ボンバーバトル黎明期のボンガ世界に転生しました。   作:ハニボン

40 / 54
ボンバーガール投票選挙も最終日……イベントに参加したみなさん、本当にお疲れ様でした。

なんだかんだ自分はやっぱりシロに特化して投票し続けましたが……なんかの奇跡で7位以内までに滑り込んでほしいなあ。今はもう祈るばかり……。

今回はバトル開始前の導入回……になると思います。よろしくお願いします。


『闘え! ダダンダーン』は名曲だと思う

 かつて世界征服を目論む宇宙の極悪軍団・ハッピードロッパーズは世界各地に六つの卵を放ち、ボム地球を窮地に陥らせていた。

 

 六つの卵から誕生した邪悪なる六体の怪物が世界中に出現し、その地域一帯を支配する恐ろしき事件が発生していたのだ。

 

 悪の手から地球を救うため、東曄堂所属の科学者・茶屋町博士は特殊な力を持つ三人の戦士を集め――究極戦隊ダダンダーンを結成した。

 

 究極戦隊ダダンダーンは六体の怪物を撃退し、諸悪の根源であるハッピードロッパーズの壊滅に成功。彼らの活躍によって、ボム地球に平和が訪れたのであった。

 

 それからのダダンダーンはTAFの魂斗羅と連携してボム地球内・外問わず地球の平和を守るため、今もなお活動を続けている。しかし世代は代わりかつてダダンダーンの一員であった小鉄、アン、イーグルの三人は引退しており、今はその娘達であるテッカ、アンナ、鷹子が意思を継いで究極戦隊ダダンダーンの新生となっていた。

 

 しかし、新生したのはダダンダーンだけではない。究極の戦士たちの宿敵であるハッピードロッパーズもまた、完全敗北したあの頃から雌伏の時を過ごし――親の意思を継いだその娘達が、大復活を実現させていた。

 

 その名も――――ネオ・ハッピードロッパーズ!

 

「ハッピー様。狙い通り、ダダンダーンはこのボンバーストリートに向かってるアル」

 

 独特な語尾で話すのは、黄色いフチのメガネとドクロの髪飾りに、シニヨンの茶髪が特徴の青いコスチュームを着た少女。天才科学者中国娘のミス・ターチン!

 

「ハッピー様~下の方もなんか盛り上がってるぞ~! 美味しいお店もいっぱい出てる! ハッピー様、一緒に食べに行こ~!」

 

 この場で1番の最年少で、ドクロの帽子を被り野獣の毛皮で作ったような野生児なコスチュームの少女が騒ぐ。

 

 あまり手入れはしていないのか、奔放さと野性的な気配を際立たせているぼさぼさと乱れた長い緑髪が特徴の少女は、ネオ・ハッピードロッパーズの怪力担当――ガルガル!

 

「あとになさい、ガルガル。今盛り上がっているのはかつてお母さま達が生み出した六体の怪物……偉大なる先輩たちがストリートバトルに参戦しているだけ。これは彼らにとって、ただの準備運動ですわ。……ダダンダーンが現れたその時こそが、本番なのですから」

 

 最後に語るのは、赤紫の長髪をした少女。

 

 目元を覆う小さな仮面。胸元にはドクロの首飾りに、身体のラインを容赦なく際立たせるコスチュームは先代リーダーである母の意思を継いだ証。彼女こそネオ・ハッピードロッパーズの現リーダー……ハッピー2世!

 

 宇宙の平和を乱すため、望まれてもいないのにハッピードロッパーズ大復活を成し遂げたドタバタ3人組が今、浮遊戦艦ドデスカデンに乗ってボンバーストリート上空にやってきていた!

