ボンバーバトル黎明期のボンガ世界に転生しました。 作:ハニボン
というか新キャラ多数登場するので、繋ぎ回になります。
シロ強化特訓やアクアの野望、俺のトラウマ話やみんなともっと交流しましょうなど、色々あったアクア城での一夜から二日が経った今日この頃。本日はボムタウンにある喫茶店でとある人物達と会う約束をしていた。
その約束の人物達とはグレイとウルシの2人と、アサギというウルシと同じクラスの学生ガールである。少し前に2人には良さげなアタッカーがいたら声を掛けてほしいとお願いしていたのだが、どうやら今日予定が空いていて会えるそうなので、スカウトの話をするために足を運ぶこととなったのだ。
ボムタウンというか喫茶店での集合となると、少し前のボムシブヤのボンバーカフェでの強盗からの拉致というミラクル現場と化した世紀末な事件を思い出してしまうが……流石にそう何度も起こるわけでもあるまいし、今回は大丈夫だろう。多分。……フラグじゃないよ?
それにスカウトと言っても、アサギは警察と学生を見事両立させた文武両道ガールだ。選手契約するにしても警察の仕事が最優先である。ウルシと同じようないつでも離れるような縛りの薄い契約になるだろうし、アサギ本人からもそういう契約なら参戦すると、ウルシ越しにメッセージを受け取っていた。
まあ、こればっかりはしょうがない。思い返せばアタッカーの誰もが戦闘を本職としているのだ。平和なボンバー世界であるが、決して悪いヤツがいないわけではない。そういう輩の事件や犯罪が起こらぬよう日々目を光らせて活動している警察や愚連隊などのおかげで、こうして平和な世の中を暮らしていけるというのは大袈裟ではないのだ。それなのにボンバト優先してくれなんて自己中なお願いは口が裂けても言えない。社畜とかではないが、流石に仕事優先である。
本職などの話をしてしまえば他のガールにも言えてしまうことではあるが……それでも魂斗羅を休職中のオレンや、ヴァンパイアハンターの依頼が無ければ無限の愛のシスター・セピアの両名が安定して選手として参戦してくれているのは、非常にありがたいと改めて思う。
話を戻すが、アサギのスカウトの話が落ち着いたらその後はみんなでゲーセンで遊ぶスケジュールとなっている。
なんでかというと、573との練習バトルの時にグレイとウルシと一緒にツインビーを遊ぶ約束をしていたからだ。先日話した交流の機会を増やそうという話は、あの場にいなかった他のガール達にもボムラインで共有されたらしい。だから今日のスケージュールはスカウトの話をした後、ゲーセンへ直行する流れとなっている。
……ただ遊んでいるわけじゃないよ……これも立派な仕事……仕事の一環だから……。
「……あっ先生! こんにちわです。今日はよろしくお願いします」
「旦那……じゃなかった、ユキトさん! 今日はよろしく頼むよ」
「二人ともこんにちわ。それと……会うのは初めてだね、アサギさん。初めまして、指導役のユキトです。今日はよろしくお願いしますね?」
約束の喫茶店前まで行くと、俺の姿を見つけたのはパーカーを羽織ったアカデミアの制服と月並中学の制服を着たガール、グレイとウルシが声をかけてくれた。俺は返事をすると、一緒にいるもう一人の月並中学の制服のガールへと自己紹介をした。
「むむ……貴方がグレイ殿の指導をしておられる方でありますね!」
髪の先端が白い段だら模様となった浅葱色のおかっぱで、獣のような大きなツリ目と狼耳が特徴の千生狼族の少女――――ボンバーガール・アサギが、姿勢正しく敬礼をして自己紹介を始めた。
「元・新選組三番隊組長であり、現ボンバー警察の幹部をしておりますアサギと申します! 本日はよろしくお願いるするであります!」
「元・新選組二番隊隊長、同じく現ボンバー警察幹部をしているチグサと申しますわよ。今日はよろしくお願いするわね、ユキトさん?」
アサギ……と
……んん? あれ!? チグサ!? なんでいるの君!?
●~*
案の定、スカウトの話はウルシもとい怪盗ねずみ小僧と同じいつでも離れらるという方向性で、細かい契約書類などは後日事務所の方でということで話はまとまった。
そういえばとアサギがボンバーバトルに参戦する理由を聞いてみるとグレイに誘われたのが半分であり、もう半分は我が事務所のメンバーである怪盗ねずみ小僧を捕まえるためだとぶっちゃけられたりした。
ウルシからボンバー警察の幹部で、アサギだけはねずみ小僧の実態を恐らく知らされていないと事前に聞いてはいたが……たしかに幹部で1人くらい本気で捕まえにいく者がいれば、事情を知らぬ民衆も警察に疑問を抱かなくなるだろうし、その存在は必要であると納得できた。
それなら表向きは犯罪者の怪盗を雇用している点については突っ込まれないのだろうかと思ったが、バトルそのものを悪意を持って妨害しない限りは、ボンバーバトルは何人もたりとも拒まず受け入れる競技である。誰にでもバトルをする資格はあるので、そこについては咎めることはないとアサギは説明してくれた。それはそれとして必ずや怪盗ねずみ小僧をお縄にすると宣言していたが。
とはいえみんなの邪魔や迷惑になることはしないと誓い、練習中やバトル中は狙わないと約束してくれたので、所構わず暴れ回るといったことは無さそうなので安心……か……? ちょっとウルシに負担が掛かるから、様子を見てもしウルシがキツそうなら色々方法を考える必要があるくらいか。
そしてチグサだが……いや、本当になんでいるんだ……?
