あべこべ世界でゲームを作ろう!   作:蓮太郎

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正直前話と入れ替えるべきだったかと思いましたが、あえてここではこのまま走らせてもらいます。


32.社会影響

 

『デッド・セレクション〜愛するのは君だけだ〜』は世界に多大なる影響を与えた。

 

 従来あった乙女ゲーは誠実な男性像ではなく妄想を垂れ流しにした夢のように甘い、もしくは抵抗しかしない男性像ばかりであった故に。我々が知る男のような思春期で、ツンを見せたと思えば甘えもある見たことのない男性像を見せられたのだ。

 

 それに加えてヒロイン達が何度も何度も死ぬだけでなくホラー演出まで組み込まれ心を折っていく仕様。

 

 既に少なくない人間が『色々な意味で』心を痛めていた。

 

 元来なら男はこういう性格だったのか、我々が無理をさせたせいで歪んで卑屈な男ばかりになったのか。

 

 残念なことに真相は分からない。検証もまだ何もないのだから。

 

 さて、このゲームは制作期間と資金は今まで発売された大作と比べたら少ないものの、客観的に見ればかなりの金額がかかっている。

 

 それだけではない、この一本のゲームに関わる労力は関係者以外からは想像できないほどのものと推測してしまう。

 

 本来なら男1人動かすだけでも大金がかかる。それを何日、何ヶ月と実質拘束に等しい期間で、子を成すため以外に使うのだから相当無駄なことをしていると思われているだろう。

 

 なお、本人が喜んで声を当てたりプログラムの8割を組んでいるため逆に扱いが非常に困っていたりする。

 

 男が働くのは精子提供による給付金では足りない、金額がかかるものが欲しい時である。

 

 それが(大富豪視点では)全くなく、むしろ『ゲームを作る』という仕事を趣味として、嬉々として行なっているため対価を拒否されているのだ。

 

 女を抱くという行為も男性の仕事と捉えられており褒賞にすらならず、ケイ・カンパニーとしてはスウェン・ケイという男に何百、何千億もの負債を抱えているような状態なのだ。

 

 それだけのことをしているのに、スウェンはそう言った価値観から明らかにズレていた。

 

 いつか、誰かが気づくかもしれない。

 

 明らかに何かが破綻した異常者ということに。

 

 

 

 

 

 

 

〜●〜●〜●〜●〜

 

 

 

 

 

 

 さて、『デッド・セレクション~愛するのは君だけだ~』の作者である僕ことスウェンが、どのようなゲームか内容を教えてあげよう!

 

 前提として、これは乙女ゲーである。間違いなく乙女ゲーである。誰が何と言おうと乙女ゲーである。

 

 だって恋愛要素があるもん。それがメインだから乙女ゲーだもん!

 

 この議論はいったん置いといて、このゲームにおけるメインヒロインはキューリュー君だ。

 

 ちょっとチャラくて厳ついが、どこか愛嬌があるヤンキーで主人公との関係性は幼馴染となっている。

 

 この世界に男の幼馴染の概念があるかって?はは、そういう願望は無限に存在してるんだよ、ネット上で妄想が驚くほど垂れ流される程に。

 

 なのでそう言った欲望を形にしました。

 

 その代わりに選択肢と好感度によって死にます。初見で完全ノーデスは無理と言っておく。

 

 僕もテストプレイした時に選択肢と好感度調整の細かい仕様を忘れて普通に死なせてしまうくらいだからね。

 

 で、一周目は確実にキューリュー君ルートになって一度目のエンディングを迎えます。

 

 その後からサイド君とロイ君を攻略しよう!となるところなんですが…………

 

 キューリュー君は一周目の記憶があります。なので主人公が突然目移りしたように見えてめっちゃ困惑して戸惑ってしまいます。

 

 そして次に来るのはヤンキームーブ、主人公に力で迫ってくるのですがサイド君もしくはロイ君が助けに入ってくれます。

 