 

「のこのこ現れたダダンダーンを偉大な先輩たちが囲んで叩いたところを追撃する……私のカンペキな戦略なら、ダダンダーンなど簡単に戦闘不能にできるアル。我々はこのまま上空で待機しているだけで、容易くボンバーストリート占領を達成できるというわけでアル!」

 

「ええ、ターチン。あなたが珍さんから教えを受け、磨き上げた頭脳で練られた今回の作戦……大いに期待しておりますわ」

 

 ターチンが改めて作戦の内容を振り返り、ハッピーは肯定してターチンの計画に期待を寄せていた。

 

 今ターチンが言ったように、ネオ・ハッピードロッパーズがこの場にいるのは、究極戦隊ダダンダーンを誘い込み、倒すこと。そのためにかつて先代のダダンダーンと戦った六体の怪物たちにお願いし、このボンバーストリートへと集結していたのだ。

 

 ダダンダーンを戦闘不能にすることさえできれば、そのままボンバーストリートを占領し、ストリートを起点として地元であるボムタウンを支配するという恐ろしい計画をネオ・ハッピードロッパーズは企んでいた。

 

 おーほっほっほ! くっくっくっ! と怪しく笑うハッピーとターチン。その2人に釣られてガルガルもわははー! と無邪気に笑っていた。見た目相応の子供らしさを感じる天真爛漫さであったが、ふと、ガルガルは地上観測用の望遠鏡を覗き込んでみた。

 

 計画通りならばそこに見える景色は……地獄。六体の怪物たちがかつての戦闘の勘を取り戻すために問答無用のストリートバトルを住民たちに仕掛け、その圧倒的力量と堂々たる恐怖の姿でその場の者たちを畏怖させて制圧し、ダダンダーンのための人質を確保している筈だった。

 

 だが地上を覗き見たガルガルの目に映っていたものは――――恐怖とは程遠い、真逆の光景であった。

 

「ハッピー様~。先輩たちみんなやられちゃってるぞ~?」

 

「……へ?」

 

          ●~*

 

 かくして、ユキトのボム地球初のストリートボンバーバトルは開始されたわけだ。

 

 対戦相手はここらの一般ヤンキーボンバーや動物系の宇宙人などから始まり、ストリートパフォーマーやセレクトショップの店員ガール、自家栽培した野菜を売っている野菜売りの少女など様々な人種が勝負を挑んできた。

 

 オリーヴはもちろん、オレンとエメラも自分達の指導役のバトルを見るのは初めてなので、どんなものかと期待してバトルを観戦し……目の当たりしたその実力に3人とも関心し、バトルしているユキトの姿に魅入っていた。

 

 ユキトの戦い方はスキルを活用してボムの爆発連鎖で相手に攻撃するというもので、ボムの起爆時間や動く相手に当てることを考えるとそのタイミングはかなりシビアであり、下手な射撃よりも難しいと言えるものである。

 

 しかしユキトはそれを難なく行って攻撃を成功させて、向かってくるライバルたちを返り討ちにしていた。

 

 近づいてくるアタッカーの相手にはボムで壁を作りつつ、回り込もうとした相手の先を読んで射出(インパクト)ボムを命中させる。

 

 遠くから撃ってくるシューター相手にはブーメランボムを予め投げて、相手の動きを読みつつ射撃を回避し、ブーメランボムが背後に旋回したタイミングでインパクトボムを射出して挟み撃ちの形で爆風を当てることに成功していた。

 

 強い、というよりは上手だと思わせるような戦い方だと観戦していた者は思っただろう。関心しながらも連勝するユキトの活躍に3人は沸き立たないわけがなく、応援の声にも当然熱が入るものであった。

 

 それは3人だけではなく、どんなもんかと実力を疑っていたストリート住民や対戦している相手も同様だ。巧みにボムを連鎖を決める瞬間にはおおっ、と観客席から声が上がり、次に挑戦しようとしている者もバトルを見て、どう攻略しようかと目を光らせていた。

 

 次に現れたのはスライムの怪人や鎧を着たケンタウロス、巨大モアイや青肌ザンバラ髪の鬼、赤と白と青に変色をし続けるゲーミングドラゴンや眼球がついた巨大な脳みそと触手の怪物など……多種多様な人外たちがユキトへとバトルを挑んできた。

 

 先ほどまでのストリートの人々と違い、只者ではない雰囲気と邪悪な存在感にオレンとオリーヴは警戒したが……少し時間はかかったが、危なげなくユキトは彼らに勝利してみせた。

 

「オレン、うちらのマスぴっぴってもしかしてすごいボンバーマンだったりする? ヨユーの連戦連勝じゃん!」

 

