわね」と面白そうに言葉を重ねていく。

 違和感が募っていく。

 

「私のお気に入りの物語。とある世界に囚われてしまった主人公の男の子が仲間と共に魔王を討伐してみんなを解放する。そんなよくある話」

 

 何を言っているんだ、こいつは。

 

「その物語は、今、現在、進行中なの」

 

 なんなんだこいつは。何が言いたいんだ、こいつは。

 

「始まりの章────【アインクラッド編】」

 

「は……?」

 

「世界から解放された主人公は、未だ囚われの身になっている姫を救うために新たな世界へと羽を広げて羽ばたいていく────【フェアリィ・ダンス編】」

 

「何を、言ってるんだ、お前は」

 

「銃器と鋼鉄の世界で過去に囚われた少年と少女は己と向き合い、過去を乗り越える────【ファントム・バレット編】」

 

 なんなんだ、これは。

 傍に控えるユージオとアリスから声を掛けられる。けれど、それに反応を示せるほどに俺の精神は安定していなかった。

 

 あいつの口を閉ざさなければ。けれど、俺はこの話を聞かなければならない。

 頭が混乱を始めた。

 

 そんな俺に何を思うわけでもなく、アドミニストレータは続ける。

 

「世界に一振りとされている聖剣を探すべく神の国を攻略する────【キャリバー編】」

「世界最強の少女の望みを叶え、最後には後悔なく眠りにつく────【マザーズ・ロザリオ編】」

「死者蘇生を掲げ、千を犠牲に一を救おうとする少年と父の望みを打ち砕く─────【オーディナル・スケール】」

 

 自然と、喉が鳴る。

 この物語は、決して、俺の知らない物語では無いのだろう。

 

 小さな矛盾点も気にならないほどに似通った話。

 

「そして、世界に抗う為に支配者に剣を向ける三人の少年少女の物語────【アリシゼーション編】」

 

 本棚から一冊の本を取り出したアドミニストレータはペラペラと無造作にページを捲る。

 

 

「剣の世界の物語────ソードアート・オンライン」

 

 

「……なんなんだ、お前は……何を言って……」

 

「ふふふ……この世界でも同じタイトルなのかしら? それとも彼の介入もあって欠けたり増えたりした章もあるのかもしれないわね」

 

「何を言ってるんだっ、お前は!?」

 

 剣に手を伸ばすことはしない。

 ただただ、俺は問いただしたかった。

 

 何を言っているのかと。何を知っているんだと。お前はなんなんだと。

 

 理解不能の不気味な存在に対する恐怖を紛らわせるために。俺は言葉を重ねてただ叫ぶ。

 自分の声も認識出来ないほどの耳鳴り。手の、脚の感覚が無くなって、視界もボヤけてきて。

 

「一人、参加者が居ないわね」

 

「なっ……貴様ッ!?」

 

「カーディナルさん!?」

 

 何も感じない。深い闇が俺を包み込んでいき。

 

 それでも、これだけは。

 

「「「「ッ!?」」」」

 

 この、圧倒的な心意だけは感じ取れたから。

 

「ふふふ……あははははっ!! 茅場晶彦の気持ちが分かるかもしれないわね」

 

「この、心意……まさ、か……」

 

「なんじゃ……何が起こっておる!? クィネラ、貴様!?」

 

 来る、来てしまう。

 

 俺達の死神が。

 

 避けようのない死が。

 

「さあ。お前がこの世界の主人公だというのであれば、この程度の障害、乗り越えて見せなさい……黒の剣士」

 

 なんの音も聞こえてこなかった。

 それなのに、カセドラルの壁は容易く切断されて、叩きつけるような爆音と共に外壁が中へと弾け飛ぶ。

 

 最初に動いたのは、アリス。

 即座に剣を抜き、構え、そして俺の前に立ち何かを弾いた。

 

「ぐっ……」

 

「よく防いだな、アリス」

 

 その声が。その気配が。

 

 やめろと、心が叫ぶ。

 やめてくれと、泣き叫ぶ。

 

 砂煙が、どうか晴れてくれるなと願う。

 見てしまったら、誤魔化しようが無いのだから。

 

「キリト、構えて……キリトッ!!」

 

 ユージオからの叫びは聞こえる。

 けれど、体が動いてくれない。

 

(やめろ、やめろ、やめろ)

 

「さて……そこの二人が侵入者ってことで良いんだな?」

 

「────」

 

 ……だめ、だ。

 

 見てしまった。視覚情報として確かに認識してしまった。

 

 今までの思い出の全てが脳を駆け巡る。

 

 そこに立っているのは、騎士だった。

 今まで出会ってきた誰よりも、その男は騎士だった。

 

 鎧を纏わず、軽装で、剣が一本。

 その立ち姿が、一本の剣に思えてしまうほどに、その男は騎士を体現していた。

 

「っ、お前達!! 逃げなさいっ、彼には勝てない、絶対に!!」

 

 アリスの悲痛な叫び。もう、そんなものはどうでもよかった。

 

「整合騎士、第二位……レイン・シンセシス・トゥエニ」

 

 もう、現実逃避は終わり。

 何をしても、そいつは俺の目の前に居るのだから。

 

 こんなにも、敵意を向けてきているのだから。

 

「最高司祭に仇なす罪人は────死罪だ」

 

 もう、俺は。

 

 俺は、なんのためにこの世界に来たんだったか……分からない。

 

 嗚呼。誰か、俺を。

 

 殺してくれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの……レインさんはそんなこと言わないので。レインさんの姿で話すのやめてくれませんか? 不愉快なので」

 

「…………幼子からの侮蔑は、中々に堪えるな……自重しよう」

 

「早く戻って」

 

「……………………はい」

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