宮本物怪録   作:ダイダゼノンド

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元の稲生物怪録に似せようとしたら時間がかかりました。
不定期更新なのでそこら辺はご容赦ください。


十三日目 髑髏

「ん、ん~~・・・・・・」

この日、伊織は日の出と共に目を覚ました。

布団から出てたたみ、服装を正す。

刀を差せば鍛錬に向かう準備ができる。

「・・・・・・?」

草履を履こうと玄関に意識を向けると、そこには大小様々な髑髏が転がっていた。

「・・・・・・いたずらか?いや、いたずらでもわざわざ墓地から人骨は運ばないだろうが・・・・・・」

「ふああ〜あ・・・・・・よく寝たわい、てなんじゃこれは!?」

眠っていた紅玉の書も目を覚まし、玄関の髑髏に目を見開いた。

「起きたか、爺さん」

「よく冷静でいられるのう・・・・・・伊織よ、これは・・・・・・」

「俺が起きてからこうだった。由は分からん」

「う~む・・・・・・怪異の類と見て良さそうじゃな」

「怪異?」

「うむ。一際大きい髑髏があるじゃろう?」

転がっていた髑髏の中には、一際目を引く大きさの髑髏があった。その髑髏は伊織の下半身と同じ大きさをしていた。

「確かにあるな」

「そうじゃ。この手の話はよくあるものじゃ。大概放っておけば消えようが・・・・・・」

「いつ消えるかはわからんと?」

「うむ」

どうしたものかと頭を抱える。もうじきカヤが来るかもしれないからだ。

「とりあえず、運べるだけ外に運び出しておこう」

そう言うと伊織は一番大きな髑髏を持とうとする。

「!?」

伊織が近づくと、髑髏は眼窩の中から目玉が出現した。

思わず手を離して後ずさる。目玉は変わらず伊織を見つめている。

「・・・・・・爺さん、これは、本当に放っておけば消えるのか?」

「伊織よ、その目には注意するんじゃ」

「は?」

「この手の輩は行動に起点がある。触れたり話しかけたりな。目が出てきたということは、目に何かあるんじゃ」

「・・・・・・」

そうして伊織は髑髏の目と見つめ合った。

「・・・・・・」

じっと目玉の奥を覗くように意識が集中していく。

「・・・・・・」

髑髏の目玉は動かない。

「・・・・・・ハア、馬鹿らしい」

脱力した伊織は髑髏から意識をそらして座る。

「なんじゃ、馬鹿らしいなどと」

「この髑髏が化生の類だというのはわかる。だが、ただあるだけならば気にする必要もないだろう」

「そうは言うがな・・・・・・」

「まあ、戸口を塞がれていては出られんからな」

そう言うと伊織は鞘から刀を抜いた。

「今日はここでするとしよう」

刀を構えた伊織は素振りを始めた。

「全く・・・・・・緊張感がないというか、無関心が過ぎるというか・・・・・・」

紅玉の書は髑髏を放って日課を始めた伊織に呆れたが、それによって紅玉の書も髑髏から意識が逸れた。

「・・・・・・ん?」

気づくと、髑髏は無くなっていた。

「なんじゃ・・・・・・こうもすんなり消えおった・・・・・・まさか、意識するから存在する怪異であったか」

伊織は素振りを続けていた。

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