不定期更新なのでそこら辺はご容赦ください。
「ん、ん~~・・・・・・」
この日、伊織は日の出と共に目を覚ました。
布団から出てたたみ、服装を正す。
刀を差せば鍛錬に向かう準備ができる。
「・・・・・・?」
草履を履こうと玄関に意識を向けると、そこには大小様々な髑髏が転がっていた。
「・・・・・・いたずらか?いや、いたずらでもわざわざ墓地から人骨は運ばないだろうが・・・・・・」
「ふああ〜あ・・・・・・よく寝たわい、てなんじゃこれは!?」
眠っていた紅玉の書も目を覚まし、玄関の髑髏に目を見開いた。
「起きたか、爺さん」
「よく冷静でいられるのう・・・・・・伊織よ、これは・・・・・・」
「俺が起きてからこうだった。由は分からん」
「う~む・・・・・・怪異の類と見て良さそうじゃな」
「怪異?」
「うむ。一際大きい髑髏があるじゃろう?」
転がっていた髑髏の中には、一際目を引く大きさの髑髏があった。その髑髏は伊織の下半身と同じ大きさをしていた。
「確かにあるな」
「そうじゃ。この手の話はよくあるものじゃ。大概放っておけば消えようが・・・・・・」
「いつ消えるかはわからんと?」
「うむ」
どうしたものかと頭を抱える。もうじきカヤが来るかもしれないからだ。
「とりあえず、運べるだけ外に運び出しておこう」
そう言うと伊織は一番大きな髑髏を持とうとする。
「!?」
伊織が近づくと、髑髏は眼窩の中から目玉が出現した。
思わず手を離して後ずさる。目玉は変わらず伊織を見つめている。
「・・・・・・爺さん、これは、本当に放っておけば消えるのか?」
「伊織よ、その目には注意するんじゃ」
「は?」
「この手の輩は行動に起点がある。触れたり話しかけたりな。目が出てきたということは、目に何かあるんじゃ」
「・・・・・・」
そうして伊織は髑髏の目と見つめ合った。
「・・・・・・」
じっと目玉の奥を覗くように意識が集中していく。
「・・・・・・」
髑髏の目玉は動かない。
「・・・・・・ハア、馬鹿らしい」
脱力した伊織は髑髏から意識をそらして座る。
「なんじゃ、馬鹿らしいなどと」
「この髑髏が化生の類だというのはわかる。だが、ただあるだけならば気にする必要もないだろう」
「そうは言うがな・・・・・・」
「まあ、戸口を塞がれていては出られんからな」
そう言うと伊織は鞘から刀を抜いた。
「今日はここでするとしよう」
刀を構えた伊織は素振りを始めた。
「全く・・・・・・緊張感がないというか、無関心が過ぎるというか・・・・・・」
紅玉の書は髑髏を放って日課を始めた伊織に呆れたが、それによって紅玉の書も髑髏から意識が逸れた。
「・・・・・・ん?」
気づくと、髑髏は無くなっていた。
「なんじゃ・・・・・・こうもすんなり消えおった・・・・・・まさか、意識するから存在する怪異であったか」
伊織は素振りを続けていた。