ポケットモンスター SPECIAL Lapis lazhward Story 作:三毛猫 タクマ
―ボールに入れてしまえばポケットに入るからポケットモンスター、縮めてポケモン。
じゃあモンスターボールが出来る前は、ポケモンたちはなんて呼ばれてたんだろうか―
「さぁなんて呼ばれてたんだろうね。気になるかい?」
小さな男の子がコクンと頷く。
ここは常盤町(トキワシティ)と呼ばれるのどかな町にある、とある一軒家。
男の子がいる居間には男性の姿も見受けられる。穏やかな表情で男の子に微笑む姿はまるで子を見る父親の様。いや、彼は正しく男の子の父親だ。
「昔々の事だから忘れちゃったなぁ。もし思い出したら教えてあげるよ」
そう言って父親は男の子、ラピスの頭を撫でる。男の子は片目を閉じつつ気持ちのいい父親の手を感じながら、自分の横に居る、一匹の生き物を見た。
そこにはギザギザの白い耳とつぶらな瞳を持った青い東洋の竜の様な姿をした生き物、「ミニリュウ」がいる。
見られた事に気付いたミニリュウが「ん?」と言った感じに男の子を見つめ返す。トグロを巻いて鎮座するミニリュウとは同じ目線なので愛らしいその顔が男の子にはよく見えた。
このミニリュウは自分が生まれた時からこの家に居る事を、男の子は知っている。家族であり、兄弟であり、両親共に忙しい男の子にとって一番身近な存在だ。
常に自分の横に居るこのミニリュウに手を伸ばし、父親にされている様に頭を撫でる。ミニリュウもそれに甘えて男の子の小さな掌に擦り寄ってくる。
父親はその様子を見て微笑みを強くする。同時に、このミニリュウを貰ってよかったと思った。
ミニリュウは生まれたての子供でもそれなりに大きい事を父親は知っていた。今目の前にいるこのミニリュウも、男の子と共に育てて3年。既に全長は3m近くまで大きくなっていた。
その大きさに最初は少し子供の傍におく事を躊躇っていた時期もあった。が、自分とこの子の母親も仕事が忙しい身であり、片方か、酷ければ両方共仕事で出てしまう事を考えて、友人から生まれたてのミニリュウを譲り受けたのだ。
勿論、両方仕事に出てしまう時は祖母に子守をまかせたが、この子の面倒をミニリュウが見る部分も多かった。特に親を求めて泣き出す時は、祖母ではなくミニリュウがあやしていたと聞いている。
きっと、このミニリュウはラピスの一番の友達となるだろう。もしラピスがポケモントレーナーとなれば、きっとこの子を助けてくれるだろう。
父親は、ミニリュウの頭をラピスの手の上から撫でる。全長の割りに意外と小さな頭を撫でながら、ラピスのこれからを心の中でお願いした。
ミニリュウは、短く鳴き声をあげた。