眠りから覚め、冒険に行く準備をしていると、ドア越しから声が聞こえてくる
「籠手の勇者様、王様から緊急の招集です」
「…わかった」
恐らく、昨日の赤髪の女のことだろう。尚文はそんなことするやつではないと思うが…まあ、尚文の主張次第だな
・・・
「来たな、リョウヤ殿。早速だが何があったか詳しい説明をする。よく聞いてほしい」
「…大まかには知ってますよ。恐らく尚文がその女性に性的暴行でもしたんじゃないですか?昨日そこの女性が元康の所に逃げ込んでたのを偶然見ましたし。」
「えっ、見てたのか!?」
元康が目を見開いてこちらを見る
「…ふむ、なら話は早い。後は盾の勇者を待つだけだ」
すると、扉が開いた。扉から出てきたのは、複数の兵士と彼らに連行されている尚文だった。
「マイン!無事だったのか!」
赤髪の女が元康の後ろに隠れる。あいつマインって言うんだな。
「な、なんだよその態度」
「本当に身に覚えが無いのか?」
元康が仁王立ちで尚文に尋問する。てかあいつが着てるの、昨日尚文が着てたやつじゃねえか?酒場で見たぞ
「身に覚えって…ってあー!お前が…ってどっちが枕荒らしだよ!」
これ多分俺と元康が同じ服を着てるせいだな。
「俺のはきちんと自分の金で買ったものだ。お前も行ったあの武器屋で確認すればいい。」
尚文は理解したような顔になる。
「そ、そこまで言うなら信じるが…だったら元康!お前だな枕荒らしは!」
「誰が枕荒らしだ!これは酒場でマインに出会った時にもらったやつだ!それにお前、まさかこんな外道だったとは思いもしなかったぞ!」
「外道?一体なんのことだ?」
尚文は本当に心当たりがないのか、困惑した顔で俺等を見ている。
「…哀れな冒険者マインよ、すまぬがもう一度証言してはもらえぬか?」
内容は、尚文が酒に酔った勢いでマインの部屋に入り、”まだ夜は明けてねえぜ”と言って押し倒し、マインの服を無理やり引きちぎったとのことだ。なんとか逃げ出して元康の所に行ったらしい。
朝まで待って騎士を呼んだほうが良いと言ったらしいんだが…どうも怪しい。
怪しい点1つ目、尚文がそう簡単にマインを逃がすかどうかだ。
酔ってた影響で眠りに着いてしまったならまだ説明がつくが、眠っていなかった場合、なぜ追いかけなかったか、なぜ逃げ出されないように鍵を掛けなかったかが気になる。酔っているなら冷静な判断が出来ないだろうから鍵の件に関しては仕方ないが…逆に冷静では無いから追いかける可能性もあるにはある。
2つ目、マインがどうやって元康にあの服をプレゼントできたかだ。元々あれは尚文が着ていたやつだが…見てたやつが俺しかいないなら仕方ないか。
3つ目、これが最も重要で、なぜ朝まで待ったかだ。逃げ出せれた=尚文が眠りについたと仮定すると、直ぐに攻勢したほうがいい。酔いによる眠りなら結構寝起きは弱いと思うから、奇襲が有効だろう。勇者である元康がいるなら尚更だ。
もし眠っていなかった場合でも、元康が攻撃しに行けば高確率で元康が勝てた筈だ。たとえ盾の勇者が頑丈だったとしても、攻撃力は無いからそこまで脅威にはならない。
攻撃力がそこそこあったとしても、酔っている相手の動きなんて単調そのものだ。常に酔った状態で戦っているやつが相手なら話は別だが、ニートの大学生がそんなことをする人物な訳が無い。
冷静な元康と酔った尚文。どちらが勝つかなんて一目瞭然だ。恐らく元康の方は確実に尚文より6レベは上げてるだろうし。
よって、個人的に怪しいのは尚文ではなくマインだ。
しかも余計怪しいのが、尚文のベッドの上にマインの下着らしきものがあったという証拠だ。俺が考察中に言ってた。
尚文の言動と行動を見た感じ、二日酔いというわけではない。なら本当に犯行したとしても、せめて隠したりするはずだ。ベッドの上に犯行品を置くなど、犯罪者として失格だ。
もし隠す前に連行されたとしても、今その証拠品を出すのはおかしい。尚文が来る前から提示した方が良いだろうに。その方が俺達勇者も含め、早く味方を作ることができるんだがな。
流石に陰謀がわかりやす過ぎる。元の世界の悪徳ギルドの方がもっと巧妙に隠していたぞ。
まあ、何故か他の3人は完全にあいつを犯罪者として見てるから、流石にこの状況をひっくり返すことは無理か。
無理に養護して、俺も目の敵にされるのは御免被りたい。
「お前は主人公なんかじゃない!身の程をわきまえろ!」
元康、お前がそれ言うか…?ていうかいい加減この茶番に飽き飽きしてきたんだが…いつ終わんのこれ?…あ、尚文がキレた。そりゃキレるわな。というか今気づいたんだが、今こいつ元康のことを元康様っつったか?俺等のことは勇者様呼びだったのにか?