グレイとウルシは聞いていないと驚いていたし、アサギも「チグサ殿!?」と声を上げていたので、どうやらアサギにすら伝えずにチグサ単独でこの場にやって来たようである。
なぜここに? と聞いてみると、チグサは突然のお邪魔と事前の連絡をしていなかったことを謝罪しつつ、ここに来た理由は二つあると教えてくれた。
一つは同僚のアサギがボンバーチームに参戦することを聞いて付き添いに来たのと、もう一つは指導役であるユキトに話があるというのが二つ目の理由である。
「アサギのために…!」とチグサに感激するアサギと、他の人が良いならそれならまあ、と一応正当な理由に納得して共に行動することに可もなく不可もなくな様子のグレイ。
「こんにちわ、転校生のチグサさん。警察の仕事は大丈夫なの?」
「あら、同じクラスのウルシさん。仕事なら大丈夫わよ、うちって優秀揃いだから。アサギちゃんが最強可愛いおかげで!」
ウルシは少し警戒しながらもと明るい口調は変わらず、しかし少し探るような言い方で挨拶をした。それに対しチグサは軽く受け流し、わよわよとアサギを撫でていた。
「チグサさん。俺に話ってのは……?」
「呼び捨てでいいわよ、ユキトさん。私の用事については、最後でお願いします。流石にこの娘達を優先して欲しいですわよ」
「それならアサギも呼び捨てで構わないであります、上官殿!」
制服姿で薄々勘付いていたが、チグサもう転入してんの!? といつの間にか終わっていた原作イベントに心中驚きつつも聞いてみるも、最後でいいとチグサはアポイントなしで来たことに少し申し訳なさそうにしている。そしてアサギが便乗して一緒に呼び捨てで構わないと伝えてくれた。
この様子からしてそこまで優先度が高いわけではなく、単に指導役の俺がどんな奴か見に来たという感じだろうか? ……アサギ大好きなチグサのことだからありえるな。指導役が男なわけだし。
このままチグサにもスカウトの声かけをしようと考えていたが、少し様子を見た方が良いだろう。
ともかくそういうことならと納得し他の3人に同行させても良いか確認すると、アサギは問題なしと即答。グレイは「ウルシさんが良いなら…」と気遣い、ウルシは「……まあ、僕は別に構わないよ」と澄ました顔で同行を許可していた。
そんなこんなでチグサ同伴でアサギとの面談が終了し、そのまま我々はゲーセンへと移動していた。
「イヨリンよ。今日はワシの天井ガチャを見ていくか!!」
「上等上等!!
入店と同時に、なんか騒がしかった。あっちは……麻雀ゲームのコーナーかな……?
「終わりだ――――」とかでなんか盛り上がっている様子に、念のためにとチグサが「ちょっと見てくるわよ。先に遊んでて頂戴」とオフの日とはいえ警察として早々にそちらの方へと向かっていった。
ボンバーマンガを知っている身としてはなんか……想像していたより冷静というか、常識的というか。バカにしているとかではなく、もうちょっとわよわよと騒がしいイメージが個人的にはあった。なんだかんだ警察幹部という立場だ。マンガ同様アサギ大好きムーブはあれど、礼節ある今の姿が普段のチグサなのだろう。
「チグサ殿は警察幹部の中でもアサギ達のまとめ役をしてくれている方で、その慧眼は本物であります。チグサ殿なら任せても問題ないであります! ……アサギはチグサ殿ほどの智計を巡らせる才を持っておりませんので、不甲斐ないばかりであります……」
「警察のお仕事大変だと思うし、立派に幹部やっているアサギは立派だと思うけどね。向き不向きはあるだろうけど、俺は素直に凄いと思う」
いやほんとに。実際年齢的に考えたら本当にすごいだろう。ボンバー警察の昇格条件や基準はわからないが。
オフの日とはいえ仕事を任せてしまったような気分で少し落ち込むアサギに、適材適所やぞと俺は励ました。それからツインビー遊ぼうぜと声をかけ、アサギも「…うむ。そうでありますな!」と持ち直してくれた。
「よし、それじゃ早速2人に色々教えてもらって……って、2人ともどうしたの?」
「えっと、あそこにエメラさん達が……」
俺は前世ではボンガしか遊んだことがなく、アサギもあまりこういった場所に縁がない。どのようなゲームがあるかわからないので、詳しいグレイとウルシに聞こうとしたのだが……2人ともほへーと驚いた表情で同じ方向を見ており、声をかけながらそちらの方に視線を向けると……。
「おや、そこにおられるのはご主人様一行ではありませんか」
「あっ、マスター! 先日ぶりですね!」
そこにはなんと、『武装神姫バトルコンダクター、絶賛稼働中!』と書かれた大きな看板を持ったエメラとツガルがおり、こちらに気付いて声を掛けに来てくれた。
