ボンバーバトル黎明期のボンガ世界に転生しました。 作:ハニボン
とハナコ推しで宣伝考えてたらボンガの方でまさかの麻雀ファイトガールからも新ガールとっかえっこ参戦告知がされましたね!?
イヨ来いイヨ来いイヨ来いイヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨ……(テンシ推し)
ってなってたけど、なんかXの反応見てると丁度マンガの矢印がダイアとシロエさんのとこ向いててママ交換の考察ちょっぴりあるの見てありそう! ってなったりして感情が忙しくなりましたね。
公式が12月3日17時になんかコラボありそうな重大告知を控えてるし、年末まで楽しみがいっぱいですね……!
メロンの話をするのなら大元となる存在……宇宙の平和を司る女神、プリンセス・メローラの存在を無視して語ることはできないだろう。
以前573ファクトリーの自己紹介でパステルの解説をした時、その中で惑星メルの女王メローラという人物名を出したのを覚えているだろうか?
まず最初に勘違いさせないよう改めて説明させてもらうと、メローラは女王とは言ったが人間ではない。その正体は惑星メルの人々が平和を願う善良な意思の集合体であり、惑星メルの守護神なのである。
全ての惑星は彼女の働きにより、平等に守られている。しかし地球のことをちょっぴりひいきしているメローラは自らの思念を一部分裂させ、それに意思を与え、守護女神としてボム地球に遣わせたのだ。
それがボンバーガール・メロン。か弱いくせに懸命に生きている人類が好きで、ライブ会場や満員電車できゃわいい人類まみれになるのが趣味にしているほどの人類大好きを公言している銀河系女神……否、本物の銀河の女神様である。
ジョーカーを除けばプリボム最後のメンバーであり、実を言うとこうして直接会うのは初めてだったりする。
それもその筈、今日がメロンのデビューライブであるからだ。
公式チャンネルの動画やCMなどでメディア露出こそしているが、アイドルの戦場であるライブのオンステージにはいまだ立ててはいなかったが……それも今日のライブイベントでようやく解禁。フルメンバーのプリボムとメロンの歌って踊れる姿が拝めるということで、会場にはいつもよりも多くのプリボムファンたちが集まっていることだろう。
ともかく、ようやくメロンに出会えると密かにワクワクしていたのだが……。
「下民ちゃ〜ん! 本当に下民ちゃんですの〜!」
感激に震えているメロンは、握っていた俺の手をそっと放すと、そのまま腕を俺の首の後ろへ回し、気持ちを抑えきれないとばかりに抱きしめてきたのだ。
…………………………。
!?!?!?!?!?
「め、メロむぐ……!」
初めましてで俺はメロンに抱かれていた。
挨拶的なハグならばそういうものだと思うのだが、メロンの身長差と座敷に座っていたために丁度顔が胸の位置にある形で抱きしめられてしまっていたのだ。これはまずいと流石に声を上げて制止しようとしたら……さらに強く抱きしめられて胸の中に埋もれてしまった。
一応小学生の年齢と126㎝の小柄な身長に見合わないくらい立派で、ボリュームのある胸。力強く抱きしめられているというのに、感触はふわりと驚くほど柔らかくて温かい。それと同時に甘さの薄いフルーティな香りがふわりと広がった。
甘いのに重さはなく、爽やかに抜けるその匂いが思考をふっとさらっていく。
現役アイドルにこの状況はまずいとか、この態勢はやばいとか。俺は様々な危機感を覚え……や、やわっけぇ……なにこれぇ……。
抵抗の意思などどっかにいってしまうほどの安心感と安らぎに包まれた俺は、このままメロンに身を委ねて――――。
「ストップストーップ! ちょっとメロン! 一回ご主人から離れなさい!!」
「助手も身を委ねてんじゃねぇーにゃ! おバカ〜!!!」
そんな状況をモモコとパインが許すわけがなく。二人は大慌てで俺とメロンを引き剥がしていた。
「あ~ん」とメロンは残念そうにしながらも大人しく引き剥がされており、俺も離れたメロンを名残惜しそうにただ見……るのを即座にやめて真顔になる。モモコがめちゃくちゃ怖い修羅の顔をしていたからだ。
「………」
――――胸部が豊かな奴ぁ、そんなに偉ぇのか?
……イイエ。人の価値はブラに左右される事はありません。
――――せやろがい。なんでぇ目ぇ合わせねえ? 私のは小さくて見えねえってか? 笑えるなハハハ。お前も笑えよオイ。いつも私達に話す時の嬉しそうな笑顔でよ!!