…やっぱ怪しいな。
にしても野次から聞こえてくる盾という単語…盾自体がこの事件に関係あるのか…?いや、無いだろう。言い方的に盾の勇者自体を嫌煙してる気がする…今度エルハルトに聞くか。絶対裏になにかいるはずだ
「俺を元の世界に戻せ!!!」
…こういうのは戻れないのが転移ルールだ。なにかしらクリアしないと戻れないだろう。例えば魔王を倒したりとかな。
「新たに召喚できるのは、全ての四聖勇者が死亡した時のみと伝承にはある」
あっ…ふーん。なるほどね。完全に理解したわ。てかこの場合俺どうなるんだ?エルハルトの情報によると俺は四聖勇者じゃないっぽいんだが。まあ、波を退けた時でも帰れるっぽいし、そっちの方向で行きますかね。
「だったら、俺は俺のやり方で波をどうにかしてやるよ!」
…お?
「動くな!」
「どけっつってんだよぉぉぉぉ!!!」
…中々面白いやつだな。
尚文の罰は、ここメルロマルクで自由に生きることが出来なくなることになった。きっとところどころで問題に巻き込まれんだろうな。
尚文が退出する前に、銀貨を元康に向けて投げた。
「…」
「なっ!」
俺はそれを4、5枚くらいキャッチし、尚文に手渡す。
「今のお前には必要なものだろう?持っておけ」
「…チッ!」
尚文は奪い取るかのように銀貨を取った。俺はそのまま小声で尚文に耳打ちする。
「…お前のその根性には興味がある。俺は中立派にいる。なにかあったら言ってくれ。俺もこの
「…なぜ擁護してくれなかった?」
「あの状況で敵を作るのは適策とは思えなかったからな。悪いとは思っている。…そろそろ怪しまれそうだ。健闘を祈る」
「…ああ。お前もな」
尚文はそのまま外に出ていった。すると、元康が話しかけてきた
「…なぜ金を返したんだ?あいつが投げたんだから俺達が持ってても…」
「あいつも一応勇者だ。そこら辺で死なれても困るからな」
「そうか…優しいんだなお前は」
「…使えるやつは使う主義なんでな」
少なくともゲーム感覚のお前らよりは使えるだろうよ
「…レベル上げでもしてくる」
「ああ、じゃあな!」
…その前にエルハルトのとこに行かないとな
・・・
「エルハルト」
「お?籠手のあんちゃんか…聞いたぜ。ナオフミのこと。マントだけ貸して送ってやったよ」
「…感謝する。あのままではきっと舐められるだろうからな。それより聞きたいことがある」
「なんだ?」
「単刀直入に聞こう。この国は盾の勇者を嫌っているな?尚文が問題を起こしたからというわけじゃなくてだ。」
エルハルトの顔が険しくなる。
「…きっと三聖教のせいだろうな」
「三聖教?」
「ああ。盾の勇者を悪魔として見ている宗教だ。」
「…餌食にされたか」
「可能性は高いな。しかも国とも結託してそうだ」
俺は手を強く握る。こんな俺のときと似た、こんな腐った宗教があるとは…しかも国までも共犯ときた
「…あんちゃんはこれからどうするんだ?」
「…」
決まっている
「もっと強くなる…」
あの頃の光景が脳裏に浮かぶ
『お願い!この子だけは…!』
『うるさい!この悪魔どもめが!』
『…行って!』
『母上!』
…俺を逃がすために、死んでしまった母上
「…もう誰も失いたくない」
あの女と尚文だけのいざこざでああなったなら、個人の問題としてあまり手は出さなかったが…バックに大きなものが、しかも似た宗教となれば話は別だ。
「徹底的に潰してやる…!」
「…頑張れよ。あんちゃん」
尚文。俺と似たような境遇なら、お前がやりたいことはわかっている。
「復讐…」
俺も手伝ってやる。そして…
「俺みたいなやつを、また作るわけにはいかない…!」
復讐者である岩谷尚文の位置、スキル、ステータスがわかり、伝説の武器同士のペナルティを解除します
しかし、このスキルの発動条件は、尚文の仲間が出来た後、改めて復讐心を持った時です
復讐が終わればスキルは消滅します
主人公くんは剣や弓の才能がない代わりに、強靭な肉体を持ち、武術が極めて優秀でした。
しかし、彼のいた国は剣と弓、魔法が主流であり、それ以外は邪道であり、人々からは悪魔と呼ばれるようになりました。
理由の一つとして、武人はその極限まで磨き上げた強靭な肉体のせいで、剣士や魔法使い、弓使いを簡単に倒せるからだった。(剣は生半可なものだと肉を切れない、魔法と弓はその驚異的な速度に追いつけないため。)
彼のいた国は代々から伝わる剣技、魔法、弓の技があるため、武人が誕生し、それらの文化を消してはならないと判断したからです。
そのため、将来強力な武人になりそうな主人公くんを殺そうとし、国は主人公くんのいる村に軍を派遣しました。が、母上(一応元魔導士)が時間を稼ぎ、主人公くんは逃げることに成功しました。
主人公くんが武神になり、この国を作り変えると決心したのも、この事件が原因です。
彼の強さの秘訣は、逃げた後に自然で鍛え、培ってきた”勘”。これが鈍らない限り、彼を奇襲することは難しいでしょう。
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正直主人公くん弱体化させた方が良いと思う?
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おん
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いや別に良いんじゃね?
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作者の好きにしなはれ