ボンバーバトル黎明期のボンガ世界に転生しました。   作:ハニボン

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サキュバスギャル……サキュバスチャイナ……サキュバスチアコス……。

サキュバスってなんだろう?(哲学)


暗黒が見る憧憬。間にサキュバス。

 所詮……ただのボム当て合戦である。

 

 ボンバーバトルなど、ただのお遊びであると。ダァクはそう思っていた。

 

 その理由はダァクが真のボムが使えるからであり……運命の宿敵(ライバル)と呼べる存在(シロン)と出会えたから。シロンと真のボムの対決をし、時には宇宙に危機をもたらす悪いヤツを倒すため共に戦い、宇宙を救った戦士の体験が記憶に焼きついているから。

 

 だから興味がないわけではないが……どうしてもボンバーバトルがお遊びに見えてしまうのだ。それは新ルールになって内容が変わっても同じだ。そもそも元は真のボム究明のための競技。真のボムが使えるダァクからしてみれば、わざわざボンバーバトルをする必要性を全く感じられなかったのである。

 

 シロンの姉であるシロからバトルの提案をされた時も、興味が無いとすぐ断ろうとしたが……一緒に紹介されたマスター(指導役)の男を見て、その言葉を飲み込んだ。

 

 ────この人、使()()()()()

 

 マスターの男──ユキトを見て、即座にダァクはユキトが使える側の人間であることを察知して、少しだけ興味を持った。この男が教えているのなら、少しくらいなら見てやってもいいと思い、ダァクはとりあえず見学だけとその提案を受け入れていた。

 

 ボンバースタジアムへと移動し、フリーバトルの申請をして程なくマッチングが成立。すぐにバトルが始まった。

 

 隣でユキトの解説を聞きながら「ふーん?」とダァクはそこまで期待せずバトルを見て────いつしか夢中になっていた。

 

 まず目を引くのは防衛側のロールである、アクアとブラス。ブラスは初めてのバトルであったらしいが、アクアが全面的にフォローすることでうまく嵌めて仕留めることができていた。アクアの的確な指示やサポートは大きいのは確かだが、初めてのバトルと言われたら素直にすごいという感想が思い浮かんだ。

 

 ここまで動けたり戦えたりできるのは、前に共闘した時があるので知ってはいたが……それでも他の人が見るような舞台で毅然と振る舞う姿は、内気な性格のブラスを知っている身からすれば驚く他ないだろう。シロンやポミュ子も驚くに決まっている。

 

 何より印象的なのは、バトル前のブリーフィングでユキトののアドバイスをブラスが真剣に聞いていたこと。あの人見知りなブラスがここまで心を許している様子は珍しいし、バトル中の動きを見ても緊張はあれど迷いなく飛び回る姿は、打ち合わせをしていたユキトのことを信頼しているのがわかった。

 

 次に目立つのは前衛側だ。アタッカーのテッカが敵ロールやソフトブロックを殴り飛ばし、道を切り開いていく。そしてなによりダァクが目を奪われたのは……ボマーである、クロだ。

 

 テッカが切り開いた道をクロがまっすぐ突き進み、敵タワーを即座に破壊する様は一才の無駄がなく、洗練された動きだった。

 

 ハイペースで敵ベースに攻め込む時もクロキックで築城されたソフトブロックを貫く姿は美しく、すべての防衛を突破しベース内に到達したクロの必殺(ギガンティック)ボムが炸裂する瞬間を見て────ダァクは完全に魅了され、目を輝かせていた。

 

 ────(つよ)カッコイイ…!