「モモさん!? いったん! いったん座るにゃモモさん!!!」
言葉はいらない。目と目の一瞬の交差(怖すぎで視線逸らしただけ)で俺とモモコは以心伝心の会話を成し遂げていた。短いながらも培われた、俺とモモコの絆の賜物だな! こんな場面で発揮せんでも……。
流石に今の無抵抗は言い訳ができないので、無言で睨むモモコに何も言えずに俺は無言で反省するしかなかった。パインは隣の人がめっちゃキレてると冷静になるよね現象になっており、なんとか落ち着かせようと試みていた。
騒動の元凶であるメロンは俺達三人のやり取りを微笑ましく見ている。俯いていた視線を一瞬だけ向けると、それにもメロンは気付いてにこっと笑ってこちらに小さく手を振ってくれていた。
……なんか、好感度高くない……? 前世知識ある俺ならともかく、初対面でこれはシロ以上の距離感なんだけど。……俺が自意識過剰なだけかな? もしそうで勘違いなら恥ずいので、深く考えないことにしよう。ていうか今はモモコの方をなんとかしないとやばい……。
「プリボムのみなさ~ん。そろそろリハ始まりますよ~。……どういう状況?」
やべえどうしようと焦っていると呼び出しにきたスタッフさんが訪れ、カオスな状況に驚きつつもプリボムの面々を仕事モードに引っ張ってくれた。た、助かった……!
「下民ちゃん。お話ししたいことがあるので、ライブが終わったあとでちょーっとだけ時間いただきたいですの。よろしいですの?」
「あっうん。今日は差し入れとライブ見る予定しかないから、問題ないよ」
別れ際にメロンにそう聞かれ、俺は思わず答えてしまった。聞こえていたモモコとパインがじとーっとこちらを見ており、起きたばかりで寝ぼけ眼なプルーンだけが「んあ?」と声を漏らしていた。
……うん……この状況は……未来の俺に任せよう!(現実逃避)
●~*
そんなメロンとの約束をしたわけだが、それとは関係なく前世からのオタクファンとしてプリボムのライブはかかさず見るに決まっていた。
スタッフさんにスカウトされ、ボンバー事務所で初めて出会い、その頃はまだモモコとパインだけの小規模ライブであったが……俺は初ライブの頃から一ファンとして推してきたいわば古参である。
いやほんと、ボンガオタクの俺からしたらプリボムのライブを生で見れるなんて最高どころじゃない。幸福の臨界点を超えてると言っても過言じゃなかった。脳が震えたよほんと……。
それにもっと嬉しかったのはプリボムのグッズを買えることだ。前世の頃からオンラインくじや受注生産などのグッズを集めてきた趣味が、この世界でも続けられる。こんなの嬉しくないわけがない……!
そんなわけでモモコ達と別れた後、俺は物販ブースに足を運んでいつものように購入制限ギリギリまで大人買いしようとしたのだが……そこで意外な人物たちと出会った。
「あっ……マスター! こんにちは、です」
「あれれー? おにいちゃん、こんなところでなにしてるの~?」
「こんにちわ〜! 練習バトル以来だね、マスター君!」
なんとブラス、グリムアロエ、パステルの三人とばったり鉢合わせしたのであった。いや、パステルの隣にウインビーもいるので、三人と一機か。
「みんな、こんにちは。俺はプリボムのみんなに差し入れに来てて、そのままライブ見にきたんだけど……珍しい組み合わせだね?」
ブラスはこういった人混みは苦手そうだし、グリアロは付き添いだとしてもパステルも一緒なのは意外であった。同じ573だし別におかしくないのだが、プライベートでもとなるとあんまりな印象である。
「音楽を広めるのに勉強になるかもと、セピアママとパプルお姉ちゃんに今日のチケットを貰いました。ですがお姉ちゃんたちは用事があってこれないらしくて……」
「あたしも一緒に行ってあげることになったんだけど〜。あたしたちだけじゃ悪〜い人に狙われちゃうかもだから、パステルさんに頼んで来てもらったんだ〜♡」
「グリアロちゃんの言うとおり、今日は二人の付き添いで来たけど……最近のアイドル事情も知りたかったから、ちょうどよかったかな!」
なるほど、そういう理由だったか。ブラスの目標のためと、グリアロが保護者として呼んだわけか。パステルは中学生なので保護者というよりお姉ちゃんな感じだが、そもそも自分のチームのリーダーだもんな。頼るのも納得だ。
せっかくこうして会えたのだから一緒に行こう、ということで俺はブラスたちと共に会場まで向かうこととなったのだが……ブラスとグリアロが右と左で俺の手をそれぞれ繋いで、自然と並んで歩く形となっていた。
「マスターが迷子にならないように、ブラスがちゃんと手を繋いでいきます」
「え? 迷子側なの俺?」
「あは♡ おにいちゃん、ブラスちゃんにもザコザコ判定されてる~♡ あたしもちゃぁんとおててにぎにぎしてあげまちゅからね~?♡」
「わお! マスター君、モテモテだね~!」
ふんす! とブラスが頼もしい表情で言い、グリアロがそれに乗っかっていつもの煽りをしてきた。それを見ていたパステルが「このこの~!」と軽快な笑みで俺を揶揄っていた。
多少の恥ずかしさはあるが、推し達と手を繋いで歩けるなんて嬉しさが余裕で勝っているので、喜んで受け入れている……が、とりあえず心の中でだけでも否定させてもらおう。やめろ! ワシはロリコンじゃないぞ!!
