ボンバーバトル黎明期のボンガ世界に転生しました。 作:ハニボン
今回は繋ぎ回です。あと後書きに爆ボン2の結構なネタバレの解説があるので、ご注意ください。
爆発の直後、俺は何事かとすぐに周囲を見回しつつ、みんなの安否確認のための声を上げた。
幸い怪我人はなく、全員無事だと分かり俺は胸を撫で下ろす。一体何が……と全員が墜落地点と思われる方向を見て、全員固まって恐る恐るその場所を確認しにいくと……。
「………………」
シュ〜……っと焼け焦げた匂い。墜落してきたと思われる場所に散らばる、宇宙船の残骸。その中心には焼死体──というにはもうほとんどシルエットしかない某コナンの犯人を想起させるような、真っ暗焦げの少女が倒れていた。
「ゴールデンタイムで流せないやつ! 生きてるかなー……?」
「宇宙船の墜落事故なんて普通なら死んでるが……一応動いてはいるな。危篤な状態なのは変わらないと思うが」
「冷静に分析している場合ですか!? はやく助けないと……!」
「応急手当くらいはできるよ。これで生きているのが不思議なくらいだけど」
「生きててもらわないと困りますわ!? 私の城で死亡事故なんて洒落になりませんことよ!」
シロ、クロ、グレイ、テッカ、アクアの順にそれぞれ反応していた。そこまでのパニックは発生していないが、やはり焦っている様子である。それに比べて、俺は見たことのある場面にもしやと冷静に前世の記憶を思い返していた。
いや……今はそれどころではないな。グレイの言う通り、一大事である。早く助けに行かねば。
まずは状態確認を……と少女に近づこうとした時。
「────暗黒復活ッ!」
突如として息を吹き返し、黒焦げの少女が勢いよく立ち上がっていた。
大きな声を上げ、思ってたより元気な様子に良かった、生きてる……と他のみんなが安堵し、俺は今の台詞でこの子はあのボンバーガールであることを確信した。
そんな俺達にまだ気づいていない黒焦げの少女は、懐から妖しい光をホワァ~ン……と放つ結晶を取り出しながら、息を整えていた。
「ふぅ~……我が家に代々伝わるこの闇のエレメンタルが無かったらあぶなかったわ……」
THA・闇でダークな結晶を見て、完全に確定。やっぱりこの子はダ────。
「────
ポツリと、ブラスが呟いていた。
驚いた様子の呟き声は真っ黒シルエットの少女──ダァクに届いており、自分の名を呼ばれて反応していた。
「ん〜? このダァク様を知っているとは……貴様、何者……!?」
バッ! とブラスの方を向き──ブラスの顔を見て一瞬ポカンとし、すぐにその表情は明るい笑顔へと変わった。
「ブラス……? ブラスじゃない! 久しぶりねー!!」
大はしゃぎでダァクはブラスの元へと駆け寄り、手を取ってぶんぶんと振り回していた。されるがままのブラスも満更ではなく、思いもよらぬ再開に喜んでいた。
……あれえ? 君たち、もう知り合ってたの……?
宇宙船不時着のシーンは原作にもあったが……この時点ではまだ面識はないはず。原作通りとはいかないちぐはぐな流れに、俺は改めて原作知識が全部通用するわけじゃないと痛感したのだった。
●~*
遥か昔……この宇宙は一人の天使によって創られた。
天使は星と空と海を創り、そして最後に多くの命を生み出した。しかし天使は女神と魔神、二つの力に別れてしまい、光と闇の存在として互いに対立することとなった。
魔神サートゥスは宇宙を暗黒に染め支配しようとし、女神ミハールは魔神を封印するために正義の戦士たち──
「──そのエレメンタルナイツが一人。ママ……じゃなくて、レグルス師匠から
バァーン! と相棒ウサミンボーのラビデルと共にポーズを決めるダァクに、話を聞いていた俺たちは「おぉー」となんだかよくわからないが思っていた以上の壮大さに素直に驚いていた。
ダァクが不時着し、ブラスとの再会を喜んでいた場面から一時間経過した現在。
ダァクが誤って緊急着陸ボタンを押してしまったためにアクア城に突っ込んだという話を聞いて、まずアクアがダァクを説教してから天井をみんなで修復し、その際汚れてしまった服や汗でびっしょりの身体をシャワーで洗い流してから、ダァクの自己紹介を聞いているところだった。
そしてブラスとダァクが知り合いなのは……。
「私が天使のお仕事で他の惑星に出張中の時に、ダァクちゃんとお友達になったのです」
「クックックッ……ブラスとは共に宇宙を救った親友……否! 暗・黒・最・強・盟・友よ!」
……とのことらしい。ブラスの仕事や宇宙を救ったとか、魔神やら女神やら聞きたいワードが多すぎたが、ダァクとブラス曰く長い話になるというか箝口令レベルで言えないので話せないとのことだった。
