ボンバーバトル黎明期のボンガ世界に転生しました。   作:ハニボン

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プライベートって付ければ豪華に感じるよね

「新しいバトルメンバーと専用のバトルマップが欲しい、ですか?」

 

 とある日の午後。場所はボムスタジアムで俺はバトルの練習に取り組んでいるガール達を横目で見ながら、隣で一緒に見ていたスタッフさんに話を持ちかけていた。

 

「はい。新しいメンバー、というよりもう一つチームが欲しいんです。ここ数日のバトルや練習を見て思ったのですが……やはり実戦練習が一番上達すると思うんです」

 

 まず新チーム提案は、今の俺の一言に尽きる。前回行った練習バトルが記憶に新しいだろう。記録したバトル映像を後から見返せば細かく指導ができるし、ガール達も客観的に自分を見ることで動きや欠点などがわかるので教えるのに非常に効率が良いのだ。

 

 ならば実戦あるのみと言いたいが、当たり前だが練習場所と対戦相手が必要だ。ボンバーバトルを行える施設も今のところこのボムスタジアムしかないのだが、他のチーム達も利用するため案の定予約形式になってしまっている。

 

 これに関してはテレビでもボムスタジアム問題として取り上げられており、相手チームと練習バトルを約束しても予約が取れない、予約が取れても相手がいないという悪循環のような問題が発生していた。

 近々予約が取れたもの同士でランダムに選ばれるマッチングシステムが導入される予定だが、それを待つ時間も惜しければおそらく予約がかなり先になる可能性があるのを鑑みても、自由にバトルできるマップが欲しかった。

 

 だから我らのチームも今は走り込みや足運びのトレーニングが中心で、予約が取れても相手がいない今日の場合はボマー・アタッカーの攻撃側、シューター・ブロッカーの防御側に別れ敵対する擬似バトルのような形になっていた。

 

 要は場所も練習相手も身内で完結させたい、という話だ。

 

 いやまあ、原作知ってんだから原作のガール達スカウトしに行けよという話ではあるのだが、居場所を調べるのに時間が掛かるしコネクションがあるわけでもない。それならばスタッフさん特有のコネや手腕に助けてもらおう、という他力本願精神で頼んでみているわけだ。

 

 身内で完結させたい話を簡潔に伝えると、スタッフさんは「うーん……」とか「そうですね〜……」と少し悩んだようにしていた。やはり少し無茶振りしてしまったか……?

 

 最悪マップは後回しにしても新チームだけは欲しいと、俺がスカウトしたいガール達を口走ろうとした時、

 

「話は聞かせてもらった!」

 

 スタッフさんが何かを言う前に、バトルが終了して戻ってきたシロが高らかに俺とスタッフさんの会話にエントリーしてきた。

 

 その後ろには他のメンバー一向の姿があり、どうやら全員先ほどの話を聞いていたようだ。

 

「新しい仲間集めだね、マスター! それならシロちゃんの大親友のクロちゃんを紹介できちゃうよ!」

 

 サムズアップしてはポーズするシロの言葉に少し反応しそうになった。ポーズするシロちゃん可愛い……だけじゃなくて、理由は無論シロが口に出した親友であるクロというガールに対してだ。

 

 彼女こそが俺がスカウトしたいガールの一人であり、実はずっとシロにクロのことを聞きたかったが、今の今まで話を持ちかけられずにいたからである。

 

 なぜ話しかけられなかったのかって? 単純にどう話を切り出せば良いかわからなかっただけです……。

 

 そもそも面識全く無いのにこちらが一方的に知っているのは怪しさ満点だろう。みんなと知り合ってから数日しか経っていないし。「なんで知ってんだよキモッストーカー?」なんて言われてみろ、精神崩壊するぞ!