そんなくだらないことを考えていると、左のグリアロが唐突に腕を絡ませるように俺に抱き着いてきた。
「そういえばおにいちゃん。最近シロちゃんと秘密の特訓しているって聞いたよ~?」
俺の腕にそっと頭を預けるようにもたれかかり、囁くようにグリアロは俺に聞いてきた。普段ならばどきりとする仕草であるが、それよりもシロが行っている個別の特訓を知っていることに、俺は不意を突かれたように驚いていた。
別に隠していたわけではないが、大っぴらに言うものでもないので知っているのはチーム内だけの筈。なぜそれを? と思わずグリアロの方を見ると彼女は目を細め、にんまりと蠱惑的な笑みを浮かべながら俺が聞く前に先に答えてくれた。
「ボムラインでシロちゃんが教えてくれたんだ♡ 強くなってリベンジしたいんだって♡ 前の練習バトルからあたしのこと、ライバルだって思ってくれてるみたいなんだ~♡」
くすくすと、グリアロは面白おかしく笑う。扇情的な言い回しに聞こえるが、その様子は嬉しそうな感情が見え隠れしている。グリアロがそんな顔をしているのは……俺にはなんとなくわかる。グリアロはきっとシロに期待しているのだ。
ボンガオタクとはいえエスパーではないのでグリアロの心を読めるわけじゃないし、何もかも知っているわけでもない。ボムラインでどんなチャットで話をしていたのかもわからない。……シロのことだから擬音まみれの説明でなんかこう強い! みたいなことしか話してなさそうな気もするが。
グリアロはシロが心折れることなく再挑戦してきてくれることに喜び、そして楽しみにしているんじゃないかと見ていてそう思ったのだ。
個人間で連絡しているというのであれば、仲が悪いわけではないのだろう。というか根明の元気ガールで誰とでも仲良くなれるシロが誰かと険悪になる、というのがそもそも想像できないというものだ。公式ボンバーマンガ? あれはシロじゃなくてツロだから……。
ともかく、俺の妄想じゃなければグリアロはシロの成長を期待している……先ほどグリアロが口にしたライバル関係を認めているのだろう。
ならば俺の答えは決まっている。ただ
「シロは今……うんと強くなっているよ。今度のBBCでそれを見せられると思うから、期待していいよ?」
グリアロの楽しげな笑みに、俺は自信に満ち溢れた微笑みで返す。
俺の目をしっかりと見据えて、表情こそ変わらないものの聞きたいことを聞けて満足といった様子で、グリアロはもう一度にこりと笑った。
「ふ~ん……そっか。お兄ちゃんがそう言うなら今度のバトル、期待しちゃおっかな♡ 期待外れのよわよわだったら罰ゲームだからね~?」
「ちょっとちょっと~? 2人だけで盛り上がらないでよ~!」
俺とグリアロで静かに火花を散らしていると、そこに待ったをかけるようにパステルが話に入ってきた。
「あたしだって573ファクトリーのメンバーなんだからね! グリアロちゃんばっかり気にしてたら、あたしたちに足元すくわれちゃうよ~?」
奇襲のつもりか、「うりうり~!」とパステルは俺の肩を揉んできていた。おいおい可愛いことしやがって……! 惚れてまうやろ! なんてくだらないことを考えながらも、もちろん他のメンバーのことも忘れていない。
「もちろんグリアロちゃんだけじゃないよ。パステルさんも藤崎さんもツガルさんも……573ファクトリーは最高のライバルだって、俺達は思ってる。だからこそBBCでぶつかった時は、全力のバトルで勝たせてもらうよ?」
「ふっふーん! 悪いけど、勝つのはこっちだからね! 負けないよ~!」
「うふふ♡ おにいちゃんたちのイイところ……あたしたちに負けちゃう前に、ちゃぁんと見せてね?♡」
「マスターのチームもグリアロちゃんのチームも、ブラスはどっちも応援します……!」
俺とパステル、グリアロは闘志の火を灯し、そんな俺達をブラスが応援すると表明した。
お互いに好敵手と認め合いながら、俺達はステージのあるホールへと足を運んだのだった。
メロンの好感度高い理由は次々回にて説明する予定。次回はライブ回にする予定です。