ボンバーバトル黎明期のボンガ世界に転生しました。 作:ハニボン
それと21話『言われてみれば物騒である』でウルシとアサギがボンバーアカデミア中等部に在籍しているって書いていたので、月並中学校に修正してあります。グレイが普通にウルシの教室まで迎えに行ってたから勘違いしてました。ちゃんと公式漫画読み返したら学校違うと気付いたので、とんでもねえガバかましてました……。
マイナスな話ばかりもあれなので、ちょっと宣伝しよ(逃避)
6/6はメロンの誕生日! というわけで6/5から6/12までの期間限定でメロン誕生日の称号とSPチャットがゲットできるので、忘れずにプレーしよう!!!
「待って、モモコちゃん待って」
「震えるくらい中身ポンポコピーだけどトップエリートな優等生、クール気取りっ娘で良い子なサトラレ系後輩、弱気を助け悪を挫く見た目属性過多な正義の怪盗ねずみ小僧、相棒悪魔のいる心優しい感じの堕天使、愛が大好きなヴァンパイアハンターのシスター、演奏激上手な可愛い天使の子って好き?」
「全員分言っちゃった!?」
最後の1人は違うのだが、ここにいないチームメンバーの特徴まで言い切ったモモコ。無論ユキトは質問の意図を理解できず……というより質問が予想外であったために狼狽して、意図の考察にすぐには取り掛かれなかった。
これはここに共に来た4人と、この場にこれなかった他のメンバー全員の総意の質問。
なぜこのようなことをユキトに問うたのかというと、それはユキト、シロ、アクアがアクア城へと向かい、残りのメンバーで食事をしながら皆会話を楽しんでいた時に時間を遡る。
結論から言うと、ユキト達3人と入れ違いで合流したピンクのギャルこと最愛チアモが自己紹介でユキトと昔からの知り合いだと語っていたことが、事の発端であった。
自分達が出会う前の、指導役になる前のユキトのことが聞けるとなるとガール達の口数も増えると言うもので、ガール達の質問にチアモは答えられる範囲ですべての質問に答えていた。
そんな中で、ブラスが「マスターはどんな女性が好きかって、わかりますか?」と普段人見知りの性格からはギャップを感じさせる踏み込んだ質問をしたのだが……それに対して放ったチアモの答えが、ガール達を困惑させることになる。
『センセの好み? それならあなた達だよ』
常識を説くように、なんでもないようにチアモは言った。その言葉を受けたボンバー事務所側のガール達は皆、虚をつかれたように思わず閉口してしまう。
『センセはね〜あなた達のことが大好きなんだよ?』
友好か、はたまた恋愛的なのか。どういう意味かと続けて聞いてみると、なんて言ったらいいかな、とチアモは伝えるのに最も適した言葉を選んでいた。
『あもはね、大好きなパピーちゃんには全力で尽くしたいって思うの。死ぬまで一緒にいたいし、パピーちゃんのためなら何だってする。……でも、センセはちょっと違うんだよね。そばにいても、遠くにいても、その人のために動き続けるタイプ。……うーん、なんて言うか――“信仰に近い愛”って感じ?』
信仰って言ってもガチじゃないけどね~とチアモは最後に付け足した。
チアモのユキトに対する見解を聞いたガール達の反応は様々であったが、信仰レベルとかそんなに? とやはり驚きを隠せないでいた。
流石にそれは大袈裟ではと思ったが、オレン、エメラ、モモコ、クロの4人は初めて会った時にサインを求められたなと思い出してこの場で情報共有すると、もしやとチアモの見解の信憑性が高まっていた。
たしかに今までの付き合いでユキトの人間性を見ると、自分達を信じすぎているとまではいかなくても、高い好感を持たれているのは感じている。
そこでふと、ガール達は思ってしまう。自分達の事をどう思っているのかを。
女性のみの競技で、練習指導とはいえこれだけの女所帯で男一人でユキトはできる限り気を使ってこちらに接してくれているし、何か問題や悩みがないか気にもかけてくれている。
好感が高いと言っても、練習中は変に褒めたりしないし媚びたりもせず、ちゃんとんダメな所のダメ出しはしっかりしてくれる。小、中、高、長命で年齢層が少し広い事務所メンバーをちゃんと選手として見てくれている。指導役としてそれは当然の事なのだが……ユキトと接していてわかるのが、あまり性の匂いがしないということだ。
単純に下賤な視線や下心があまりないというか。バトル中ボムなどで被弾して服が破れた時も、指導役ゆえ目を離すことはないが、大した破れ方でもできるだけ見ないようにしてくれる。
それに匂いがしないと言っても、女性に興味がないわけではないことだけはわかる。シロなどの距離が近いガールにはたじたじになっているし、なんなら今日のグリアロとのやり取りもその距離感に驚きつつもまんざらでもなさそうにしている姿からそれが窺えた。思い出してガール達はちょっとイラっとした。
ただの女好きとかなら好感の高さにも納得できたが、普段のユキトを見ているとそのような感じはしないし、先ほどのチアモの言い方からちゃんと個人として自分達を好んで見ているのだと捉えられた。
もう本人に聞きに行こうぜ! とオレンが提案し、とりあえず明日に支障のない4人を尖兵として送り出し、後日ガールのみのボムグループラインで共有しようということになったのだ。
