ボンバーバトル黎明期のボンガ世界に転生しました。 作:ハニボン
「初めまして、バトル指導役としてコーチをする砂色ユキトと申します。先ほどは見苦しい所を見せてすみませんでした……」
「本当よ」
最初も最初の自己紹介中に4人にサインを求めるという奇行をしてしまい、3人は面白れーやつやな~と見られ、一人にはほんま大丈夫かこいつとジト目で見られてしまっている。おれの第一印象が……。
でもサインはみんな書いてくれて、モモコも「デビュー前だっつーの」と文句を言いながらも書いてくれて良かった。本当にありがたい。……まだアイドルじゃなかったのは驚いたけど。
「さて、自己紹介も済んだところですし、今日のスケジュールをお伝えします。ユキトさん、お願いします」
「あっはい」
スタッフさんに進行させつつパスを渡され、事前に打ち合わせしてたスケジュールを伝える。そのまま言ってくれればいいじゃんと思わなくもないが、これから率先して彼女達を導いていくのだから積極的に前に出て交流していってほしいとのことだ。
「まず今日は午前に体力測定、午後にボンバーバトルの練習試合を予定に組んでいます」
「もうバトルすんの? ちゃんと練習してからだと思ったんだけど」
そう聞いてきたのはモモコ。シロとオレンはやったーバトルだー! と喜んでおり、エメラは無表情ながらもワクワクとした雰囲気をしているのが感じ取れた。
「スタッフさんからは事前に聞いてはいるんだけど、自分を含め今この場にいるみなさんは新バトルの経験が全くと言っていいほどありません。だから今回は主観でバトルがどのようなものなのかを知り、体感してもらうこと。こっちも客観的に見てお互いに感じたこと、思ったことを話しあって情報のすり合わせをするのが目的です」
本当は実戦を積み重ねていくのが一番の練習なんだけど……なんだかそれだけじゃいけないような気がしてならない。何がと言われるとわからないが。それを確かめるためでもある。
「……」
今の説明を聞いていたガール達がポカンと驚いたようにこちらを見ていた。えっ、俺なんか変なこと言ったかな……?
「……意外。ちゃんと考えてたのねあんた」
「マスターすごーい! 今のなんか頭良さそうだった!」
「へえ……まずは戦場の下見からってことか。基本からは大事だもんな!」
「驚きました。ご主人様がしっかりしてます。エメラ感激」
おーおー好き勝手言いなさる。
「会って数分なのに、みんな俺の事どう思っているんですか……」
「「「「サイン求めてくる変な人」」」」
第一印象ぉ!
見事に失敗してるよ! できる男とわからせるつもりだったのに、まさかわからされるとは……恐るべしボンバーガール……! 恐るべしメスガキ……!
「あっあとご主人。礼儀としてはすごく良いんだけど、私達に敬語はいらないわよ? 一応あんた上司で年上なんだし」
荒れた心とは裏腹にしゅんと落ち込んでいると、モモコがそう提案してきた。すると他のガール達も同調する。
「私も私もー! マスターの言いやすい方でいいけど、もっとフレンドリーに話したいな! 敬語だと心のウォール感じちゃう!」
「相棒になるんだから俺も砕けた感じの方が話しやすいな! 多分相棒は敬語使う感じのキャラじゃないと思うし」
「エレガントを目指すご主人様も素敵ですが、ワイルドなご主人様もイケると思います。ばっちこーい」
と言った感じに、思ったより俺に敬語を抜きにして普通に話すことを望まれていた。いやぁ、なんというか……恐れ多いというか。
俺にとっては目の前の彼女達は推しである。憧れとかではなく、偶像とまでは流石にならないが……やはり推しのアイドルのようなもので。今こうして仕事場の関係を持てただけでも奇跡のように思っている。
やはり敬語で行かせてもらおうか。そう思ったが……彼女達が自分に敬語を使わないことを望んでいるのだ。そうなると自分のこれはただの我が儘になるだろう。
それは駄目だ。やっぱり自分よりも推しの幸せを優先しないと。それが一番良いに決まっている。マイネームイズ奴隷!
「……そうだね。みんなの言う通り、今から敬語は抜きで話すようにするね。これからよろしく、みんな」
よろしくー! と俺の言葉に笑顔で答えてくれるガール達。待ってください今の推し達の笑顔はやばいです眩し過ぎる……溶けりゅぅ……。
「はい。それじゃあ話も一段落ついたので、そろそろ移動しましょうか。もう車は事務所の前に着いているので、みなさん用意ができたら車に乗っちゃってくださいねえ~」
今まで静かに見守ってたスタッフさんが声をかけ、みんな返事をして荷物を持って移動していく。溶けている場合じゃないので、俺もすぐに荷物を持って彼女達の後に続いて車へと向かった。
次回はバトル回になるけど、描写的な意味でちょっと更新は時間かかるかも。でもダイジェスト風にする予定なのでそんなにはかからないとは思います。