ボンバーバトル黎明期のボンガ世界に転生しました。 作:ハニボン
それと新キャラ情報が来ましたね! 12月のミツモト先生からのスパン考えるとかなり早いけど、やっぱりゴエモン大集合と合わせた感じなんですかね?
自分はゴエモン遊んだことないから、これを機に触れてみようかな? ボンバーマンコレクションも近いうちに購入して遊びたいですねえ。
よくわからないやつ、というのがモモコが砂色ユキトに対して今も抱いている感想であった。
スタッフさんがボンバトのコーチを見つけてきたということで、初めて顔合わせをした時のことをモモコは思い返す。初対面でいきなりサイン求めてくるやべえやつ、という第一印象で最初心配になったのは当然であった。
まともなのはモモぴゅんだけか……!? とモモコは癖の強いキャラである他のメンバーのこともあり戦慄したが、ユキトの元でボンバトの指導を受けていくうちにその評価は変わっていった。
モモコはブロッカーなので基本的には防衛視点での評価になってしまうが、マップごとによる効率的な築城構成や最初の立ち回りや連携などの基本はもちろん、コの字築城や疑似ボム挟み込みなどの技術はかなり有効的だとモモコは関心していた。
様々な戦法を教え、ボンバトのゲーム性を自然と理解させてくれる指導とみんなをまとめる能力。何度も分析して最適解を突き詰め、それをわかりやすくしてこちらに伝えてくれる。そしてなにより興味を持ったのは、ボンバーバトルは意外にも座学に通じるものがあるところだ。
ドローンで撮影された俯瞰視点での映像をユキトは何度も見返して研究し、そこにモモコも参加して一緒に勉強させてもらったりしている。特にブロッカーであるモモコからして広い視野を持つことができたのが大きかった。
様々な場面を想定してどう動くかをモモコはユキトに質問し、何度も意見を交換しあい、家に帰ったあとも思いついたことがあればすぐにボムラインでユキトに聞いて話し合ったりしていた。
たまにパインが気付いて押しかけてきたり、アクアと煽り合いながらバチバチに討論したりとうるさくなってしまうが……それでもユキトは困った顔は一つもせずに、楽しみつつも真剣に答えてくれていた。
初めてボンバー事務所で知り合ってから数週間。ユキトの人間性を知って、モモコはユキトのことをかなり評価していた。それは指導者の能力としてだけではなく、自分達ガールズのために真剣に向き合ってくれる姿勢がモモコには好ましかった。
これはモモコだけではなく他のガールズも同じように思っているし、特にアクアや最近入った新人のテッカなどはなにやら強い想いを秘めているのを、モモコはなんとなく察している。流石にモモコはそこまでではなかったのだが……ボンバー楽屋に差し入れに来てくれたユキトにメロンが抱き着いた時は、思わず焦って止めに入っていた。
自分でも驚くほど感情が昂っていたのを自覚したが、それだけにメロンの行動がどこか本気に見えた。
どんな人物かは前々から話はしていたし、たしかにユキトの人間性はメロンの好みど真ん中のタイプではあるが……初回で会って早々にこのようなコミュニケーションを取ることはファンであってもしない行為をメロンが嬉々として行っていたことに、モモコは驚きと困惑が混在していた。
ともかく自分たちの指導役とはいえ、異性に抱きつくのはアイドルとしてどうなんよ? 気ぃ付けろ? とライブが終わったら説教しようと考えていたのが……ライブが終わってすぐに、メロンはレインボーベルを使ってユキトと共に消えてしまったのだ。
もちろん突如姿を消した二人に、現場は騒然となっていた。
「モモさん、ダメにゃ……助手もメロさんも電話切ってみるみたいで、二人とも繋がらないにゃ……!」
「ぐぬぬ……どこ行ったのよ、あいつら……!」
現場……正確にはモモコとパインが主に騒いでいた。二人が消えたボンバー楽屋には今、突発アイドルランキングに参加していた面々がほぼ揃っている。
ユキトとメロン以外にいない者はアクア、セピア、グリアロ、スタッフさんの四人だ。ライブで疲れたアクアが先に帰ることとなり、それにセピアとグリアロが付き添っていた。スタッフさんは終わってすぐに別の用事ですでに姿を消していた。