 

 とはいえシロから話をしてくれたのはまさに渡りにボム、棚からボム餅、運はボムにありだ。このチャンスを逃さぬために、俺はできるだけ優しく自然な風にシロに詳しく聞いてみた。

 

「しししし、シロちゃん! そのく、クロって子はげほっげっほ!」

 

「ふえぇ!? マスター大丈夫!?」

 

「いや落ち着きなさいよ」

 

 自然風を意識して失敗し、慌てて話そうとしてむせてしまった。シロはそんな俺の心配をし、モモコには急にどうしたこいつという視線で見られてしまった……。

 

 一度咳払いをして気を取り直し、俺は話を戻した。

 

「ごめんね……えっと、シロちゃん。そのクロっていう子のことを教えてもらってもいい?」

 

「うん、いいよー! クロちゃんはねー」

 

 それからシロの説明を聞いて、クロはシロと同じボンバーアカデミアの同級生で、旧ルールだがボンバーバトルの成績は優秀で、いっぱい食べるのが大好きなボンバーガールだと褒め称えていた。

 

「私達がいるこのチームの話をしたらね、すんごい興味持ってくれたの! 私と同じボマーでやってみたいんだって!」

 

「ふむ……それなら丁度良いからもしれませんね」

 

 シロの今の話を聞いて反応したのはスタッフさんだ。丁度良いとは?

 

「実は私も才能あるガールを何人か目星を付けてましてね。まずブロッカーの子が一人アポイント自体は取れてます。ですが家業が多忙のため中々会うことができておらず、近々予定が取れそうとのことで日程が決まり次第連絡を頂けることになっています。アタッカーとシューターが現在アポイントの確認中。そしてボマーだけがまだ手つかずだったので、件のクロさんのスカウトに成功すれば新メンバーの件はクリアできそうな感じなんですよね~」

 

「えっ? そうなんですか? 少し悩んでいそうな感じだったから、てっきりきついのかなと思ったんですけど」

 

「いえいえ、ただサプライズでユキトさん達に電撃発表したかっただけで、シロさんの話を聞いて丁度良かったので今バラしちゃいました」

 

 そういうことだったのか……たまたまなのだろうが、うまいこと新メンバーが揃いそうで良かった。

 

 隣でオレンが「シューターできそうな奴なら紹介できたんだけどな~」とぼやくとスタッフさんが「また今度お願いしますね~」と返していて、エメラは「大佐を……いえ、ありえないですね」と呟いている。そんな中今度はモモコがスタッフに対し口を開いた。

 

「ていうか、バトルマップも時間の問題じゃない。スタッフは情報隠しすぎだっつの」

 

「いや〜やっぱり驚かしたいじゃないですか〜」

 

 モモコが呆れるように言うと、スタッフさんは悪びれることなくテヘペロと舌を出していた。待て、まさかバトルマップも……!

 

「ええ、私というよりモモコさんの伝手になりますが、私達専用のバトルマップ建設はバトル事業が始まってから最初期に計画されてたんですよ。ただこれには一つ問題がありまして……」

 

「土地がないのよ、単純に。建設工事は問題ないんだけど、良さげな場所が中々見つからないから、それが見つかり次第ってのが現状よ」

 

 なんでもないように言うモモコに、俺はシロと一緒にすごいやんかあと同じ顔をして関心してしまう。流石というべきか、やはり俺の考えなんかよりもスタッフさんやモモコの方がよっぽど先を考え行動に移している。二人の手腕を感じていた。

 

 ていうかモモコってまだ小学生だよな? 貫禄ありすぎでは……?

 

「とにかくバトルマップは後にして、まずはボンバーガールスカウトを優先させましょう。シロさん、そのクロさんと明日会って話す時間を取れるか聞いてみてもらっていいですか?」

 

「おっけー! ボムラインで聞いてみるね!」

 

「よろしくお願いします。明日もし会えそうなら、ユキトさんはシロさんと一緒にクロさんのスカウトに行ってもらいましょう。それでよろしいでしょうか?」

 

「はい、それで大丈夫です。ただ急に明日会おうで会ってくれるかは……」

 

「クロちゃんから連絡来たよ! 明日会ってくれるって!」

 

「早ぁ」

 

 というわけで、明日はシロと一緒にクロに会いに行くことになった。

 

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