ボンバーバトル黎明期のボンガ世界に転生しました。   作:ハニボン

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ボンバーガール投票選抜戦、ウルシ1位! おめでとうございます! 全国のウルシのダンナ達もおめでとう!

それとセピア、シルヴァ、ヒイロのカウカウガールズのコスチュームが手に入るイベントも開始! 投票イベントから続いて大変かもしれないけど、自分のペースでゆっくりプレイしていきましょう!

それと今回はバトル前の会話回で、次回ボンバトになります。中々予告通り実行できず予告詐欺になってしまっている非力な私を許してくれ……。


その鉄火は期待する

 ずっと先頭を独り走り続けていた。

 

 究極戦隊ダダンダーンのリーダーとして。ある時は打弾団の総長として。学校では不良少女であったためそういったテッペンは取っていなかったが、結局他の女生徒に薦められてレディースをまとめているので、学生グループという意味でも先頭に立っていることには変わりなかった。

 

 思うところはない。自分で決めたことだとテッカは思っていた。

 

 だが心の中は……なんて言っていいかわからないが、変な感情が隙間に引っかかっていて、常にどことなくすっきりしない気分になっていた。

 

 一体それがなんなのか、何度自問してもテッカにはわからない。さりとて誰かに相談するほどのものではないと思い、うじうじ悩むのもらしくないとテッカは身体を動かすことにした。

 

 打弾団での暴走を筆頭に、ルールを守らず非行する輩や正義を盾にして弱者をいびる者など……気に食わない奴は鉄拳制裁を下すなど、不良街道まっしぐらを突き進んだ。

 

 そんなことをしているとボンバーストリートなる場所と特殊なボンバトをしているという、裏バトルの存在を自然と知るようになった。

 

 面白いと思ったテッカはストリートバトルに参戦するようになり、そこで様々な者たちと対戦した。

 

 曲者から強者まで幅広い種類のプレイヤーとバトルした。ボムスーツのおかげで怪我をすることはないので、立場関係なく自由なスタイルで誰でも真剣(マジ)に戦えるストリートボンバーバトルをテッカは楽しんでいた。

 

 しかしその楽しい時間は長くは続かず、テッカは連勝無敗の記録を積み上げ、一番強い者の証明であるストリートクイーンの称号を手にしてしまったのだ。

 

 唯一緊張感のあるバトルができたオレンとオリーヴがいたが、元より2人はストリートバトルは積極的ではなく、任務や用事などで本当にたまにしかボンバーストリートには来訪しない。そのため敵なしのテッカがクイーンとなるのにそう時間はかからず、いつの間にか裏バトルのテッペンを取っていたわけだ。

 

 ストリークイーンになったとはいえ、権力者になったわけではないので挑み挑まれの関係は変わらない。テッカが来訪すれば場は盛り上がれば、逆に賭けが成立しないと疎ましく思う者もいる。純粋にバトルを楽しむプレイヤーからはすぐにバトルするか聞かれるのだが……テッカは、バトルする気分ではなくなっていた。

 

 それは()()先頭を独りで走っていると思ってしまったから。

 

 ダダンダーンのリーダー。打弾団の総長。そして今度は――ストリートクイーン。

 

 三度目のテッペンに立ったことで、テッカはようやく自分の心の隙間にある感情が――心細さであることに気付いた。

 

 人から頼られたり恐がられたりとかされて、きっと自分はこの先ずっと先頭を独りで走っていく。そう思うとテッカはほんの少しだけ、胸が締め付けられる感覚がした。

 

 誰か、仲間に相談してみるか? そう思ったが――やめた。自分でみんなを引っ張ると決めたのに、今さら自分の弱さを仲間たちに見せることなんかできなかった。

 

 この気持ちはきっと、心の中にそっと仕舞っておくべきだ。そう思ってテッカは気持ちを切り替えようとしたが……やはり、ふと考えてしまう。

 

 自分の隣に並び立ってくれる――そんな存在を。

 

「……ナイトボンバー?」

 

「そうですわ~最近各惑星のボンバーストリートで最近噂になっている殿方らしいですわ~」

 

 そんな気持ちを抱えていたある日のこと、ストリートによく入り浸っている打弾団の団員ガールが、とある噂を聞いたことをテッカに話していた。

 

 それは他の惑星にあるボンバーストリートの裏バトルに、ボムだけで戦うというこちらの界隈じゃ珍しいボンバーマンの存在であった。

 