それならしゃーない、と他のみんなは了解していたが、俺だけはダァクとブラスの事情をなんとなく察知していた。
……これ、もしかしなくても
セブンエレメンタルナイツというダァクの元ネタ的にそうだが、ゲームオープニングの冒頭の始まりがたしか今聞いたような内容だった筈。俺自身はプレイしたことなく、RTA動画や解説動画などを見た程度のいわゆるエアプになるが……内容やストーリーはなんとなく覚えていた。
だが、そうなるとブラスも参加しているのが謎である。爆ボン2には登場していない筈。そもそも主人公であるボンバーマンは? やっぱセイジャってプレイヤーキラーと名高い64史上最恐のラスボスなん? と無限考察沼に突入しかけていると、セブンエレメンタルナイツという単語に他の五人が反応していた。
「七騎士の存在は噂で耳にしたことはありますが、おとぎ話の類ではありませんでしたか……?」
「アタシも任務の時しか宇宙には出ないけど、聞いたことはあるよ。アクアと同じく都市伝説としてだけど」
「セブン……七……ここにいるみんなで丁度や!」
「いや一人多いぞ、シロ」
「セブンエレメンタルナイツなんて、歴史の授業でもボム日本昔話でも聞いたことがありません。存在したとして、本当に凄いんですか?」
《時空の七騎士!? なにそれかっこいいいぃぃぃいぃぃぃ!!!!》
とそれぞれ差はあれど、みんなの反応は単語やワードで聞いたことがないか、あっけどようわからん。といった内容であった。
これにはダァクも「本当にいるわよー! 暗黒スゴいんだから信じなさいよー!」と騒ぎ始めるが、ブラスがボム地球に来た理由を聞いて話題を逸らしていた。それを聞かれたダァクは、先ほど以上に一際騒がしくなった。
「この惑星に来た理由はただ一つ……我が
得意顔で自信満々に、単純明快な来訪理由をダァクは言い放った。
……公式のキャラ紹介とボンバーマンガを知っていたからわかりきってはいたが、やっぱりシロンだよねえ。
ダァクと同じボマーのボンバーガールで、シロの妹であるシロン。なにやら過去に何かあったようで、ダァクはシロンと勝負するためにボム地球に訪れ、ボンバーバトルに参加するというのが原作の流れなのだが……このボム世界でも変わらないのかな?
前からの付き合いもあり、そういうガールだと知っているブラスも俺と同じことを思っていたようで、特に驚きもなく想定内といった感じで落ち着いて「やっぱりです」と呟いていた。
アクアとグレイが「シロン?」と疑問を一瞬浮かべたが、名前的にもしやとシロの方を見ていた。クロとテッカは知っているようで、特にテッカは「てことはシロンが言ってたのが……」と興味深そうにダァクを眺めていた。
そして視線が集まっているシロはというと……。
「ダァクちゃん、シロンのこと知ってるの!? てことは……シロンの友達だね!」
「あっ……ちょ、やめえ……」
妹の友達だとわかったシロが、嬉しそうな笑顔でダァクの頭を撫でていた。
撫でられていたダァクは「うへへ……」と居心地が良いのかうっとりとした表情を浮かべていたが、ハッと急いでシロから距離を離した。
「流石シロンのお姉ちゃんね、危うく絆されるところだったわ……! しかぁし! このダァク様には通用しないわ! わかったら、さっさとシロンを出しなさい!!!」
シュシュシュッ、とシャドーボクシングで威嚇するダァク。その動きが可愛らしいのかシロはわぁ、と嬉しそうにしていたが、シロンの行方と聞かれてすぐに顔を困らせていた。
「うーんとね、シロンならたしか前にボムラインで、再来週くらいにボム地球に帰ってくるって言ってたよー?」
「な、なぁにー!?」
すでに帰ってきていると思っていたようで、まさかまだだとは思わずダァクはショックで驚いていた。
これについては俺も知っていた。というかシロンも勧誘したいなと一度シロに聞いてみたところ、どうやらシロンはジェッターズの見習い隊員として宇宙に出ており、ボム地球にはいないことを教えてくれたのだ。
まじか、と最初は驚いたがジェッターズ主人公が元ネタだもんな、とすぐに納得した。一応シロにどんな感じのガールなのかやジェッターズに入った経緯などを聞いてみると、才能ある子で流石我が妹と嬉しそうにベタ褒めしていた。どうやら真のボムも使えるらしく、その才能を買われてジェッターズから誘いを受けたようであった。マジで物語の主人公みたいじゃんね。
それに……まあ………使えるよねえ………真のボム。
原作ボンバーマンガでもちょくちょくシリアスになってたり優秀なシーンがあったりするので、おかしくはない。というか元ネタ的にも、逆に使えなかったら驚きである。