 

「師匠ぉー!!! 弟子にしてくださーい!!!」

 

「? 良いぞ」

 

 バトル終了後、ダァクがスライディング土下座でクロに弟子入りを申し込み、クロが即答で受け入れ、ここに新たな師弟が誕生したのであった。

 

          ●~*

 

 原作通りクロとダァクの師弟関係ができあがり、そのまま仲間になってくれた。シロンがいないのにダァクが襲来した時はは想定外だったが、実に満足のいく結果でほくほくである。

 

 それからバトルが終わりダァクがクロの元でお世話になるということで、生活に必要なものを買いにボムタウンにあるボムデパートへと俺たちはそのままやってきていた。

 

 主に食料や服、日用品などを買いに来たわけなのだが……今日はなんだか人が多く、なにかイベントでもあるのだろうか? と思っていると、原因は洋服のコーナーにでかでかと飾られた垂れ幕にあった。

 

『新生活応援! サキュバスコスフェア開催中!!!』

 

 ────そこは、女たちの戦場であった。

 

「パピーちゃんが! パピーちゃんがあものこと見てる!!!! あもの(サキュバスチアの)あもを求めてる!!!! この勢いでチアだけじゃなくチャイナもギャルも取る!!!! ()()()()()()()()()()()()、間違いなくパピーちゃんも好きに決まってる!!!! 第二弾の単独いっぱいくじを飾るのはあもだあああぁあぁぁ!!!!☆」

 

「さっきから訳わからんこと言って暴れんじゃないわよ! 最愛チアモ!!!」

 

「お客様のみなさん、落ち着くであります! まだ商品が残っているゆえ、怪我をしないよう、しっかり並ぶであります!!」

 

 チアコスから始まりチャイナ服や制服……制服? とにかく布地が少ない服が並べられている売り場に殺到する他の客たち。その嵐の中心にはチアモが半狂乱で暴れており、それをチグサがとっ捕まえようと刀を交えて奮闘し、アサギが拡声器を手に客たちを誘導していた。

 

「決して容易ではない無い開発……立ちはだかる壁の数々……ようやく不可能を可能できましたね~グリアロさん! まず一般販売からの試験でしたが、この反応を見るに今度プリボムが行う『サキュバスシリーズ』のCMは成功が確定して助かりましたよぉ~」

 

「あはは♡ みんな喜んでくれて、あたしも嬉しいな♡ ……なんでこんなに人気なんだろ……」

 

 隅の方では売り場を様子を見ていたスタッフさんが感涙しながらうんうんと頷き、白衣姿のグリアロは「この世界狂ってる」と死んだ目をしていた。

 

 世はまさに、大サキュバス時代……! めちゃくちゃカオスな状況になっていた。

 

 ちょっとこれは流石に近寄れねえわ……ということで、先に別の買い物から済ませようとみんなに提案しようと振り返れば、ブラスとダァク以外のガールがなぜか準備運動を始めていた。

 

「別に欲しいわけではありませんが、有象無象からこれほどの人気を博しているのが事実。企業のトップとしてサンプルを確保するのは義務ですわ。ええ。決して……決して下僕様の趣味だからとかではなく、個人的に欲しいわけではありませんわ」

 

「アタシも欲しいわけじゃないし、人の趣味は人それぞれだけど……鉄は熱いうちに打て、だからね。だからセンコーのためとかじゃないから」

 

「マスターが着て欲しいならシロちゃん、本気出すで〜!」

 

「なんだかよくわからないが、マスターのためになるなら私もシロと共に参戦するぞ」

 

「まったく……呆れてものが言えませんね、先生。ですが先輩たちが参戦する以上仕方ありません、私も参戦します」

 

《ふむふむ……こういうのが先生の趣味なんですね……メモメモ》

 

 な、なんか俺の趣味だと思われてる……!?

 

 先ほどのチアモの叫びの中に俺のことを言っているのはわかったけど、それを鵜呑みにしてしまったらしい。

 

 すぐに否定しようとしたが……まるでボンガがえっちなゲームみたいな言い方になるのであまり言いたくないが、とっても際どい新衣装来るたびに大喜びしてた前世の記憶があるので、全面的に間違いであるとは否定できなかった。

 

 なんで全部サキュバスが付いてるのとか、市民権を得たが如くさも前々からありましたみたいな風になってるのとか。ツッコミたいことが山ほどあったのが……こちらから触れるにはあまりにもセンシティブというか、男に不利すぎてなにを言ってもこちらにしかダメージ来なさそうなので沈黙するしかなかった。サキュバスって単語がそもそも男が好きな単語だからね……。

 

 しかし沈黙は肯定ということで、何も言わない俺に確信を得た5人のガールズはさらに気合が入ったようで、嵐の中という名のサキュバスコス売り場へと突入したのだった。

 