「うーん。内容は気になるけど一応書き置き残してくれてるし、お話するだけだと思うから多分大丈夫じゃないかな?」
消えたと同時にひらりと舞って残された一枚の紙。それを手にしたパステルが読みながらそんな感想を述べた。両隣のパプルとブラスも一緒に覗き込んで読んでいる姿があった。
『下民ちゃんと銀河級にプライベートで超女神レベルの大切な話をするので、探さないでほしいですの⭐︎ 話が終わればきちんとメロメロが下民ちゃんを家まで送り届けますので、ご心配せずに! ですの〜!』
こんな感じで書かれた内容としては秘密の話するから気にしないでといったもので、パステルたちも話の内容こそ気になる様子ではあるが、個人的なものであればあまり踏み込まない方がいいんじゃないか? と遠回しに気にしていた。
だがモモコはメロンの書き置きをそのまま受け取る気にはあまりなれない。話があるのは本当であろうが、ユキトのような人種は間違いなくメロンの好みのタイプだ。流石に取って食うような肉食系女子ではないが……二人きりにするのはすごく嫌だった。
胸中で渦巻くイライラに、モモコは自分でもなんでこんなに感情が高ぶるのかわからなかったが……それはモモコだけではなかった。
「メロさんがなんであんなに積極的なのか謎ですけど……助手を独り占めするなんてダメにゃ! ただでさえパイにゃんたちは助手との時間作れないのに、メロさんだけなんてずるいし、パイにゃんは面白くないにゃ!!」
わかりやすく感情をむき出しにしたパインであった。
なんだかんだわがままを言いつつもユキトによく甘えているパインであるが、思っていた以上にユキトに対して強い感情を持っていた。
そんなパインに少し驚いたが、言ったことの一部にモモコは共感を覚えた。たしかにパインの言う通り……面白くない。イラつく原因がわからずとも、それだけは自分の感情に合意できた。
この気持ちに共感してくれたのを感じ取ったのか、パインはモモコに「一緒に探しに行くにゃ!」と提案を持ちかけるのだが、そこにプルーンが待ったをかけた。
「んーでもさぁ。探しに行くって言っても、メロンがどこに行ったのかなんてわかんなくない? 地球の守護神やってるみたいだけど本当なのかも怪しいし、ウチらの中じゃ普段どこで何やってんのかが一番不明な生き物っスよ、メロンは」
結局のところは二人の行き先で、探す術がないことにモモパイはぐぬぬと悔しそうに呻いた。
メロンが行くような場所はいくつか考えられるが、今回はユキトを連れての秘密の話をしようとしているのだ。流石にモモコたちがわかるような場所にはワープしないだろう。
どうしたもんかとあーだこーだ悩み騒ぎ出すプリボムガールズ。そんな彼女たちに助け舟を出したのは、意外にもパステルであった。
「私、メロンちゃんが行きそうな所……多分知ってると思う」
「……! パステル超先輩、本当ですか!?」
その場にいるガールズの視線がパステルの呟きに集中し、いの一番にモモコがそれに反応していた。
「知ってるというか、心当たりがあるだけなんどけどね。でも……絶対そこに行くと思うんだ」
そう言って少しだけ、パステルはなにか考えていた。時間にして数秒ほどであったが……期待の眼差しを向けているモモコたちに、パステルは真剣な表情で覚悟の確認した。
「みんなの気持ちをちゃんと聞きたいんだけど、メロンちゃんがしようとしてる話って、本当にマスター君の根幹に関わることだと思うの。マスター君が隠したいことなのか、知られても大丈夫なことなのかわからない。もしかしたら今までの関係も変わっちゃうかもしれない。……それでも、みんなは二人の後を追う?」
脅すように……いや、実際パステルは脅すつもりで覚悟があるかを聞いていた。
秘密があるのは誰だって当たり前。関係が変わる云々はユキトの心情を知らないためパステル自身もわからないことではあるが、もし予想した通りならユキトの正体をパステルは大体察している。ならばそれはプライベート以上の話になってくるのだ。
だからこそ、覚悟の確認をした。根明なパステルが大真面目に問うたことに、モモコたちはすぐには答えられず言い淀んでいた。
「……ブラスは、行きません。マスターのことはもっと知りたいけど……なんでもは、困っちゃうと思います」