 なお、ここで選択肢をミスったらサイド君もしくはロイ君がキューリュー君に殴られ当たり所が悪かったみたいで撲殺されます。

 

 キューリュー君が撲殺してしまった場合、やってしまったと顔を青くして深刻な事態を引き起こしてしまったことを後悔する差分が画面が暗転する前に見えます。

 

 主人公は当然リトライするんだけど、これがフラグとなります。

 

 何故ならキューリュー君は全部のフラグを記憶してるからです。

 

 何度も不幸によって死んで、主人公が行動を変えて救ってくれたことを記憶しているため二周目の時点で実は好感度がカンストしています。

 

 それが突然初めに戻ってスムーズに出かけたと思ったら主人公が別の男に言い寄ってるのを見て彼はどう思うでしょうか?

 

 はい、病みます。

 

 先ほどの撲殺によってフラグが立ったため、先ほどの撲殺イベントが変わってキューリュー君の詰問を遮るサイド君もしくはロイ君に先ほどの記憶があるため躊躇して「なんなんだ…………なんでだよ…………!」と言って去ってくれます。

 

 そこから二人のヒロインの攻略になりますが、めっちゃ不穏になってきます。

 

 まずキューリュー君のストーカー化から始まり、バグのようにアイテムが増えてたり減ってたりします。

 

 この時に地の文で主人公もおかしい事が起きてることを示唆しますが、世の女性と同じく色狂いなので気にせず攻略します。

 

 そしてサイド君とロイ君、特にロイ君は選択ミスると不審死します。

 

 ロイ君がよく不審死する理由は特にありません。作者も分かってません。

 

 なぜ不審死するかというと、キューリュー君が『コマンド』の力を手に入れたからです。

 

 そう、キューリュー君は他ヒロインの攻略の裏で色々と調べていて自分がゲームキャラということに気づいたのです。

 

 なのでゲームキャラとしてデータを見れないかと四苦八苦した結果(この時に他ヒロインが死んでリセット入るまで何度も死んでる)、バグの力を手に入れたという訳です。

 

 その結果、たまに油絵が溶けたような怪異のようになるという呪いを受けたかのような姿を晒しながらも、ついに主人公と一対一の対面へともつれ込む。

 

『俺は、お前のことが好きなんだ。いや、俺が好きなのはお前じゃなくて「選択をしている向こうのお前」なのか?』

 

 彼は問いかける、キャラクターとしてあるまじき視点から語りかける。

 

 崩れた空間、しかし彼は、キューリューはそこにいる。

 

 そこからタイトルに戻ろうと同じ画面へと戻る。

 

 学校椅子の背もたれを前にして座るキューリューが見つめながら。

 

 本当にハッピーエンドなのだろうか?愛する人と永遠に見つめ合うのは。

 

 ずっと、たまに語りかけてくれたり(計100種ボイス収録)するのはいいことなのだろうか。

 

 彼を『終わらせる方法』はある。一応『終わらせる方法』を使った後の復旧方法もある。全部ストアページの下に書いてるので実はネタバレしてたりする。

 

 『終わらせる方法』を使ったらサイド君とロイ君が普通に攻略できるようになるので本当のクリアをしたいなら、一度『終わらせる方法』を使うしかない。

 

 サイド君とロイ君のシナリオはヤノ先生と一緒に考えました、はい。めっちゃ修正入れた、僕が。

 

 …………男性像って難しいね。

 

 前にマールさんを病院送りにしたのはイケイケヤンキーボイスで攻めたからで、それを元にキューリュー君が作られたのだ。

 

 これはウケるんじゃないかと思い、思い切ってイケイケに攻めてくる(ただし調子に乗って死ぬ)キャラをメインにしてプレイヤーに一度誘惑を振り切って実績という進捗を進めて欲しかったんだけど…………

 

「0.1%以下…………嘘でしょ?」

 

 1月経過した結果、トロフィーコンプどころかキューリュー監禁モードを突破した人が思っているよりも少ない事に僕は戦慄した。

 




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