 ブラスとダァクも自分達も行くべきか……? とよくわかっていない様子で悩んでいたので、流石にまだ早いし危ないので別のところを見に行こうと提案して、その場から一時退避することにした。

 

 さてどこに行こうか……と考えていると、どこか神妙な面持ちをしたダァクが俺に声をかけてきた。

 

「ねえ、あんたって……使えるの? 真のボム」

 

          ●~*

 

 バトル初心者でも、さっきのバトルはすごかったとダァクは思っていた。

 

 なによりクロの大型ボムの強さに惚れ、即座に弟子入りを懇願するほどに。最初はマスターのユキトが真のボムの使い手とわかったから興味を持っただけだったが、クロ師匠ほどのガールを指導する者として納得するには十分であった。

 

 でも……なぜだろう。ダァクはユキトを見ているとなぜか違和感を感じて、()()()も覚えていた。

 

 真のボムの使い手は同じ使い手同士と出会えば、超なんとなくだが『あっこの人使えるな』くらいにはわかるのだ。どういった理屈なのかはまったくわからないが、とにかく感覚的にわかるのだ。

 

 ダァクがユキトに感じたものは、たしかに『使える人』という直感があった。しかしユキトを見ていると、 なんだか少し変に感じてしまったのだ。

 

 どういったものなのか言語化できず、モヤモヤしていたが……ブラスとユキトの三人になれたので、ちょっと踏み込んでみようとダァクは質問したのだ。

 

 それに対して、ユキトはほんの一瞬無言になってから──困ったように笑みを浮かべていた。

 

「いや……真のボムは使えないよ。修行してたけど、()()()()()()()()()

 

 小さな不幸があったくらい。その程度のことであるよう放ったユキトの答えを聞き、その笑みを見て──ダァクは少し前の、シロンと出会った頃の自分を思い出した。

 

 真のボムが使えるという特別な才能。しかしその界隈にもさらに上がいて、それがシロンであった。

 

 自分は真のボムのバリエーションが一つしかなく、その時のシロンは二つもバリエーションのボムが使えていた。それがとても悔しくて当時は落ち込むほどで、見かねた(ママ)に修行をつけてもらっていた。

 

 その落ち込んだ時の姿が、なぜか今のユキトと重なって見えていた。

 

 会ったばかりで何があったのかなんてわかるわけないし、これ以上踏み込むべきじゃないと直感していたが……ほうってはおけないことだけは、ダァクにはなんとなくわかったのだ。

 

「───我は闇の吐息のベルゼバル、時空の七騎士にしてセブンエレメンタルナイツが一人っ!」

 

 ダァクはユキトの前に出て、腕を交差させてポーズを取った。

 

「しもべ! この暗黒最強ボンバーガールであるダァク様が来たからには、ボンバーバトルのすべてを勝利(ダァク)に染めてあげるわ! だから……このダァク様を、使いこなしてみなさい!!!」

 

 少しだけ……見守ってあげよう。

 

 そんな思いを秘めながら、ダァクは改めてユキトを自分のしもべ(マスター)として認めたのだった。




・ブラス初バトル
初見に見せるにはあまり良くないがシューターがいないため、最初はテッカを擬似シューター、グレイを擬似アタッカーとして運用しようとしたが、ダァクに良いところを見せたいということでブラス自身が立候補した。
ユキトの指示とアクアのサポートを受け、無事初勝利を飾ることができた。

・真のボムの使い手は相手が使えるかどうか、超なんとなくでわかる
本作オリジナルの設定。スタンド使いは惹かれ合うくらいのイメージです。

・ボンバーガールレインボー(アーケード)にて5/28~6/11までチアモ、チグサ、アサギのサキュバスチアコス倶楽部ガチャ開催中!
チアモは第4の壁を観測して現在のボンガのイベントを把握できるので、ガチャのセンターを飾ってテンション爆上がりしている。
最新の情報が常にわかるので、生前までしか知らないユキトが後にチアモから知らされるボンガの情報に打ち震える未来が待っている。

先に言っておくとダァクのボンバトシーンはありません。ダァク推しすまぬ…。

次回から大会予選に突入します。
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