ボンバーバトル黎明期のボンガ世界に転生しました 作:ハニボン
あとサキュバスバニーのポップアップストア行ってきました。風俗みたいでやんした(大満足)
『BBC予選決勝戦! ……ではありませんがっ! 決着ゥー!!! 本戦出場一番乗りを果たしたのは、チームレインボーだああぁ!!!!』
『いやぁ素晴らしいバトルでした。どちらが勝っても不思議じゃありませんでしたが、今回はチームレインボーに軍配が上がりましたね〜』
ボンバースタジアムは鳴り止まない歓声に包まれていた。
勝者を称える拍手と歓声は幾重にも重なり、熱狂は波となってスタンド全体を駆け巡る。惜しみない祝福は、勝者であるチームレインボーへと降り注いでいた。
シロはただ、ぽかんと立ち尽くしていた。
敵ベースは崩壊し、勝敗は決した。目の前の光景が現実であることは理解している。なのに心だけが置き去りにされたかのように、実感が追いついていなかった。
スタジアムを揺らす歓声も、勝者へ送られる拍手も。どこか遠くの出来事のように感じていた。
「おっしゃあああ! 勝利だぜっ!!」
「皆様、ナイスファイトでした。MVPはワタシです」
「ほんとよくやったわよ、シロ。大金星じゃ~ん☆」
バトル終了により自動的にバトルマップからレインボーのチームブースへと戻ってくると、同じくワープで帰還したオレンが雄叫びを上げた。「エメラ大勝利。イェイイェ〜イ」とエメラがダブルピースし、モモコが素直にシロを褒め称えていた。
共に戦った三人だけではない。ユキトを筆頭にチームの仲間たちが『ボム投げすごかったぞー!』『ナイスバトルやんけえ!』とバトルに参戦した四人の勝利を祝福していた。
次から次へと飛んでくる言葉に、シロは目をぱちくりさせる。そこでシロはようやく自分達が勝利したのだと実感した。
「…………えへへ」
───私、本当に強くなれたんだ。
いっぱい弱音を吐いたのに、強くなれると
その手を取って強くなりたいと願い、そこで居合わせたアクアの私情で拉致られ、二人の気持ちを知って……そこから始まった
あまり頭が良くない
通常練習の後だったり、練習がない日やアクアが家の用事などで付き合えない時でも、マスターはスケジュール管理を徹底して必ず時間を作ってくれた。他のみんなとの交流や事務仕事などでどれだけ忙しくても、マスターは嫌な顔一つせず真剣に付き合ってくれた。
練習のし過ぎは良くないと休息を取るよう注意されて、マスターもだよー! とシロもマスターの働き過ぎに言及して、お互いに笑い合った時の思い出は今も微笑ましいものだった。
胸の奥がぽかぽかする。
シロはこれまでに抱いたことのない気持ちが芽生えているのを感じた。
どこかで知っているような、それでいて初めて感じるような……優しい暖かさがじんわりと心を満たしていた。
この気持ちがなんなのかはわからない。しかしこれはとっても良いものだと、感じるままにシロはこの心地良さを受け入れていた。
(マスター……)
シロの目は、自然とユキトを見つめていた。ユキトは自分たちの勝利を信じていたのだろう。誇らしげな微笑みでチームレインボーの帰還を迎えている姿が見えた。
ぱあ、とシロの表情は輝いた。
(マスター……♡)
この感情がなんなのかはわからない。だがわからないで止まるほど複雑な思考をしていない。シロはいつだって単純明快で、ただひたすらにまっすぐな爆走青春ガールなのだから。
「マスター……!」
心のままに、シロはユキトへと駆け出した。今抱いているものがなんなのかわからないけど──言葉にすれば、きっとわかる。そんな確信があった。だからちゃんと伝えたかった。
私は────。
「マスター! 大す」
「ねーちゃぁーん!!!!」
「うぐえぇええぇぇ!?!?」
突如横から突撃してきた白いガール──シロンのロケット頭突きがシロの横腹に命中!
