「ロウル、スウェンに何したの?」
「何もしてねえよ、なんか起きてからずっとあんな感じなんだって」
「昨日の夜伽がいけなかったんだ」
「あたしはそこまでヤってねえ!」
「じゃあ何です?昨日のお母様のお叱りとも言えない言葉でスウェンがああなったとでも?」
「多分そうだ!そうに違いねえ!」
「貴女と寝る前まで上機嫌だったわよね?既存の作品の続編を作ってもいいって言ってから機嫌は良かったわよ?」
朝食の場にて、僕がしおしおとなりながら朝ごはんを食べてるのを見て家族達が騒いでる。
昨日の夢枕?夢そのもの?どっちでもいいや、そこで僕を転生させてくれた神様の1人に静かにめっちゃお叱りを受けて気落ちしてます。
流石に『あの方』にあそこまで言われたら反省する。僕がやり過ぎたって事を認識させられるくらいの圧が、あの時あったのだから。
飛ばしすぎたかなぁ、せめて過去重系ヒーローから始めていけばよかったかなぁ?
それに『この3年』というわざわざ確定した年数を入れてきたことが決め手だ。
フリーゲームと製品含めて一年に1本のペースを個人かつ重いのを作るほうがおかしかったかな。
やる気があったからできたことで、もうちょい世間のことを知ってから内容を精査するべきだった。
でも満足です。今は『スリップ工房』個人としての休養期間として、次の作品を作るまでに男の扱い、現状をもっと深く知ってから希望ある作品を作りたいと思います!
「それはそれとして、検閲は本当にするのか?いや、スウェンがやべーもん作るのは分かってるけどさぁ」
「あの子の趣味だから口を出したくはないのだけれど、今回の影響は流石に無視できないのよ。投資家として分かってくれるわよね?」
「投資家だからこそ金かけたい気持ちだっての。ゲームがショックで病んだ死んだは自己責任だろ。そもそも年齢制限だってR18でGマークだってついてただろ?」
「それを割り切れないのが人の心。大学も休んでる人が割と出てるからあんまり強く言えない…………」
「じゃあ何だ?あたし達にヤることだけやらせて他は制限させるのか?」
「作る物は作るよ」
「…………いや、なんかそういうことじゃなくて、すんって元のテンションに戻るなよ」
いつまでも落ち込んでいられない。僕は僕のやりたいことはやるし、それが駄目と言われたら抜け道を探すのみ。
流石に全面禁止となったら抗議はする。でもまだ余地はあるからそこをしっかり固めて建設して何も言わせないくらいにしてやるってもんよ。
「…………そうだよね、私たちの弟はこういう子だもんね」
「諦めが悪いのか、何も分かってないのか」
「流石に分からされたよ。かなりやり過ぎたって」
「「「「誰に分からされた!?」」」」
ガタン、と異口同音に母さんと姉さん達が椅子を倒しながら立ち上がる。
「あ、いや、言葉のあやだよ。ネット上にキューリューに関わる投稿がたくさんあって、思ったよりも人の人生に影響を与えたんだなって…………」
別に面白半分と言うわけではない。趣味が90%入ってるけど、場合によってはこういう男もいるんだよっていうのをいきなり作り出したのがいけなかった。
もっとマイルドなものから作ればよかった。光源氏みたいに幼少から育成するようなものとか。
いや、流石にそれもアウトか。
「…………まあ、分かってくれたらいいわ」
「知らない人の痴態で学ぶのもどうかと思いますけれども…………」
「いいだろ、それで成長すればさ」
「その想像力は羨ましく思える時はある」
とにかく、刺激が強すぎるのをモロに出すのはまずいということは完全に理解した。
うーん、ちょっとくらいなら、背景ストーリーのメモがちょっと黒いくらいなら…………バレないかな?
ともかく、次に作るゲームは決まった。
まさかのリクエストだったけど完遂はする。
『クリスタルロボ・洞窟王国の再生記』、ケイ・ゲームズが送る洞窟でゆったり開発して国を発展させる、僕がこの世界に産まれる前に発売されたゲームの再開発。
…………いや、黒い部分入れられないな?
それでも気分転換がてら、別ジャンルにも挑戦しよう。
こういうゲーム開発はバグとの戦いだから、粘って頑張るぞー!
「なんか意気込んでない?」
「本当に大丈夫なのか?」
「ストッパーというのが大切だということを学びましたわ」
「みんなでしっかり見ていきましょうね、
僕が新たな目標を立ててる時、僕は家族の会話を聞き逃していた。
〜●〜●〜●〜●〜
『おい、私が選別した魂が間違いだったというのか?』
『その結果がこれでしょう。貴方が望む男が少しでも楽になる世界にならなかったでしょう』
『あれくらい許容だろう。お前みたいな固執する女ばかり増えたから遊戯ごときで命を断つなど、待て、その拳を下せ』
『誰がメンタル弱くてちょっとセンチで簡単に自傷するめんどくさい女ですか?』
『そういう所が影響を与えて…………』
全く知らない場所、そこに居るある2人が死闘を繰り広げていた。
叫び、怒号、もはや体面を気にせずぶつかり合う世界。
なお、ここで何を罵倒してるのかは少々品がないので省かせてもらう。
何故なら『命を司る神』に馬乗りになりながら『死を司る神』が殴りつけているのだから。
『お母様、程々にしてください』
『娘よ、少しは助けてはくれまいか?』
『お父様、反省してください』
『思ったより敵が多いな?』
自分の娘にすら見捨てられている『命を司る神』はどこか悲壮感があった。
なお、その娘は母である『死を司る神』に買収されているので今回は味方になることはない。
製作者となる父と母が送り込んだ人間には不安があるものの、ちょっとだけ期待はあった。
何故なら娘は繊細でセンチメンタルでめんどくさい引きこもりなのだから。
娘は母に似る、どこの業界でも大抵同じであった。
感想をいただけると励みになります。