 その名はナイトボンバー。夜中の時間帯に現れバトルに参戦してくるということでその名で呼ばれるようになった、ある意味都市伝説と言えなくもない存在である。

 

 射撃や爆風を防ぐ手段がある裏バトルでは、ちゃんとボムで戦おうとするやつはいない。どちらかと言えば強さよりも物珍しさで噂が広まっているように感じるので、本当のところどうなのかはわからないのだが……逆に言えば噂になるほどの信憑性はあると言えるし、事実ならばそれだけ実力のあるプレイヤーだという証明でもある。

 

 もし……それが本当ならば。実力があり、強者であるのならば。もし自分と並んでくれるような存在であるのならば――――。

 

「こっちにも……来ないかな?」

 

 いつしかテッカはかの存在の来訪を待ち焦がれるようになった。このボム地球(ホシ)の裏バトルに参戦してくれたら、テッカは是非ともバトルしてみたいと夢想していた。

 

 しかしストリートボンバーバトルは公式バトルと違い、水物だ。飽きたり、仕事の都合でストリートに通わなくなったというのはざらである。ナイトボンバーの最後の出現情報から1年が経てば、もう裏バトルには参戦しないものだと諦めていた。

 

 だが、妹のアンナから現在行われている裏バトルの情報を聞いて、テッカはすぐさまストリートへとバイクを走らせていた。

 

 ストリートに到着するとバトルは始まっており、初めて見る顔の青年がストリート住民たちと対戦している姿があった。流石に噂だけなのでナイトボンバー本人かはわからないので、とりあえず様子見でバトルを観戦することにして――いつの間にか、そのバトルに夢中になっていた。

 

「本当に……ボムで戦ってる」

 

 特殊ボムやスキルを駆使し、巧みにボムを飛ばして的確に爆風を当てていく。戦況を先読みした立ち回りと落ち着いた様子で連勝を重ねていく青年に、テッカは考えるよりも先にオレン達に一言かけてから、青年へとバトルを申し込んでいた。

 

 もしかしたら彼ならば……そんなひっとりとした期待を、テッカは抱いていた。

 

 そしてその期待はこれから行われるバトルで、ようやく叶うこととなる。

 

          ●~*

 

 うおおおテッカだ! 生テッカ!!! うひょー!!

 

 次に挑戦してきたのは、まさかのボンバーガール! 見た目こそ平静を装っているが内心俺はテンション爆上げになっていた。なのだが……。

 

「ナイトボンバー……?」

 

 初耳の名で声をかけてきたテッカに、俺は首を傾げていた。人違いでは……?

 

「モリモリスターやブクブクスター……いろんな惑星のストリートバトルで噂になってたボンバーマンのこと。夜中の時間帯にしか現れないから、ナイトボンバーって呼ばれてるみたいだけど……それって君のことでしょ?」

 

「あー……たしかに今聞いた惑星のストリートバトルには参戦したことあるけど……俺、そんな名前付けられてたの……?」

 

 テッカの説明と行ったことのある惑星の名を聞いて、人違いではないことを理解する。そうだった、たしか当時はシン師匠が寝ている間に抜け出してストリートのボンバトにエントリーしてたんだった。

 

 てか、いいんすか? 俺なんかがナイトボンバーなんてかっちょいい二つ名貰っちゃって。なんか公式キャラでちゃんと居そうな気がする名前で畏れ多いんですけど……。

 

「……知らなかったの? けっこー前だし一瞬だけだったけど、ストリート界隈じゃ噂になってたよ。ちゃんとボンバーマンしてるやつがいるって」

 

 把握しているものだと思っていたのか、テッカは意外そうにこちらを見ていた。

 

 まあたしかに、スマブラデスマッチで近接縛りのボンバーマンスタイルは珍しいか。……めっちゃスキル頼りだから、ボンバーマンできてるかと言われると甚だ疑問だが。

 

「本当に今の話で初めて知ったけど……過大評価だよ。あの頃だって抜きん出て勝率が良かったわけじゃないし、勝ち負けもトントンで五分五分だった。俺はテッカさんが期待するほどの実力者じゃないよ?」

 

「それこそ過小評価だよ。さっきまでバトル見てたけど、連勝じゃん。君が強くないなんて、アタシ含めてバトル見てたやつ全員思っちゃいない。それに……周りも見なよ。みんなアタシらに期待してる」