「ああ……俺も相棒が戦うとこ見るの、ここでのバトルが初めてだからあんま詳しくねんだけどさ……すげえな。シロやアクアに聞いてた通り、戦い方が上手(うめ)ぇ」

 

 アタッカーとしてボムであまり戦わないオレンでさえも、綺麗にボムの連鎖を決め続けるユキトの凄さと敵の動きを先読みしたボム配置には、たしかな実力があるのだと納得できるものがあった。

 

 そしてオリーヴが言ったように余裕があるように感じられたのは、ユキトの現在の様子と状態を見てそう判断したからである。

 

「うーん……今の攻撃をされたらこっちに動いて……このタイミングでボムを飛ばして……」

 

 軽く汗をかいてはいるが呼吸は整っており、オレンたちの声援や観客の歓声をその身に受けながらも当の本人は集中状態なのか、ぶつぶつと呟きながら自分のバトルを振り返ってプレイ分析をしていた。

 

「ご主人様の実力、皆様にご理解頂けたところで……そろそろワタシたちも参戦と行きませんか?」

 

 ユキトの活躍にエメラは無感情ロボ特有のドヤ顔をしながらも、本来の目的であるバトルにそろそろ参戦しようと提案する。

 

 ユキトのバトルに魅入って忘れていたオレンとオリーヴも思い出し、さっそくエントリーしようと動こうとしたその時――――背後から声を掛けられた。

 

「――――ごめん。オレン、オリーヴ。アタシに先にやらせてくんない?」

 

         ●~*

 

「まあまあ……かな?」

 

 一般的なボンバトをやっていたとはいえ、ストリートのバトルは久しぶりだったから勘が鈍ってないか不安であったが……どうやら杞憂だったようで少し安心した。

 

 最近はチームで行うボンバト練習とは別に、アクア城でシロとの個別特訓をしているのだが……アクアが俺が鈍らないようにと、旧ルールのバトル練習を共に練習してくれていたおかげか、ストリートとはいえ身内以外の久々なバトルでもうまく勝利を掴むことができていた。

 

 しかしやってみてわかったが、反省点がいくつもあると俺はバトルを終えるたびに振り返り感じていた。

 

 特に感じた瞬間はやはりさっきのスライムとかケンタウロスなどのファンタジー宇宙人とのバトルの時だろう。突然乱入してきた6人? とのバトルは中々癖があるもので、もう少し上手く動けたんじゃないかと思う場面が多々あった。

 

 本場のボンバトとストリートのバトルはほとんど違うものではあるかもしれないが……それでも、ボンバーバトルである。もしこれがボムの攻撃だったらと脳内でシミュレーションすると、被弾している姿が想像できる。

 

 俺もまだまだだな……と自己を省みていると、どうやら次の挑戦者が現れたようなので俺は顔を上げて挨拶をしようと……!?

 

「次はアタシとやろうよ。ナイトボンバー」

 

 そこにいたのは赤髪の少女――――もとい、アタッカーのボンバーガール・テッカが赤いジャンパーを脱ぎ捨て、ダダンダーンのコスチューム姿となって俺にバトルを挑んできていた。

 

 ……ナイトボンバーってなに……?




・ハッピードロッパーズの六体の怪物。
究極戦隊ダダンダーンにおけるボスキャラクターたち。本当はちゃんとバトルシーンを書こうと思ったが流石にグダるのでナレ死した。サブキャラを書きたい気持ちはあるけど、やはりメインのガール達を優先的に書きたいのでしょうがない。心が命じたことには誰も逆らえないのだ。

・ハッピー様についての余談。
多分そんなキャラじゃないと思うのに、書いていると心の中のアル社長が出てきて名言である「な、なんですってー!?」を言わせたくなってしまう。なんでやろ?

・インパクトボム。
「射出ボムも悪いわけではありませんが、インパクトボムの方が格好がつくのではなくて?」とアクアから射出ボムの改名を提案され、シンプルで良い名前だったので即採用した。わりとそのままな名前だが、ユキトはかなり気に入っている。


次回はナイトボンバーについてなどの会話とテッカとのボンバト回になります。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。