ボンバーバトル黎明期のボンガ世界に転生しました。 作:ハニボン
前回のあらすじ! 我らボンバーなチームは初のバトルでボンバーな初勝利を飾ることに成功したのである!
「そのあとの試合は全部負けちゃったけどね……」
練習試合は一度だけで終わらない。連続でバトルが行われたが最初の一回以外勝ち星を上げられず惨敗となってしまった結果を、俺は苦笑い混じりに口にする。
対するガール達は三人が不思議やな〜と首を傾げており、一人はこいつらほんまほんまこいつらと憤っていた。
現在練習試合から事務所に帰宅して、今日の振り返りをしていた。外野から見た俺の所感よりもまず、2回目以降の彼女達の実感を聞いてみた。
「えーっと……全然敵ベースに入れなかった! ブロッカーの子が通してくれなかったよぉ〜!」
「相手の守りがきつかったな〜! 特にあのシューター、やり手だぜ。結局一回も倒せなかったな」
「バトル回数を重ねていくとともに、比例して敵シューターとブロッカーへの命中率低下と敵の回避率増加の傾向あり。実戦経験値と学習により動きが洗練されたものと推測します」
「バカ三人はなんも考えずに突撃し過ぎだっつの! ってモモぴゅん言いたいけど……そういうことじゃないのよね、ご主人? ならモモぴゅんもエメラと大体同じよ」
先ほどまで憤ってたモモコは感情こそ吐露すれど、俺の方をチラリと目配せして気を落ち着かせていた。
どうやら俺の意図を察しているようで、今日のバトルで知れたことや気づきを得られたのだろう。何かしら掴めたのが顔つきでわかる。
「みんなそれぞれ感じることはあるよね。もう一度今日のバトルを振り返って整理してみましょうか」
そう言って俺はプロジェクターを起動して、ボムドローンで上空から撮影していた今日のバトル映像を流した。
「まず最初の試合はみんな好きなように動いていた。それは相手チームも同じでどちらも序盤は決まっていた動きはしていなかったけど、終盤から少し動きが変わっているのがわかりますね」
前半の映像はシロ、オレン、エメラの三人が攻め込んでいる。それは相手も同じで、ブロッカー以外の三人が攻勢に回っている図になっていた。だが、後半からは違う。
「シロちゃん、オレンちゃん、エメラちゃんの三人の攻めが凄まじかったのでしょう。相手チームも最初は3人で攻めていたけど、終盤からはベースを守るためにシューターの子が防衛に入りました」
そこから2戦目、3戦目のバトルを見ていく。
「そこから相手チームは攻撃と防衛を二人に分けてバトルに挑むようになりました。敵ベースを攻めていた三人はわかると思うけど、最初のバトルと違ってとても攻め辛くなったんじゃないかな?」
「……たしかに動きがスムーズになったというか、こっちの動きに対応しやすくなってる感じはしたな~」
こと戦闘に対しては真面目なのだろう。オレンはいつものおちゃらけた雰囲気ではなく冷静に分析していた。
相手チームは2戦目こそアタッカーが防衛を担当していたが、試験的なものだろう。3戦目はシューターが防衛に戻っていた。前世の知識を持つ俺からしたら、バトルの理解の早さに恐るべしと驚愕していた。
「ボマーとアタッカーは攻撃役。シューターとブロッカーは防御役をするこのフォーメーションはバトルにおいて理想的だと断言できます。これは新ボンバーバトルの基本となるポジションの動き方になるでしょう。確実に」
前世でもここは変わらない。今回のバトルで再確認できた。
シロちゃん達の勢いが強かったがために、相手は図らずもボンバーバトルの基本の動きになり、そしてそれが有効的だと気付いたのだろう。本来お互い均衡に塩を送る形になる筈のバトルが、相手に想定以上の塩を送ってしまった形になってしまった。
しかし、それはこちらも同じで得るものはあった。
「ポジションの役割と基本のフォーメーションがどのようなものなのか、みんなは今日のバトルで色々なものが見えてきたんじゃないかな? バトルの練習は明日から本格的に始まりますが、当分は攻撃役と防御役の基本を中心にメニューを組む予定です。
今日を踏まえてどんな行動が正しかったのか、なにが敗因に繋がるのか。各ポジションの自分の役割を意識して取り組んでみてください。バトルの流れが自ずとわかってくるし、これからもっと上達して強くなれる。俺が全力で君達をサポートしてみせます」
少し話が長くなってしまったが、彼女達は騒がず静かに俺の話を聞いていてくれた。聞いてくれている時のみんなの顔はどこか楽しみにしているようで、好戦的で、期待に胸を膨らませているように見えた。
「最後に改めて……これからよろしくね、みんな」
最後に締めの言葉をして、ボンバーガール達はよろしく~と元気に返事をしてくれた。