「……うん。そうだね、私もブラスに賛成かな。これに関してマスターから明かさないのであれば、私の方から聞くことはないと思います」
ブラスとパプルは無理して聞くべきではないと、二人を追わない選択をした。彼女たちもまた天使と元天使ゆえにユキトの正体を察しており、これ以上は踏み込み過ぎだと判断していた。
他のガールの様子を見れば、プルーンは「えー……そんなん答えられないっスよー……」と困っており、パインは追いたい気持ちが俄然強いがそこまで言われると……とあと一歩を踏み出せずにいた。
そんな中で一番冷静に言葉を発したのは、モモコであった。
「それなら問題ないわ。どんな秘密があったって、簡単に揺らぐほどモモぴゅんとご主人の関係はやわじゃないもの」
すっと出てきた言葉であった。
考えて口に出したものでも反射的に出たものでもなく、当たり前のことをただ言ったような感覚に近かった。
劇的な出来事があったわけではない。特別な言葉をかけられたわけでもない。ボンバーコーチとしての優秀さは認めているが、それだけで惚れるほどモモコは安い女ではない。そう思っていたのだが……モモコもまたパイン同様に、ユキトは自分の中で決して小さくない存在になっていたのだ。
新メンバー歓迎会の時に放ったユキトの決意表明。吐いた言葉を成し遂げるために自分たちに尽くす献身。ちゃんと見てきたモモコからすれば、その姿はずっと好感が高いまま上がり続けていた。
秘密に興味があるわけではない。ただ二人きりにしておけないと思っただけだ。それが私情だとしても……引く理由にはならない。だから……。
「パステル超先輩。お願いします。メロンが行きそうな場所、教えてください」
「……うん、いいね。そこまで言うのならいいよ、教えてあげる!」
頭を下げてモモコがお願いし、満面の笑みを浮かべたパステルが快諾した。よほど気に入ったようで、ウインビーを呼びながら「それじゃあ、その場所まであたしが案内するね!」とウキウキで出掛ける準備を始めていた。
「パイにゃんも! パイにゃんも一緒に行くにゃ! ほら、プルさんも一緒にお願いするにゃよ!」
「ええ……プルるんも一緒に行くんすかー……? 姉御とパインだけで良くない? プルるんはもう家帰ってそのまま寝たいな〜なんて」
「プルさん。実はここに今開発した電気ショックで自分が見たい夢を見れる素敵な枕『スキナユメミレール』がありましてぇ」
「急に目と意識と五感が冴え渡りまくったので是非行かせていただきますぅ!!!!」
「ブラスたちは、一緒に行けませんが……プリボムのみなさんとマスターがうまくいくのを、ブラスは祈っています」
「私達はこのまま教会に帰ろうと思います。みなさんからマスターによろしくお伝えしてください」
パインがプルーンを巻き込みながら続き、ブラスとパプルが彼女達を見送っていた。
なんだか少しシリアスな雰囲気になってしまったが……ともかくパステルの案内の元、メローラ神殿へと無事到着したプリボム面々。メローラ姫に歓迎され、メロンとユキトの来訪を待って、様子見で隠れ潜んでいたのだが────。
「転移者ですね?」
「転生者です」
数時間後。明かされた秘密が斜め上の内容で、パステル以外の面々は困惑を通り越して宇宙を背負う表情になったのは言うまでもなく。そして思ったことは、ただ一つだった。
なんか思ってたんと違う……。
パステル「そういえばどんぶり島までウインビーで飛んでいくけど、これ一人用なんだよね。みんなは移動手段とかあるのかな?」
パイン「くふふ♪ モーマンタイ、ですにゃ! パイにゃんの愛車『パインカー』であれば全然余裕ですぅ♪」
モモコ「へえ~。あんたの車、空飛ぶ機能まであったのね。流石天才を自称するだけあるわ」
パイン「メカエメラ! メカパイン! パイにゃんたちが乗ったパインカーを運ぶにゃー!」
メカエメパイ「「ガッテンダー」」
モモコ「いやそっちで飛ぶんかい」
※モモコたちが柱の後ろで隠れてる間、メカエメパイはメローラ神殿の天井に張り付いている。
本当は50話でキリ良く序盤を締めて51話から中盤に入る形にしたかったけど、ちょっと長くなっちゃったので次の51話で序盤は締めて、52話から中盤に突入する形で書こうと思います。