「姉ちゃん姉ちゃん!」と頬ずりするシロンに、「ウーアー」とシロは頭の周りをぐるぐると回っているお星様を見たのだった。
●~*
レインボーと573のバトルが終わった後も、会場内の熱気は冷めることを知らなかった。
観客たちの高まりは最高潮に達したまま、後にBBC予選ベストバウトと言われる名勝負の余韻が会場全体を包んでいた。
グレイもその一人であり────今このスタジアム内の誰よりも強く、熱くボンバー魂を燃え上がらせているのは間違いなく彼女であると断言できた。
────すごかった。
────本当に、すごかった。
そんな語彙力が消失した感想しか出ないほどの衝撃と感動に、グレイは終始圧倒されていた。自分もあんなバトルをしてみたいと思うのは、ボンバーガールならば当然のことだった。
(いや……違う、かも)
してみたいとは少し違う気がして、グレイはふっと浮かんだ感想を否定する。
なぜ違うのか。なにが違うのか。グレイは心の中のピースを整理して答えを探す。一つ一つを並べて、組み立てていって──グレイはその正体に気づいて口に出していた。
「私、戦いたんだ……あの人たちと」
先輩たちと戦いたい。先生のチームとボンバーバトルがしたい。そして────勝ちたい。
サッカー部とのバトルを見て興味を持って、練習に参加させてもらってボンバーバトルの奥深さを知り、そして573とのバトルを見て……ようやく言語化することができた。
ガチリとハマる感覚。世界が色づいて輝くような、そんな高揚感にグレイの胸は満たされていた。
『今お前に必要なのは中途半端な遠慮などではなく……歩みを止めない貪欲さだ』
────今ならわかる気がする。
クロに授けられた言葉を思い出す。グレイはようやく、自分が何がしたかったかの答えを見つけた。
前に進む時だ。
「ウル……ねずみ小僧さん、アサギさん。お話が……いえ、お願いがあります」
貪欲に、闘争を望むままに。灰色のボンバーガールが戦いの舞台へ上がるために、二人の親友へと声をかけたのだった。
●~*
今、俺は驚天動地の出会いに立ち会っていた。
573とのバトルに勝利し、帰還してきたシロたちを労おうとしたのだが……横からロケット頭突きでシロに抱きついた妹ガール・シロンの登場で超絶褒め褒めお出迎えタイムはキャンセルとなってしまった。
うわぁシロンだ!! と生シロンにもちろん歓喜したが、流石にバトルを頑張った四人をちゃんと称賛したいし、シロも目を回してるので少し落ち着かせようとシロンに声をかけようとしたのだが……。
「あなたが、シロのマスターさんね~? 初めまして、母のシロヱと申します。いつも娘のシロがお世話になっております」
「───────」
シロと同じ白髪のサイドテール。白い上着に青のロングスカートで、その上から羽織っているピンクのエプロンが特徴の服装は母性溢れる主婦そのもので。声を交わす前から、こちらの警戒心まで解いてしまいそうな柔らかな雰囲気を纏っていた。
シロの母を名乗る女性──シロヱを前に、特大の爆弾情報過ぎる存在に俺は言葉を失うしかなかった。
……え……? シロの、お母さん……? ……お母さん!?!?
あ……あんた、何者だ!! ヒロインの母親をヒロインがそのまま大人になったような外見にして爆乳にすることで人気が大爆発を起こすという原理を知っている神が創造したとしか思えない
ていうか母親、いたの!? いやまあ人間なんだからそりゃいるに決まっているんだけど……いや、重大なのはそこではない。こんなに美人で別嬪さんで若奥様な感じで魅力に溢れている
ダメだ、冷静になれない……! 俺が知っている参戦キャラはヒイロまでなんだよ! プレイアブルキャラなのか!? いやでも母親って言っているし、流石にガールなわけ……。
「────センセ♡ シロヱさんはちゃぁんと実装されたプレイアブルで、ボマーのボンバーガールだよ♡」
「なん、だと……」
いつの間にか背後に立っていたチアモが俺に耳打ちして、前世の世界の情報を俺に教えてくれた。
さっきまでボンバトしてたでしょなんで居るのさとツッコミを入れるべきなのだが……そんなことはどうでも良くて。俺は背筋を正し、シロヱの両手を優しく取っていた。
「あの、マスターさん……?」
「初めまして、シロヱさん。チームレインボーの指導役をしている砂色ユキトです。一生懸命練習に励んでくれているシロには、いつも助けられています」
「い、いえいえ、こちらこそシロがお世話になっていて感謝してます。シロったらいつもマスターさんの話を……」
「時にシロヱさん。ボンバーバトルに興味はありませんか? 一目見て才能があるのを感じます。初めてでも大丈夫です! 教えるのは得意なので、懇切丁寧にわかりやすく教えることができます! 今ならオマケでトイレットペーパーも付いて」
「オラァですわぁ!!!!」
「うぐえぇええぇぇ!?!?」
突如横からキレたアクアが俺の横腹へと鋭い蹴りを放ち────命中!
「ウーアー」と悲鳴を上げながら、俺は真横へと綺麗にぶっ飛ばされたのであった。
・ユキトの前世知識はヒイロまで。
この小説を書き始めた頃にヒイロが実装されたので、じゃあヒイロまでの知識にしておこうと初期の頃に決めていた。なのでこれからはユキトの世界を観測できるチアモから情報提供されることとなる。
・アクア、キレた!
なんだかんだスカウトする度に目を輝かせていたが、今回は今までの比じゃない熱量と積極性にイラっとし、タイミングも相まってバトル頑張ってきたシロたち労えや! とキレた。
グレイの話やらプリボム、シロファミリーかもしかしたら初等部組の話など書きたい話いっぱいあるので、少し整理してから次回書こうと思います。