みなさんここの神に色々と言いたいことはあると思うんですけど、生きとし生けるもの上位存在であろうと意志があるなら我儘だった。人選ミスったりとそんなもんだと思います。
そうですよね神話で語られる皆様?
新しくゲームを作るその前に、今の我が家における事情を一つ摘んでおこう。
まず、僕たち家族5人にメイド32人がケイ家が所有する敷地内に住んでいる。
もちろん常に32人が屋敷で働いているわけではない。交代で働き常に何人かは休んでいる。
ただし、ここ最近は違う。休む人数が増えてきているのだ。
何故かというと…………
「見てくださいお坊ちゃま、ここまで大きくなりましたよ」
「経過は母子共に順調です」
「そろそろ他の方も妊娠しそうではありますよね」
「そうなると、この子は姉になるんですね」
お腹を大きくしたメイドが4人、広大な庭で優雅にお茶を堪能していた。
そこに同席しているのは母さんと、お腹の子の父親である僕スウェンだ。
もうすぐ14歳になる僕の誕生日プレゼントの一つが赤ちゃんになるかもしれないです、はい。
一番初めに妊娠したのがこの4人のメイドさん達で、まだ働いているメイドさん達の中でも体調を崩してなかったり産休に入っていない人達を含めたらお腹に子がいる人はもっと増える。
多分、姉さん達も、もしかしたら母さんも…………
この話は後にしよう。触れてはいけない話だ、うん。
しっかし、僕がパパかぁ。前世は彼女無しだった僕が4児のパパかぁ。
残念なことに検査した結果、お腹の子は全員女の子という事が判明している。
エコー検査の写真を見せてもらったけど付いてなかったんだよね、股の物。
こればっかりは仕方ない。気づけば男性の出生率が異様に下がっているんだから簡単に産まれはしない。
「こうして考えてみると、最初に孫を作るのがウェイルでもなくロウルでもなく、ルゥでもなくスウェンとはね」
「普通は男の子の種で出来た子を孫と呼ぶことは無いですものね」
「父親の顔を知らない子は山ほどいますものね」
「むしろ、それが当然でしょ?」
「奥様だって自分の父親が誰か知らない筈ですし」
「この子は幸せですね。いつでもパパに会えるんですからね~」
お腹をさすりながら母さんとメイドさん達は談笑をする。
本来、母さんとメイドさん達は雇う雇われるの関係。そして雇用条件に僕を襲わないことが明記されていた、はずだった。
気づいたらみんな一緒に一線超えてたし、既に形骸化している。
なんなら全員グルになって僕に代わる代わる抱いて抱かれての関係で乱れ切っている。
その元凶が僕だから仕方ないんだけどね。
「お坊ちゃま、名前はどうしますか?」
「名前かぁ…………こういう時って家名は『ケイ』になるの?」
「いえ、ケイ家ではなく彼女達の家名を名乗ることになるわ」
「複雑ですよね。まあ、名家の男の子の子供が出来たら自分も名家の一員だ!って思い上がる人もいますからね」
「男の種は世界中にばらまかれるわけですから、いちいち名乗ってたらキリがないですもんね」
「なんだろう、僕この家に生まれて一番良かったと思える気がする」
自分が認知していない子が増えるって、よく考えたら怖くない?
義務では精子を絞って提供しなければならないってことになってるけど、母さんが金の力で僕を買い取ったためか今まで一度もしたことがない。
そこら辺の法律が緩かったりするのかな?実際のところは分からない。
「それもそうです。お坊ちゃまは世界で一番幸せな男の子だと思います」
にこやかに、本来ならもっと肉食であり性癖を拗らせていたはずのメイドが微笑む。
そう言われたら苦笑いで返すしかない。
『あの方』に怒られる程、自由にしてきたんだ。
僕は、僕が思っているよりも男性という一つの性の事を理解できていない。
前世があるせいか?封鎖された環境で育ったせいか?
それは言い訳だ。知ろうともしていなかった。
思い出せ、マールさんが連れてきた3人を。僕に運動のコーチをしてくれている先生を。
笑っていた、表面上だけ笑っていたのは気づいていたが全く気に留めていなかった。
それをしながら僕は『デッド・セレクション~愛するのは君だけだ~』を作り、世に送り出した。
儲けは出た。しかし『あの方』が言うように刺激が強すぎてキューリューを超えられず踏みとどまってしまい、挙句には自殺騒動まで出ている。
ニュースはあまり見ないが、エゴサしてみるとほんの少しだけ記事があった。
ただ、大したことではないと切り捨てられていた。
何を間違えたか?何も間違ってなかった?
僕には分からない。元々そうだったかのように。
だけど、これから子供が生まれるんだ。
パパは凄い人だ、ゲームを作って人を楽しませることが出来るんだって誇ってみたくなってきた。
鬱、ホラー、そういった作風が僕にとって一番しっくりくるし、根本を変える必要はどこにもない。
ただ、ちょっぴりでも温かい物語もいいんじゃないかって思ったりもした。
根本を変えるつもりはあまりないけど、今回改めて作る『クリスタルロボ・洞窟王国の再生記』は最初は暗くとも目に見えるハッピーエンドにしよう。
流石に全部暗いのは、未来でプレイするはずの子供に悪いだろう。
「お坊ちゃま、どうなさいました?」
「あ、私、この子の名前考えてみたんですよ。お坊ちゃまも同じように考えてました?」
「…………いや、まだだよ」
未来のことを考えてぼーっとしてしまった。
「そうだなぁ、どんな名前にしようか」
男性1人に女性5人、いつ襲われてもおかしくない状況と言われてもおかしくないのに、驚くほど平和な時間が流れていたのであった。
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