「エメラとツガルさん、こんにちわ。その看板は……」
「こんにちわです! このお店にも私達武装神姫の筐体を置かせてもらうことになって、その宣伝をしているんです!」
「武装神姫ではなくただのパーフェクトメイドでございますが、同じメカとして親友のツガル様のお手伝いをしておりました」
持ち前の明るさでツガルが説明し、エメラが補足するのだが……心なしか、なんだか少し不機嫌そうにしているように感じた。どうしたのだろうか? 俺は気になって聞いてみると、エメラの代わりにツガルが説明してくれた。
それは交流バトル後の、ボンバー事務所と573ファクトリーとの食事会をした時のこと。なんでもエメラがツガルの手伝いをすると話を聞いたパインが、自作していた人型メカをお手伝いで派遣すると提案したのだ。
その時のツガルとエメラは特に気にせず、善意で提案してくれたパインの親切を受け入れたのだが……。
「それが、この……メカエメラとメカパイン……ってこと?」
「ジンルイ、ユウヨウ」
「ジンルイ、ユウヨウニャ」
「出番じゃねえよ」
色々何してんだこの野郎、と宣伝の巡回中から帰ってきたメタリックカラー肌の人型ロボ――メカエメラとメカパインに、メカとロボというアイデンティティというかお株を奪れた気がしたエメラがここにはいないパインに静かにキレていた。
先ほども言ったように、IQ100臆の天才パインが、原作マンガ同様エメラが二足の草鞋で大変にならないように作り上げた2体のメカ。そういえばマンガでもバトコンの宣伝回で初登場したな、と前世の記憶を思い出して、ほへーとなりながら俺は2体のメカを見ていた。
マンガの方では初登場から速攻で自我が芽生え、「ジンルイ、フヨウ!」と人類に反逆し攻撃を仕掛ける即落ち2コマなオチであったが……この様子から見るに、今はまだ自我が芽生えていない状態だろうか?
グレイ、ウルシ、アサギの3人は「メカだー!」と目を輝かせており、その様子がさらにエメラの怒りの火に油を注ぎ、そんなエメラの状態をツガルはあわわと慌てて顔を青くしていた。
ちょっとエメラを落ち着かせた方がいいな……パインも悪気があったわけでもなく、エメラのためにと善意で作ったわけだし。そう思い、エメラに声を掛けようとしたその時だった。
「お、落ち着いてほしいのん~!!」
大音量が流れるゲームセンターの店内であるが、焦りと困惑で嘆く叫びが聞こえた気がした。
俺は反射的に声がした方に向いてしまうと、そこには4体(台?)の筐体に囲まれた物体とも言える存在が、そこにはいた。
――――突然だが。カードコネクトというものを知っているだろうか?
簡単に説明すると、
俺自身、ボンガのカードが欲しくて何度もガチャを引いたし、中々目当てのカードが当たらなくて爆死したりもした思い出があるのだが……それは今は関係ないな。ともかくなんで急にこの説明をするのかというと、現在囲まれているのがその公式マスコットキャラであるからだ。
『C』のアルファベット文字の形をした黄色い触覚。ツヤツヤとした銀色の長方形のカードのボディ。そして棒切れにしか見えない短い手足。
素敵なカードになるために、過酷な道のりも突き進む。立派なカードになることを夢見るカードの妖精――――コネクトンが、筐体に囲まれた中、半べそをかいている姿がそこにはあった。
・ボンバーマンガと本作のボンバーバトルの見解について。
自虐ネタではあるがマンガの方ではアサギがキケンな娯楽と言っていたり、パインがやるメリットがないと言ったりしている。本作ではそんなあつくないしぬげないし、やるメリットはあるので基本ポジティブに捉えられている。
・中学生(?)ガール。
チグサは高校生だとボンバーマンガでハナが情報を明かしていた。その後チグサに年齢ネタで煽られ、ハナは激怒した。
・カードコネクト研究所。
現在ユキト達がいるゲームセンターの名前。調べても設定があまり見つからなかったので、本作ではコナミアーケードゲームを主に取り扱う専門のゲーセンとなっている。
・コネクトン。
ミニゲームでジャンプしたり、タワーを築いたりするので手足の説明が『短いけど屈強』というシンプル過ぎる公式設定がある。この設定大好き。
・4体(台?)の筐体。
一応マンガの方でも登場しているけど、ほぼオリキャラになる。
本作ではちゃんとロボ宇宙人で、コネクトンが狂っているわけじゃないよ!
それと更新についてなのですが、週一不定期更新でしたが自分の執筆速度を考えて週一または週二の不定期更新にしようと思います。でもできるだけ週一更新を守る気持ちで行くつもりです。