「ぐぬぬ……ならば! まず先にシロンの姉であるあんたから真のボムの対決を……って、あんた
がびーん! とさらなるショックを受けるダァク。
シロはなんのことかわからず「?」と疑問符を浮かべた顔になっており、ダァクは「シロンのお姉ちゃんなのになんでよー!」とどこに憤りをぶつけたらいいかわからず、地団駄を踏んでいた。
そんな風に少しの間騒いでいたが……騒ぎ疲れたのか次第に落ち着き、ダァクは力なく呟いていた。
「うぅ……せっかくここまで来たのに……」
「その、ダァクちゃん……ポミュ子ちゃんならこの惑星にいるから、会えるよ……?」
「……うん。あとで会いに行くわ……」
静かに落ち込むダァクに、可哀そうに感じたブラスが声を掛ける。他の知人に会えることにほんの少しだけ気力を取り戻したが、それでもまだまだ元気になれるほどではなかった。
「えっと……ごめんね、ダァクちゃん。そのボムの対決? はできないけど……ボンバーバトルなら、シロちゃんできるよ!」
そんなダァクの様子に非はないとはいえ申し訳なさを感じたシロが、別の勝負を提案した。
別の勝負法にダァクはまたしてもポカンとした反応をしつつも、聞き返すようにバトルの単語を呟いていた。
「……ボンバーバトルゥ……?」
「そう、ボンバーバトル! ルールがわからなくても大丈夫! 今ならマスターも付いててお得だよー!」
そう言いつつシロが俺の手を取り、紹介するようにダァクの前に俺を連れてきたのだった。
・爆ボンバーマン2のあらすじと本作での爆ボン2について。
魔神封印から時は流れ、とある宇宙海賊のルキフェルスが惑星カオスの神殿にて、魔神が封じられている封印石『正邪のエレメンタル』を手にしたことで封印を解いてしまい、身体を乗っ取られてしまう。
その後七騎士を洗脳して秘密結社B.H.B団を結成し、七つのエレメンタルを集めるために巨大ブラックホールを用いて様々な惑星を侵略、支配、捕獲を繰り返し宇宙を駆け巡っていた。
主人公のボンバーマンは温泉惑星Ksa2の帰りに、宇宙船が巨大ブラックホールに飲み込まれ牢屋に閉じ込めれてしまったところから物語が始まる。
・レグルスについて
本作ではダァクのママで戦士の修行の師匠となっている。一応ダァクの誕生部イベントで存在は示唆されているが、もし新ガールとして実装されたらしれっと名前修正するかも。
爆ボン2ではライバルであるボンバーマンと戦うために七騎士の一人となったが、本作では本編主人公が存在しないため、ルキフェルスを警戒しつつ可愛い娘のため、ダァクの修行に専念していた。闇の試練に合格したダァクは闇のエレメンタルを継承し、最年少の七騎士となった。
ただシロヱさん実装前の設定なので、公式からライバルママとしてお出しされる可能性はあるが、もし来た時にまた設定変えるかも(無計画)
・ブラスのお仕事。
魔神と対をなす存在・女神ミハールは魔神封印のために女盗賊リリーに憑依し、身体を借りて活動していた。女神ミハールの信託によりブラスはサポートの任を受け、その時にシロン、ポミュ子、ダァクと出会い、共に宇宙を守るために戦い仲良くなった。
女神ミハールについては、終盤リリー本人の意思を無視して身体を強制支配し、世界を一度リセットして魔神サートゥスをごり押しで封印しようとするぶっ飛び正義マインドにブラスはドン引きしている。格も上の筈なのに同じ女神のメローラ姫とどうしてこうも違うの……。
ブラス「人の心とか、ないんですか……?」
・ポミュ子について
原作爆ボン2では卵の休眠から目覚めて共に行動するが、本作では普通に温泉惑星Ksa2で知り合い、仲良くなって共に行動していた。原作では育成要素があり、食べさせた物で様々な進化先となって共に戦ってくれるというものだが、本作では最初から進化先のいろんな姿に変身して共に戦う感じになっている。ボス戦ではポミュは戦わずに隠れているが、この世界のポミュ子はちゃんと一緒に戦ってくれるシロンの相棒だ!
今は帰星してボンバーアカデミア初等部に通っている。なので一応ボンバーガールである。
ポミュ子「真のボムとか威力高すぎミュ。こんなん使えるシロンとダァクヤバすぎミュ〜」
シロン「(雑魚相手なら無双。ボス相手に怯み取りながらダメージ与えたり属性攻撃できる)キミも大概だよね?」
というわけで初等部組は爆ボン2での経緯で本作では知り合ってる感じで、シロンとダァクはその前の爆ボンの方からすでに知り合ってます。爆ボンの方の話は中盤、終盤でする予定です。
次かその次の更新ぐらいでダァク邂逅編は締めて、大会予選に移行します。