修が那須に合成弾を教わる話   作:アウリッツ

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12-3巻 第三戦終了後、鳥丸経由で嵐山隊、出水先輩に射手の訓練を受けた後、仮に合成弾を教わろうとした時間軸から始まります


出会い

 

「こうトリオンキューブをそれぞれの比率で上手く調節しながら混ぜ合わせて作るんだ」

「えっと…」(出水先輩は2秒で合成するから比率も混ぜ方も一瞬で分からない…)

修なりに出水のやり方を見様見真似で練習してみるが一向に合成は成功しない。そもそも合成弾とは「『自然系天才射手の出水が』その場の何となく思いつきでやったら出来た」というボーダーのエンジニアすら想定していない現象である以上、合成の手順等のアドバイスは出水には難しい話であった

「おかしいなー二宮さんも最初は苦戦してたんだけど1日すぎる頃には一通り合成出来るようになったんだけどなー」

「やっぱり僕にはセンスが無いんでしょうか?」

「いや、多分俺が感覚派だから上手く説明出来ないのもあるだろうな、どうする?二宮さんに教わるか?」

「それはちょっと…」

(二宮さんは次の第四戦で戦う相手だ、おまけにこの前玉狛支部で啖呵を切った手前出水先輩の紹介が合っても気まずい。というか二宮さんは出水先輩から合成弾を教わったのか)

「んー他に合成弾の経験がある人だと…そうだ那須さんはどうだ?この前の試合でトマホークを使ってただろ?」

「確かに使ってましたが、先日戦った相手ですし少し気まずいと言いますか、そもそも出水先輩は知り合いなんですか?」

「いや違うけど…確かにアポイント取ろうにも那須さんは体調の問題でなかなか本部に来ないからな…」

その後も代わりに教えられそうな人が見つからないまま出水先輩との練習は終了した

 

その日の夜、玉狛支部

「私が茜ちゃんに話してみようか?」

「千佳、那須隊の狙撃手と連絡取れるのか?」

「うん、この前訓練中に仲良くなって連絡先交換したの。夏目ちゃんの猫を撫でたがってたよ」

「それじゃあ話を聞いてみてくれるか?もちろん那須さんが駄目だったらそれでいいから。それともしアポイントが取れたら千佳も顔合わせの時に付いてきてくれるか?その方がスムーズに説明出来そうだ」

 

『という訳で玉狛第二のリーダーの人が合成弾のコーチを探してるんだってー』

『でもそれわざわざ玲がコーチするメリットあるのかしら』

『うちも次の試合の打ち合わせとかありますからね』

那須隊の連絡用チャットでは、日浦茜、熊谷友子、志岐小夜子が報告と感想を打ち込んでいる

『そうね、確かにただ教えるのもアレだけど、でも体調の良い日でミーティングとかが出来ない日が合ったら教えてもいいかもしれない』

(何せ体調が良くても悪くても、生身の体ではベットの上で本を読んだり、勉強したりするしか出来ず暇を持て余している。ボーダーの研究もひと段落した今では体調が良くても個人のランク戦をしに行くのも稀なくらいだ。個人ランク戦も普段関わりがない他の防衛隊員と1対1で戦うのは少し気後れしてしまう。最初の頃は自由に動ける事に興奮してよく通っていたが、慣れとともに気恥ずかしさも出てボーダーに行く機会も減りつつある。偶にしか行かない事でかえって注目を集めてしまう事もあり余計に足が遠のくばかりだ)

『まあレイがいいならそれでいいけど』

『じゃあ千佳ちゃんに伝えちゃいますね』

 

初めてコーチをしたのはそんなチャットから数日後だった

 

「そう、トマホークは割合を○対△で苺を大福で包むみたいにみたいに…感覚を掴むまではゆっくりでいいわ丁寧に優しく包む感じで合成するの」

「合成って言っても均等に混ぜるわけじゃ無いんですね」

「合成する弾によって違うわ、私も他はまだ感覚があまり掴めてないけどギムレットは同じ物同士を均等に混ぜる感覚の方が合ってるわね」

「そうなんですね、教えていただきありがとうございます」

「そんな畏まらないでもいいわ、私も久しぶりに誰かと話せてよかったわ。チームメイト以外あまり隊員に仲のいい人も少ないし、小南さんともここではあまり会わないから知り合い自体多くはないの」

「小南先輩と知り合いなんですか?」

「ええ、同じ学校のクラスメイトよ」

「そうなんですか、小南先輩の学校での様子…想像できないですね」

「まあそれは本人から聞いてね、ところでさっきいただいたどら焼きってどこのお店の物なの?美味しかったから今度取り寄せようと思うの」

「ああそれは…」

 

「ふーん玲ってお嬢様高校だから心配してたけどあまり緊張せず喋れてるじゃん」

「た、多分歳下なのもあるんだと思います。私も歳下なら緊張も少し減りますし」

第三戦の後少し喋っただけでほぼ初対面なのもあって、那須隊は少し前に狙撃手の訓練に行った茜と修が連れてきた千佳を除いてオペレーターのパソコン越しに2人の様子を観察していた

「じゃあ小夜子も喋ってみる?」

「い、いえ⁉︎遠慮しておきます…先ほどの顔合わせで体力使い切りました」

「そんなんじゃ今後も大変よ、少しずつ慣れなきゃ」

「努力します…」

 

那須さんのアドバイスもあり、修は合成弾も何種類かは時間をかければ作れるレベルまで修得したものの実戦で使うには程遠い状況の中、二宮隊・影浦隊、東隊との第四戦を迎えた

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