話は冒頭に戻り、現在モモコが主導となり話を進める形となっていた。
「で、どーなのよご主人? 回りくどい言い方したけど、私ら全員のことどう思ってるの? 好きなの?」
「……質問を質問で返すのは良くないんだけど……その好きっていうのは、具体的にどの意味での好きになるのかな?」
いつからジャブだと錯覚していた? とばかりにストレートに質問をぶつけるモモコ。それを受け止めながらもユキトはLOVEかLIKEのどちらかなのかを具体的に聞き返した。
「どっちもなのか、どちらかなのか……って意味ですよぉ? 助手ぅ? アモさんから聞いたにゃ! 助手は崇拝レベルでパイにゃん達のことが好きなムッツリさんにゃと! パイにゃん達はその真偽を確かめにきたのにゃ!」
「崇拝はちょっと言い過ぎかもしれねえけど、チアモのあの言い方じゃみんな気になるのも当然だしな。だから俺たちはこうして相棒に聞きにきたんだぜ?」
「ご主人様は猫とロボとメイドが好きなのは自明の理。ワタシにとっては愚問ではありますが、皆様がよりご主人様を理解するための真実の再確認は必要でしょう。さっさと吐けこのムッツリやろ〜おら~」
「最後口悪いですわねこのメイド…」
「つーかバカ吸血鬼の城だからって夜遅いんだからあんま騒ぐなっつの! ……それで、ご主人? バカパインが言った通りチアモからご主人のこと聞いてきたわけだけど、実際どう思ってんのよ? 別にご主人がどう思っていようと、すぐに関係がどうにかなっちゃうなんて思ってないわ。ただ……うん、そうね。私らって、ご主人のことよくわかってないじゃん? トラウマの話だって、今来てたまたま知ったわけだし」
モモコの代わりにパインが返答し、それに続くようにオレンとエメラが便乗し3人で吐ーけ、言ーえと悪ノリする小学生のように合いの手を叩いていた。アクアがそれを見て呆れ、モモコが注意しつつもユキトに対してみんなの総意として話をした。
そもそも信仰とか崇拝とかそういうレベルで好かれているって言われても全くピンと来ないし、もし本当にそうだとしたら……それはちょっと嫌だな、と思った。
だって、それだと壁があるような気がして、距離があるように感じてしまうから。
恋愛的な感情によるものなのかはガール達にはわからない。チアモの見解をどう捉えたかはガールそれぞれで個人差はあれど、最終的に思った気持ちはみんな同じだったのだ。
「よく考えたら練習だ仲間集めだなんだでお互い、ちゃんと知るところからすら始まってないんだから。だからまずは、ご主人がどう思っているのかだけはっきりさせる! ちゃんとわかってからスタートした方がいいに決まってるじゃない?」
伝えたいことをすべて言い切ってスッキリしたのか、モモコは最後に薄く微笑んでいた。
最初にチアモから聞いたと聞いて「……最愛さんからかぁ……」とユキトはどこか遠い目をし、空気を絞った声を出していたが、モモコの真剣な話に耳を傾けていた。
先日のパプル達との交流が足りていないとの話をしたばかりだと、ユキトは思い出す。まさにモモコが言った通りだ。猪突猛進というか、指導役という仕事に張り切り過ぎてコミュニケーションをしっかり取るという基礎を忘れてすっ飛ばしていたことを反省した。
「うん……そうだね。モモコちゃんの言う通りだ。一番大事なことをおろそかにしていた」
誰が好きかという質問をされた時はどう答えたものかと焦ったが、ガール達の本意を聞いてたしかに自分達に必要だとユキトは改めて質問の答えを考えた。
「俺がどう思っているか、か……」
自分がガール達をどう思っているのかと言われれば、皆箱推しとして強く推している尊き存在である。だが彼女達が求めている答えはそういうのではなく、パインが言ったどっちもなのかどちらかなのか、だろう。
それならば……と少し考えながら、ユキトは口を開く。
「パインちゃんのどっちかの話なら……どっちも、かなぁ……いや、でも……そもそも」
どっちもと聞いておっ? と興味津々になるガール達。しかし忘れてはならない。ユキトは推しは推せるときに推す
次のユキトの言葉が、ちょっとした混乱を齎した。
「君達のことが嫌いな生物って、この世に存在するの……?」
あれ? これチアモの言っていることマジじゃね? とこの時ガール達は激しく思った。
●~*
うん、やっぱ初心に帰るのは大事だね。こんな基本や当たり前のことをやってなかったなんて……チアモからって聞いた時はマジかって驚いたけど、大切なことに気付かせてくれて、今はマジ感謝である。
とりあえずどう思っているのか答えた……んだけど、途中でそもそもボンガの女の子たち嫌いな生物なんていなくね? って思ってつい言葉に出してしまった。
「いやいやいやいや……相棒。それは流石に冗談だよな?」
「下僕様。私達を高く評価してくれるのは嬉しいですし、私もそのくらい自分に自信を持っているつもりですわ。ですが下僕様のその認識は過度に見過ぎでは…?」
「ご主人、ちょっと確認したいんだけど……大袈裟に言っているだけよね? 本気で思っているわけじゃないんでしょ?」
オレン、アクア、モモコが嘘だよな? と大真面目に真偽を問うてきた。えっそんなに?
