ハーメルンて結構色々出来るんですね。
人によっては苦手かも。
ご注意を。
暗い夜道。
現代では街灯や建物から漏れ出る光によって、明るく闇を感じることも少なくなった。
しかし、江戸時代では電気などなく、例えば夜回りをするときは蝋燭などを用いる提灯や行燈が使われていたということは想像に難くない。
この日、伊織は助の進に頼まれ夜の江戸、それも浅草の町を提灯片手に夜回りをしていた。
「・・・・・・もう夜風が寒くなってきたな」
人通りも無く満月に満たない月の明かりで照らされた浅草の町は寂寥を感じさせるが、ところどころで家屋から聞こえてくるいびきや話し声が夜道に一人という幻想感を打ち消し、かつ人の温かさを肌に感じさせる。
「もう半分は歩いたか。やはり、歩き慣れた場所というものは速歩きになってしまうな」
長屋を出て東へ進み、長屋の近くに戻ってきた。
「まあ、頼まれたのは一晩だしな・・・・・・まだ終えられんか」
空から色が消え、黒い星空に変わった頃に始めたが、まだまだ一時間と経っていない。
これから日が昇るまでだと思うと、どうにも火が保つかが心配になる。
「ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・」
「む?」
町中にある小さな社に差し掛かったとき、猫背の男を一人見つけた。
「ハァ、ハァ、ハァ・・・・・・」
「・・・・・・」
「ハァ、ハァ、ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・」
「・・・・・・」
「ああっ!待って!」
何も見なかったことにして夜回りに戻ろうとしたが、呼び止められた。
「なんだ・・・・・・生憎何もしていない者に構う程の暇は無い」
「ハァ・・・・・・そんな事言わず、そんな事言わずにさぁ・・・・・・ね?ね?」
「・・・・・・要件ならば、疾く申せ」
「ハァ、ハァ、ハァ・・・・・・今、どんな褌してるの?」
「」
「ああ!待って待って!」
その場を離れようとしたが止められた。
「・・・・・・貴殿は・・・・・・そういったものは・・・・・・いや、生涯心に留めておけ」
「いいからいいから♡ハァ・・・・・・でぇ?どんな褌してるの?もしかしてぇん、してないの!?」
「いい加減にしろ」
「ヒィィッ!」
あまりの気色悪さに思わず抜刀し、首筋に刃をかざす。
「全く・・・・・・お前のような者が出るから夜回りをしなければならないんだ」
「罵られてる・・・・・・良い♡・・・・・・」
「・・・・・・」
「ああっ!!!!!やめて!!!!!当たってる当たってる切れちゃう切れちゃう!!!!!」
「・・・・・・」
この時、伊織は今までしたことがない顔をしていた。絶対に身内には見せられない顔である。
「ハァハァハァハァハァ♡・・・・・・聞きたいことがあってぇ♡」
「・・・・・・」
声を発さず首に刃を当て続ける。
「ハァ・・・・・・お兄さぁん♡・・・・・・お尻・・・・・・見゛゛゛…って…え゛゛っ!ぇ゛!゛……゛!」
「・・・・・・」
付き合うのも馬鹿らしくなり、納刀して踵を返した。
「待゛っ゛でっ゛!」
「ええいっ!離せ!」
男は伊織の袖を縋るように掴む。
「待って!終わり!ホント!これで終わりだから!」
「信用できるか!」
「ホント!本当です!この通り!」
そう言う男は土下座をしていた。
「全く・・・・・・わかった。これで最後だぞ」
「ハァ♡・・・・・・」
男は立ち上がり、着物の帯を外し、脱ぎ始めた。
それを見る伊織は、まるで鳥の糞に塗れた岩を見るような、吉原に入り浸る文無しの言い訳を聞かされている時のような、そんな救いようのないものを見るような目をしていた。
「どおおっ゛おうっぅっっ!゛゛!?゛゛゛゛゛゛!!゛゛゛゛゛゛!?゛゛!!?゛゛!」
そうして尻を露出した男の尻には巨大な目玉があった。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
目玉が見えた瞬間、鞘から刃を抜き目玉に刺した。
男は悶え苦しんでいるが尻に目がある時点で人間では無い化生の者。気にする道理はありはしない。
血を流し蹲る男を尻目に、今度こそ何もなかったように伊織はその場から立ち去った。
いやー、濁音が多い!キモい!まあ、こういうのは今回だけにします。
はい。