 

 テッカに促されて、俺はマップ外の観客席の方に目を向ける。ずっとバトルに集中していて気にしていなかったが……ちゃんと見て意識したことで、ようやくストリート内を包む熱気に俺は気付いた。

 

真実(マジ)かよ……!? クイーンが……!! クイーンが!!!」

 

幻想(ユメ)じゃねえよな……!?」

 

「還ってくる……俺達の黄金時代(オウゴン)が還って来る!!」

 

「すぐ帰国する……ッ!」

 

「いや帰んなや」

 

 ……ちょっと大袈裟過ぎる気もするが、テッカの登場で最高潮の盛り上がりを見せる者たち。

 

「さあ、ストリートクイーンとナイトボンバー? のバトルだ! はったはった! 今なら倍プッシュ受け付けるぜ!」

 

「どっちに賭けるよ? 俺はもちろんクイーンに賭けるぜ!」

 

「俺もクイーンに……って言いたいけど、みんなクイーンに賭けるならワンチャン大穴狙いでナイトボンバーにすっかなあ。勝てば大金だし」

 

「クイーン派もナイト派もどっちもバカだな。両方同じ賭け金で賭ければ負けねえじゃん?」

 

「……永久機関の完成じゃねえか! ノーベル賞かよてめえわよぉ!!!」

 

 賭けを始める者や、どちらに賭けるか迷う者たち。

 

「相棒! テッカ! 熱いバトル期待してるぜー!」

 

「二人ともがんばれー! ボンバトってズッ友揚げうどんセット決めるっしょ!!」

 

「ご主人様。エメラが応援します。ファイトです」

 

 オレン、オリーブ、エメラの三人が盛り上がっている他の者たちに負けじと声を張り上げ、俺たちに応援を飛ばしてくれていた。

 

 今、この場は熱気と期待感が渦巻く熱量で包まれていた。……バトルに集中していたとはいえこんな状況になっているとは思わなかったので、俺は驚きでついていけてない感じになっていた。えっ、なんでこんな盛り上がってるん……? あと今更だけど、クイーンってテッカのことか……?

 

「御託はここまでにして、そろそろバトろうよ。君もまさか女の誘いを断るような、腰抜けボンバーマンじゃないでしょ?」

 

 テッカはわかりやすい挑発でもう一度バトルを誘ってきた。元より断る理由もなければ、俺はバトルならば基本受ける一択なのにわざわざ挑発してくるとは……わかってるじゃないか。ボンバーバトルにおいて、その挑発は効果抜群だってことが……!

 

「いいよ、テッカさん。やろっか、ボンバーバトル」

 

「さん付けはやめて。ここじゃ立場なんて関係ない。アタシのことはテッカでいいよ。アタシも君のこと……って、名前まだ聞いてなかったね。教えてくんない?」

 

 あっそっか。お互い知ってる感じで会話してたけど、まだ自己紹介すらしてなかった。

 

「ユキト。砂色ユキトが、俺の名前だよ」

 

「……ん。ユキトだね。覚えた」

 

 名を伝え、これでお互いの存在を正しく認知できた。改めて……。

 

「――――その挑戦、受けて立つよ。テッカ!」

 

「いいね。……熱くなってきた」




・ナイトボンバー
修行時代、ボンガに飢えていたユキトが実質ボンガでバトロワできると聞いて無断で抜け出して夜な夜なストリートバトルに参戦していた。戦績も良い方で目立ったため、ストリート住民からナイトボンバーと呼ばれるようになった。
どこかのシリーズでいそうなキャラの名前だと思って調べたが、調べた限りでは見つけられなかったのでこの名前で採用した。もしいたら同名の別人ってことで…。

・モリモリスターとブクブクスター
スーパーファミコンの『スーパーボンバーマン3』の惑星ステージ。ゲームステージゆえ文明社会など築かれているかは不明であるが、本作ではちゃんと築かれている設定で書いている。
なんかそれっぽい名前の惑星ないかな? でボンバーマンシリーズ調べて選抜した。


これいつか言おうと思ったんですけど、最初の頃とか最近の感想にある「この小説でボンガ知って始めた」とか「ボンガ再開した」などの感想がこの小説を書いていて1番嬉しかったりします。やっぱり好きなものを好きになってくれるのは嬉しいですね…。
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