そして残り半分のシロ、エメラ、パインはまた違った反応をしていた。
「マスターの言う通りや……シロちゃんみたいな白髪美少女JKを嫌いな人類なんておらへん……!」
「イエス、メイド。宇宙人類であろうと機械生命体であろうと、猫とロボとメイドが嫌いな者はこの銀河には存在しない……やはりご主人様には愚問であられましたか」
「助手~! IQ100臆の天才で一番可愛いアイドルパイにゃんを嫌いな人がいないってわかっているなんてぇ、さっすがパイにゃんの助手ですね~! 圧倒的あたしほどじゃにゃいですけど天才にゃー!」
ユキトの言葉にはっと気づいたようにして、自分達の魅力をわかってる~! と嬉しそうにしているのが3人。数も丁度半分で、今ここにはいやいやそれは流石に言い過ぎ勢と超ポジティブ自己大肯定勢の2勢力が誕生していた。
綺麗に別れたな……と、とりあえずモモコの問いに俺なりの考えを答えよう。
「いやまあ、他の人に俺の考えを押し付けるとか、相手も同じだと勝手に思っているわけじゃないんだけどさ……みんなのことを好きかどうかを考えたら、嫌いになるって選択肢が最初から俺の中に無いなって思っちゃって。
あっ、でもどう思っているかって話だから、ちょっと話が脱線しているかな……?」
「いや……多分必要ね、これ。ご主人、どうしてそもそも嫌いの選択肢が無いわけなのよ?」
「……よくある一目惚れ的なので、選択肢消えた的な……?」
「モモぴゅんの知っている一目惚れじゃないっつの」
完全に前世からのファンでしかないのだが。そう言えるわけもなく一目惚れと誤魔化そうとしたが案の定、モモコに突っ込まれてしまった。
駄目だなぁ、ちょっと説明できないや……そう思っているとモモコは腕を組んで、そのまま片手を顎に添えてじっと何かを考え込んでいた。
何を考えているんだろう? とりあえず何も言わず俺はモモコの長考を見守る。といっても時間にして数十秒くらいで、モモコは腕を組んだまま伏せていた視線をこちらに向けて、ニッコリと笑った。
「ねえご主人。私達、本当にお互い知らないことが多いと思うのよ。ご主人は私達の指導以外にスタッフの手伝いとかもしているから負担になるかもしれないんだけど……お話するだけでもいいから、モモぴゅん達と一緒に過ごす時間を増やしていかない?」
遊びでも会話するだけでもいい。練習以外でも交流する時間や機会を設けようとモモコは提案してくれた。それは俺にとっても願ってもないことなので、俺は二つ返事でその提案を受け入れた。
「スケジュールを整理して、スタッフさんとも相談して時間を作るようにするよ。モモコちゃん達はアイドル活動あるけど……そっちの負担は大丈夫?」
「ありがとう、ご主人。こっちもスタッフと相談してなんとかしみるわ。あとそれと……ご主人に一つだけ頼み事あるんだけど、いい?」
笑みこそ崩さないが手の平を合わせてモモコがお願い事をしてきた。ガールのお願いを断ることはないので、それも俺は迷うことなく聞き入れた。なんだろ?
「いいよ。俺にできることなら、なんでも聞くよ?」
「よし。じゃあ今度から私らのことちゃん付けの呼ぶの禁止で、呼び捨てで名前呼んで。そこから距離縮めてくから。わかった?」
「……!?」
一瞬で驚愕の表情になる俺。も、モモぴゅん? それは流石に畏れ多いから、何卒ご勘弁を……!
そう懇願してみたが、モモコ以外のガール全員が呼び捨ての方がいいとモモコの味方をし、結局名前呼び捨てで呼ぶということに決定した。そ、そんな……ちゃん付け、そんなに嫌だったのかな……?
主人公、ちゃん付けやめてガールの名前呼び捨てにするってよっていう回。後にガールのみのボムグループラインにて主人公の過去話(本人許可済み)なども情報共有されるようになる。
なおチアモも無事ガールたちのボムグループラインの加入に成功し、主人公が女の子はホスト風なイケメンが好きだと思っていることも暴露されるため、今回の出来事や話を加味したガール達は必ずや我らの指導役をわからせると意思を統一し、チアモはジャックの豆の木レベルで実をつけたのを見て「どんどん実ってく…♡」と笑みを浮かべていたとかなんとか。
次回は警察回になります。